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ミステリの祭典

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シャーロック・ホームズの冒険
シャーロック・ホームズシリーズ

作家 アーサー・コナン・ドイル
出版日1953年04月
平均点8.22点
書評数40人

No.20 8点 mini
(2013/08/29 09:56登録)
先日ジョージ・ニューンズ社から「ストランド版 シャーロック・ホームズの冒険 上」が刊行された、上下巻それぞれ6編づつ収録
ジョージ・ニューンズ社と聞いてすぐ分かる人は一応のホームズ通だ、そうあの雑誌ストランド誌の発行元である
この時のストランド誌掲載版の雰囲気を再現しようという試みらしく、新訳日本語だが横書きで、つまりオリジナル版の英語をそのまま日本語に置き換えた感じだ
もちろんシドニー・バジェットの挿絵も当時の雰囲気そのままに再現されているらしい
これで価格が800円台なのだからホームズファンは間違いなく買いだろうな
「ホームズの冒険」を書評するなら今でしょ!という事で書評済だったけど今回のタイミングに合わせて一旦削除して再登録

ドイルという作家の持ち味は伝奇ロマン志向だ
作中でホームズがワトスンに対し、”理知的推理を君が枝葉をつけて物語が過剰になってる”と非難する件がある
つまりは作者ドイルも自身の持ち味を分かってたんじゃないかな、ドイル自身は戯画化されたホームズよりもワトスンに近いタイプだという説は昔から有るしね
この伝奇ロマン志向が無かったら魅力半減だろうしね

あまり言及されない短編についてちょっと
「花婿の正体」は低い評価が多いが、これは○○トリックが嫌われているのが理由だろうが、昨今は異常に○○トリックを忌み嫌う読者が多いな、それだとクリスティなんか読めないよな(苦笑)
私は割と○○トリックにアレルギーが無いので気にならなかった、むしろ「花婿の正体」こそミステリー短編のエッセンスって感じがするんだよな
だいたいさぁ、「花婿の正体」の○○トリックを批判しておきながら、「唇のねじれた男」に対しては好意的な風潮なのは解せないよな
「技師の親指」は地味だが私好みな短編で、朧気な場所の推定などは面白い
「緑柱石宝冠事件」も話題にならない作だが、雪上の足跡から推論を巡らす件などホームズ式捜査の特徴は出ているんじゃないだろうか
「ぶな屋敷」はいわゆる館もので舞台設定的には私の好みじゃないが、後の時代に数多く書かれるお屋敷ものの原型を創ったんじゃないかな

No.19 6点 TON2
(2012/11/04 10:59登録)
ホームズの第1短編集。有名な「赤髪組合」や「まだらの紐」も入っています。「ボヘミアの醜聞」はホームズが出し抜かれた話です。
ホームズのもとに持ち込まれる問題は、家族間の遺産問題や義理の娘の財産などに関するものが多いです。

No.18 10点 ミステリーオタク
(2012/09/09 23:07登録)
「赤髪組合」「まだらの紐」「唇のねじれた男」は素晴らしい

No.17 9点 大泉耕作
(2011/11/24 18:28登録)
ホームズは初めてです。
シャーロック・ホームズって人情味があってやや人間臭い人物なンですね。
それにしてもホームズの洞察力は凄いなぁ。ホームズが十六世紀ぐらいに誕生していたら、間違いなく「魔女」として火破りにされていただろうなぁ。

No.16 9点
(2011/11/17 09:41登録)
本短編シリーズの魅力は、奇想天外で不気味な謎が提起されることと、そこからとんでもない方向へと発展してゆく、変化とスリルのある展開とにあると思う。
本格黄金時代作家の作品では時代性をほとんど感じられないが、ホームズ物はヴィクトリア朝の時代性を垣間見ることができ、古めかしさも存分に楽しめる。
キャラクタはもちろん良い。ホームズの独善的ともいえる行動や言動は嫌味ではなく、奇抜な謎の中にあっては不思議なほど映えている。
テンポのよい語り口も申し分なし。

尻すぼみな作品もあるが、そんな作品でも中途は十分に楽しめる。とにかく名編ぞろいで、みな心をときめかせてくれた。
小学生のときジュニア版を読んで以来だから、なにもかも忘れているはずだけど、その後、ジェレミー・ブレット主演のドラマも見たし、数多の似非ホームズにも触れてきたから、今回の再読では何十年もの間読んでいなかったわりには、ホームズ&ワトソンを驚くほど身近に感じることができた。
あらすじについて記憶していたのは、映像が頭に焼き付いている「まだらの紐」と「唇の捩れた男」ぐらいだった。
一般的にはミステリ初心者向きなのだろうが、奇想な物語を好む人なら、いくつになっても、初読でも再読でも楽しめると思う。だからシャーロキアンが存在するのでしょう。

ホームズとワトソンによる階段の段数問答がどの話の中に入っていたのか、このサイトを初めて訪れて以来ずっと気になっていたが、このたび本書を読み始めてすぐに解決した。実は、長編「恐怖の谷」の中だと思っていた。

No.15 10点 おっさん
(2011/08/22 13:46登録)
光文社文庫の日暮雅通・個人全訳で読み返すホームズ譚、その第三回は、シリーズ(そして作者)を一気にブレイクさせたファースト短編集です。創刊されたばかりの新雑誌『ストランド』の1891年7月号から、翌年6月号まで、毎月、読み切り連載された――最初は6篇の契約だったのが、圧倒的な好評に、急遽あと6篇の追加が決定された――黄金の1ダースです。
日暮氏の訳文は、たとえば旧来“ジプシー”と訳されていた人々が“ロマ”とされているように、アップツーデートなもので、古典らしい格調には欠けますが、読みやすさは一品。19世紀のお話が、新作の時代小説のように読めます(平易な注釈が巻末にまとめられているのも良し)。
中味のほうは――けっして緻密に構想された作品群ではなく、ある意味、ストーリーテラーが馬車馬のように商売に徹した成果なわけですが、縛られた形式のなかで変化を考えていくことで、イマジネーションと話術が高まり、ドイルの探偵作家としてのセンスが開花していきます。
巻頭の「ボヘミアの醜聞〔スキャンダル〕」を見てみましょう。
ポオの「盗まれた手紙」を換骨奪胎した、貴重な写真の奪回作戦。
ゴージャスな依頼人、ヒーローV.S.ヒロイン、加速するストーリー、変装とアクション、初回にして予想外の決着・・・いや面白い。こりゃ人気がでるわけですわ。

 「きみならどうやって探すんだい?」
 「探したりはしない」
 「じゃあ、どうするんだ?」
 「本人に場所を教えさせるのさ」

これこれ、このやり取り。この謎かけからクライマックスへ一気にもっていくのがドイル流。隠し場所は(ちょっと分かりにくい場所なら)別にどこでもいいw
「魅力的な謎」と「意外な解決」のあいだ、小説の構造上、どうしてもダレがちなところをどう面白くつなぐか、その技術において、ドイルは卓越しています。
つまるところ、ポオのデュパンもので中核に置かれていた推論行程を継承せず、探偵の身体的活動、“冒険”の興味で引っ張るわけですが、先の引用でわかるように、ポイントでは知的興奮を喚起することを忘れません。

 「すると道を訊ねたりしたのはあの男を見るためだったのかい」
 「あいつを見るためじゃない」
 「じゃあ、何を?」
 「あいつのズボンの膝さ」(「赤毛組合」)

 「でもね、ようやく解決への鍵をつかんだんだ」
 「その鍵はどこにあるんだい?」
 「浴室さ」(「唇のねじれた男」)

とはいえ一篇一篇を取り上げればムラもありますし、あるいは最上の作品といえど、プロットを批判的に分析したら論外となるかもしれません。たとえば――アレはそんなふうに飼育できないの、非科学的じゃん!!!
なるほど。でもね、人間がアレに対する生理的嫌悪感を無くさない限り、あのお話は、そのショックと悪夢のようなリアリティを失わず、読み継がれると思うんだよね。
そう、いにしえのお伽話のように。
よくある“完成度が高い”といったレヴェルをはるかに超え、探偵小説の神話的イメージを封じ込めた本書のような作品を評するには、やはりこの一言がふさわしいと思います。
曰く、偉大。

No.14 5点 misty2
(2011/03/27 22:24登録)
有り難く拝読。
変装行為が苦手な小生、受け入れられない場面が発生してしまう。
しかし良いですね。

No.13 6点 ムラ
(2011/03/01 18:56登録)
子供の頃によく読んだシャーロックホームズ。久しぶりに読んで見たらとにかく懐かしかった。
ミステリの入門としてはぜひ読んでほしい作品である。
この中でもやっぱり印象深いのが赤毛連盟だろうか。他はちょっと首を傾げる所もあるけどこの作品の完成度は随一だった。

No.12 9点 E-BANKER
(2010/09/19 22:11登録)
記念すべきシャーロックホームズ探偵譚の第一集。
名作ぞろいです。
①「ボヘミアの醜聞」=初っ端から、珍しくホームズ氏が失敗した作品が登場。
②「赤髪組合」=知らない人はいない超有名作品。今さら論ずるまでもなくよくできてます。まさに短編の見本。
③「花婿失踪事件」=本シリーズにおいては、「変装」=誰も気付かないという法則があるようです。
④「ボスコム谷の惨劇」=フーダニットとしてはちょっと中途半端かな?
⑤「オレンジの種5つ」=この作品、ラストがやや尻切れ気味。ワザとかな? 
⑥「唇の捩れた男」=これも③と同様の趣向あり。
⑦「青いガーネット」=ライトな作品。他に隠し場所はなかったのか?
⑧「まだらの紐」=これも超有名作品。果たして「あれ」が金庫で飼えるのかはさておいて、やっぱり雰囲気は申し分なし。
⑨「花嫁失踪事件」=花婿の次は花嫁が登場。よっぽど「失踪」するのが流行してたんでしょうか?
⑩「ブナ屋敷」=この作品集、動機は「金銭欲」というのが多い。本作もそうか?
全10編。
やっぱり、「シャーロック・ホームズ」を堪能するのであれば、本作品集は欠かせません。
私もジュブナイルで読んで以降、触れる機会さえなかったわけですが、やっぱりホームズ物をはずして「推理小説」は語れないと思ってしまいました。

No.11 9点 こう
(2010/08/01 23:55登録)
 海外ミステリ好きの方はほとんどポーもしくはドイルから読み始めているのでないでしょうか。私も小学生の時この作品集(のジュブナイル)を読んだのが最初です。
 後年このシリーズのあらはたくさん目につくようになりましたが魅力的な探偵、魅力的な謎を教えてくれた作品です。
 やはりミステリ初心者の時に是非読んでほしい作品です。

No.10 8点 itokin
(2010/07/19 11:53登録)
謎解きの度合いは少ないが、ホームズのキャラクター、ワトソンとの掛け合い、短編ながら意外性のある物語などやはり古典の名作だと思う。現在読んでも十分楽しめた。

No.9 8点 kanamori
(2010/07/17 20:56登録)
海外ミステリベスト10からこの作品集を外すことは難しいでしょう。
たしかに、ミステリとして客観的にみると不満な点がいくらかあるでしょうが、その後のミステリ界に与えた影響は計り知れないものがあると思います。

No.8 7点 isurrender
(2010/02/12 03:14登録)
世界のビックリニュース的なテレビ番組で
赤毛連盟を模倣したようなトリックがたまに起こることを考えると、世界に与えた衝撃はすごいなぁと思う

No.7 6点 江守森江
(2010/01/03 22:23登録)
翻訳物の読み難さを体現している。
こんなのから翻訳本を読み始めたら高確率で翻訳アレルギーになる。
ミステリーへの入口として小学生の頃に子供向けで読むか、私みたくドラマ版から入る方が取っつき易い。
それでも、映像で内容を知っていながら一番読み進まなかった作品ではないだろうか。
敢えて、書評サイトである事を承知で言わせてもらうならグラナダ版(特に露口・長門コンビの吹き替え)のドラマを観るだけなのが一番満足度が高い気がする。
※余談
因みに、ドラマの人気投票一位は「赤髪連盟」だった。
※採点は古典的価値で翻訳の読み難さを相殺した。

No.6 7点
(2009/10/07 19:46登録)
ホームズ初登場の短編『ボヘミアの醜聞』は、なんとこの名探偵のいわば失敗談ともいうべき話です。こういう意外な作品から、ストランド・マガジンへの連載は開始されたんですね。
全編を通して、1910年台いわゆる本格派黄金時代以降確立された考え方に則って見れば、不満なところもあるでしょう。特に『ボスコム渓谷の惨劇』『五個のオレンジの種』等は意外性が全くないと思うかもしれません。しかし、そのような不満は社会派の観点から横溝正史を批判するのと同じような無いものねだりにすぎないと思います。
××にミルクだとか(卵ならまだわかりますが)、土をどうしたのかとか、有名作にも論理的・科学的欠陥は指摘されていますが、そういったあら捜しも楽しい古典中の古典です。

No.5 10点 堀木正雄
(2009/01/18 15:53登録)
「赤髪組合」
今では定番ですが、トリックが最高です。
ホームズシリーズでは一番ではないでしょうか。

No.4 6点 dei
(2008/10/16 17:20登録)
子供のころを思い出しながら読めた
今これが新作で出ても・・・とはおもう

No.3 8点 シュウ
(2008/10/13 22:36登録)
ミステリとしてはたしかに物足りない部分もありますが、ホームズとワトスンの掛け合いを読んでるだけでも漫才的な意味で楽しいです。
「ボヘミアの醜聞」の冒頭でこの2人が再会するときの会話がお気に入りです。

No.2 7点 Tetchy
(2008/06/14 23:29登録)
この『シャーロック・ホームズの冒険』はオールタイム・ベスト選出に必ず上位5位の内に入る逸品ではあるが、三十路を控えた我が身にはやはり子供の頃のように純粋に愉しめたとは云えない。
やっぱり今読むと、ホームズの推理は恣意的かつ独善的に感じるし、ワトスンは医者の割にはアホじゃなかろうか?と思えるほど盲目的に見える。
でも各短編はヴァラエティに富んでいるので、推理小説というものを未体験ならば、お勧めできる。
やっぱ小学生ぐらいのときに読むのが妥当だろうな。

No.1 9点 あい
(2008/03/12 15:01登録)
読み物として素晴らしいと思う。なかでも赤毛連盟(赤毛組合)は傑作

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