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[ SF/ファンタジー ] ミステリーゾーン3 ミステリーゾーン/(スレッサー、ボーモント、デーモン・ナイトの作品を併録) |
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リチャード・マシスン | 出版月: 1989年11月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
文藝春秋 1989年11月 |
No.1 | 6点 | mini | 2013/08/26 09:57 |
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先日24日発売の早川ミステリマガジン10月号の特集は、”ミステリ・ゲーマーへの道”、小特集として”追悼リチャード・マシスン”
今年6月に亡くなったマシスンの追悼特集は絶対やるだろうとは思っていた、早川はお世話になってるんだから追悼特集組まなかったら不義理だしね 呼応するかのように明後日27日には扶桑社文庫からマシスン「縮みゆく男」の新訳版も刊行予定だ 1959年に放送が始まったアメリカのTVドラマ『トワイライトゾーン』、日本ではTBS系で『ミステリーゾーン』と名を変えて放送された 多くの脚本を書き番組のホスト役でもあったのがロッド・サーリングである、しかしサーリングだけでは間に合わなかったのか原作を一般公募した しかしこれは企画倒れで一般公募された原作で採用されたものは殆ど無かった 結局のところプロの作家頼みになるのだが、その中心的作家がチャールズ・ボーモントとリチャード・マシスンの両名である 『トワイライトゾーン』の原作脚本は、凡そ45%を主幹ロッド・サーリングが担当、ボーモントとマシスンで25%づつを担当、残り5%を単発的に何名かの作家が分け合うという感じだったようだ 原作となった短編から選んで全4巻に編成したのが文春文庫の好企画ミステリーゾーン・シリーズであり、第1と2巻ではロッド・サーリング中心に、第3と4巻ではボーモントとマシスンの担当したものが中心になっていて、それに別の作家の単発作が2作ほど収録されている サーリングは根っからの作家じゃないから先行脚本からのノベライズも含まれているかも知れないが、他は全て原作が先に有ってドラマ化が後である 従ってドラマ化にあたって設定などが変更された作も有る 収録作の選定はドラマの出来は無視し、原作の出来を優先する方針で、ドラマと無関係に普通に短編集として楽しめる選択になっている Amazonではマシスン単独の本みたいに登録されているが、実際はこの第3巻ではボーモントとマシスンの作が半々位である 当サイトでの登録方法は迷ったがAmazonに従った 両者に追加して単発作としてヘンリー・スレッサーとデーモン・ナイトのSF短編も1編づつ収録、しかしこの両作の出来が良い 元々アイデアとオチ勝負なスレッサーだが収録作のは作者の持ち味が良く出た作だ、スレッサーはミステリー作家でもあるからミステリー観点で読んでも面白い もう1人デーモン・ナイトは純粋にSF作家なので知らない作家だったが、収録作のオチには戦慄&爆笑である 中心のボーモントとマシスンの諸作は、もしかするとTVドラマ化を意識し過ぎたせいなのか、両作家としては水準作レベルなんだろうけど、これも持ち味は出ていると思う |