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パメルさん
平均点: 6.13点 書評数: 622件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.16 6点 瞬間移動死体- 西澤保彦 2024/11/01 19:19
主人公の中島和義は、人気作家の中島景子と結婚してヒモ同然に日々を暮らしていたが、実は幼少の頃より密かに作家になる夢を抱いていた。しかし、その創作意欲を妻が心無い一言で否定したその時、和義は妻を殺す決意を固める。アリバイ工作は完璧だ。ロサンゼルスの別荘で妻が殺された時、自分は東京の自宅にいる。和義には、テレポーテーションの能力があるので可能なのだ。
だが、この能力にはいくつかの欠陥がある。まずテレポートするには一定量のアルコールを摂取しないといけない。下戸の和義は、テレポーテーションを試みる度に朦朧状態になってしまう。またテレポート先に行けるのは生身の体だけなので、衣服を身に着けることは出来ない。当然何も持って行けず、持ち帰ることも出来ない。加えて秀逸なのが、A地点からB地点にテレポートする時、B地点にあったものが何か一つ和義と入れ替わりにA地点に転送されてしまうこと。
和義の計画は思い通りに進まず、妻殺しの計画を断念した現場の別荘で見知らぬ白人男性の刺殺死体が見つかり事態は混迷の度合いを深める。殺人者になるはずだった和義は、奇しくも妻の妹と二人で謎めく殺人事件の探偵役を務めることになる。謎解きの面白さに加えて登場人物たちの異様な人間関係を通して、人の心の深いところにある欲望や浅ましさを描くところに作者らしさが発揮されている。
推理のルールは、テレポーテーションという突飛な能力であろうとしっかり固められている。非現実的な超常現象が存在するものと認められた世界で、しかし事の真相は地に足がついたロジックで詰め切られる。大胆な伏線の張り方や、終始コミカルながらドロドロしたところもあり、ほろ苦いストーリーも、まさに作者の真骨頂と言える。

No.15 6点 幻視時代- 西澤保彦 2023/06/30 06:30
文芸評論家の矢渡利悠人、小説家のオークラ、編集者の長廻の三人は、立ち寄った写真展で恐ろしい事実に気付く。
本書のメインの謎として、写真が撮られていた時点で四年前に亡くなっていた同級生の少女・風祭飛鳥が写り込んでいたという不可解な謎が提示されるが、その謎自体の不可能性に力点はない。なぜ、このような状況が生じたのかという動機の謎こそがメインとなる。この写真が生まれるまでに、様々な人間の様々な行動が関わっており、それら一つ一つの行動がなぜなされたのか、という部分が無理がないように描かれている。
そして本書は、ミステリとしてだけでなく、苦みのある青春小説としても読ませる。飛鳥という奥の深いキャラクター、主人公の恋心、教師である白洲と飛鳥の関係など、その時代特有の人間関係、飛鳥にしても矢渡利にしても、創作の苦しみが描かれ青春している。
目先の重圧を先延ばしし、罪悪感はありながらも、そこまで気負ってやったわけではない行動の積み重ねが、最終的に不幸を呼び寄せてしまうことになるという流れはよく出来ている。
合理的に解き明かすのが困難だろうと思われる謎を、メイン部分に仕込まれた伏線が二転三転する当事者の心理と推理を支えつつ、動機の謎を解き明かす論理展開が見事。

No.14 6点 リドル・ロマンス 迷宮浪漫- 西澤保彦 2023/01/28 08:04
「小説すばる」に不定期掲載されていた謎の人物、ハーレクインが探偵役ならぬ相談役を務める。彼のオフィスに持ち込まれた依頼に耳を傾け、クライアントが望む未来を与える。絡み合った謎が解かれ、明らかになるファンタジーミステリ連作集。
「トランス・ウーマン」結婚式当日、花婿を別の花嫁に奪われてしまった女性。なんとか彼を奪い返したいのだが。報酬を巡るやり取りが伏線となるラストは苦い。
「イリュージョン・レイディ」現実と夢想の区別がつかない女性。自分は夫を殺してしまったのか。神麻嗣子のシリーズのような味わいがある。
「マティエリアル・ガール」結婚を機にどんどん太ってしまった女性。夫は太った女が嫌い。このままでは夫に捨てられてしまう。
「イマジナリティ・ブライド」記憶喪失になってしまった女性。ある女性から自分と愛し合っていたと告げられるが、自分はレズビアンだったのか。この2作品は、ジェンダーへの拘りが感じられる。
「アモルファス・ドーター」いじめが原因で死んでしまった友達を生き返らせたい。死者を甦らせることは不可能だが、罰を受けるべき人間にそれ相当の罰を与えることは出来ると言われる。それまで信じていた世界が崩れ落ちる快感が味わえる。
「クロッシング・ミストレス」それなりに満足した人生を送ってきた老女。もしあの時、別の男性を選んでいたら自分の人生はどうなっていたのか知りたいという。以前放送していた「if」というタイトルのオムニバスドラマを思い出した。
「スーサイダル・シスター」妹と共同生活をしている女性。妹は普段は家事全般をこなし、落ち着いた女性なのだが突発的に自殺未遂を繰り返してしまう。真相はある意味笑える。
「アウト・オブ・ウーマン」同級生の息子が自分の世話にたびたびやってくる。彼は母の復讐に来たのではないか。ハーレクインの正体は割れないし、暗示もされていない。真相は作者らしい。
いずれの作品も、恋愛絡みの話になっている。ハーレクインは、クライアントの深層心理を探り、解決へと導いていく。結末は依頼通りにいくとは限らず、多分に皮肉を含んでいる。ブラックな味わいが楽しめるファンタジー。

No.13 6点 偶然にして最悪の邂逅- 西澤保彦 2022/09/23 08:49
作者の故郷である高知市を舞台とした5編からなる短編集。
「ひとを殺さば穴ふたつ」住宅の床下に穴を掘り、人骨らしきものを掘り当ててしまったかつての教え子の前に、38年の時を経て幽霊となって現れた高校教師がたどり着く自分が殺された真相。殺したのは誰、そしてこの場所は。
「リブート・ゼロ」芸能事務所の女社長が帰宅した際、玄関から押し入ってきた男と思しき何者かに頭を殴打された事件の真相。濃密な人間関係が事件を複雑にしている。
「ひとり相撲」救急車で病院に担ぎ込まれた男が、15年ぶりに再会したかつての教え子の前で告白する。ある女性に操られるがごとく犯してしまった殺人について。
「間女の隠れ処」大みそかの夜に洋風居酒屋へ集まった長年の友人たちが、40年以上前に起きた殺人事件をモチーフにした未発表のミステリ原稿を読んで話し合い導き出した結論と、この原稿に込められた真意。
「偶然にして最悪の邂逅」ミステリ作家を相手に談話室で語られる、1970年代に建築事務所で起きた殺人事件と廃屋になった旧校舎から向かいの家族を覗いていた僕らの行為が交錯する。実は思わぬ事件に巻き込まれていた。
過去に発生していた事件などを、今ある情報をもとに、「実はこうだったのでは?」と推理していくのがメイン。各短編の出来不出来の差はあるものの、作者ならではのアクロバティックな捻りとテクニックが冴える作品集。それに加え、ユーモアやセクシャルな要素を絡ませている。特に表題作は、巧みなロジックとダークなオチが印象深い。

No.12 7点 解体諸因- 西澤保彦 2021/10/04 08:50
バラバラ死体がキーワードの9編からなる連作短編集で作者のデビュー作。
「解体迅速」全裸女性が両手両足を手錠されて、バラバラにされるというこの事件に納得いかない千暁はヤスヒコとともに推理することに。オーソドックスだが、構図がユニーク。
「解体信条」バラバラ殺人事件の被害者は、34個のパーツに分かれていた。なぜ犯人は手足の指まで切断する必要があったのか。驚くべき真相。切断理由も納得出来る。
「解体昇降」マンションの8階から1階までエレベーターに乗っている間に、全裸のバラバラ死体になった女性。中腰警部が推理。不可能状況を作り出すための発想がユニーク。真相は今ひとつ。
「解体譲渡」年配女性の奇妙な行動と、マンションゴミ収集所で見つかったバラバラ死体の関連性は。心理トリックが秀逸。
「解体守護」幼稚園児のノリくんが大切にしていたクマのぬいぐるみの左腕が切断され、そこに由江が宝物にしていたハンカチが血まみれで巻かれていた。子供の気持ちが分からないと難しい。
「解体出途」沢田直子は千暁に娘の結婚を阻止するように依頼する。しかし、これがバラバラ殺人事件に発展してしまう。ユニークな誤認トリック。
「解体肖像」あるポスターのモデルの顔部分だけが丸く切り抜かれていた。そしてその裏にあった出来事とは。真相はやや物足りない。
「解体照応」推理劇「スライド殺人事件」。最初の被害者は体のみが発見され、その頭部は第二の被害者の体と共に、第二の被害者の頭部は、第三者の被害者の体と共に...とスライド式に発見されていく。被害者の髪を短く切るトリックが秀逸。
「解体順路」千暁は二つの死体の首が切断され、すげ替えられるという事件に意見を求められる。そして今までの事件がここに収束する。あまりにも意外な首切りの理由がお見事。
匠千暁を中心にさまざまな人物が探偵として登場し活躍する。それぞれの短編は、お互いにリンクし最終的に一つに収束されていく。「解体」をモチーフにアイデアがぎっしり詰め込んであり読み応え十分。
人を殺す動機には納得がいかなくても、人を解体した理由には思わず納得してしまう作品が多いかと思う。少し甘いかもしれないが、「解体」に特化したという難しいテーマに挑戦された意欲に敬意を表しこの点数。

No.11 8点 パズラー 謎と論理のエンタテインメント- 西澤保彦 2021/07/09 09:16
タイトル通りロジカルな謎解き作品が中心の6編からなる短編集。
新たな指摘によって刻々と姿を変えていく真相。そして「記憶」や「親子」など、他の西澤作品へと繋がる部分も多くみられるのが特徴の作品群。ただのイヤ話や妄想話では終わらない、二転三転する展開やロジカルな推理が楽しめる。
「蓮華の花」作家である日野克久の元に高校の同窓会の連絡が入る。その時、話題に出た梅木万里子のことを、20年間も死んだものと思い込んでいた。主人公の記憶のズレ、鮮やかな蓮華の海に沈む詭計、メタな仕掛けが楽しめる。
「卵が割れた後で」ハリケーンが接近中のフロリダで日本人留学生の死体が見つかった。その肘には、卵がこびりついた跡があった。作者の実体験を元にしたと思しきアングロアメリカンなフーダニット。
「時計じかけの小鳥」奈々は久しぶりに入った書店で、クリスティーの「二人で探偵を」を購入。その本には奇妙なメモと母親の筆跡らしいイニシャルと日付が残されていた。一種のプロバビリティーの犯罪を描いている。
「贋作・「退職刑事」」刑事の五郎は、かつて刑事だった父親に、絞殺事件のことを話す。句読点と台詞まわしから推理の技法まで都筑道夫氏の「退職刑事」を完璧に模倣している。
「チープ・トリック」スパイク・ファールコンとブライアン・エルキンズが殺され、ゲリー・スタンディフォードが犯人のナタリー・スレイドの行方を求め、トレイシィを訪れる。大掛かりな舞台設定と鮮やかな人間消失。復讐譚だが、後味は珍しく良い。
「アリバイ・ジ・アンビバレンス」憶頼陽一は、同じ高校に通う刀根館淳子と年配の男性が蔵の中に入るのを目撃する。二者択一の地獄を描いた学園もの。この不快感は作者ならではのもの。

No.10 6点 収穫祭- 西澤保彦 2021/03/02 09:20
ある地方の山間部の村で発生した大量殺人事件をめぐるミステリ。まずはその残虐性と死体の数の多さに驚かされる。
首尾木村の北西区には、9世帯の住民が住んでいた。一九八二年の夏の夜、その大半が殺されるという事件が起きた。しかも十四人中、十一人が鎌で喉をかき切られるという異常な殺人だった。それから九年後、再び同じ手口の殺人が起こっていた...。
本作は、まず中学生の男子生徒の視点で語られていく。冒頭では、田舎の少年の日常や親しい同級生たちとの交流が描かれている。その夜、まさかの猟奇的な殺人が待ち構えているとは予想もつかない。さらに事件から九年後、十三年後、そして二十五年後に起こる復讐劇のサスペンスと暴かれる真相の意外性に戦慄させられるばかり。
煽情的な大量殺人にとどまらず、事件の背後で複雑に絡み合う村人たちの人間関係、夫婦内や家庭内の倒錯した性愛、大量殺人の悪夢と抑圧された心理などが丹念に書き込まれており、ストーリーに厚みを与えている。関係者のねじれた暗い感情が強く迫ってくるのだ。
そして印象に残る奇怪な出来事、巧みな伏線、意外な事実の暴露といった展開が効果的に反復しているため、先を読まずにおれない大作に仕上がっている。しかし文庫版で、上下巻合わせて1000ページ超はあまりにも長すぎる。

No.9 6点 神のロジック 人間のマジック- 西澤保彦 2020/11/20 09:18
マモル・マコガミは、見知らぬ男女に連れられ外界から完全に遮断された学校(ファシリティ)へやってきた。そこにいるのは5人の少年少女と校長先生、寮長とミズ・コットンだけ。何の目的があるのかも分からないまま、推理ゲームのような実習を繰り返す。そんな中、新入生が入ることが発表され緊張が走る。
謎に包まれた学校の設定が、恩田陸氏のある作品を想起させる。ただ違うのは、誰ひとりとしてこの学校で学んでいる目的さえ分かっていないところ。前半は実習での推理ゲームに関するディスカッションがメイン。そこに新入生が入ると実際、何が起きるのかなど興味をそそる事柄が絡んでくる。
ひとつひとつは決して大きくはないが、マモルの目を通してその一つずつが検証され明らかになっていく展開は、まるで自分が見知らぬ館の中を探検しているかのうようで惹きつけられる。そして後半の事件が起きてからは、一気に畳みかけるような展開で、前半の慎重なムードから一転し、大胆な結論を導き出すことになる。明かされる真相は、ある理由からやや減じてしまったのが残念だが破壊力は抜群。そして読み終わった時、このタイトルの意図するところを改めて考えざるを得ません。
歌野晶午氏の某作品と比較されることもあるみたいだが、個人的には、こちらの方が好み。

No.8 6点 念力密室!- 西澤保彦 2020/09/17 09:42
6編からなる連作短編集。この6編の設定は全て、犯人の超能力(サイコキネシス=念力)によって鍵が閉められ、現場が密室になったというもの。
主な登場人物は、美人警部の能解、チョーモンイン(見習)の神麻、売れない作家の保科。チョーモンインとは、超能力者問題秘密対策委員会の略であり、超能力を不正使用するエスパーを摘発するのを専門とする。
能解が科学捜査関係の、神麻が超常現象関係の、それぞれ事件に関するデータを持ち寄り、それに基づいてブレーンである保科が推理する。
通常のミステリだと密室に関しては、どのようにして密室がつくられたのかというハウダニットを推理するのが多いと思うが、この作品は超能力を使用して密室をつくっているので、何のためにというホワイダニットが中心の謎となっていて興味深く読むことが出来た。
奇想天外が連続する謎の見せ方も本格ミステリとして愉しませてくれるが、いつの間にか何かある度に、保科家に集まる能解警部と神麻嗣子の奇妙な三角関係もコミカルで目が離せなくなるでしょう。

No.7 5点 必然という名の偶然- 西澤保彦 2019/04/11 12:59
腕貫探偵シリーズの舞台、櫃洗市で起こる奇妙な六つの事件を描いた連作ミステリ。本作は、腕貫探偵は登場しないので番外編の位置付けとなるのでしょう。
表題作の「必然という名の偶然」は、高校の卒業生が異様な法則に従って次々と不審な死を遂げるという、偶然の連鎖としか思えない一連の出来事に、意味のあるパターンを見出してしまう人間の性を逆手に取ったもので、謎の奇妙さはもちろんのこと、その謎を見る角度を変えることにより、予想外の真相が明かされる展開は素晴らしい。
「エスケープ・ブライダル」「エスケープ・リユニオン」の二編は、大富豪探偵・月夜見ひろゑが登場し、莫大な資金力で金に物を言わせ名探偵になるという設定の連作。元ネタである筒井康隆氏の「富豪刑事」(ドラマ版)について触れているのは楽屋落ちのギャグですが、ドラマを引き合いに出していることからもうかがえるように、お騒がせキャラを前面に押し出したユーモアミステリで腕貫探偵シリーズの本編とは、かなり雰囲気が違います。

No.6 7点 悪魔を憐れむ- 西澤保彦 2019/01/28 13:03
4編を収録した短編集で、タック&タカチシリーズの10作目。
このシリーズの過去の作品を読んでいなくても楽しめると思いますが、時々過去の作品に触れる場面があるので、順序良く読んでいた方がより楽しめるかと思います。ちなみに自分は、このシリーズは「彼女が死んだ夜」「麦酒家の冒険」の2作品しか読んでいません。
「無間の呪縛」と表題作の「悪魔を憐れむ」は謎自体にインパクトがあり、謎解きの醍醐味が味わえる。「意匠の切断」はホワイダニットとして、「死は天秤にかけられて」は常識では考えられないアリバイ工作が楽しめる。
4作品に通じることは、人間の心理を深く掘り下げ、それを手掛かりに謎を解くという点で説得力があり好印象。
探偵役の面々のキャラクターも、明るく爽やかで推理をしながら、時々脱線してのやり取りは面白く魅力的。

No.5 5点 麦酒の家の冒険- 西澤保彦 2018/09/19 01:15
ドライブの途中、ガス欠に見舞われ迷い込んで辿り着いた山荘。
その山荘に勝手にあがり込み、さらに冷蔵庫にあるビールをこれまた勝手に飲みながら、この家の奇妙な点を仮説や推論を重ね推理合戦するという不謹慎かつ滅茶苦茶な設定で楽しめる。
最初のうちは良かったが、殺人事件が起きているわけではないし、何の物的証拠も無い単なる推論の域を出ないわけだから途中で飽きてくる。さすがに冗長に感じた。(短編で十分)
ユーモアある発想で推論が展開され、作風からして奇想天外な結末を期待してしまうが、最後に明かされる真相には面白味がなくがっかりさせられた。
エビスビールを飲みながら読んでください。

No.4 8点 聯愁殺- 西澤保彦 2018/05/23 01:12
ミステリ作家・私立探偵・犯罪心理学者が集まる推理集団「恋謎会」が、連続無差別殺人の唯一の生き残りの梢絵をゲストに呼び推理合戦をする。
ほぼ全編に渡り、推理合戦が繰り広げられるが、飽きることは無かった。
内容的には古典的な多重解決ものですが、それだけでは終わらない。正統派と思わせておいて、最後には衝撃的などんでん返しが待っている。
大胆なミスディレクションと構図の技巧が光る作品。
再読をおすすめしたい作品のひとつで、初読時とは違った印象を持つと思います。

No.3 6点 人格転移の殺人- 西澤保彦 2016/02/06 11:46
西澤流奇抜な設定SFミステリ
設定自体は非常に面白い試みだと思う
ただ人格転移が次から次へと起こり現在誰が誰の中に
入っているのか混乱してくる
もっとわかりやすかったら楽しめたかも
犯人は意外性があり驚かされるが殺害動機が納得出来ない
この動機で人を殺してしまうなら世の中殺人者だらけになってしまう

No.2 7点 彼女が死んだ夜- 西澤保彦 2016/01/29 14:30
結末近くで連打される何重ものどんでん返しは
後味が悪いながらも大きな衝撃と意外性を
演出していることに成功している
真相のある部分に無理で不自然な箇所があるところが少し残念

No.1 8点 七回死んだ男- 西澤保彦 2016/01/21 21:29
同じ時間を繰り返す異常体質の持ち主が
巻き込まれた殺人事件をめぐるSFミステリ
この体質が発現するルールの範囲内で論理的に解明していく
殺人事件が起きているのにも関わらず明るい世界観
コミカルで楽しい作品

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パメルさん
ひとこと
7点以上をつけた作品は、ほとんど差はありません。再読すればガラリと順位が変わるかもしれません。
好きな作家
岡嶋二人 東野圭吾 
採点傾向
平均点: 6.13点   採点数: 622件
採点の多い作家(TOP10)
東野圭吾(30)
岡嶋二人(20)
有栖川有栖(19)
綾辻行人(18)
米澤穂信(18)
西澤保彦(16)
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