皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
nukkamさん |
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平均点: 5.44点 | 書評数: 2814件 |
No.114 | 4点 | マーチ博士の四人の息子- ブリジット・オベール | 2009/10/13 11:04 |
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(ネタバレなしです) フランスのブリジット・オベール(1956年生まれ)はジャンルという枠に縛られない女性作家と評価されていますがどちらかといえばホラー、サスペンス系ではないかと思います。1992年発表のデビュー作の本書は本格派推理小説とされていますがかなり風変わりな作品です。犯人の日記と主人公(メイドのジニー)の手記を交互に配したプロットがユニークで、動きや表情の描写は皆無に近いですがテンポのいい展開のため退屈しません。恐さや不気味さも(デビュー作のためか)控え目です。ただ謎解きとしては大胆な真相を成立するためにトリックにかなり無理があるように思えました(トリック成立の説明が十分でない)。 |
No.113 | 4点 | 霧と雪- マイケル・イネス | 2009/10/05 12:39 |
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(ネタバレなしです) 1940年発表のアプルビイシリーズ第6作です。作者は第2章でわざわざ「家系図を出さないことをお許し願いたい。(中略)単純な散文でも全体をはっきりできることができることを信じている」と言い訳していますが、登場人物リストはやはり作ることを勧めます。しっかりしたプロットのようで回りくどさを感じさせ文章も軽妙でありながらどこか捉えどころがなく、特に事件が起きる前の序盤はかなり読みにくいです。真相も大胆といえば大胆ですが短編ならまだしも長編でこれは読者を馬鹿にしていると立腹する人がいるかもしれません。そういうところがイネスらしいと言えなくもありませんが、ビギナー読者には薦めづらい本格派推理小説です。 |
No.112 | 10点 | 兄の殺人者- D・M・ディヴァイン | 2009/10/05 11:34 |
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(ネタバレなしです) 書かれた作品がわずか13作ながら駄作なしと評価の高い英国のD・M・ディヴァイン(1920-1980)の1961年発表のデビュー作です。謎解きと物語がどちらも高い水準で両立した、文句なしの本格派推理小説の傑作です。アガサ・クリスティーも絶賛しただけあって読者を騙すテクニックは巧妙で、どんでん返しの面白さを堪能できます。人物描写も個性豊かです。ウイリアム・アイリッシュの「幻の女」(1942年)の有名な冒頭シーンを連想させる場面をエンディングに持ってきているのには思わずにやりとしました。 |
No.111 | 5点 | 放課後- 東野圭吾 | 2009/09/14 11:25 |
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(ネタバレなしです) 東野圭吾(1958年生まれ)の記念すべきデビュー作が1985年発表の本書です。「青春推理」と宣伝されていますが確かに高校を舞台にしているとはいえ主人公の教師の1人称形式の物語で、読者が学生気分を味わうタイプではなく私には普通の本格派推理小説にしか感じませんでした(無論それが悪いというのではありません)。珍しい動機についてはどこまで読者が真剣に捉えるかで賛否両論あるようですが私はミステリーとしてはありだと思います。ただ動機の謎解き伏線が十分でないことには不満ですし、またミスディレクションはアンフェアに近い稚拙な手法だと思います。 |
No.110 | 5点 | 修羅の終わり- 貫井徳郎 | 2009/09/09 20:27 |
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(ネタバレなしです) デビュー作の「慟哭」(1993年)からして完成度の高さに感心しましたが、1997年発表の本書はその「慟哭」をさらに発展拡大したかのような印象を受けました。強力な個性を持つ3人の主人公を軸にして複雑に絡み合うプロット、講談社文庫版で800ページ近い長大さ、それでいて文書には無駄がなくて読みやすく最後までテンションは落ちません。にもかかわらずこの採点にとどめたのは(結局は好みの問題なのですが)本格派推理小説としてはあまりにも標準型とかけ離れたからです。最後の1行で明かされる秘密にしてもそもそも謎として明快に提示されていない秘密なので謎解きのスリルを感じませんでした。汚さと卑劣さに満ち溢れたどす黒いストーリー展開も私には「やり過ぎ」にしか感じられませんでした。 |
No.109 | 6点 | ミスター・ディアボロ- アントニー・レジェーン | 2009/09/07 19:17 |
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(ネタバレなしです) イギリスのアントニー・レジューン(1928年生まれ)は批評家兼ジャーナリストとして著名で、ミステリー作家としては長編9作程度しか書いておらずその大半は冒険スリラーやスパイ小説に分類されるそうですが1960年発表の本書は彼の唯一の本格派推理小説です。これといった欠点はないけれど際だったセールスポイントもない、平均的な作品の印象を受けました。人間消失トリックも無理を感じさせない点はよいけれど小粒感は否めず、謎の演出をもう少し派手にできていればだいぶ面白くなったと惜しまれます。トリックの丁寧な説明に比べると犯人当ての方は拍子抜けするぐらいあっさりした推理だったのが不思議な読後感を残します。 |
No.108 | 6点 | 悪魔のラビリンス- 二階堂黎人 | 2009/08/04 10:48 |
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(ネタバレなしです) スーパーヘビー級の「人狼城の恐怖」(1998年)に続く二階堂蘭子シリーズ第6作として2001年に発表された本書は一転してライト級、それも200ページにも満たない短めの長編2本を合体させた構成です。冒頭のプロローグこそ二階堂ならではのグロテスクな描写がありますが、それ以外はむしろ洗練されていて読みやすく仕上がっています。前半にあたる「寝台特急《あさかぜ》の神秘」は謎も謎解きもいい意味でコンパクトにまとまっていて完成度が高いです。後半の「ガラスの家の秘密」はスケール感が大きい分、整理不足も目だったように感じます。でもこちらの方が二階堂らしいと評価する読者が少なくないかもしれません。ライト級といっても二階堂蘭子の宿敵となる世紀の大犯罪人「ラビリンス」初登場作品なのでシリーズファンにとっては重要な作品ですね。 |
No.107 | 7点 | 暗色コメディ- 連城三紀彦 | 2009/07/29 10:58 |
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(ネタバレなしです) 純文学の分野でも活躍する一方、技巧を凝らした異色の本格派推理小説で高い評価を得ている連城三紀彦(1948-2013)が1979年に発表した長編ミステリーのデビュー作です。冒頭のトラック消失だけでも十分衝撃的な謎ですが、狂人の妄想ではと思わせるほど不思議な謎が次々に提出されます。犯罪性がはっきりしないためか読者の謎解き挑戦意欲が湧くかはやや疑問ですし心理サスペンス風な展開は好き嫌いも分かれるかもしれません。決め手の手掛かりが終盤になって唐突に提示されるなど本格派推理小説としては弱いところもありますが、これだけの「混乱」を合理的に収拾する手腕は「技巧派」と評価されるにふさわしいと思います。後年の傑作「白光」(2002年)に通じるような雰囲気も併せ持っています。 |
No.106 | 6点 | 孤島パズル- 有栖川有栖 | 2009/07/15 13:39 |
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(ネタバレなしです) 1989年発表の江神二郎シリーズ第2作で、謎解き論理へのこだわりは相変わらずですが密室トリックにも挑戦した本格派推理小説です。密室トリックはあまりいい出来映えではないと思いますが(むしろ釈然としない部分がありました)、容疑者の中から犯人条件を満たす1人だけに絞り込む推理の切れ味は見事です。心理描写は深みがあるとはいえませんが、前作の「月光ゲーム」(1988年)に比べれば人物整理に進歩が見られます。 |
No.105 | 6点 | カレイドスコープ島「あかずの扉」研究会竹取島へ- 霧舎巧 | 2009/07/06 17:44 |
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(ネタバレなしです) 2000年発表の《あかずの扉》研究会シリーズ第2作となる本格派推理小説です。講談社文庫版で650ページを超える大作ながら軽妙さで読ませます。どうでもよさそうな謎まで丁寧に推理しており、数え切れないほどの伏線と論理の積み重ねが圧巻です。前作「ドッペルゲンガー宮」(1999年)のような一発大トリックこそありませんが全体的なまとまりは良くなっており、謎解きのテンションが最後までだれることがないのは本書の長所と言えると思います。 |
No.104 | 6点 | 夜歩く- 横溝正史 | 2009/06/12 09:35 |
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(ネタバレなしです) 1948年発表の金田一耕助シリーズ第3作である本書の前には「本陣殺人事件」(1946年)や「獄門島」(1947年)、後には「八つ墓村」(1949年)や「犬神家の一族」(1950年)といった代表作とされる作品が次々に発表されており、それらと比べて知名度で劣るのは地方色や時代色といった背景描写が弱いからでしょうか。逆に考えれば今読んでもさほど古さを感じさせないという長所でもあるのですけど。語り手による1人称形式を効果的に使って重く暗くそしてサスペンス濃厚な雰囲気づくりに成功している点はやはり全盛期に書かれた作品だということを納得させます。 |
No.103 | 5点 | 「禍いの荷を負う男」亭の殺人- マーサ・グライムズ | 2009/06/11 15:43 |
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(ネタバレなしです) 米国の女性作家マーサ・グライムズ(1931年生まれ)が1981年発表の本書でスタートしたリチャード・ジュリーシリーズは、(特に初期作品は)予備知識なしで読めば英国の作家の作品かと思うほど伝統的スタイルで書かれた本格派推理小説です。このシリーズ、英国地理に関する初歩的なミスやアメリカ英語の使用が散見されて英国ではあまりいい評判を聞かないそうですが米国ではベストセラーを記録するほどの人気です。デビュー作ということもあってかかなりの力作だと思いますが詰め込みすぎてごちゃごちゃしている感もあります。文章自体はうまく、人物描写や風景描写に冴えを見せています。 |
No.102 | 6点 | ながい眠り- ヒラリー・ウォー | 2009/06/09 17:21 |
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(ネタバレなしです) ヒラリー・ウォー(1920-2008)はハードボイルド作家として1947年にデビューするもそちらではあまり成功せず、「失踪当時の服装は」(1952年)に始まる警察小説の分野で巨匠と呼ばれる地位を確立した米国作家です(但しハードボイルド小説も1980年代から再び積極的に書くようになりました)。フェローズ署長シリーズは警察の捜査を丁寧に描くだけでなく謎解きの伏線もきちんと張ってるので本格派推理小説好きにも勧められるとのことです。1959年発表の本書がシリーズ第1作ですが犯人の正体どころか(頭と両手両足を切断された)被害者の身元さえ容易に判明せず、あまりの難事件にフェローズ以外の捜査陣はギブアップ寸前です(笑)。なかなか進展しない捜査に読者も我慢くらべしているような気分になります。謎解きは確かにしっかりやっていますが、あれだけしぶとかった犯人が観念するほど最後に提示された証拠に決定力があるのかはやや疑問が残りました。 |
No.101 | 8点 | 乱れからくり- 泡坂妻夫 | 2009/06/09 10:44 |
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(ネタバレなしです) デビュー作の「11枚のとらんぷ」(1976年)が極めて精密に構築された本格派推理小説の傑作だったので、次作を書くのは相当なプレッシャーがあったと思いますが1977年に発表された長編第2作の本書もまた傑作と評価されるにふさわしい出来ばえでした。序盤は少々取っ付きにくく、からくりの薀蓄も空回り気味に感じましたがどんどん勢いがついてページをめくるのももどかしくなりました。大胆な仕掛けが何重にも用意された、まさにタイトル通りの真相には本当に驚かされます。中盤からは人間描写にも配慮するようになり、単なるトリック小説に留まっていないのは作家としての進歩だと思います。 |
No.100 | 6点 | かくてアドニスは殺された- サラ・コードウェル | 2009/06/08 17:22 |
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(ネタバレなしです) 英国のサラ・コードウェル(1939-2000)は名門オクスフォード大学出身で弁護士を勤めたこともある女性作家です。ティマー教授を探偵役にした本格派推理小説はわずかに長編4作と短編1作と極めて寡作家でしたが上品なユーモア、深い文学知識、そして緻密な謎解きが高く評価されています。本書は1981年発表のデビュー作で前半をジュリアからの手紙、後半をティマー教授と若手弁護士たちの探偵活動という構成をとっています。表現が回りくどかったり教養が鼻につくところもありますがユーモアでうまくフォローしており、特に前半部は大変面白かったです。真相にちょっと不自然さを感じましたが大胆かつ周到な謎解き伏線が張ってあり、よくできた本格派推理小説です。 |
No.99 | 6点 | 慟哭- 貫井徳郎 | 2009/06/08 15:23 |
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(ネタバレなしです) 貫井徳郎(ぬくいとくろう)(1968年生まれ)の1993年発表のデビュー作ですが文章力、構成力とも驚異的な完成度です。本格派推理小説に分類できるのですが謎解きよりも物語性重視で、警察小説や犯罪小説的な要素も織り込んだジャンルミックス型のミステリーです。ドライな文章で悲劇性を重厚に描いているところはハードボイルドに通じるところもあります。もっともこのドライさが「慟哭」という純文学作品的なタイトルと合っているかは賛否両論あるでしょう。もし本書がもっとウエットに情感豊かに描かれていたらまた違う一面を見せていたかもしれません。とはいえデビュー作でここまでの高みに達していいのだろうかと、余計な心配するほどの作品には違いありません。 |
No.98 | 8点 | 七人のおば- パット・マガー | 2009/06/05 14:59 |
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(ネタバレなしです) 1947年発表のマガーの第2作で、「被害者を探せ!」(1946年)と共にマガーの代表作とされる被害者当て本格派推理小説です(犯人当てでもあります)。この2作は雰囲気が大きく異なっていて、「被害者を探せ!」はクリスティーに通じるような洗練された語り口とゲーム感覚あふれる推理合戦の楽しさが、本書はどげとげしい人間関係が醸しだす重苦しさが特徴です。日本人読者の間ではどちらかといえば本書の方が評価が高いというのはエラリー・クイーンの「Xの悲劇」(1932年)と「Yの悲劇」(1932年)で、暗い作風の後者の方が人気が高いのと似ていますね。いやー、しかしこのどろどろした人間関係といったら!どの夫婦もみんな一発触発、誰が人殺しになっても全然おかしくない。女性作家だからここまで恐い書き方ができるのかな(あっ差別的コメントかも)。私は何度でも再読できる「被害者を探せ!」(1946年)の方が好きなんですが...。 |
No.97 | 6点 | ふたたび赤い悪夢- 法月綸太郎 | 2009/06/04 09:36 |
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(ネタバレなしです) 1992年の法月綸太郎シリーズ第5作の本格派推理小説です。文章も展開も巧みですらすらと読めますが悲劇色と緊迫感の強い物語が(講談社文庫版で)600ページに渡って続くので読み疲れる作品でもあります。物語性豊かなのを否定する気は毛頭ありませんがもう少し謎解きの面白さを前面に出してほしかったと贅沢な注文を付けたくなりました。「雪密室」(1989年)と「頼子のために」(1990年)の続編的な内容なので、できればこの2作品を読んでから本書に取りかかることを勧めます。エラリー・クイーンの「九尾の猫」(1949年)を読んでいればなおいいと思います。 |
No.96 | 7点 | グリンドルの悪夢- パトリック・クェンティン | 2009/06/01 17:31 |
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(ネタバレなしです) リチャード・ウエッブ(1901-1970)とメアリー・アズウェル(1902-1984)のコンビによる作品としては「死を招く航海」(1933年)に次ぐ1935年発表の作品ですが、同じコンビの作品とは思えぬほど雰囲気が違いました。「死を招く航海」がどちらかといえば洗練された本格派推理小説だったのに、本書は同じ本格派でも息詰るようなサスペンスが特徴です。次々と動物や人が死に、しかも死体の演出も凝りまくりで横溝正史もかくやと言わんばかりのおどろおどろしさです。それでいて目まぐるしいほどスピーディーな展開で、さんざん息苦しい思いをさせた読者に最後は新鮮な空気を味わうような気分にさせているところが計算高く、しかも謎解きプロットは緻密に構成されているのですから大満足です。 |
No.95 | 3点 | 真夜中のユニコーン 伊集院大介の休日- 栗本薫 | 2009/06/01 16:19 |
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(ネタバレなしです) 2003年発表の伊集院大介シリーズ第23作で、「伊集院大介の休日」という副題付きですが伊集院大介はほとんど登場しません(アトムくんこと滝沢稔はそれなりに出番あり)。だから「休日」なのか(笑)?前半は傷心のヒロインが何事にも消極的な姿勢をとる場面がずっと続いてほとんどミステリーらしさがありません。後半は巻き込まれ型サスペンス風で、最後にやっと伊集院大介が登場して解決しますが結局のところ読者のあずかり知らぬところで探偵活動していたわけで、推理に参加する余地がほとんどなかった読者としては本書を本格派推理小説としては高く評価できないでしょう。 |