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ミステリの祭典

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翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
メルカトル鮎&木更津悠也

作家 麻耶雄嵩
出版日1991年05月
平均点6.88点
書評数115人

No.95 8点 蟷螂の斧
(2014/01/12 21:21登録)
アンチミステリーの問題作(初心者向けではない)という書評があり、手を付けていない1冊でした。バカミス・メタミステリー・アンチミステリー等々にようやく免疫?(笑)ができてきましたので拝読。予想以上に楽しめました。メルカトルがいい味を出していました。最後はちょっと複雑にし過ぎた感もありますが・・・。

No.94 5点 smk
(2013/12/23 08:59登録)
新本格ミステリであり、アンチミステリでもあり。
探偵役とワトソン役がとにかくウザい。推理小説にしか存在しえない探偵って感じ。
犯人については予想の範囲内であり、意外性はなかった。
犯行可能性とかもほぼ度外視しているが、設定やどんどん殺されているのに切迫感がないところから、リアリティを求めるのは無粋といったところか。
この作品で自分には本格物は合わないのだと実感しました。

No.93 8点 アイス・コーヒー
(2013/11/20 17:43登録)
巨大な城で次々と殺されていく今鏡家の人々。名探偵の木更津は解決を試みるがうまくいかない。謎が謎を呼ぶ事件の中、もう一人の探偵・メルカトル鮎が現れ、事件は怒涛の推理劇となっていく。著者デビュー作。

明らかに好き嫌いが分かれる作品だ。まず、思いっきりミステリファンのために書かれた作品なので、初心者は手を出さないことをお勧めする。メインのトリックにも「は?」と、なってしまうしアンチミステリというものに馴染めないだろう。普通のミステリではない事を承知していただきたい。
本作はアンチミステリの部類に入ると同時に、新本格の影響を色濃く受けた作品だ。この点は文庫版解説に詳しい。推理に次ぐ推理、事件の連続、否定と死の繰り返しは「虚無への供物」を思い出させる。ページからは殺人者の悪意だけが伝わってきた。
ブラックユーモアが多く、殺人も残忍。密室トリックも肩すかしに近い。しかし、所詮本格ミステリは分からなかった読者の負け。どんな結末であってもそれはそこに存在するのだ。
個人的にはどこかこころ惹かれるものがあった。いくつかのシナリオに気にいらない点があるが…

No.92 10点 kowai
(2013/08/20 00:45登録)
なんじゃこりゃーって感じのこの夏イチのエンターテイメントな「ミステリ」でした。マニアックな設定で-1点、非現実的なシチュエーションで-1点、唖然呆然させてもらったので+2点。

No.91 4点 mozart
(2012/11/25 07:55登録)
この作家の作品を読んだのは、「メルカトルと美袋のための殺人」と「隻眼の少女」に続き三作目でした。前者で銘探偵メルカトルのキャラクターに(好きになれないものの)興味を持ったので、「最後の事件」であるならば読んでみても良いかも、と思って手を出しました。「隻眼の少女」で作者のパワーに打ちのめされた経験もあって、結構期待しながら読んだのですが、全体的に読みにくいのはともかく、やはりこの作品のカラーは自分向けではなかった、というのが正直な感想です。

No.90 8点 白い風
(2012/09/24 22:47登録)
この作家さんの登場人物はどうも好きになれないな~。
メインの探偵が次の殺人を待っている傾向があるから。
それ故、作品にのめり込めない。
でも、それを割り引いても、木更津&メルカトル鮎などの推理解説、ラストは意外性があって大いに楽しめました。
特にメインの密室の謎は真相を含め斬新で面白かったですね。

No.89 5点 okutetsu
(2012/08/15 10:36登録)
ラストのどんでん返しにはそれなりに驚いた。
しかし、いろんな意味で無理のあるストーリーだしお約束を裏切るためだけに用意したような木更津の推理はさすがに許容できないし、それで納得している周りも頭がおかしくなったのかと思った。
処女作だから仕方ないとは言え文章も読みづらく、登場人物の誰も好きになれそうになかった。

No.88 6点 ミステリ初心者
(2012/07/28 11:40登録)
ネタバレあります。


 メルカトル最後の事件、なんて書いてあるもんだから、作中の時系列的に最後であることに意味があるのかな?と思い、探偵が犯人なんだと決め付けて読んだら、死にましたw
 エラリー・クイーンのシリーズ作品を知らなかったので、ミスリードの見立てに気付かず、後悔しました。

 探偵が誰だか分からないこと、シリーズ探偵が死ぬこと、ヒント提供役のような人が嘘をついていること、偽探偵のギャグのような推理… かなりお約束を裏切っています。 推理小説のお約束が分かる人ほど面白いと思います。 自分の分からないネタが沢山ありました。

No.87 7点 2815
(2012/01/03 14:48登録)
ミステリの要素を詰め込みすぎの感は否めないが、21歳の作だから仕方なしか?でもその世界を作れる才能には嫉妬を覚える。

どんでん返しの連発には驚いたが、もう少しまとまりがあればと思った。こじつけ感がないでもない。

No.86 6点 いいちこ
(2012/01/03 13:05登録)
評価が極めて難しい作品。
密室、首切り、見立て、連続殺人等、典型的な本格ミステリのガジェットが、従来のコードを無視する確信犯的な手法でことごとくぶち壊されていく。
そして最後に示される密室に対するバカミス的解答と、恐るべき真相。
21歳の若さでと評価する人がいるが逆だ。
21歳でなければ書けない作品だろう。
作者の稚気あふれる意欲と奇想は評価するが、リアリズムやロジックとは無縁なファンタジーの世界。
ミステリに何を求めるかによって評価が分かれる作品

No.85 7点 あびびび
(2011/12/10 12:30登録)
読み終わって、「なんだこりゃ!」と思ったが、弱冠21歳デビューと言うことでさらに驚いた。文の読みづらさとか、そんなことはまったく関係なし、薀蓄の容量はやはりただものではないと。

しかし、エピローグで明かされた真相(まだ次がありそうだが?)は無理があると思った。さらにメルカトルと言う探偵、副題になっているのになんと存在感のないこと!

No.84 7点 E-BANKER
(2011/11/28 22:28登録)
記念すべき(?)作者デビュー長編にして問題作。
実はノベルズ版出版時に購入し読んでいたのですが、その後しばらくの間、私を「麻耶嫌い」にさせた作品でもあるのです。

~首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人・・・etc。京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城と見紛うばかりの館・「蒼鴉城」を私が訪れたとき、惨劇はすでに始まっていた。2人の名探偵の火花散る対決の行方は。そして迎える壮絶な結末・・・名立たる作家たちの賛辞を受けた著者のデビュー作~

再読して改めて思いましたが、何とも言えない「パンチ」の効いた作品ですよねぇ。
本作が出版された当時、弱冠20歳の青年が作者だと分かったとき、相当の衝撃を受けましたが、同時に、全編に漂う何とも言えない「作り物めいたような」、「地に付いてないような」文書とあまりにも詰め込み過ぎた本格モノのガジェットに中てられ、この作者の作品は読むべきではないという気にさせられてしまいました。

ただ、メルカトル鮎登場以降、次々に出しては壊される推理&真相は、やっぱり圧倒的なパワーは感じざるを得ません。
はっきりいって、「密室トリック」(これは笑撃!)にしても、「見立て」(これもスゴイね)にしても、最後に明かされる真犯人の正体(これに至ってはもう笑うしかない・・・)にしても、もはやリアリティ云々なんて完全に無関係。とにかく、「書きたいことを書きたいように書いている」としか言いようがない。
これを「是」とするか「否」とするかは、読者の嗜好と度量次第でしょう。
「私」?・・・まぁ、決して嫌いではないですよ。もちろん。
麻耶雄嵩という稀代のミステリー作家が、成虫に羽化していくためのまさに「蛹」の作品なのでしょう。
その後、余計な肉を削ぎ落とし、見事な成虫になったのですから・・・
(なんか、書評になってないような気がしますが・・・)

No.83 6点 好兵衛
(2011/11/15 02:07登録)
この方はすごい方ですね!
好き嫌いがはっきり別れるんじゃないかなと思います。

独特の雰囲気、ミステリ好きを驚かせようという
気迫満点です。

とにかく、ぶっ飛んでいて面白かったです。
探偵の使い方、あのおどろき密室推理!
いろんな方向からビックリさせてやろう
という仕掛けが面白かったです。
ただ、やはりぶっ飛び過ぎていて真相が…

これを読んでから、『黒死館殺人事件』を
読んで見ましたが、こちらのほうがしっかりしていて
面白いです。

ミステリを沢山読んでいる人程、
面白いのではないでしょうか。
アンチミステリはミステリ好きのためにあると思います。

No.82 6点 3880403
(2011/04/30 03:03登録)
二転三転するところが面白いし見事にやられた。
ただし、文章は読みにくかった。

No.81 7点 simo10
(2011/03/10 23:25登録)
島田荘司、綾辻行人、法月綸太郎らそうそうたる作家達の推す麻耶作品を初めて読んでみました。
はっきり言って、「何だこりゃ」と思いました。すごい作品だと思う気持ちと、よくこんな作品が文庫化されたものだと思う気持ちが3:7くらいの比率でした。登場人物の奇怪な名前も含めて、非常に独特な世界観。いつの時代の作品なのかと思ってしまう。
すごいと思ったのがやり過ぎなくらいミステリの要素を詰まっているところ(こういうのをバカミスと呼ぶのかな)。どんでんあり、密室あり、探偵あり、首切りあり、連続殺人ありと何でもありです。特に秀逸だったのが密室に関するあの推理。あまりにもブっ飛んでいて鳥肌が立ちました。
難点はこのような内容だと登場人物を描き切れない点かな。ほとんど感情移入できず、名前が記号化された状態でした。特に副題に関するあの出来事は正に「何だこりゃ」状態でした。
とはいえトータルで見ればわくわくしながら読めて、非常に楽しめました(批判的な人はすごい多そうですが)。他の作品も読もうかなと思ったら講談社系はほとんど絶版と知ってがっかり。復刊ドットコムにでも書き込もうかな。

No.80 9点 りゅう
(2010/12/04 21:42登録)
 読後、すごい作品を読んだなと思いました。アンチミステリ作品がどういうものか知りませんでしたが、読んでみると、まさしくアンチミステリでした。ミステリ作品の要素として考えられるものをふんだんに盛り込みながら、通常のパターンをことごとく外しています。これをデビュー作でやったというのですから、驚きです。ミステリ初心者が最初に読む作品としては、絶対お薦めできません。クイーンの国名シリーズに関する知識を持っていた方が楽しめます。もっと言えば、黒死館殺人事件も読んでおいた方が楽しめるようですが(私は途中で挫折しており、おそらく普通の人は読了できない作品だと思います)。途中で木更津が披露する推理の突拍子のなさは空前絶後と言ってよく、これを読むだけでも価値があると思います。文章の方ですが、私は全く抵抗を感じなかったし、言葉の使い方等でもおかしいと思ったところはありませんでした(私の日本語のセンスに問題があるのかな)。本格ミステリとはいえず、この犯人を当てるのは無理だと思います。

No.79 7点 測量ボ-イ
(2010/08/18 21:01登録)
皆さんの書評を拝見すると賛否両論あるようですが、僕に
とっては満足いく作品です。
文章の読みづらさはそんなに感じませんでした。
ツッコミどころは、他の方の指摘にもありますように、こ
の真犯人にこの犯罪がなし得るか?というところですが、
僕にとってはそんなに気にならなかったです。

No.78 5点 seiryuu
(2010/07/16 18:35登録)
独特の文章で慣れるまで読みにくかった。
中盤からは探偵役が次々と変わり 最後まで犯人がわからなくて
面白かった。
ただトリックに懲りすぎて 人物がうまく書かれていないのが気になった。

No.77 9点 zz
(2010/01/24 01:17登録)
ひさびさに鳥肌ものの楽しさだった

No.76 3点 E
(2010/01/23 23:48登録)
異色で度肝を抜かれる構成・設定。驚愕続きでした。
ミステリー小説の中でも目立つ奇抜さじゃないか、と思っています。そういう意味でかなり印象的な小説でしたが登場人物がことごとく駄目でした・・・。
でも、他の作品も読んでみませんとね!!うん;(爆)

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