姑獲鳥の夏 百鬼夜行シリーズ |
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作家 | 京極夏彦 |
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出版日 | 1994年08月 |
平均点 | 6.90点 |
書評数 | 168人 |
No.148 | 6点 | いいちこ | |
(2014/07/31 09:34登録) 京極堂が延々と語る薀蓄が単なるペダンティズムではなく、作品世界の説明や真相の伏線として必要不可欠である点等、想定以上に緻密に構成されている印象。 確かに乱暴な点はあるものの、許容できないほどアンフェアだとは思わない。 冒頭の認識論における心と脳の共犯関係は真相を強く示唆するものだし、榎木津の「見たままじゃないか。謎なんかない。馬鹿馬鹿しい。帰る」はミスディレクションとして強烈に機能しており鮮やかな印象。 ただ、使用されている複数のトリックはことごとく、夢オチ同然とまでは言わないまでも、それを持ち出したらどんな不可能犯罪でも説明可能という類のもの。 事態の不可解さが圧倒的であるだけに、それとは裏腹に解決がチープに感じられる点は否めない |
No.147 | 7点 | あんこう | |
(2014/04/11 14:06登録) 魍魎に比べると、読むのが少しつらい。 |
No.146 | 6点 | ボナンザ | |
(2014/04/07 22:47登録) 圧倒的力業。この頃はまだ読んでて手が痛くなるようなことはなかった。 |
No.145 | 8点 | アイス・コーヒー | |
(2013/11/17 15:18登録) 「二十箇月もの間子供を身籠ることが出来ると思うか」物書きの関口巽は友人であり古書店店長の「京極堂」こと中禅寺秋彦に問いかけた。病院を経営する久遠寺家の梗子のことである。彼女のことを知るために探偵の榎木津のもとに向かった関口は、梗子の姉である涼子にである。病院で失踪した梗子の夫、牧朗の消息を探していたのだった。「百鬼夜行」シリーズ第一作。 妊婦の姿をした妖魔「うぶめ」をテーマに、母、子、人間の奥底に沈む狂気を描いている。特筆すべきはまず、京極堂の膨大な薀蓄である。ここで挫折しそうになるのだが、頑張って脱出。実は演出上重要なところだったりする。そして、まさに大長編の名にふさわしいページ数。でも、読み始めると意外に気にならなくなってくるので未読の方はご安心を。 ミステリとしては薀蓄と裏技ばかりの禁じ手で、本来の意味での本格には程遠い。ただ、伏線はちゃんと張っているのでフェアプレー。この部分はあきらめて許容するしかない。一方で、本作の主題は、複雑に重なり合っている怪奇な現象(嬰児誘拐、密室からの失踪、謎の記憶、奇妙な妊婦…)が現実の出来事として解決し、なおかつその根源に「うぶめ」の呪いが関わっているという事だろう。「憑物落とし」という行為は尋常でない人間の心と脳の内面を太陽のもとに晒し、解決するものだ。 そういう意味で本作は読者に戦慄を与え、犯罪者心理を鮮やかに描いた数少ない作品ではないだろうか。 |
No.144 | 5点 | HORNET | |
(2013/03/24 16:16登録) 妖怪が絡んでくる印象が強い氏の作品は、ロジック重視、現実的な純然たる謎解き重視の本格ミステリファンには敬遠されがち(?)。このサイトの書評にも「読まず嫌い」という言葉が散見される。本格黄金期の海外古典や、国内新本格作品が好みの私もこれまで手を出さずに来たが、前々から興味はあり、今回思い切って手を出した。 結果・・・面白いじゃないですか!何といっても京極堂、関口、榎木津、木場の四者四様のキャラクターと、作品特有の雰囲気にやられた。京極堂の薀蓄も、全く苦にならないどころかむしろそれ単体で面白い。はっきり言ってファイロ・ヴァンスやドルリイ・レーンのペダントリーは読み飛ばすが、こっちは全然読める。結局西洋の薀蓄は煩わしいが、東洋だと面白く思えるということか・・・いや、ちょっと違うかな。やたら広範囲にわたる知識をひけらかすのでなく、妖怪や人間心理といったことに関してのみの考察が展開されるから面白く読めるのかも。 ただミステリとしての評価となると、「そりゃないっしょ」という感じも強い、特に本作品は。だから最初に書いたようなこと「だけ」を期待する人にはハズレと感じるかも。だから点数はこんな感じでとどめておいた。京極夏彦が、好みが別れる作家(というか百鬼夜行シリーズが)だということはよく分かった。私はとても好きになった! |
No.143 | 4点 | 奇妙なイビキ | |
(2013/03/21 15:04登録) はい、読まず嫌いしていました。榎木津が登場するまではもう拷問でした。笑 お気に入りのキャラクターはできましたが(特に榎木津)、僕の好きなミステリーではありませんでした。作者の造形の深さには感心しますが、再読する気が今は起こりません。。読み切った達成感よりも疲れ、不満が勝ってしまった作品です。魍魎の匵、絡新婦蜘蛛の理も読む気ではいますが、当分先になりそうです。 |
No.142 | 4点 | 測量ボ-イ | |
(2013/02/05 21:15登録) このサイトをご覧の方なら殆どの方が知っている著名作家です が、皆さんの書評やあのぶ厚さ(!)でいままで敬遠していま した。 でも食わず嫌いはいけないと思い、この作品を読みました・・ ・・やっぱりダメでした(苦笑)。 ミステリ-に合理的解決を求める人にはあわないかも。 |
No.141 | 8点 | TON2 | |
(2012/11/26 20:53登録) 講談社NOBELS 今思えばトリックはまるでバカミスですが、饒舌な京極堂がしゃべる内容の一つ一つが伏線となっていて、全くありえない状況ではあるけれど、よくできていると思いました。 映画も見ましたが、やはり映像化は難しい作品だったというのが感想です。 |
No.140 | 9点 | mohicant | |
(2012/10/24 21:41登録) 他の作家が同じトリックを使ったらバカミスになってしまう。だがこの作品は沢山の文章を費やして、このトリックが本格的に感じられるだけの土台、世界観を作り上げていると感じた。京極夏彦はこの作品を持ち込みしてデビューしたそうだが、持ち込まれた出版社はたいそう驚いただろう。 |
No.139 | 4点 | スパイラルライフ | |
(2012/02/19 22:30登録) 食わず嫌いだった氏の作品。気力を振り絞って手に取ったこの一冊。 物語として面白いし、僭越ながら京極氏が人気があるのも頷けると感じました。 ただ、ミステリーではないと強く思う。 本作品のオチが私が特に苦手なせいかもしれませんが、氏の作品との距離がさらに離れた。 同じボリューム読むなら人狼城や暗黒館の方が達成感を裏切らないとかなぁ。 賛否両論の一冊だと思いますが、私は『否』です。 |
No.138 | 9点 | NAP | |
(2012/02/15 23:14登録) おもしろかったです。 あんまなにも考えず、読みごたえのある長編希望!なあたしはいいシリーズと出会えたと思ってます。 好き嫌いとかじゃなく、とりあえずこの文章。すごいと思っちゃった。すごいよ。 |
No.137 | 7点 | 大泉耕作 | |
(2012/01/04 21:54登録) 京極夏彦ははじめてです。 解決の章におよそ百ページ費やされた分、非常に丁寧な解決となっていて好印象を持ちました。 が、探偵小説としては推理の余地がないため幾らかがっくり。しかし、これはもともとロジックがどうだ、こうだの小説じゃないですし、書評は難しい・・・。 世界観は横溝正史に似たようでありながら独特の雰囲気を作り出し、読者が寛大に見ればすんなりと入り込める世界になっています。 プロットも著者が暇つぶしに書いたものしては、本業のヘタな文士たちに比べて抜群に巧妙で、学もあります。読んでも損はないと思います。 ミステリとしての評価は前者の皆さまのいう通り大分落ちますが・・・。 |
No.136 | 4点 | 蟷螂の斧 | |
(2011/10/01 21:03登録) 食わず(読まず)嫌いで、京極作品は初めてです。中盤までは結構良かったのですが、やはり後半は肌に合いませんでした。夢、精神、人格等によるラスト(オチ)のあるミステリーは多くありますが、どうも好みではありません。 |
No.135 | 5点 | あい | |
(2011/06/24 12:26登録) ミステリとして期待しすぎた分、真相解明には拍子抜けしてしまった。独特の雰囲気はこのシリーズの持ち味だと思うが、純粋に自分には合わなかった。 |
No.134 | 6点 | minii | |
(2011/05/25 22:45登録) 登場人物一人ひとりの個性にプラス1点! ストーリー自体は、ちょっとミステリーという意味では納得いかない。 それは、確かに不思議なことは何もないけど・・・ってゆうレベルのもっていきように、少々がっかり。 読み物として、いろいろな知識も得られるし、描写がリアルでさくさく楽しくは読めたかな。初京極作品、次に期待します。 |
No.133 | 5点 | 好兵衛 | |
(2011/04/24 01:57登録) 京極氏の作品は点をつけるのが大変ですね。 頭が痛いです・・・ 百鬼夜行シリーズ。大好きですが。 ミステリの評価サイトなのでミステリとして 評価させていただきます。 賛否両論真っ二つに分かれる作風ではないでしょうか。 トリック、謎の解決が無理矢理なところは否めません。 斬新といえば、斬新で。そこが面白いと思うのですが。 ロジックとは違い、センスが問われるのがトリックだと思うので。 推理小説好きな方が、が最後まであの量を読んだ後 まじですか!?と言ってしまうような オチです。 京極氏本人が言うように妖怪小説が正しいはずです。 ただし、見る所(人)によって点数がかなり変わる作品です。 以下京極作品評価参考 10~7 妖怪、ぺダントリー好き 京極氏のキャラクター 話しの語り口、雰囲気が好き。 京極氏ファン(もうやみつき)。 6~4 おどろおどろしい雰囲気を味わいつつ 謎、殺人もおまけ程度に欲しい人。 3~1 筋の通ったトリック、オチ。論理的な解釈結末 をこの作品にもとめてみる方。 本格を読むつもりで見る方。 姑獲鳥は、キャラクターが結構真面目で楽しいです。 薀蓄の量も質もいい。関口と京極堂の出番が多いのも魅力。 |
No.132 | 6点 | misty2 | |
(2011/02/22 21:46登録) 魍魎の匣を拝読したく、先ずはと購入。 滑らかな文章で、小生とは相性が良い。 ミステリーに部類するのか疑問ではあるが、楽しく拝読させていただいた。 |
No.131 | 4点 | ムラ | |
(2011/01/16 02:53登録) トリックのほうはたっぷりと伏線出してくるからビックリする感じでは無いでした。というかあれくらい説明されても正直推理物とカテゴリーしたら納得できん。 その代わり妖怪の情報や民俗学、または意識と無意識についての情報をたっぷりと出してくるのが面白いところです。 一風代わった人々も良かったです。 たた解決パートがちとだれた。わかってる情報を100Pくらい読まされるのはきつい。妖怪講座とかなら1000P出してくれてもいいのに。 |
No.130 | 7点 | okutetsu | |
(2010/10/11 21:14登録) 面白かったです。 他の小説にはない雰囲気でサクサク読みすすめられました。 このシリーズは今後も読んでいきたいと思わせる作品でした。 結末に若干の違和感と説明されてない点がある気がするのでこの点数で。 |
No.129 | 9点 | メルカトル | |
(2010/06/02 00:39登録) 初版が刊行されると同時に読んだのだが、あの夏は一生忘れないだろう。 書店に平積みされていた時点で、この小説には明らかにこれまでに経験した事のないオーラを感じたし、新たな時代の到来を予感させるに十分な装丁を纏っていたように思う。 ただし本作にトリックはない。 見えるとか見えないとか、トリックだと思うから腹が立つのであって、エンターテインメントと割り切れば瑣末な問題だと気付くであろう。 純粋なミステリでないのでマイナス1点。 |