皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
ミステリ初心者さん |
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平均点: 6.18点 | 書評数: 397件 |
No.10 | 7点 | 鍵孔のない扉- 鮎川哲也 | 2020/09/26 19:15 |
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鬼貫警部シリーズは毎回そうなのですが、とにかく読みづらく、ページがなかなか進みませんでした(笑)。読者がアリバイトリックを解こうとあれこれ考えられるまでに必要なページ数が多いですね。短編を無理やり長編にしたような印象があります。 文章の相性は悪かったのですが、推理小説としての質は非常に高くて満足しました。 犯人のアクシデントに対する神がかり的なアドリブ(?)、そしてアリバイトリックは緻密で考え抜かれています。なおかつ、読者はよ~く考えたらわかるような気にさせられれます(私はわかりませんでしたが)。 読者にもヒントや伏線が提示され、なかでもシデ虫のヒントはとても好きです。 |
No.9 | 6点 | 黒い白鳥- 鮎川哲也 | 2019/07/18 02:35 |
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犯人の緻密な計画や、アクシデントを利用しそれを計画に組み込む機転に感服しました。また、私が今までに読んだ鮎川作品よりも今作のほうがより犯人について細かく書かれており、小説としての厚みを感じました。 しかしながら、鬼貫警部が登場するまで、個人的に好みではない展開でした。そのため、なかなかページが進みまず、読みづらさを感じました。社長の死~動機探し~犯人候補のアリバイ検証→候補から外れるという繰り返しは苦手です(笑)。労働組合と会社側の対立、宗教団体との対立も面白さは感しませんでした(宗教団体のほうは、非常に怖かったです)。 さらに、犯人にやや都合が良い証言者や、予期せぬ偶然の要素はどちらも好みではなく、その点では期待はずれでした。 |
No.8 | 6点 | 人それを情死と呼ぶ- 鮎川哲也 | 2019/01/22 22:24 |
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遼吉を殺す動機を持った容疑者にはアリバイがあり、捜査が難航する…実は…という犯人の狙いはこれまでに見たことがなく、新鮮でした。 また、森山殺しにおける、犯人達のアリバイトリックも楽しめました。 これは違うかもしれませんが、社会派や男女の愛憎の小説のように見せかけた本格は、何か作者からのメッセージなのかも…? 自分は、この本における仕掛けを、まるで見抜けませんでした。 ほんの妄想レベルですが、情死に見せかけた死体が白骨化していたことから、2体の死体の殺された時間が大分違うんではないか?ということ。本筋の情死は偽装であることから、タイトルの"情死"は誰か別の人物同士である→犯人男女ペア→共犯の可能性…この2点ぐらいでした;; 以下、好みでなかった部分。 やはり、共犯は好みではありません。また、森山殺しにおけるアリバイ工作も、ややリスキーだと思います。 |
No.7 | 7点 | 五つの時計―鮎川哲也短編傑作集〈1〉- 鮎川哲也 | 2018/12/24 19:52 |
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非常に濃厚な短編集でした。すべての感想を書くと、無駄に長くなってしまうので、特に面白いと感じたものだけ書きます。道化師の檻は大好きなのですが、過去に読んだ短編集にも収録されていたので、端折ります。 ・五つの時計 この小説で一番でした。蕎麦屋の問題は、あれこれ悩みましたがわかりませんでした。解決まで読み、あっ そーーか!と言ってしまいました。答えを聞いて、むしろ単純に思えるようなトリックは好みです。 ・白い密室 意外な結末で楽しめました。作中作?によるトリックや、被害者が作る密室など、面白い要素がてんこ盛りでした。犯人にとっての偶然や、多人数の嘘や思惑が絡みまくっていて、真相の推理がほぼ不可能なことが、ややマイナス。 ・薔薇荘殺人事件 第一の殺人が人間違いだったと推理するのは難しいと思いました。また、色覚異常関連は推理小説でやったら出てきますが、あんまり魅力を感じません。 ロープがあるのにサンダルを使わざるを得ない人物が犯人というのは、納得度がたかったです。ただ、犯人は自分に不利な証拠を隠したり、捜査を撹乱するような行為をしているため、"あえてロープを使わずにサンダルを使った"ことも撹乱として考えても問題は無い気はしますが・・・? 第二の殺人は突発的な感じはしますが、他にチャンスは無かったのでしょうか? 文句ばっかり書きましたが、かなり楽しめました。 ・悪魔はここに おとの面を逆さにしたのは被害者→ローマ字論者→OTOを逆から読んでもOTO…回文…? と、馬鹿なことを考えていましたw なぜ、OKAMEが思いつかなかったのか…。 クローズドサークルで、連続殺人。短編にもかかわらず、かなり盛沢山でした。作中の"私"の、絵馬子さんは天使だから殺人するわけない発言は、ヘイスティングズを思い出しましたw 私は少々、鉄道トリックや時刻表トリックの類が苦手です。しかし、この作品は満足できました。 |
No.6 | 5点 | 死びとの座- 鮎川哲也 | 2018/11/18 06:37 |
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メイントリックと、プロローグによるミスリード部分がよかったです。 不要に思える登場人物や、話、場面がコロコロかわる・・・など物語の核心に迫るまでが長く、非常に読みづらかったです。読了まで時間がかかりました。何が謎なのが終盤まではっきり見えず、考えながら読むことができませんでした。 ちょっと好みではありませんでした。 |
No.5 | 7点 | 朱の絶筆- 鮎川哲也 | 2018/11/13 01:11 |
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ネタバレを含みます。
良いトリックでした。暗闇祝言の朱の印のトリックは何度も考え、わかったときは快感でした。また園田を毒殺したトリックもなかなか面白かったです(無目的殺人も起こる可能性がありますが)。本全体として、共犯が無いというところが取っても気に入っています。 ○以下、好みでは無い部分。 ・第一部が長いわりに、本編とはあまりかかわりが無いように思えた。最初、A~Gの主観に名前が無いため、そこに大きなトリックがある期待した。 ・めぐみ殺しが成功するとは思えない。 他にもこのようなトリックを知ってますが、犯行現場と思われる部屋に突入するときは犯人が残っていないか注意して見るもんじゃないですか? ・千恵子殺しは難易度が高い。なんとなく想像は出来たものの、絶対に殺せるものですかね? ・警察が無能すぎる。 いる意味がないレベル・・・ッッ あと、毒がどこについていたかぐらいは言えやw フーダニットとしてではなく、アリバイ崩しものとして満足です。 |
No.4 | 7点 | 赤い密室 名探偵星影龍三全集(1)- 鮎川哲也 | 2018/10/23 17:51 |
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全体的に満足度の高い短編集で、大満足でした。 ①呪縛再現 長編バージョンのあの作品を読んでいるので、ネタは割れた状態でした。長編よりもすっきりしていて、こちらも好きです。 星影龍三短編集なのに、鬼貫警部にこてんぱんにされていて、顔真っ赤シーンは楽しいやらかわいそうやらでした。 ②赤い密室 卑怯なところの無い、納得感のある密室もので好きです。換気孔から死体の部位を入れたこと、胴体を棺を使って入れたことはなんとなく想像できたのですが、新聞の問題だけさっぱりわかりませんでしたw 一番単純なことが盲点でした。 星影の台詞の"犯人がなにも密室にする必要が無いのに、わざわざ密室犯罪を作り上げている。言ってみれば作者が密室トリックを思いついたから、それを誇りたいために密室小説を書くのが大部分さ。"が強烈ですねw ③黄色い悪魔 これって、星影の台詞の"密室にする必要が無い密室"じゃないですか? ④消えた奇術師 読んでいると、すぐトリックがわかったのですが、トリック自体結構好きです。 ⑤妖塔記 他の作品と違って、怪奇小説っぽい雰囲気がある・・・? 鳴神の嘘話だったということですが、そのあとすぐ死んでしまったのが皮肉ですね。 ⑥道化師の檻 トリック自体はすぐにわかったのですが、これはかなり面白かったです。本来は共犯が嫌いな私ですが、全員が共犯でないと成立しないところがいいですね。 文を短くしようとしたのに、まただらだら無駄なことを書いてしまいました。 |
No.3 | 8点 | りら荘事件- 鮎川哲也 | 2014/05/30 19:47 |
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ネタバレを含みます。
本格好き垂涎の要素があります。 登場人物が一ヶ所に集まっての連続殺人。 死体のそばに必ずカード。 とても多い複線と回収。 かなり早い段階から人が死に、間をおかず連続殺人に入るため、物語がだれなく一気に読めます。 叙述トリックや、奇想天外大トリックの類はないけれど、本角度の高い本物の推理小説でした。 あえて気に入らない点を書くと・・・ 犯人に有利な偶然がある。 あらかじめ砒素に耐性をつけるトリックは、有名?だけども知識がいるとおもう。色白云々然り。 最後の殺人は、また別の犯人になる。すべて1人の犯人ができる犯罪のほうが好み。 |
No.2 | 7点 | 黒いトランク- 鮎川哲也 | 2014/03/20 21:51 |
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光文社の新装版のやつを読みました。
読んでいる最中の印象は、細かいなぁ~とか、時間と場所の把握が面倒だな~とか、どうせ解けないもの(超複雑)なんだろうな~ という感じでした。 そのため、メモを取っていませんでした。 途中、トランクの動き と 登場人物のアリバイが図示されていたので、何とか話についていけるレベルでした。 解決編を見て、面白いな!と思えることがたくさんあり、もっと真剣にアリバイ崩しに望んだらよかったなぁと後悔。 メイントリックはもちろん、最後の最後で明かされる謎も好きです(こっちがメインか?)。風見鶏の話も面白かった。 |
No.1 | 6点 | 宛先不明- 鮎川哲也 | 2014/02/23 01:54 |
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ネタバレがあります
2時間ドラマのような雰囲気でした。サスペンスっぽいというか。 犯人当てより、アリバイ崩しの作品です。 メイントリックは頭の体操のような面白さがあったと思います。 自分は読んでいる最中に、正解に近いものが浮かび上がりましたが、郵便局のシステムをよくわかっていなかったようです。 |