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ミステリの祭典

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パラレルワールド・ラブストーリー

作家 東野圭吾
出版日1997年02月
平均点6.89点
書評数36人

No.36 6点 sophia
(2016/06/24 21:19登録)
タイトルの付け方絶対間違ってると思う。
内容は未来版の「こころ」と言ったところでしょうか。

No.35 7点 斎藤警部
(2016/06/23 19:42登録)
これぞ謎。。。 もし清張が延々と長らえていたら、この話の核心あたりでサブジャンルを越え東野に玉座を渡す契機を自覚したのでは? などと妄想。
通常現実と現実科学と空想科学が4D空間でトリプル交錯するような、バリンジャーの「消された時間」を本気の科学者スピリットで綺麗に建て直し彩り直したかのような機軸感満載。しかし科学の子の良心に殉じ過ぎたか、、こんなスウィートなタイトル付けてからに何たるビターでスクェアなストーリー展開。いっそ甘ったるい現実感無きファンタジーで良かったのに、この題名を割り振るなら。幻想遊泳の世界に拡散させず最後きっちり全ての謎にミステリ流儀の落とし前を付けたのは剛腕天晴れだが、そんな強面の作品ならしっかり強面の表題を冠して欲しかった。『邂逅』とか(?)。
しかし泣けなかったなぁ。。最後に不意打ちのエピローグで奥歯を噛み締めさせて欲しかった。期待は外れた。それでも相当に面白い。この圧倒的底力は何なんだ??

No.34 5点 いいちこ
(2016/02/19 20:44登録)
好き嫌いの範疇に属する話で恐縮だが、作者の描く女性は総じて従順で没個性な古典的女性像が多いように感じられるところ、本作のヒロインはとりわけ人間的魅力に欠けており、主人公2人がこの女性を巡って熾烈な争いを演じる点には、強い違和感を感じる。
また、彼女の不可解なまでの優柔不断と交際相手の交替が事態を混迷に陥れており、言動に一貫性と合理性が感じられない。
タイトルのネーミングはもはや脱力レベル。
冒頭の山手線と京浜東北線が並走するシーンは、プロットとの親和性と相まって、強く印象に残ったが、正直それだけの作品。
相変わらず洗練されたストーリーテリングを評価してかろうじて5点としたが、同じヴァーチャル・リアリティを扱った「クラインの壷」には遠く及ばない印象

No.33 8点 まさむね
(2011/08/01 22:48登録)
 久しぶりに,読後の余韻に浸れた作品。
 交互に語られていく現在と過去。混乱する記憶。一体何が真実なのか…と疑心暗鬼になりながら,次第に「なぜ,彼はそうなったのか」というホワイダニット的な面でも惹きつけられました。でもやっぱり真実との境目が(読者にとっても)危ういところがミソ。目を離せません。
 これらの謎が終盤で明らかにされたとき,切なさとともに,一種の安堵感(語弊がある?)が。個人的には,「記憶」に残るであろう作品。改編されない限りにおいて,ですけど。
 ちなみに,実は「パラレルワールド」ではなく,そして「ラブストーリー」でもないような…って読後にほくそ笑んだのは私だけ?

No.32 9点 Tetchy
(2011/06/30 21:43登録)
まず冒頭の電車のシーンがツボだった。多分これからあの区間を山手線、京浜東北線に乗るたびにこの物語を思い出しそうな気がする。

殺人事件が起きずにこれほどハラハラさせられるミステリは最近読んだことがない。そう、“ラブストーリー”と題名に附されながら、これは極上のミステリだ。

何よりも本書はある一人の人物に尽きる。それは敦賀崇史の親友、三輪智彦だ。
冒頭に私は本書はラブストーリーだと銘打ちながら実は極上のミステリだと書いたが、最後にいたってこれはなんとも切ない自己犠牲愛に満ちたラブストーリーなのだと訂正する。
こんなに心に残る話は無条件で10点を献上したいところだが、『魔球』同様、犠牲を被る相手に不満が残ってしまう。特に今回は社会的弱者の立場の人間が自ら犠牲になるというのがどうしてもしこりとして残ってしまう。上にも書いたが、不遇な境遇を強いられた彼がようやく手に入れた唯一無二の幸せ。それさえも身障者という理由で諦めなければならないのだろうか?

誰もが幸せになるために選んだ道は実は誰もが不幸になる道であった。謎は解かれなければならないのがミステリだが、本書においては知らなくてもいいことがあり、それを知ってしまうことが不幸の始まりであった。
『変身』では記憶を自らの存在意義の証と訴えた東野は本書では記憶のまた別の意味を提示してくれた。次は何を彼は問いかけるのだろうか?

No.31 9点 haruka
(2011/05/05 14:54登録)
登場人物たちの切ない思いに感情移入しまくり。決してハッピーエンドではないが、結末も納得感があった。

No.30 4点 江守森江
(2011/01/12 14:44登録)
山手線と京浜東北線が平行(パラレルと掛けている)して運行され窓越しに見初める。
親友とひとりの女性を巡り、愛情と友情の間で揺れる。
以上の2つは実体験があり非常にノスタルジックだった。
採点については、主体がSF恋愛小説だが伏線の回収やツイストも含めて一応ミステリーの範疇にはある気がするので範疇外な2点にはしなかった(もっともノスタルジックな反面でさして面白くもない)
※パラレルな余談
この作品の影響なのか?6つもパラレルワールドが存在する変な夢を見た。
違っているのは‘嫁’だけで、パラレルワールドでの嫁はそれぞれ中越典子・中山忍・星野真里・伊東美咲・三浦理恵子・栗山千明の御贔屓な美人《貧乳》女優達だった。
そして現実世界の嫁が嫁本人なのか?日頃から似ていると思っている(女優の)ミムラなのか?夢なので判別できなかったのはご愛敬(←エッチして判別する瞬間、嫁に「朝ご飯よ!」と起こされた)←コレって夢オチ?!

No.29 2点 ムラ
(2010/12/15 22:06登録)
突っ込みどころが多い上に、展開もなんか微妙
ミステリとしても半端だし、恋愛物としても半端でした。
作者が東野さんなだけになお残念

No.28 6点 seiryuu
(2010/07/16 18:48登録)
構成を複雑にしてあるけど ストーリーと登場人物はシンプルだ。
現実と過去が交互でややこしかった。
男性向きの作品だと思う。
麻由子はよく記憶改編された崇史と暮らせたなと思う。

No.27 5点 STAR
(2010/03/24 22:44登録)
こちらで好評価だったので、読んでみました。ミステリーではなく、ラブストーリーですね。
親友の彼女に恋する主人公・ラストの展開では、せつなさが残ります。
主人公や親友の研究内容などラストが予想できてしまったので、低めの評価です。
ラブストーリーとしての評価なら、もっと高い評価にしたと思います。

No.26 7点 ミステリー三昧
(2009/10/18 09:31登録)
<講談社文庫>ミステリアスな恋愛模様を描いたヒューマン・ラブストーリーです。
冒頭が好きですね。電車の窓越しで抱く淡い恋心がどう進展していくのかが気になり、のっけから東野ワールドに引き込まれました。「青春の恋愛」を思わせる序章に反して、一章からは実にシリアスな大人の恋愛模様が描かれていて、想像した以上に重い内容ではありました。
この作品は「友情を取るか?愛情を取るか?」という難題に真剣に向き合った力作だと思います。二つの愛の形とその間で揺らぐ女性の葛藤を描きつつも、ミステリーとしての体裁は崩さずにいくつもの違和感を抱かせながらラストまで読者を引っ張ってくれます。
違和感の原因は薄々感じ取れましたが、それから派生する「なぜ記憶の〇〇が行われたのか?」という最終的な問いかけはわかりませんでした。その答えは驚愕の真実としてラストに提示されるわけですが、私的には高評価です。まさにパラレルワールドでしたが伏線も上手く回収していますし、意外性という面でも成功していました。
結末でも「ある疑問」が解消されるわけですが、そのまま2周目したくなるぐらい強烈な余韻を残してくれました。
余談ですが、『同級生』『変身』『分身』『むかし僕が死んだ家』『パラレルワールド・ラブストーリー』。この5作品を個人的に「東野"私"五部作」と呼ぶことにします(解説に便乗してみました)。

No.25 6点 simo10
(2009/09/09 21:27登録)
タイトルからしてミステリではなさそうだと思ったんですが、
やっぱ気になって読んでみたらストーリー自体が謎掛けのようになっていたんですね。
片一方の世界では親友の三輪智彦が一向に姿を現さず、
重苦しくて謎めいていて、悲しげな雰囲気が演出されており、序盤からすごく引き込まれました。
真相に関してはヒントが十分に与えられており、特にミスリードもなかったので意外性には欠ける感じがしました。
この作品に関してはラストは東野風にちょっとダークな結末でも良かったかなと思ってしまった。

No.24 9点 ソウ
(2009/01/10 20:40登録)
自分は、せつない話が好きなので、この作者では「秘密」と並ぶ最高級評価です。謎めいたプロローグが、物語の最後に効いてます。ラストの「ひとつだけ聞いておきたいことがある」というセリフの後の質問に鳥肌がたちました。読後の余韻が半端じゃなかったです。

No.23 7点 こう
(2008/09/25 23:43登録)
主人公側からの視点で全く違うストーリーがカットバック形式で語られていきますがさすがに時間軸をずらしているのは予想つきます。あとはどう収束してゆくかですが「記憶操作」がテーマとなっておりミステリとはいえないと思いました。あとはストーリーにのめりこめるかどうかですが比較的スリリングに書かれていて実現困難だと思いますが読み物として面白いと思いました。
 ただ主人公が前の彼女と途中で遭遇したときの会話で本人が記憶違いを確信したはずですが同じようなケースで昏睡に陥った後輩がいたと思いますがストーリー上まずいのではないでしょうか。

No.22 5点 COBRA
(2008/06/13 14:28登録)
単に新ジャンル、ラブストーリーも書いてみました的な感じ。

No.21 4点 いけお
(2007/10/10 13:00登録)
読み物としては面白いが、ただそれだけって感じ。
深そうで深くないと思う。

No.20 4点 くりからもんもん
(2007/10/02 19:48登録)
読み物としてはおもしろいのですが、脳に関する話が現実とかけ離れすぎていて、のめり込めませんでした。書かれた時代を考えても、やはり勉強不足としか言いようがない。現代ミステリと言うよりは未来SFという感じですが、その割には設定が身近すぎて違和感があります。
ラストも著者らしいといえばらしいのですが、もっとすごいどんでん返しがあるのかと期待していた割には....
4点は厳しいと思いますが、あくまでも私の感想であって、誰が読んでも楽しめる作品であることは間違いないと思います。

No.19 6点 シーマスター
(2007/08/08 21:25登録)
『変身』『分身』に続く人体実験シリーズ第3弾。

主人公の2つの視点からなるストーリーが交互に展開するという形をとっているが、両方とも舞台も登場人物もほぼ同じで、客観的な差異は1年足らずの時間のズレだけ、というものだから話が進み両者の関係が密接になってくると、どうにもコンガラガりやすく辛いものもあった。

「恋愛と友情」というテーマを記憶操作という(現在あり得ない)超ハイテクに乗せてミステリチックに仕立ててあり、この作者らしい斬新な意欲作といえるだろう。

個人的には、ヒロインの中途半端な態度が悲劇の元凶になったように感じられ後味もあまり芳しいものではなかった。

No.18 7点 akkta2007
(2007/07/25 06:52登録)
読んでいくうちに段々と内容に引き込まれていきそうな作品であった。
実際に通り過ぎた自分の過去と記憶が一致しない・・・・
いわゆる記憶喪失の状態であるが・・・
その中で3人の友情、愛情が様々な鍵を握る・・・
夢中になれる作品には間違いない。
考えてもいなかった結末にも少し驚かされた!

No.17 9点 アホウドリ
(2007/06/17 14:14登録)
一見複雑そうに見えるストーリー展開でしたが、非常に分かり
易く面白かったです。

登場人物が自分に置きかえれるので、なぜ?なぜ?と自然と推
理してしまいました。

単なるミステリーではなく、恋愛要素の非常に強い作品ですが
一般的な恋愛感は全く感じられず、その点に置いても評価でき
ます。

かなりの高評価を付けていますが、やはりラストシーンが印象
的だったからです。切ないですが、あまりに美しいラストに感
動しました。

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