海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

みりんさん
平均点: 6.66点 書評数: 533件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.333 7点 女には向かない職業- P・D・ジェイムズ 2024/08/24 09:35
いかにも代表作ですみたいな顔をしておいてまさかの異色作だった。ダルグリッシュ警視がいつもは探偵役なのね…有名作からではなく、刊行年度順に読むのが吉と教訓を得た。読む速度と盛り上がりの両方ともに序盤はゆるやか、徐々に加速、終盤で最高速に。なるほど、すべてはエピローグでアレをやりたかったかがための布石だったわけか。秀逸なタイトルに感心してしまった。

<教訓メモ>
「お金のために結婚をするのはよくないよ、でも、お金のある人と結婚おし」

文庫本で370ページであるが、改行が異常に少なく、ねちっこい文章のためか体感は500ページほど。元ネタ学習のつもりで軽い気持ちで読むと、途中で投げ出したくなった。それもそのはずで、解説によるとP・D・ジェイムズは私のような初心者が手を出してはいけない典型的なマニア好み作家だそうだ。本作はジェイムズ作品群の中でも抜群に読みやすく、人気を博しているとのこと。全然読みやすくはなかったけどなあ(泣) 読みにくさを打ち消すほど面白かったからいいけど!

No.332 7点 真珠母の匣- 中井英夫 2024/08/23 00:01
『幻想博物館』『悪夢の骨牌』『人外境通信』に続くとらんぷ譚4 ♦️
ついに完結編はダイヤということで、神秘な宝石伝説になぞらえた摩訶不思議な物語かと思いきや、初老の三姉妹が主人公の地味なお話。戦後生まれが増えてきた1972年、いまいちど大正という時代を振り返る。大正時代を生きた三女は心の中にどこか空虚さを抱えており、卑屈で無欲な側面を持つ。宝石でいうとダイヤモンドやサファイヤを追い求めずに贋作で我慢する。タイトル『真珠母の匣』は大正時代≒戦争が三女に植え付けた諦観を表現したものだと解釈しました。本作はそんな人々への熱いエール。あとがきでは"戦争とはついに何だったのか"をこの連作の締めくくりにしたかったと述べていますが、物語の面白さを損なわずにこのテーマを描けているので、目論見は成功でしょう。とらんぷ譚という一連のシリーズとして読むと『悪夢の骨牌』の『薔薇の獄』あたりが境界線となって、まったく別物になっているという印象を受けました。
ちなみに『真珠母の匣』の続きとして、とらんぷのジョーカーに該当する『影の狩人』『幻戯』も載っていますが、両方とも独特で味わい深い良作です。特に『影の狩人』の友情でもましてや恋人でもない絶妙な男同士の関係が好きです。
これでとらんぷ譚全54話読み終わりました。『悪夢の骨牌』に収録されている『大星蝕の夜』が1番のお気に入りです。中井英夫は非ミステリ作家だけど、これからも少しずつ読もうかな。

No.331 5点 人外境通信- 中井英夫 2024/08/20 01:20
『幻想博物館』『悪夢の骨牌』に続くとらんぷ譚3 ♥️
む、ややパワーダウンか。前2作にあった妖美な幻想文学というよりはショートショート微SFというような感じのお話が多い。『鏡に棲む男』や『扉の彼方には』にピーマンを憎み続けし男や内開きの扉を出ることに過度に罪悪感を感じる男などが登場するが、狂人の異常心理・異常行動に狂人なりの論理と納得感があり、読んでいて楽しい。著者の生い立ちが1番反映されていそうなのは『美味迫真』。ロマンスとしては『藍いろの夜』が捻り付きのオチで面白いが、短編集として見ると少し浮いてる印象。というか全体的にこの『人外境通信』はとらんぷ譚にする必要あったのかな?と少し疑問。

どこかで役立つ豆知識(確証なし):中井英夫は絶対ピーマンが大嫌い

No.330 7点 悪夢の骨牌- 中井英夫 2024/08/17 14:48
『幻想博物館』に続くとらんぷ譚2 ♣️(※勝手にシリーズ名を追記したので、まずかったら変更願います)
『幻想博物館』は後半にお気に入りが固まっていましたが、今作の後半は幻想小説というよりはノスタルジックな時空旅行SFであまり刺さらなかったかな。泉鏡花文学賞受賞のインタビューを読むと、中井英夫の生い立ちや戦時中の出来事が作品の後半部分に大きく反映されていることがわかります。戦争や軍国主義への嫌悪から反戦思想に繋がるのは当然だが、当時の無力さが虚無・虚構への逃避、非現実や反世界などのテーマに結びついているっぽい。(このへんは『私の憲法論』『彼方より』等のエッセイを読んでみないとわからんが)
その代わりに1つ飛び抜けて気に入ったのが『大星蝕の夜』で10点満点。ここだけ3回読んでしまった(笑) 稀代の悪女と詩人の男が妄想世界で2人だけの夢の棲家を築きあげるお話。悪女が提唱するミロのヴィーナスの本質は悪女そのもの。ハリボテのユートピアに詩人は最後の最後で最高の復讐を口にする。この歪んだ愛と独特の浮遊感に私の好きな曲がリピートする。きっと今は♪自由に♪空も飛べるはず…

No.329 8点 幻想博物館- 中井英夫 2024/08/16 23:12
「流薔園」は夢遊病者の中でも特に程度の高い幻視者が集う精神病院。精神科の元教授が反地上的な夢を蒐集する幻想博物館として築いた一種の楽園。現代ならお叱りを受けるかもしれないほど攻めた内容ですね。1つ1つはそこまで難解ではありませんが、連作短編として他の話との繋がりを考えはじめると、『ドグラ・マグラ』を連想するほど迷宮に陥ります。
著者の毒物雑学が披露される『黒闇天女』や『チッペンデールの寝台』は傍から見ると滑稽で、図らずもコメディタッチなのが笑えます。
常識からは逸脱した愛の証しに満ち足りる『地下街』、不吉な美が生む○○愛の悲劇『蘇るオルフェウス』、車椅子と白人女の運命の出会いから流薔園送りになった経緯が明かされる『薔薇の夜を旅するとき』の3つが特に気に入りました。
怪奇幻想(妄想)小説として、夢野久作に負けず劣らずの満足感。続きも読みます。

No.328 7点 切断島の殺戮理論- 森晶麿 2024/08/15 04:36
江戸時代の囚人の流刑地「鳥喰島」で起こる因習村系ミステリ。奇妙な因習とか謎の儀式とか複雑な家系図とか、こういうの1番心踊っちゃう。設定を見ると『凶鳥の如き忌むもの』が完全強化フルリメイクされて戻ってきたような嬉しさ。設定だけでなく、ぶっ飛び具合もこちらの方が上。犯人は結構わかりやすいけど、そのさらに上をいく終盤の<あの一撃>には眠気が吹っ飛んだ。わがままだけど、あとはトリックさえあれば…

※ 本サイトの新着書評を四六時中監視していると良い事尽くめですね^ ^

【以下微ネタバレ】





で、途中から突如現れた謎人格はいったいなんやねん

No.327 3点 サージウスの死神- 佐藤憲胤 2024/08/14 11:00
『テスカトリポカ』で有名な佐藤究の幻のデビュー作にして、群像新人文学賞優秀作を受賞した純文学作品。別名義で登録されていたのに気づかず、重複登録するところだった…笑

等身自殺を目撃したことを機に、主人公が賭博に傾倒していく小説。短いセンテンスで描かれる主人公の思考や行動原理や会話に脈絡がなくて支離滅裂。飢餓感や渇望感が常に漂う狂気の世界。それも「さァ、○ケグルイましょう!」アハ みたいなわかりやすい類のヤツではなく、理解不能な真の狂気(少なくとも私には)。さらに、ギャンブル哲学・カネの本質のようなものが話の難解さに拍車をかける。
薬物中毒者から見た世界とはこのようなものであろうかと陶酔感、酩酊感に浸れるのは間違いないが、一般ミステリ読者にはおすすめしない。でも、分かる人が読めば9点・10点つけてもなんらおかしくはない、そんな不思議な小説。
こんな低評価をつけたにもかかわらず、作者の無限大のポテンシャルに期待し、他有名作をはやく読んでみたいと思わせる、そんな不思議な小説。

No.326 6点 オイディプスの刃- 赤江瀑 2024/08/14 01:02
研師と調香師というニッチな世界のお話が主軸として存在する。また、中井英夫(赤江瀑ファンらしい)よろしくゲイバー、すなわち同性愛であったり、オイディプス王モチーフの母親への執着心であったり、一般人にはよくわからん世界のオンパレードである。が、妖刀に幻惑される描写や破滅を齎すラベンダーが香る描写などで「んなアホな」とはならないのが、著者の卓越した筆力を感じさせます。
1番気に入ったのは雪景色と鮮血のコントラスト。幻想文学とまではいかないけど、芸術家肌(ちなみに刀≠芸術らしい笑)で耽美性を求める方には刺さると思います。
母親とその不倫相手を両方愛してしまうとか、ミステリというより純文学やねこれは。もう深淵すぎてよく分からん。うん。

あと現代感覚からすると作品内の関西弁は違和感しかないが、1974年の作品と知り、こんな感じだったのかなと(?)

No.325 6点 夢野久作全集 1- 夢野久作 2024/08/10 21:00
夢野久作が『あやかしの鼓』で中央文壇にデビューする前、童話作家杉山萠圓名義で執筆した童話が19作収録されています。この全集から夢野久作を読んでみよう!って方に待ち受けるのが『白髪小僧』かと思うとなかなか不親切な全集だと思います(笑) 『ルルとミミ』『瓶詰地獄』『死後の恋』あたりから無難に入ることをおすすめします。

『白髪小僧』はお話し好きの美留女姫が自身の未来について予言された本と出会い、次第に現実と虚構が溶け合っていく様はもはや<いつもの>です。夢という主題だけでなく、『犬神博士』のチイような性別の曖昧さというのも既に隠れテーマとして存在しており、この頃からある程度書きたいものが決まっていることが窺い知れます。プロットが複雑で、多くの謎が解明されないまま尻切れトンボのような終わり方は未完と行っても差し支えなく、失敗作でしょう。アンソロジーに収録されない理由もわかります。ちなみに挿し絵は夢野久作の自作らしい。やたらうまい…
個人的に未読の中では『オシャベリ姫』が良かった。オシャベリで貰い手がいない姫がオシャベリで痛い目に遭い、オシャベリで生涯の人を見つけるという喜劇的シンデレラストーリー。中編『豚吉とヒョロ子』は片端者同士の逃避行。トンデモ医者が出てきて掻き回すコメディ寄りの作風で、夢Qにしては綺麗にまとまっている中編の良作。しかし、再読を含めるとやはり1番は『ルルとミミ』です。乙女の本棚シリーズで出会ってから読み返すたびに評価を上げています。

No.324 6点 悪い夏- 染井為人 2024/08/04 13:25
著者のデビュー作&横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作とのことです。見どころは不正受給者・シングルマザー・公務員・ヤクザなど多様な人間たちがそれぞれの思惑で交錯し、破滅へ向かうさま。話の内容自体は重く絶望的だが、第三者から見ると少し滑稽に移るので、ドタバタサスペンスみたいな感じ。現行の生活保護制度に対する警鐘がまさか散々悪事を働いたアウトロー人間から語られるというのが面白い。最近読んだ伊坂幸太郎のグラスホッパーが好きな方は合いそう。

No.323 7点 夏と花火と私の死体- 乙一 2024/08/03 18:44
夏なのでホラーを。ホラーで書評数50件ってすごい人気ですね。
ホラーだなと思って読んでいると、なぜか私は猜疑心がゼロになるのでラストのオチでやられました。田舎の雰囲気や情景描写がうまくて、花火を見に行きたくなりましたね。

No.322 6点 傲慢と善良- 辻村深月 2024/07/27 18:57
第1章は失踪した婚約者を捜索する現代版『ゼロの焦点』という感じでサスペンスとして非常に読み応えがあります。第2章からはかなり別物。
架が傲慢役で真実(まみ)が善良役かと推測して読んでいく。しかし、婚活という歪な環境を通して、相反するこの2つの特性が同じ1人の人間に備わっていることに気付かされた。自己愛からくる傲慢と自己不信からくる善良。ここまで書いちゃうの?という内容で刺さる人がいるのも頷ける。

ストーリー的には真実(まみ)にも少しだけイライラさせられるが、架の女友達が1番傲慢で性悪で浅はかでクズだと思う。そして、さすがに真実(まみ)に都合の良すぎるラストだと思う。

No.321 8点 ウナギの罠- ヤーン・エクストレム 2024/07/23 21:54
去年「中国のジョン・ディクスン・カー」で美味しい思いをしたので、「スウェーデンのジョン・ディクスン・カー」も賞味することに(←いや本家読めよ) 事前評判8点×2で私で3人目というのもなぜか一致。いやあ、いつも後乗りばかりして申し訳なく思います…

豪華絢爛三連密室『厳冬之棺』と違って納得のいく一本密室勝負!映像として容易に想像できるというか、密室のHowでここまで納得感のあるのは久々でした。登場人物の多さ・やや冗長な展開・苦手な翻訳文を補ってなお余りある密室トリック。WhoとWhyがともにショボいとは思いますが、すげえ不可能トリックには脳死で8点以上を付けろと教育を受けてるのでこの点数で。
ヤーン・エクストレムの既訳作品があと1つあるそうで、そちらも読んでみたい。てか全部翻訳してくれ。

No.320 7点 ポー名作集- エドガー・アラン・ポー 2024/07/21 20:13
エドガー・アラン・ポーのアンソロジーはこれで3冊目なので、再読作品も多かった。『モルグ街の殺人』『盗まれた手紙』『マリー・ロジェの謎』『お前が犯人だ』『黄金虫』『スフィンクス』『黒猫』『アシャー館の崩壊』の全8作が収録されています。
これ1冊でポーのミステリー系作品はほぼ網羅できると思われるので、ポーのアンソロジー何読もうって方はこれから読めばいいのではないでしょうか。特に世界初の名探偵オーギュスト・デュパンシリーズが3作とも揃っているのは嬉しいです。今回初読の『マリー・ロジェの謎』はニューヨークで実際に起こった殺人事件をポー自身がデュパンの名前を借りてプロファイリングしたエッセイといっても差し支えなく、あまりバディものとしての面白さはありません。しかし、デュパンの卓越した分析能力を目の当たりにすると、「推理小説」の原点はやはり推理≒ロジックであると認識しました。いつか私にもトリックではなくロジックを偏重する時代がくるのかもしれません。ちなみに安楽椅子探偵の元祖でもあるそうです。
『黒猫』は3読目ですが、異常心理犯罪小説として大変気に入っています。「乙女の本棚シリーズ」では絵本にもなっており、こちらも強くおすすめできます。

No.319 7点 検察側の証人- アガサ・クリスティー 2024/07/21 00:01
読んでる途中に話の大枠を思い出しちゃった。法廷ミステリーとして想定内のどんでん返しに納まっている感もあるが、コンパクトに纏まっているゆえ疑念が生じる前に意表を突かれる(のではないか?)
演技力が大きく関わってくる内容だからこそ演劇で見てみたい。戯曲版だけでなく、短編小説版があるそうで、そちらも読んでみたいなと。

No.318 6点 ねじれた家- アガサ・クリスティー 2024/07/17 19:28
クリスティ自選ベスト10に入るほど自信作とのこと。派手な展開はないものの、レオニデス一家の特殊な背景や人間模様を楽しむいぶし銀みたいな作品だったかな。もし発表年代順に読んでいくと、徐々にこういう類の作品に傾倒していく様が読み取れたりするんかな?と妄想。
あと某作が与えた影響は計り知れないなあと。実は私も事前情報でネタバレの如きものを喰らっていたが、読んでいるうちに「この作品じゃなかったのかなあ?」と徐々に自信をなくし、仕舞いには完全にミスリードされるという(笑) ネタバレまでも貫通してミスリードするこの手腕はさすが女王。というか自分がアホなだけか?

No.317 7点 ゴルフ場殺人事件- アガサ・クリスティー 2024/07/17 00:26
評点が5点台で全く期待してなかったのだが、ふつうに面白い。この人もしかして代表作群が凄すぎて、他のパッとしない作品の評価が霞み&厳しくなりがち?なんとなくロジックを重視する方は合わないかなあと。ポアロが超人すぎて、作者の思いつきをそのまましゃべっているようにしか見えないほど(笑)
複雑な人間関係トリックによる入り組んだ真相が明かされた時の快感たるや。あとベッタベタのメロドラマも自分好みで、読後感も心地よい。

No.316 7点 黄色い部屋の謎- ガストン・ルルー 2024/07/15 00:09
映画『オペラ座の怪人』を見に行くので、ガストン・ルルーの予習。作中で『モルグ街の殺人』のネタバレがガッツリあったので注意です。最近読んだので少しゾッとした(笑)
本サイトの海外作品の中で書評数10位を誇る黄金期の金字塔的作品。
序盤から密室殺人かつ犯人消失というとびきりの不可能犯罪で引っ張ります。さすがに古色蒼然というか、色褪せを感じさせる真相ではあるものの、100年以上前の作品であることを考慮すると水準以上ですね。古典はやはり雰囲気が良いな。
しかし、何の元祖なんだこれ。てっきり心理密室の元祖なのかと思っていたらそうでもないらしい。単純に密室ものとしてよく出来ているから今も評価されてんのかな。

No.315 7点 地雷グリコ- 青崎有吾 2024/07/10 21:47
その昔、ギャンブル漫画がエンターテイメントの頂点であると思い、読み漁っていた時があった。
まさか小説であの楽しみを味わえるとは。本サイトでのジャンル分けは「その他」になっているが、本作が皮切りとなって「ギャンブルミステリ」というジャンルを追加せざるを得ないほど、今後生み出されていくといいな(^^)

地雷グリコ 7点
心理戦の先に得るものは文化祭での屋上使用権。デスゲームでないのが新鮮です。まあ流石に鈍い私でも見え透いた仕掛けですね。掴みとして最高。

坊主衰弱 5点
これは特に工夫がなくて唯一イマイチだったかな。

自由律じゃんけん 7点 
自分で役を作るという斬新なジャンケン。1番タネがわからなくてマジックのようだった。

だるまさんがかぞえた 8点
ルールの盲点を突く。漫画でいうと『ジャンケットバンク』型のバトル。そんなのあり!?と反則一歩手前の勝ち方。こういうのがやっぱりたまらん。

フォールームポーカー 8点
ギャンブルものでポーカーが登場すると間違いなく傑作になるという私の法則(ただしワンポーカーは除く笑) 仕掛けの多彩さを考えると、流石にこれが1番かな。

全体的に高水準であるが、ギャンブルものとしては少し物足りない。決して、人が死なないからというわけではない。ではなぜか?短編集だからだ(←謎理論w)
優勢劣勢が何度も入れ替わるなかで、苦境に立たされながらも、初期から仕掛けられていた思いも寄らぬトリックでひっくり返す。このカタルシスを存分に味わうためには短編では物足りない。
ぜひ続編では『嘘喰い』のエアポーカー、『ライアーゲーム』の密輸ゲーム、『カイジ』のEカード、『エンバンメイズ』の皆月戦に匹敵するほど、緻密でかつ奇想天外、手に汗を握るような心理戦を長編で一発お願いしたい。そして、オリジナルギャンブル小説は本作の大ヒットを機にもっと流行ってほしい。

No.314 7点 白夜行- 東野圭吾 2024/07/08 23:12
膨大な数の登場人物と多様な事件により、物語は複雑に展開していくが、芯となるプロットは一本道。まさに「白夜行」 物語は終始湿度が高く薄暗いノワールサスペンスであり、どちらかというと「極夜行」では?と疑問を抱く。とある人物から「白夜行」というタイトルの意味が語られたとき、突如東野圭吾に最近読んだ宮部みゆきが宿ったように感じた(笑)
あらゆるベクトルに無限散乱した物語は、十九年の時を経て、一つの物悲しい真実に収束する。
読了後の余韻が強烈であり、もう少し贅肉が削ぎ落とされていたらさらに高評価でした。やはり凄いな東野圭吾。

キーワードから探す
みりんさん
ひとこと
(未登録)
好きな作家
(未登録)
採点傾向
平均点: 6.66点   採点数: 533件
採点の多い作家(TOP10)
ジョン・ディクスン・カー(32)
島田荘司(31)
夢野久作(23)
アガサ・クリスティー(22)
連城三紀彦(21)
エドガー・アラン・ポー(21)
江戸川乱歩(19)
三津田信三(15)
白井智之(12)
泡坂妻夫(12)