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ミステリ初心者さん
平均点: 6.20点 書評数: 388件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.108 8点 折れた竜骨- 米澤穂信 2018/04/21 02:24
ネタバレをしています。


 剣と魔法のファンタジー小説としても雰囲気がよく、推理小説としても本格度が高い2度おいしい作品でした。無駄な点が一切なく、ファンタジーとして楽しみつつ、ファンタジーの部分に論理的に犯人を除外するヒントも混ざっていました。
 最後に近づくにつれ、なにやら寂しいというか、この小説が終わってほしくない感じがありましたw 続編とか、書かないんですかね? (ニコラとアミーナは再会フラグが立っていますね)

 気に入らない点をあえて上げるとすれば、エンマが呪われたデール人である→彼女は犯人ではないという描写がわかりづらい。エンマ以外の傭兵の"犯人ではない根拠"には納得がいきましたが、この点についてはややヒントに乏しいと思いました。ただ、水中から上がってくるところで、普通の人間ならば死んでいるところを生還したので、私自身も"デーン人か?"と感じていまし、それほどアンフェアではないですが、もう少しヒントがあってもよいとは思いました。

No.107 7点 隻眼の少女- 麻耶雄嵩 2018/04/17 23:58
ネタバレをしています。


 とても読みやすく楽しめました。雰囲気がいいですね。
たぶんほかの方も書かれていると思いますが、横溝作品のような趣があり、大きいミスリードになっているような気がします。伝説や被害者の名前、主人公の名前などからそれを感じます。

 ややこしいので、初めて主人公と出会ったみかげが2代、その母が初代、18年後の主人公の娘のみかげが3代と書きます。
 最初からミスリード全開でしたね。主人公と2代の出会いや、キャラクターから2代みかげを探偵役と錯覚します。ただこの作者はひねくれている(?)と私は思っているので、"どうせひどいやつなんだろう"と予想しましたが、予想をはるかに超えて屑でしたねw
 18年前の事件でのライターの問題はかなり面白かったです。この小説内でもっとも説得力のあるヒントでした。

 中盤ぐらいまでの私のふわっとした予想は、山科あるいは初代によるみかげ試験かなにかと思いました。もし初代が生きているのであれば、スガルか光恵さんのようなあまり登場のしない女性か? 結果的大外れでした。よく考えてみたら、2代が名探偵であれば初代と父が大量殺人者と指摘してしまい、警察の協力が得られないだろうし。
しかし18年後の3代の扱う事件においては、何だかそれ近くなったのがなんともいえない。
 2代が結果屑だったのは予想しましたが、それによって後味がよくなった(?)かもしれませんね。3代は容姿は"みかげ"で性格もよさそうな究極完全生命体なので、種馬マンにとって救いがw 続編は書いてほしくないw 

 以下気に入らない点。
・的外れな意見かもしれませんが、2代や3代の偽推理でも説得力がある点。
・クラウスを使ったトリックや腹話術(いっこく堂顔負け!) 成功するのか疑問。 クラウスちゃんが死んでショックでした。 ややバカミス感がある気がしますがどうでしょう?

No.106 7点 マジックミラー- 有栖川有栖 2018/04/12 14:30
ネタバレをしています。


 推理小説を読み終わった後、"なんで自分はわからなかったんだ~よく考えたら当てられたのに~"という感想がでる作品ほど好みというか、価値が高いと思っています。まさにこの作品がそうでした。大トリックというわけではないのですが、職人的な印象があります。
 時刻表トリックが苦手で、時間と場所の情報が頭に入りづらい私ですが、途中の小桑の推理によって、つまり論点は何か?とわかりやすく説明されているため読むのが苦ではありませんでした。
 その他、空知が主人公や探偵のような雰囲気を出しながら否定するミスリード(違う?)、はじめの文が小桑兄弟であること(たぶん)も好みです。アリバイ講義も面白く、「これは好みのタイプだな」とか「これは嫌いだな」とか「あの作品もこのタイプだ!」など脳内に浮かびおもしろいです。今よりもっと推理小説を読んだら、また違った思いがあるかもしれませんね。
 題にもなっている、マジックミラーの使い方も好きでした。

 私は、第一の殺人で新一と健一があらかじめ入れ替わって生活しているとか、すさまじく的外れな推理をしていましたw
さらに、第二の殺人では、空知が犯人であり双子がほぼ同時に殺され、かつアリバイに利用されるところまで予想しましたが(だれでもそうか)まったくトリックを思いつきませんでした。

No.105 7点 蝶々殺人事件- 横溝正史 2018/04/06 17:21
ネタバレをしています。


 自分はこれまで金田一シリーズしか知りませんでした。なのでこの作品を読んだとき、作者のイメージと違いました。金田一シリーズに比べ本格っぽさが強く、好みでした。かつそれでいて読みさすさがあり、ほぼ2~3日で読めました。
 たぶんメイントリックは、第一の殺人のトランクとコントラバスケースによる殺害場所の偽装と思いますが、私は事前にあの作品を読んでしまったためにある程度は予想できてしまいましたw しかしこのトリックは面白く、のちの名作につながる意味でも評価したいです。

 以下好みでない点。
 登場人物のうそや隠し事が多い。殺人事件をはあまり関係ないところでの事件を絡め、ミスリードに使うことはアガサの作品に多かったと思います。好みの問題ですが、あまり話が複雑だと難易度が上がってしまいますね。
 手記の記述者=犯人。これ自体嫌いではないのですが、名作に先例があると思うし、挑戦状までつけてやることではないような・・・。もちろんフェアと思いますが。これまで読んだこれ系トリックとしてはもっと軽かったです。

No.104 5点 密閉教室- 法月綸太郎 2018/04/02 17:48
ネタバレをしています。



 非常に多くのミスリードが入っていて、読者の裏をかいてやるぞ!という意気込みが感じられました。よく考えると、あの主人公のきどった(?)物言いやキャラもミスリードぽいですね。

 ただ、この作品ならではの個性が薄いように感じました。この方の小説は、他に短編を数作読んだだけなのでまだ作風がいまいちわかってないのですが、いわゆるウミガメのスープゲーム的な感じがするのは私だけでしょうか?

No.103 7点 炎に絵を- 陳舜臣 2018/04/01 10:52
 ネタバレをしています。





 結構古い作品にもかかわらず、かなり読みやすかったです。
 どんでん返しも楽しめ、伏線も多く読み返しても2度おもしろい良い作品でした。キャラクターの印象も初見とは180度ひっくりかえるんですね・・・怖いですね。
 個人的にもっとも気に入った点は、嫂が足をひねっていた点。

 以下、好みでなかった点。
 春名・植原などの別の事件も絡んでくるため、話が少々ややこしい。
 主人公が犯人の想定通り動いてくれるかは偶然が絡む。
 犯人には共犯が多く、すべてを推測するのは困難。
 上に書いたことと矛盾するようで申し訳ないのですが、伏線の過剰さで大体の真相が予想できてしまう。

 最近の作品は、ちょっとした叙述トリックの亜種が多いような印象です。この炎に絵をのような、叙述トリックを使われていないどんでん返しは価値が高いと思いました(もしかしたら、私の読解力が足りてなく、叙述トリックがあるのかもしれませんが)。

No.102 5点 さよなら神様- 麻耶雄嵩 2018/03/19 23:52
 さよなら神様と神様ゲームのネタバレをしています。



 主人公に対する、比土と神様のとりまきの反応から、割と前半から主人公は女性なんじゃないかと直感しました。オナベ→レズビアン→前作主人公の母の幼少期の物語!? と早とちり。盛大にはずしましたw

 前作神様ゲームがすごくよかったので、ハードルが上がってしまったかもしれません。前作とくらべ衝撃度もおもしろさも半減した印象です。

 最後の一文は、幸せな人間には神様なんていらないんだな~と思いました。

No.101 7点 神様ゲーム- 麻耶雄嵩 2018/02/08 17:25
 ネタバレをしています。



 とても読みやすく、しかも余計な衒学部分?が一切なかったです。そのため、ページ数が多くなくすぐに読み終わりました。

 ミチルちゃんに怪しい点が多く、たいていの読者が犯人と予想したのではないでしょうか? 英樹を殺した後、その服を着て帰ることができるのはミチルちゃんぐらいだと思います。 ただその後は推理難しく、共犯の可能性が高いことはわかったのですが、さっぱりでした。蓋に隠れられる小学生は、あとは須之内?ぐらいしかいない・・・でも登場すらしていないので犯人ではありえない(本の展開的に)。
 麻耶雄嵩さんの作品なので、大どんでん返しがあるのだろうと予想していました。やはりありましたね! 最初から叙述トリックの香りがする作品でしたが、主人公の推理が見事でそっちもすばらしいと思いました。本当に小学生なんでしょうか…登場人物全員が妙に大人びているw

 以下、難癖をつけたくなるところ。
 主人公の推理でも話が通るし、寧ろ自然な点すらあるきがする。叙述トリック系はほとんどがそうですが、納得のいく解決が複数あること。
 主人公母の"背が小さい"という描写が不十分というか、小学生(小4?)並みに小さいのはちょっと・・・? いま調べてみたら、10歳11ヶ月でもだいたい140cmぐらいらしいですね。まあこれも叙述あるある。
 神様である鈴木くんの"エッチ"という表現。少々ぼやかした表現ですが、いいミスリードかも?

 これは自分の理解力不足かもしれませんが、英樹の服を死体である英樹にもう一度着せたのはなぜなのでしょうか??

No.100 6点 ミステリー・アリーナ- 深水黎一郎 2017/12/10 10:38
 この作品は、過去のさまざまなトリックが使われていて、ねたが割れてしまう可能性があるため、後回しにしたほうがいいかもしれません。

以下、本作品のネタバレをしながらレビューしています。


 設定が特殊で、すぐに夢中になりました。物語パートの間に解答パートがあり、伏線やミスリードがすぐ回収されて読みやすいです。
 メイントリック?は、マジシャンがよくやるマジックと似ていると思いました。マジシャンが、「今あなたが選んだカードを昨日から予想していました」とか何とか言って、昨日からはっつけておいたカードをだすアレです。マジックとミステリってすごく親和性が高いですよね。

 この作品は、叙述トリックや多重解決?ものを皮肉っているのか、リスペクトしているのかよくわかりません。ただ樺山が言いたいこともちょっとわからなくもないです。叙述トリック物だけでなく、アガサや横溝作品他、"誰が犯人でも間違いではない"系が全ミステリのほとんどだと思います。何が伏線で、何がミスリードかは作者が勝手に決めているだけ。ただ、やっぱり名作といわれるものにはオリジナリティーなり、よいトリックなり、読み物として面白さがあるので、本作品はやっぱりその点で劣っていると思います。

 気に入らない点としては、ギャグ調に展開したのに急にホラーのような要素があり、不要に思えました。なんなら、もっとギャグに徹したほうがよかったです。
 あと私のお気に入り"たま人間説"が早い段階で出てしまって残念w アッーーー!には笑いました

No.99 4点 動く家の殺人- 歌野晶午 2017/12/09 02:41
ネタバレをしています。



 かなり読みやすく、自分にしてはわりと早く終わりました。
 タイトルや冒頭の探偵の死、偽探偵のありそうな推理など、ミスリードが多くあります。だましてやるぞ!という意気込みを感じました。
 私は、探偵の死(うそ臭い)から探偵が偽者ということを予想して、"探偵犯人物"か"探偵の推理が間違うorうそをつく"のような展開を予想しました。物語を読むと、探偵犯人物ではなさそうだったので、偽推理と決め付けていました。偽推理・真相ともにまったく当たりませんでしたがw(恭子犯人もあるのではないかと思っていました)


 以下、気に入らない点

 結局、他人に殺させた自殺のような真相ですが、タイトルの"殺人"はかなり際どい。ギリギリアンフェアと思いました。犯人が劇中の登場人物を殺人するという解釈…? ただどのみち結果自殺ものなので好みではありませんでした。真相を当てることも難しい。

No.98 5点 密室殺人ゲーム王手飛車取り- 歌野晶午 2017/12/03 23:26
ネタバレがあります。



 設定が凝っていて(?)かなり読みやすかったです。登場人物のキャラ付けや、しゃべり方の違いで、今誰が発言しているのかなどがわかりやすい。私のような、文章を読む力が乏しい人間にはありがたい。一晩で読んでしまいました。歌野さんの本と相性がよいようで、もっと読んでみたくなりました。
 さらに、各登場人物の出題した問題が一つ一つの短編としても楽しめました。ザンギャ君の問題が一番の好みでした。コロンボもよかったですね。

 こういう設定だと、"各登場人物が知らぬ間に会っていた"とか、"知らぬ間に殺していた"という展開はありがちで、あまり驚きはありませんでした。コロンボがいなくなった時点で、殺されたんだな→頭狂人は妹なんだなというのも予想できた展開で、驚きは少なかったです。頭狂人の特徴が男性的であり、男性と勘違いしてしまう叙述トリックのような趣がありますが、そのトリックは他にもっとよい小説があります。女性であることをにおわす伏線も少なかったように思えます。ですがさすがに教授がギャルとは予想外でした。


 ザンギャ君のみせた、生首の下にドライアイスを設置して叫び声をあげさせるトリックは面白かったのです。しかしあれは実際できるものなのでしょうか??

No.97 6点 双月城の惨劇- 加賀美雅之 2017/12/02 17:51
ネタバレを含みます。



 コテコテのド本格要素がたっぷり含まれており、私好みの作品でした。 古い城! 双子! 伝説! 密室四連発! フラグたてまくるトマソン! 案の定殺されるトマソン!
 普段、まったく推理があたらない私が、そこそこあたりました。なので、難易度は低いと思われます。第一の殺人の状況から自殺・共犯ありありなことが推測できます。それを考えにいれると作品の難易度が下がります。(シュトロハイム主犯はわかりませんでした。滑車のトリックもわかりませんでした。ベルトランとの推理バトルを期待していたのもありました)

 これは私が読み飛ばしてしまったのかどうかわかりませんが、第二の殺人は新月の部屋のそとで殺人が行われたんですよね? 新月の部屋に血痕はあったんでしょうか? 犯人は新月の部屋内部で起こった犯行に見せたいんですよね? ある程度派手に血痕がないといけないのでは? どうだったかな…?

 以下、難癖をつけたくなる部分
①共犯者が多い。これだけ多いと、大抵の不可能犯罪が実現できるような気がする。できれば、犯人が一人ですべて犯行を行った作品のほうが好みです。
②自殺がある。①もそうですが、自殺と共犯をまぜると推理がむずかしくなってしまいます。
③投石機って、そんなに精度が高いの!?
④ベルトランの、"シュトロハイムは共犯なんてするわけない"が紛らわしすぎるッ! 主犯だからウソジャネーヨとかうざいッ!

 私が期待していた展開。
シュトロハイムがまず推理を披露する。誰もがその推理を正しいと思う。ベルトランがその推理の論理的欠点を指摘→驚きの新推理による真犯人が明らかになる。やったぜ。

No.96 5点 死体を買う男- 歌野晶午 2017/09/21 17:22
ネタバレをしています。


 作中作の中の作品は、時代背景や文の感じがとても読みやく、まったくストレス無く読み終えました。
 双子トリックをミスリードに使っていて(私の勝手な感想)、双子といえば入れ替わる…厚化粧をした女性に化けた時点で入れ替わっているかと思いきや、父親と入れ替わるための女装とは! 一番気に入っている点です。そもそも、双子に化粧はいらないし、乱歩の"醜い"感想が違和感がありましたが。

 ただ、作中作にありがちな、作中犯人が現実での犯人とリンクする点はありきたりだと感じました。どちらが直、均だという話も、事前に入れ替わったあとで…というのも、特に興味がなかったです(予想してませんでしたが)。乱歩の自殺をとめた際の裏投げが、とてもよい複線になっており、その点はかなりよかったです。

No.95 5点 7人の名探偵- アンソロジー(出版社編) 2017/09/21 17:12
ネタバレをしています。


1.水曜日と金曜日が嫌い 麻耶雄嵩
 意外とまとも(?)
ぜんぜんわかりませんでした。トランクスとゴテンが闘技場出たような感じですよね? その状態でよく殺ろうと思ったなぁ…(殺るときは合体を解くのかw)

 今読み返すと結構ヒントがあっていいですね。
双子の子供が~とはわかりませんでした。小窓らへんの表現があいまい…?

2.毒饅頭怖い 山口雅也
 めちゃくちゃ読みやすいので一瞬で読み終わりました。
嘘をついている2人はすぐわかり、嘘=犯人ではないところまで予想しました。でも後は予想できませんでした。

3.プロジェクト:シャーロック 我孫子武丸
 頭パープリンの私には理解できませんでした。

4.船長が死んだ夜 有栖川有栖
 安心と信頼のクオリティ。個人的には火村のキャラが嫌いですが。
私は、作中の、食器棚の上のブルーシートの位置が高い記述を見落とすという致命的ミスを犯し、犯人を当てられませんでした。ただどのみち、ポスターを丸めて棒にする発想は出なかったと思います。

5.あべこべの遺書 法月綸太郎
 読んですぐに惹きこまれる設定。ただそういう変わった設定は、結構無理をしないと成り立たないことが多いという、私の勝手な印象があります。
犯人が複数?いて、犯人に不利な偶然が起こります。短編なのでそんなに重要ではないと思いますが。
 親父、もったいぶらずに、はようしゃべれや的な情報たくさんありましたね。

6.天才少年の見た夢は 歌野晶午
 始まりから叙述トリックのにおいがぷんぷんする設定。
遠山君の、昏睡状態(?)になった藍に対するリアクションと呼び捨てから、藍をロボットか何かかと予想しましたが予想の上を行きました。盲目のことりちゃんの使い方がうまかったですが、有名作品に
似たような使い方がありましたね。
 藍が目を閉じていたという表現はどうなんでしょうか?? 通信が途絶えると、寝たようになるイラストにさし変わるんでしょうか?
 クローズドサークルでの連続殺人は、"生存者は発見されなかった。"が書きたかっただけだと思う…

7.仮題・ぬえの密室 綾辻行人
 この人は、有栖川有栖のことが好きすぎて引く。(?)

No.94 6点 毒入りチョコレート事件- アントニイ・バークリー 2014/12/22 05:36
ネタバレがあります。

 登場人物が、それぞれ、自分の推理を述べていく形式がとっても面白かったです。登場人物ひとりひとりにキャラクターがあり、読みやすかったです。

 個人的には、シェリンガムさんの推理が一番好みでした。犯人の犯行はやっぱり、すべて計画通りに行ってほしいです。偶然性がないほうが好きです。


 この作者の他の作品には、チタウィックが探偵のシリーズと、シェリンガムが探偵のシリーズがあるみたいですね! 意外でした。 詳しくはしらないですが

No.93 6点 乱れからくり- 泡坂妻夫 2014/11/27 09:39
ネタバレがあります。

 設定がおもしろいなと思いました。海外の有名作品をひとつ思い出しました。

 細かい不満点(偶然性など)はあるものの、毒殺のトリックは非常に好きです。あれって、ハズレカプセルがウンコででますよね? 健康のために、自分のウンコをみるっていう人、いるんじゃないかな? わたしはみませんが。

 タイトル、設定から、おおまかにふわっと、犯人が予想出来てしまうのはちょっとマイナスだったかも。

No.92 6点 能面殺人事件- 高木彬光 2014/08/26 07:21
 この作品には、アガサ・クリスティーやヴァン・ダインの作品のネタバレがあります。全作品を読んでから、この作品を見たほうがいいかも。自分のように、読む前にネタが割れてしまい、後悔します。



 ここから、能面殺人事件のネタバレをしつつ感想を書きます。

 よかった点

 雰囲気が最高で読みやすい。最近、ヴァンダインのある作品を読みましたが、明らかにそれに似せて書かれているような気がします。
 過去の有名作品をだしつつ、『探偵小説史上、先例のない構成』と書かれていて、叙述トリックでないかように、だまされた。微妙に、先例がない・・・
 柳の手記で、柳自身が速記を読むことで、自然と、柳が速記ができることを明記している点。非常にうまいロジックだと思いました。
 高木が発見した、速記が書かれている紙。最後らへんに、『柳の指紋しかない』点。おもしろい!ヒント。確かにおかしい。違和感があったけどスルーしてしまったことを後悔します。
 高木の存在。絶妙なアホにみせかけ、探偵と助手役がわかりづらくなってます。


 いまいち気に入らなかった点
 
 若干の、胸糞展開。鬱気味になる・・・
 犯人に協力者がいる点。
 犯人に都合がよい偶然がある点。
 犯人が別にいても理屈が通る点。
 結果的に、犯人が2人いる点。これは別にあれか。
 レベルの高い叙述トリックだと思いますが、本質は、あの作品、と同じだと思います。前例から脱却しきれていない気がします。

No.91 6点 グリーン家殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン 2014/07/20 14:00
ネタバレがあります

 
 グリーン家内の雰囲気が、よくある旧家もののようでおもしろく読みやすかったです。元祖なのかな?。横溝物のような。
 第3の殺人で機械仕掛けの殺人があったり、最後らへんで医者の判断が誤っていたり、その辺が不満です。

No.90 8点 りら荘事件- 鮎川哲也 2014/05/30 19:47
ネタバレを含みます。


 本格好き垂涎の要素があります。 登場人物が一ヶ所に集まっての連続殺人。 死体のそばに必ずカード。 とても多い複線と回収。 
 かなり早い段階から人が死に、間をおかず連続殺人に入るため、物語がだれなく一気に読めます。
 叙述トリックや、奇想天外大トリックの類はないけれど、本角度の高い本物の推理小説でした。


 あえて気に入らない点を書くと・・・
 犯人に有利な偶然がある。
 あらかじめ砒素に耐性をつけるトリックは、有名?だけども知識がいるとおもう。色白云々然り。
 最後の殺人は、また別の犯人になる。すべて1人の犯人ができる犯罪のほうが好み。

No.89 4点 月の扉- 石持浅海 2014/05/18 01:43
ネタバレをしています。

 座間味君の怒涛の推理?が面白かったです。

 以下、好みではない点。
 殺人するつもりではなくて、偶然が絡んで殺しになった。
 ピタゴラスイッチ系密室(機械仕掛け?)だった。
 クローズドサークルのドキドキ感があんまり感じられなかった。設定は変わっていたけど、生かされているような気が、あんまりしなかった。
 犯人当てが、やや予想しやすかった。
 後味が、すこし、悪かった。

 裏表紙に、かなり評判がいい感じの紹介文が書いてありました。そのせいで、ハードルが上がってしまった感があります。

 

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ミステリ初心者さん
ひとこと
 有名な作品をちょこちょこ読んだ程度のミステリ初心者です。ほとんど、犯人やどう殺したかを当てることができません。


 高評価・低評価の基準が、前とは少し変わってきました。
 犯人を一人に断定で...
好きな作家
三津田信三 我孫子武丸 綾辻行人 有栖川有栖 鮎川哲也
採点傾向
平均点: 6.20点   採点数: 388件
採点の多い作家(TOP10)
アガサ・クリスティー(16)
三津田信三(14)
歌野晶午(13)
綾辻行人(11)
エラリイ・クイーン(11)
東野圭吾(10)
東川篤哉(10)
鮎川哲也(10)
西澤保彦(9)
アンソロジー(国内編集者)(8)