ヨモツイクサ |
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作家 | 知念実希人 |
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出版日 | 2023年05月 |
平均点 | 7.75点 |
書評数 | 12人 |
No.12 | 7点 | take5 | |
(2024/02/18 10:46登録) ネタバレあります。 リーダビリティ高し。 200ページほどまでで 完全に荒唐無稽の世界観を構築する筆力。 最近アイヌの伝承に関わるミステリを 凍てつく太陽で楽しみましたが そちらは文化へのリスペクトを感じ こちらは不思議さしか感じない 完全にプレデター扱いなのがある意味清いです。 35?ページの反転にはびっくりしました。 あれだけ字がでかいので。 そしてフォントも怖かったですw ゾンビ系って流行ってるんですかね。 古い人間で7点以上つくイメージが 湧かずファンの方すみません。 小学生の息子が同じ部屋でかがみの孤城を読んでいますが 次にヨモツイクサは勧めないなあ~と。 |
No.11 | 6点 | mozart | |
(2024/02/14 19:08登録) 所謂バイオホラーではあるもののどんでん返しと様々な伏線をしっかり回収する「衝撃の結末」に至る本格ミステリーということで世間の評価が高いのは理解できるのですが、ヨモツイクサ、アミタンネ、イザナミ、イメルヨミグモの生態や外観がうまくイメージできなくて個人的にはちょっと…といった感想でした。多分グロい描写が余り頭に入らず結果的に重要な箇所を斜め読みしていたせいなのでしょう。ただ結末の破壊力は相当なものであることは事実でその点は感服しました。 (疑問点:ネタバレ注意) 鍛冶達を貪ったヨモツイクサ成体が茜を襲わず弱点である腹部を晒したりアミタンネや現イザナミの攻撃から守るのは彼女を自分の生みの親(イザナミ)と認識しているからであるならば何故(椿の意識など持ち合わせていないはずなのに)小此木は襲われないのだろうか?アミタンネが小此木を襲わないのは彼が茜と比べて「取るに足らない」対象であるからという記述はあるけれど。それから小室紗枝から「生まれた」ヨモツイクサ幼体も茜に仕える「兵隊」であるはずなのに何故攻撃してきたのだろうか。生まれたばかりで右も左も分からないから?う~ん、やはりちゃんと読めていないのでしょうね。 |
No.10 | 8点 | HORNET | |
(2023/11/26 17:16登録) 北海道旭川に《黄泉の森》と呼ばれ、人々が怖れてきた禁域があった。そこには未知なる生物「ヨモツイクサ」がいて、迷い込んだ人間を食い殺すとの言い伝えが。その禁域を大手ホテル会社が開発しようとするのだが、ある日事務所が荒らされ、作業員全員がいなくなっていた。警察は、「ヒグマの仕業」と見込んで捜索をしようとする。一方、地元病院に勤める外科医・佐原茜は、7年前に家族が忽然と消える「神隠し事件」に遭っており、今も家族を捜していた。2つの事件は繋がっているのか。失踪した家族の手がかりがつかめるのではと、茜も捜索隊に参加するが… ゾンビ系のホラー映画さながらの設定。DNAだの遺伝だのといった科学的理屈をそこまでつけなくてもいいような気がするが、医師でもある作者だからこそか。また、これらの理屈による「心神喪失状態」が、本作の目的そのものと言ってもよい「最後の一撃」の根幹になる設定であるので、そう考えれば不可欠であった。 今でも「禁忌」とみなす向きもあるこの着地の仕方を、物語の設定によって潜り抜け、衝撃的な「一撃」(まるまる1ページ使って…)を食らわせる作者の企みは成功していると思う。 私も、巧みにちらつかせられた"レッドへリング"にまんまとパクついていたので、その上をいく一撃には完全にやられた。 作者の作品の中でも秀でた一作として位置づけられるのではないかと思う。 |
No.9 | 7点 | まさむね | |
(2023/10/28 00:19登録) 序盤からグイグイ引き込まれる展開。緊張感もあって、期待も高まりましたね。ホラーとしても秀逸。力作だと思います。 一方で、結末というか、「肝」となる部分は結構早めに想像することができます。それこそ、伏線が蒼く光って見えるようです。逆にミスリードに嵌っているのかぁ、くらいの感覚。後半のバトルシーンも素晴らしかったのだけれど、「早く答え合わせしたい」という気持ちの方が勝ったりして。最後の最後の一捻りも想定の範囲内と言えます。 …などと書きつつも、楽しく読ませていただいたことは事実。医療の知識や経験をベースとしながら、この作者さんの裾野は相当に広そうで、今後も楽しみに新作を待つことになると思います。 |
No.8 | 7点 | 人並由真 | |
(2023/07/06 22:33登録) (ネタバレなし) 北海道の旭川と富良野の周辺で、リゾート開発工事に従事していた作業員が行方不明になる。現地は、地獄から来た怪物が棲むという伝説が残る「黄泉の森」と呼ばれる一帯、またはその近隣だった。7年前に酪農を営んでいた両親、祖母、そして婦人警官だった姉が突如として一家丸ごと行方不明になるという怪異を体験し、いまだ解決の糸口さえ見えない30代半ばの女性外科医・佐原茜は今回の事件に関心を抱くが。 話題作なので読んでみた。 しかし期待値が高すぎたせいか(何しろ、評者が投票する前までの本サイトの平均点だけいけば、現時点でオールタイムベストワンなのだ!~まだ10票行ってないから、看板ページには掲示されないが)「あらら……こんなもんか」でもあった。 いや、たしかに筆力のある、専門知識を持った作家の力作で、和製クライトンという感じなのだが、一方でそこにある面白さが全部、悪い意味でそれぞれのカテゴリーの内(ホラー、サスペンス、謎解きミステリの側面)に収まってしまっているというか。 もしかしたら、こっちの読み方というか味わい方が悪いのかもしれん。 懐かしの『包丁人味平』風にいえば、味平ライスを出されて「なんだチャーハンか」→「いや、これは!」と素直に驚けばいいものを、料理そのものは、お腹いっぱいにおいしくいただきながら「結局はチャーハンだね」とうそぶくような、そんな感じなのである。しかしそれが現状のホンネだから、仕方がない(汗)。 まあ映画化の企画はどっかで動いてると思うけど、万が一実現したら、早く観たい、とは思う。 |
No.7 | 9点 | sophia | |
(2023/07/02 22:04登録) ネタバレあり 「エイリアン2」様のパニックホラーとしては大変面白かったのですが、ミステリーの観点から言うと、行動を支配されるという設定にした以上何でもありになってしまいましたし、ヒントが多かったので終盤の丸々1ページを使った満を持した真相開示にも「やっぱりそうなのね」という気持ちが勝ってそこまで驚けませんでした。とはいえ××であることまでは読めませんでしたし、改めて章タイトルを見返すとその真の意味が分かる仕組みが優れており戦慄が走ります。このギミックは目次で「エイリアン2」を思い浮かべた私のような人間に特に有効でしょう。それ故にこの話は第三章で終わっていれば奇麗だったのではないかと思うのですが、エピローグは必要だったでしょうか。 追記 再読すると作者が整合性にとても気を遣っている作品だと分かりましたので1点プラスします。 |
No.6 | 8点 | 文生 | |
(2023/06/27 21:25登録) 読む前は評価高すぎだろうと思っていたのですが、これが大変面白かったです。まず前半は体重1トン近い人喰いヒグマの追跡劇をサスペンスたっぷりに描いていてこれだけでも大満足な出来映え。中盤からはにわかにバイオホラーとなり、面白いことは面白いのだけどいささかやりすぎで、これはちょっとB級かなと感じていたところ終盤のあれに驚かされ、思わずのけぞってしまいました。結局、B級ではあるのですが、最後まで読むとそれも気にならなくなります。もしかしたら2023年6月現在、今年読んだ本の中で1番面白かったかもしれません。 |
No.5 | 5点 | ALFA | |
(2023/06/25 13:48登録) 洗練されたプロット、なめらかな文体。とてもよくできた正真正銘のバイオホラー。 これ以上は何も書けない。 相性のいい読者なら満点間違いなしだが、私にはどうにも馴染まなかった。 |
No.4 | 9点 | 蟷螂の斧 | |
(2023/06/07 13:38登録) 戦慄のバイオ・ホラー作品ということで評判倒れ?と危惧したが、それは杞憂に終わった。知念実希人氏はホラー作家ではなく、あくまでもミステリー作家なのだ(笑)。(注)完全ネタバレサイトがもう出現しています。 |
No.3 | 10点 | ひとこと | |
(2023/06/01 18:23登録) ああ…びっくりした。帯や前評判が過剰に期待を煽る前に読むべきですね(といいつつ満点をつけるのは良くないような気もする) |
No.2 | 9点 | メルカトル | |
(2023/05/30 22:50登録) ヨモツイクサって一体何なんだって?そんな事は知らなくてよろしい。と言うより知らないほうが良い。これを読もうかどうか迷っている人、今すぐ書店に走りなさい。ネットで注文しなさい。図書館に予約しなさい。僭越ながら本サイトの参加者の中で最もホラーを読んでいると勝手に思っている私が言うのだから間違いありません。とは言え、保証は出来ませんし、責任は取り兼ねますが。本書は中短編は別として、長編ホラーではあの『黒い家』を自分の中で超えてきました。十年に一度の傑作だと思います。 内容には敢えて触れません。この点数を見たらついAmazonで検索したくなる気持ちは分かりますが、出来る限り予備知識なしで読んで頂きたい作品なので、まっさらな状態で本書を開いてみて下さい。そしてみりんさんのおっしゃる通り、最後の方のページは決して見ない事、これ肝心です。理由は最後まで読めば分かります。因みに私は奥付きを見ようとしてつい目に入ってしまい、少々後悔しましたので、私の轍を踏まないようして下さい。 『このミス』がダメなら(可能性はあるが)、いっそのこと本屋大賞(『硝子の塔の殺人』で逃しているので)を獲って欲しいです。 |
No.1 | 8点 | みりん | |
(2023/05/18 00:15登録) 相変わらず医療シーンで筆が乗っているのが伝わってくる…が今回のメインはバイオホラーらしいのでジャンルもホラーに入れておきました。 映像化されたら目を背けてしまうであろうシーンばかりで戦慄の連続とそれに相反する生物の神秘が上手い具合に調和している。 「残りページどれくらいかな〜」なんてペラペラ後ろの方をめくるのは要注意と言っておきます。 ここからネタバレ 正直途中まで「この作者はいつも真犯人分かりやすすぎるのがあまり良くないな〜」「結局愛の力か〜ご都合主義だなあ」と思っていたが…見事に予想を裏切ってくれた。青年漫画の「ベルセルク」を思い起こさせるダークファンタジーのようなラストが好きだ。映像化されたら目を背けてしまうといったけれど是非とも映像でも見てみたい。 追記:とある理由から-1 |