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[ サスペンス ]
奇術師の密室
リチャード・マシスン 出版月: 2006年07月 平均: 4.75点 書評数: 4件

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扶桑社
2006年07月

No.4 5点 メルカトル 2021/03/04 22:50
往年の名奇術師も、脱出マジックに失敗し、いまは身動きできずに、小道具満載の部屋の車椅子のうえ。屋敷に住むのは、2代目として活躍する息子と、その野心的な妻、そして妻の弟。ある日、腹にいち物秘めたマネージャーが訪ねてきたとき、ショッキングな密室劇の幕が開く!老奇術師の眼のまえで展開する、奇妙にして華麗、空前絶後のだまし合い。息も継がせぬどんでん返しの連続。さて、その結末やいかに―鬼才マシスンが贈る、ミステリーの楽しさあふれる殺人悲喜劇。
『BOOK』データベースより。

著者は『激突!』『ヘルハウス』の原作者だったんですね。読了するまで気付きませんでした。因みに両方ともDVD持っています。それにしても、それらの映画とはまた随分作風が違いますね。率直に驚きました。しかし、本作は両作とは迫力や怖さが比べものにならないほど劣っていると思います。それでも皆さんがおっしゃっているように、終盤でこれでもかとどんでん返しが繰り返されており、そこは間違いなく本作の読みどころでしょう。適度なユーモアもあり、何とも言えない雰囲気を醸し出しています。

タイトルにある密室とは密室殺人とは異なり、所謂密室劇で、目は見えて明白な意識はあるもののその他は植物状態にある元名奇術師の一人称で進むため、舞台が固定され物語の広がりは見られません。ただ、息が詰まるような濃密な愛憎劇は、登場人物が少ないだけ余計に浮き彫りにされます。

No.3 4点 nukkam 2016/08/22 00:52
(ネタバレなしです) 米国のリチャード・マシスン(1926-2013)はホラー小説、SF小説、ファンタジー小説など幅広い分野の作品を書いていますが1994年に発表された本書はどんな作品でしょう?私の読んだ扶桑社文庫版の巻末解説では「ディクスン・カーも真っ青といったクラシックスタイルの本格的奇術ミステリ」とまるで本格派推理小説のような紹介をしていますが、これはひどい間違いです。カーが得意とする犯人当てミステリーではないし読者が推理に参加する余地がありません。内容的にはコン・ゲーム(騙し合い)ミステリーで、残虐シーンはありませんが登場人物の嫌らしさが強調されているのでどこか居心地が悪く、すっきり感はないですね。どんでん返しの連続と皮肉な結末には演出の巧さを感じます。

No.2 5点 蟷螂の斧 2015/10/28 00:06
裏表紙より~『往年の名奇術師も脱出マジックに失敗し、いまは身動きできずに小道具満載の部屋の車椅子のうえ。屋敷に住むのは、2代目として活躍する息子とその野心的な妻そして妻の弟。ある日、腹にいち物秘めたマネージャーが訪ねてきたとき、ショッキングな密室劇の幕が開く! 老奇術師の眼のまえで展開する、奇妙にして華麗、空前絶後のだまし合い。息も継がせぬどんでん返しの連続。さて、その結末やいかに─鬼才マシスンが贈る、ミステリーの楽しさあふれる殺人悲喜劇。 』~

密室とありますが、密室トリックものではありません。マジックルームという一室で繰り広げられる劇です。語り部は、車いすで動くことも、しゃべることもできませんので、ある意味観客みたいなものです。ユーモアあふれる語り部、バカバカしい?トリックの繰り返しということで、ユーモアミステリーに分類されるのかも。

No.1 5点 kanamori 2010/04/25 15:00
半身不随で車椅子の元奇術師や息子で二代目奇術師とその妻など5人の登場人物のみで演じる舞台一幕劇。
それぞれの人物の思惑が交錯し、目が回る程のどんでん返しの繰り返しが炸裂しますが、それは本格ミステリの驚きとは異質なもの。マシスンの本領とはちょっと違うという感想を持ちました。


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リチャード・マシスン
2010年03月
運命のボタン
平均:7.00 / 書評数:1
2006年07月
奇術師の密室
平均:4.75 / 書評数:4
1989年11月
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平均:6.00 / 書評数:1
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1972年01月
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1962年01月
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1958年01月
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平均:7.00 / 書評数:2
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平均:7.00 / 書評数:1