皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
あびびびさん |
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平均点: 6.33点 | 書評数: 669件 |
No.19 | 5点 | 宛先不明- 鮎川哲也 | 2017/06/12 23:30 |
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アリバイ工作が用意周到な犯人のため、無駄な捜査が多くなるが、これは現実的ではある。でも、そのために切れ味に欠けるかなと言う感じ。 |
No.18 | 8点 | 時間の檻- 鮎川哲也 | 2016/10/24 00:11 |
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どの作品も熟成された本格もので、珠玉の名作ばかりである。鮎川さんは短編の方が無駄な中だるみがなく(失礼)濃縮されて面白いなと感じた。
ミステリマガジンの「宝石」の編集長になった江戸川乱歩さんが、立て直しのため、宝石と仲違いをしていた鮎川さんに執筆依頼したと言うのが興味深い。 |
No.17 | 5点 | ペトロフ事件- 鮎川哲也 | 2016/10/15 23:40 |
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終戦後、大連から日本に帰ったーという話はよく聞いた。悲惨な戦争後であり、しかも何十年前の中国だから、街も生活も悲惨だったのでは?と言う上から目線は間違いだった。挿入された地図や、街並みを見ると、パラダイスのように見えるし、魅力的だったから、思わずグーグルの地図を見た。今でも、素晴らしい海岸線が広がっているようである。
それはともかく、その中国でロシア人の殺人事件…。最初は凄く混乱した。容疑者はペトロフばかりで、区別もつきにくかった。読むうちに、なぜロシア人がたくさん住んでいたのかは歴史的背景で分かり、事件の内容もだんだん把握できた。 しかし、やはりデキとしてはイマイチのような感じを受ける。どんでん返しの犯人も、容疑者の少なさから、驚きはなかった。 |
No.16 | 8点 | 偽りの墳墓- 鮎川哲也 | 2016/07/25 01:41 |
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鮎川氏の作品は、ほとんど同じ流れで、印象の薄い作品は見分けがつきにくい面もあるが、この作品はアリバイトリックが秀逸だった。
一枚の紙切れから、そこまで推理し、事件を終わらせる鬼貫警部の手腕はお見事と言うしかない。 舞台は浜名湖の舘山寺温泉。何十年間か前に、鷲津から船に乗って舘山寺温泉まで行った経験があるので、そのリアルさは半端ではなかった。その印象も影響しているかも知れない。 |
No.15 | 8点 | 鍵孔のない扉- 鮎川哲也 | 2016/06/06 23:42 |
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事件が起こり、事件の環境が淡々と語られ、捜査が行われる。捜査の甲斐があって容疑者が狭められるも、難関が立ちはだかり、その後行き詰る。そして、5分の3くらい進んだところで、捜査が鬼貫警部に委ねられる。
ここからが鬼貫警部シリーズの白眉である。自分的には、鬼貫警部が現地(出張)で交わす地元民との会話、その地方の特色、グルメなどが楽しい。今回は蔵王温泉から我我温泉、青根温泉、遠刈田温泉の評価が楽しかった(自分は温泉命で年間10回くらい全国を旅している)。 今回の謎の中で一番唸ったのは、なぜ、黒と茶色の靴を用意したのか?だった。判明すると単純明快だったが、その時点では思い浮かばなかった。 |
No.14 | 7点 | 人それを情死と呼ぶ- 鮎川哲也 | 2016/05/08 00:06 |
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鬼貫警部に粘り腰がなかった(笑)。作者は時々、鬼貫が決してスーパーンマンではないことをに示しているが、これは松本清張を意識した作品と言うことで、最後の心中がいかにもそれっぽい。
しかし、清張は清張であり、鮎川哲也は鮎川哲也である。アリバイ工作は苦笑するしかなかったが、意外性のあるおもしろい作品で、あっという間に読んでしまった。でも、それほど自分向きではなかったかも知れない。 |
No.13 | 7点 | 憎悪の化石- 鮎川哲也 | 2016/04/25 00:34 |
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作者が長年温めていたトリック。偶然に頼った面もあるが、全部が全部計算されたものばかりだと逆に違和感があるし…。現実の事件でも、そんな場合が多い。
自分的には鮎川さんのミステリを一冊楽しんだという満足感がある。最初のトリックで犯人が喋り始めた時には、「まさか?」と思ったが、やはり最後は時刻表のトリックで、妙に安心?してしまった。 |
No.12 | 7点 | 積木の塔- 鮎川哲也 | 2016/03/07 11:12 |
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この作者の王道と言うか、時刻表、アリバイトリックの極みのような作品。個人的に印象深かったのは、高校まで住んでいた徳山市(現・周南市)がかなりの部分かかわっていたこと。作者の街の描写を懐かしく読んだ。徳山市は、戦災後、東京のように立派な街になることを祈願し、東京と同じ町名にしたことである。銀座、新宿、御幸通りなど、そのままである。
今回は鬼貫警部が博多、徳山と出張し、粘り強い捜査を見せた。これが実に楽しい。 |
No.11 | 6点 | 翳ある墓標- 鮎川哲也 | 2015/10/08 17:48 |
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「メトロ取材グループ」の杉田は、同僚の高森映子とともに西銀座のキャバレーを取材するが、それに応じてくれた映子の友人のホステスが、翌日、熱海沖合で水死体となって発見された。自殺という警察の判断に納得のいかない映子は独自に調査を開始するが、今度は彼女が何者かに殺害されてしまう―。
映子の遺したダイイング・メッセージを手がかりに、杉田が会社の応援もあり、粘り強く捜査するが、最後の最後で手がかりを掴む。犯人より、幇助した形になった人物の告白が意外だった。 |
No.10 | 7点 | 砂の城- 鮎川哲也 | 2015/09/07 16:57 |
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時刻表のアリバイトリックは、他にも可能性があることを指摘されたみたいだが、殺人犯が使ったルートが分かればそれで良しではないか。
急行いずもが、豊岡、浜坂と、いわゆる山陰本線を通っていたことが興味深い。現在は姫路、上郡から智頭急行線を通って鳥取へ出るのが定番である。さらに、鳥取市の人口が5万人と言うことに驚いた。松江市の方が大都市ぽく書かれていたが、現在ではそうは変わらないだろう。 |
No.9 | 6点 | 風の証言- 鮎川哲也 | 2015/05/09 15:46 |
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鬼貫警部シリーズの定番中の定番。相棒の丹那刑事が足で稼いで、情報を一つずつつぶしていく様は、昭和のミステリの醍醐味であり、懐かしく感じた。
最後の最後で、「風の証言」が有力な証拠となるのだが、写真を見ていない読者にはそれが分からない。そんなもどかしさもあったが、双子のアリバイ作りには、苦笑するしかなかった。 |
No.8 | 5点 | 死びとの座- 鮎川哲也 | 2015/04/13 18:12 |
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この作者らしい流れで、十分楽しめるが、アリバイトリックは無理があるような気がした。この世には自分とそっくりの人間があと二人いる…とは言っても、そこまで期待できるものだろうか?
ただ、犯人の行動は大胆で、ち密に計算されていた。これは実践できそうな気がした。 |
No.7 | 4点 | 王を探せ- 鮎川哲也 | 2015/03/10 01:01 |
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テレビにも出るマルチ評論家を殺した犯人の名は亀取二郎。その名前は評論家が本日午後に会うと予定表に書き入れていた。その「亀取二郎」は、東京近辺に40名ぐらいいて、そのうちアリバイや動機などで4名に絞られた。その後、もうひとり、恐喝者らしい男も殺され、担当刑事はその4名のアリバイ崩しに奔走するが…。
現在では無理だろうが、当時の社会を反映するアリバイトリックは凄く良かったと思う。ただ、なんとなく犯人の亀取二郎があの男と分かったから、他の3人のページが凄く無駄に感じた。いや、読み飛ばしてしまった。いくら読んでも犯人ではないのだから…。 そこがこの作品の難点と言えば、身も蓋もないのだろうか? |
No.6 | 7点 | 死のある風景- 鮎川哲也 | 2015/02/26 19:59 |
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短編を膨らませて長編にしたせいか、削ぎ落すべき箇所があるような気がしたが、解決編になると、それまでの謎がいとも簡単に崩れていく。ただ、アリバイトリックだから、読者の方もかなり頭の中を整理しなければならないが。
惜しいと思うのは、最後の語り手が傍観者ではなく、初めから鬼貫警部が関わっていて、執念の調査、追跡のパターンだともっと盛り上がったのではないか。それならプラス1点、いや、プラス2点にもなる作品ではなかったか? |
No.5 | 7点 | 朱の絶筆- 鮎川哲也 | 2015/02/14 22:26 |
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山荘ものとしてワクワクしたが、第一の殺人に於いてのアリバイトリックは秀逸と思った。その後の殺人は、疑心暗鬼のもので、必要性とか、トリックとか、もう一つのような気がする。特に、第三の殺人トリックはいかがなものか?
だいたいが、普通の人間なら第一の殺人で納得と言うか、満足するのではないか。と言っても、これはミステリなのだから、必要不可欠ではある。 |
No.4 | 8点 | 黒い白鳥- 鮎川哲也 | 2015/01/27 04:28 |
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うーむ、血しぶきの方向か…。鬼貫警部が登場するのは中盤からだが、そこからぐっと話が盛り上がる。風の中にゆらめくろうそくのごとく、消えかけてはまた炎がよみがえり、ひとつ、ひとつの捜査に緊迫感があった。
ずっと大地康雄の顔が浮かんで、そう言えば火曜サスペンスで見たような気もしたが、これはアリバイトリックの名作だなと思った。 |
No.3 | 7点 | マーキュリーの靴 三番館の全事件(2)- 鮎川哲也 | 2013/04/27 23:10 |
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どれも小粒だが、推理小説の原点のような作品ばかりで、それなりに楽しめた。元刑事の探偵に事件を依頼するのはでぶの弁護士。元刑事の事務所は汚くて、空気が澱んでいる。でぶの弁護士にとって体調を崩しかねない部屋だが、それでも事件の依頼をするのは、その探偵の事件解決率の素晴らしさだ。
しかし、この探偵は元刑事であり、裏付け捜査には真面目に奔走するが、ほとんど事件を解決したことはない。捜査が行き詰ると、必ず会員制のバーに行き、そこの達磨大師に似たバーテンダーに経過を報告して事件を解いてもらう。 そのバーテンダーは、エルキュールポアロのごとく、理路整然とした推理で(ただし、どこまでも謙虚である)謎を解明する。そして、その探偵はまたでぶの弁護士の信頼を深めていくのだった。 |
No.2 | 6点 | りら荘事件- 鮎川哲也 | 2011/05/02 12:55 |
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刑事が二人リラ荘に滞在しているのに、止まらない殺人。そのスピード感?がフーダニットを加速させている。
しかし終盤に探偵・星影龍三が登場するやいなや、あっさり解決して刑事二人は恥の上塗り。いろいろな伏線は後で言われれば「なるほど…」というものもあった。特にトランプのカードはうっかりしてしまう。ただ、色白の薬とかは、もうひとつ納得できない。 「黒いトランク」を含めた鬼貫シリーズの方が好きかも。 |
No.1 | 7点 | 黒いトランク- 鮎川哲也 | 2011/03/21 01:20 |
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北九州あたりを舞台にした松本清張の本もあったなあ…と考えながら読んだ。昭和の時代が色濃く出て、どちらかといえば地味なアリバイトリックに手に汗を握る。
自分の中では相当におもしろいミステリという評価だったが、火曜サスペンスで鬼貫刑事役の大地康雄が終始頭に浮かんだ。あれはなかなかの名演だったのではないかと、彼の存在感に改めて敬礼…。 |