皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
ムラさん |
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平均点: 4.28点 | 書評数: 296件 |
No.18 | 6点 | 西巷説百物語- 京極夏彦 | 2015/04/24 20:02 |
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林蔵が主役の短編集
時代的には前巷説百物語~巷説百物語辺りだろうか 個人的に巷説メンバー勢揃いの野狐と物悲しい話の豆狸が特に面白かった。 |
No.17 | 7点 | 前巷説百物語- 京極夏彦 | 2013/03/07 01:34 |
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(ネタバレあり)
又一が小股潜りとなるルーツの話。 想像以上に青臭い又一の葛藤が見れて面白かった。 しかしあちらも立てて、こちらも立てることが出来ない又一の話は、予想以上に重い。 やったやられたの殺し合いを経験してるからこそ、又一のいう事が重くなる。 また、この話を見た後に、後巷説百物語の狐者異を見るとかなり印象が変わる。 仲間ほぼ皆殺しにされた仇の化け物退治の苦労とか、。 この巻には出てこないが、騙されやすいってか素直な万三と、知識のある久瀬の両方の性質が合わさった百介が重宝される理由が改めてわかる。 しかし又一がまだ駆け出しで化かしの知識が薄い設定のためか、いつもに比べて妖怪小説度は低めな印象。ほかの巷説シリーズの妖怪度が高いからそう感じるだけかもしれないけど、 |
No.16 | 8点 | 後巷説百物語- 京極夏彦 | 2013/02/18 01:41 |
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この作品単品の評価だと7点くらいだが、巷説百物語シリーズとしては文句なく8点。
不思議な事なんてこの世にはないと散々謳い文句にし、すべての不思議は人間が裏で仕掛けているといわれてるのに、どうしても怪異を信じたくなる。 あえて怪異が死んだ文明開化後で怪異の話をすることで、不思議な事を信じていない昔の人こそ不思議に溢れているというのがよくわかる。 最初は、不思議を信じてない時代に移り、又一もでないでこじんまりとして寂しかったが、それもテーマの一つとなると感動が湧く。 手負い蛇あたりまでは、単に百介が昔語りをするだけの短編集だと思っていたが、山男から一気に巷説百物語としての確信に迫られていった印象。 最後はハッピーエンドなのに寂しかった。百物語が終わった気がして。 でも、ただ妖怪の存在意義が消えて寂しいってだけじゃなく次の世代に受け継ぐ構成なのが良い。 |
No.15 | 7点 | 続巷説百物語- 京極夏彦 | 2013/02/08 18:02 |
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(軽いネタバレあり)
前作の仕置き人短編集な作品から、一気に濃厚な百物語に昇華したイメージ。 この作品で個人的に何よりも面白い所は悪行も、仕掛けも、すべて人間がやったことなのに、それでも祟りや妖怪がやったとしか感じられない所にあった。 昔の人たちが祟りや妖怪を恐れていたのは、無知からではなく、そうしたほうが収まりがいいからと京極も言ってたが、この話をみるとさらに納得させられる。 起承転結の流れも秀逸で、序盤で謎をばら撒き、後半で回収するというミステリとしての体裁もきっちりそろっている。 この作品で出てきたもっとも醜悪な悪人も、単なる生まれの環境の所為にしなかったところも好印象。 ただ、残念だったのは取り巻きの四人の背景をもうちょっと他の話で見たかったかな。このうちの二人はガッツリ書かれてたけど、残り二人がぱっと出てぱっと消えたので印象に薄い。 しかし、百介は晴れて作家になったことでより一層関口くんみたいなキャラになってる気がする。 |
No.14 | 5点 | 巷説百物語- 京極夏彦 | 2012/03/11 08:31 |
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嗤う伊右衛門から登場の又市
最初は同一人物かわからなかったけど、最後の帷子辻での語りと落ちで確信に至った。 妖怪を語る仕置き人みたいな感じでどれも楽しめた。一番好きなのは最後がしんみりとする帷子辻である。 |
No.13 | 3点 | 嗤う伊右衛門- 京極夏彦 | 2012/02/28 18:47 |
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雰囲気が良かったのだけど、内容はそこまでハマるものではなかった。
個人的に予想外な出来事があまりなかったせいかもしれない。 |
No.12 | 6点 | 邪魅の雫- 京極夏彦 | 2011/10/21 02:45 |
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絡新婦の劣化と言ってはそれまでだが、それでも今回の作品は楽しめた。
久しぶりに関口さんを見れたのもあれだが、複雑な人物関係が最後の京極の話ですっきりするのがいい。真相はなんとなくわかったが、最後まで見れた。 個人的には山下さんが随分親しみやすいキャラに変わってたのが驚き。 そしてなにより最後の榎さんがかっこいい。 ただ妖怪話が無かったのは、今回はミステリに重点をおきたかったのだろうか。 |
No.11 | 5点 | 今昔続百鬼 雲- 京極夏彦 | 2011/10/08 11:01 |
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多々良センセイは榎さんをさらに人間的に歪ませた上に屑を付属させたような感じの人だけど妖怪馬鹿ってところは顕著に出ていた。好きか嫌いかで言えば、一度殴ってやりたいキャラであるが、里村先生との絡みは変人同士で面白い。
作品全体としては全体的に博学が見れて面白かった。謎に対するオチが適当な気もしたが、最後のミイラの話は面白かった。京極のブレなさも見れたのもよかった。 しかし、多々良先生は本編のときはここまで変人じゃなかった気が。 |
No.10 | 7点 | 百器徒然袋 風- 京極夏彦 | 2011/09/28 21:30 |
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相変わらずの榎さんの破壊神っぷりが面白い。
特に雲外鏡は笑いをこらえるのが大変だった。 最後もきっちりと閉めてあり榎さんのちょっといい所が見れる。 しかし木場の旦那は貫禄があるなぁ、ちょっとしか出て無いのに妙に印象深い。 本島が語り部をすると、確かに関口が普通ではない分類の人物だということもわかる。 |
No.9 | 6点 | 百鬼夜行 陰- 京極夏彦 | 2011/09/07 18:51 |
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全体的に重い。この中に榎さんを投下したいくらい重い。
しかし補間小説としては登場人物の心情を理解出来るので面白かったです。 とくに関口先生はやっぱ自分の好み。自殺は病気って考えがまさにがっちしている。 ただなんで「ルーガルー」からも出てるんだろう。自分はそっち見てないからわからんかった。 |
No.8 | 5点 | 陰摩羅鬼の瑕- 京極夏彦 | 2011/05/05 18:59 |
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面白かったかどうかと言われるとけっこう楽しめた作品。
京極にしては館あり、見当違いの考えをする警部ありとなんとなくオーソドックスな推理物っぽいけど、まぁそんなわけもなく。 ミステリかと思ったら死の壁を読んでいる感覚だった。もう一度あの作品を読み直したくなる。 犯人が最初っから検討つくけど、どちらかと言えばホワイダニットに当ると思うからそこは満足。動機についてはイマイチ見当つかなかったので。 中番の中だるみさえなければなお満足だったのに残念。 なお、京極シリーズの中では割とまともな方の榎さんが見られる。 いっつもいっつも後手に回る京極の姿を見るのも段々慣れてきた。 |
No.7 | 7点 | 百器徒然袋 雨- 京極夏彦 | 2011/03/08 22:54 |
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塗仏の宴までを読んでいないと人間関係とか事件のあらましがわからないので楽しめない本である。自分は榎さんファンなのでかなり楽しめた。
榎木津が期待以上暴れ撒くってくれた事や、京極堂の普段見れない意地悪な一面が見れて満足だった。 そして関口はやっぱり必要な人間だと言う事がわかる。最後とか可愛そうだけど笑えた。 益田もいつのまにかキャラ性が強まっているのが驚き。 ギャグがメインなのでいつものようなおどろおどろしさが無いと思ったけど、最後のトリックの結果はちと暗めの結果だったかな。それでも大根を食べさせる榎木津には爆笑だったけど。 |
No.6 | 4点 | 塗仏の宴- 京極夏彦 | 2011/03/05 07:14 |
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中禅寺の憤りとか榎木津とかが色濃く見れて面白かった。
面白かったは面白かったんだけど、やっぱり人数が多い所為か長かったなぁ。 前作と前々作は長さを気にせず楽しめたのだけど今回はちょっとテンポが遅かったように思えた。 トリックやら動機もイマイチ。京極堂が憑き物を落とすときの気持ち良さが今回は無かった。 それと、どうも映像が浮かび辛かったなぁってのも。 それでも支度の妖怪談義は面白かったけど。 あとあの黒幕は必要あったのかな。続編に続くならわかるけど今回の話ではあの黒幕についての評価は保留せざるえない。(ちょっと安っぽすぎる) |
No.5 | 8点 | 絡新婦の理- 京極夏彦 | 2011/02/27 18:21 |
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京極堂シリーズの主要キャラが集まっているのもあるけど、話し的にも集大成と言えるだろうか。
鉄鼠よりも無駄が無く展開もよかったのですらすらと読めた。今までよりも話しに引き込む力が強くなっている。純粋に完成度が高い作品に思えた。 日本妖怪だけでなく基督の知識までもあるとは思わなかったので驚き。 探偵榎木津のキャラも相変わらずいい、彼が出るだけで世界がまた変わる。 他のキャラもそれぞれの意思でそれぞれの物語を紡ぐので飽きがこない。 理論を積み上げないでただオチを言われたらご都合な感じはしたかもしれないけど、この分量でこの展開なら満足。 ただし碧の結末だけは逃がさない可能性の方が強いので、これだけは話を進めるために都合を合わせた感が出ちゃったのでそれだけが本当に残念。。 しかし関口先生出番ないと思っただけに最後の最後に出てきて安心した。 |
No.4 | 7点 | 鉄鼠の檻- 京極夏彦 | 2011/02/16 07:10 |
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これまでのシリーズの中では一番長かったが一番無駄が少なく読みやすかった。
幻想的であった寺がどんどんと現実の世界に引き戻されていく様は圧倒されました。 山下警部補の変わりようが中でも一番面白かったかな。探偵の飄々とした姿も相変わらず。 動機に関しては1000pもの説明がなければ正直納得できなかっただろうなぁ。 しかし結局あの鈴はなんで子供のままだったんだという疑問。 |
No.3 | 6点 | 狂骨の夢- 京極夏彦 | 2011/01/20 04:15 |
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前半パートが長く、京極堂の出番も無いからちょっと退屈してしまったけど、最後まで見ると必要な長さだったかな。問題編が間延びした分、解決編はすらすらと読めた。しかしそれでも、やっぱり前半をスムーズに進める事が出来ればという残念さが残る。
内容は幻想と現実が交互に顔見せるいっそう不思議な世界に仕上がっていました。個人的には前二作よりも幻想臭が強い気がする。トリックの内容も好き。最後の、朱美のセリフもなかなか。 これで京極堂の妖怪講座がもっとあれば満足だったが、まぁ仕方ない。 |
No.2 | 4点 | 姑獲鳥の夏- 京極夏彦 | 2011/01/16 02:53 |
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トリックのほうはたっぷりと伏線出してくるからビックリする感じでは無いでした。というかあれくらい説明されても正直推理物とカテゴリーしたら納得できん。
その代わり妖怪の情報や民俗学、または意識と無意識についての情報をたっぷりと出してくるのが面白いところです。 一風代わった人々も良かったです。 たた解決パートがちとだれた。わかってる情報を100Pくらい読まされるのはきつい。妖怪講座とかなら1000P出してくれてもいいのに。 |
No.1 | 7点 | 魍魎の匣- 京極夏彦 | 2011/01/14 05:25 |
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密室のトリックはちと拍子抜けしてしまったけど、独特の世界観に生きるキャラクター達は見ていて面白かったです。
京極堂の妖怪豆知識も、好きな人は楽しんで見れますね。ペテン霊媒師との対決はなかなか見ていてわくわくしました。この作品的にペテンって言っていいのかは微妙ですが。 長さの割にテンポも良くてスラスラ見れたけど、ちょっと解答パートが中だるみしてしちゃったかなぁ。どうせなら最後まで妖怪講座で魅せて欲しかった。 |