皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 本格/新本格 ] ここに死体を捨てないでください! 烏賊川市シリーズ |
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東川篤哉 | 出版月: 2009年08月 | 平均: 6.58点 | 書評数: 12件 |
光文社 2009年08月 |
光文社 2012年09月 |
光文社 2012年09月 |
No.12 | 7点 | パメル | 2021/09/07 09:16 |
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私立探偵・鵜飼杜夫とその弟子・戸村流平が珍妙な事件に巻き込まれる、烏賊川市シリーズ第三弾。
有坂香織のもとに、妹・春佳から電話が掛かってにきた。自分の部屋に侵入してきた見知らぬ女を刺し殺してしまったいうのだ。聞けば、事件が起きたのは四時間も前。取り乱した春佳は部屋を飛び出し、現在どういうわけか仙台にいるらしい。香織は可愛い妹の窮地を救うことを決意する。 香織たちと鵜飼たちは、お互いに現状認識に誤りを抱えており、それをめぐってドタバタの展開が繰り広げられる。一見するとまとまりを欠くような印象を与えるかもしれないが、不思議なことに妙な一貫性を感じる時がある。それはひとつにはギャグに見せているところにさりげなく伏線を仕掛けておくというテクニックだが、それとは別にテーマ的な展開も明確に読み取れる。 登場人物たちは勘違いしそうなところは勘違いをし、間違えそうなところは大抵間違える。烏賊川市はコントのような展開が日常的に発生する特殊な世界。こんな困った人たちばかりで、どうして計画犯罪が成立するのか不思議なほどだが、読み終えてみれば緻密なプロットに唸らされることでしょう。 |
No.11 | 6点 | mediocrity | 2019/08/03 15:03 |
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ギャグはいつも通りですが、ちょっとドタバタが度を超えていると感じました。『 完全犯罪に猫は何匹必要か?』などはストーリーのコミカルさとレギュラーメンツのドタバタ劇が融合して、全体としてきれいにまとまっていたと思います。好き嫌いはともかくとして、この人にしか書けないタイプの作品とでも言いましょうか。
しかしながら本作の事件は、冗談など全く言わなそうな堅物な作家が書いてもおかしくないような代物。それゆえこの作家のユーモアな部分が上滑りしているように思えました。 色々とシリーズを作っては終了させている東川先生ですが、1つくらいはユーモアを排除したシリーズがあってもいい気がします。 <以下ネタバレあり> さてストーリーですが、こういうトリックは初めて読むので新鮮でした。最初はこんなにうまくいくものなのかと感じたけど、むしろ確実性が高いのかもしれません。水の勢いは思っているよりはるかに恐ろしいですから。私も川で溺れかけたことがあるからよくわかります。ほんの少し川の内側に寄ったら突然流れが速くなって一気に数十メートル流されました。通常時でもそうですからこの作品のようなことをしたらひとたまりもないでしょう。 ただし、徒歩数分圏内で音が聞こえなかったのか、鉄砲水の跡がもっとわかりやすい形で残らないのか、という疑問は残ります。 もう1つ、車の移動の部分は都合が良すぎます。これは話を面白くしようとしたための弊害でしょう。ドタバタ抜きで普通に書けば、あの部分はもっと現実的な形にするはずです。 |
No.10 | 7点 | 青い車 | 2016/07/17 00:56 |
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妹の殺した女の死体を見ず知らずの若者を巻き込んで捨てに行く……。こんな筋書きなのに陰気くささはまるでなしで、テンポよく実にユーモラスに描かれます。殺害トリックはかなり破天荒です。それでもストーリーにうまく取り入れてあるので違和感は感じません。ギャグも絶好調でラストも爽快、文句なしの良作です。 |
No.9 | 7点 | いいちこ | 2015/02/27 17:39 |
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犯人・探偵サイドが意識しないまま接近し、限定された情報から誤った推理をぶつけ合う展開が楽しめる。
メイントリックは非現実的との批判は免れ得ないものの、アリバイ工作としては他にないユニークな仕掛けであり、作風が違和感を緩和。 解明に向けた手がかりを巧妙に配し、犯人の所在不明や提示された謎に一定の説明を与えている。 ユーモアあふれるストーリーテリングもこなれている部類。 以上、数ある著作の中では完成度は高いのだが、作者の立ち位置・作風からするとややエッジは不足気味。 まとまりのない長打か、まとまった単打になってしまうあたりに、物足りなさは感じる |
No.8 | 6点 | 名探偵ジャパン | 2014/07/17 20:36 |
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ドラマは観ていたが、作者の実作を読むのはこれが初めて。でも、これはドラマ化難しいだろうな(笑)
ギャグとミステリの融合を評価されている作者だが、これを読んだ限りでは、少々、少々なのだが、スベってるような感じを受けた。作品の中では新しいもののため、「こうすりゃ笑うだろ」という計算が透けて見えすぎというか。変に慣れているような印象。 しかし、笑いは好みの問題だから、ミステリのトリックや仕掛けなどと同じに、万人が賞賛する絶対的なものを作ることは無理で、そう考えると作者は困難な道を進んでるなと思った。 |
No.7 | 6点 | ミステリ初心者 | 2013/05/27 12:57 |
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大好きなシリーズです。読みやすさがすごい。一瞬で結末まで行きました。カバーのデザインも好みです。
それに対して、トリック部分は、あまり好みではなかったです。 |
No.6 | 5点 | E-BANKER | 2012/11/14 21:51 |
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大好評(?)の烏賊川市シリーズの第5作目。
鵜飼や流平、朱美などお馴染みのメンバーが今回もお馴染みのドタバタ劇を展開します。 ~妹の春佳から突然かかってきた電話。それは殺人の告白だった。かわいい妹を守るため、有坂香織は事件の隠ぺいを決意。廃品回収業の金髪青年を強引に巻き込んで、死体の捨て場所探しを手伝わせることに。さんざん迷った末、山奥の水底に車ごと沈めるが、あれ? 帰る車がない! 二人を待つ運命は? 探偵・鵜飼や烏賊川署の面々が活躍する超人気シリーズ~ これは大トリック一発勝負の作品。 このトリックは作者が温めてたものなんだろうなぁ・・・。 他の舞台設定やプロットは、すべてこのトリックを生かすためのものだろう。 確かに自然現象としてコレが存在するのは認めるけど、果たしてどこまでリアリティのあるものなのか、かなり疑問符。 まぁ、周到に伏線は張ってるし、そもそもリアリティ云々とは真逆の作風だから許されてるけど・・・ (あと、やっぱり図解はあった方がいい) 作者の作風もここまで回を重ねてくると、慣れるというか今回はちょっと鼻に付いた。 TV番組など映像化にはこういうシリーズものは向いてるかもしれないけど、今後はちょっと違う方向性の作品も読んでみたい。 まぁ、昨今の大ブレイクは作者にとっても予定外だったのではないかと思うので、どうしても注目されてしまう現状はツライのかもしれないけど・・・(って邪推か?) というわけで、「大トリック」自体は好きだが、本作の出来はイマイチ評価しない。 (コンドラバスケースの件はミステリーファンの心をくすぐるが、本当にコンドラバスケースに死体が入るのだろうか? ) |
No.5 | 8点 | 蟷螂の斧 | 2012/10/18 16:31 |
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ドタバタ調の作風にも慣れ楽しめました。香織と鉄男のコンビがいいですね。そして奇想天外なアリバイトリックは、お気に入りのひとつになりそうです。そして犯人も、そのトリックに・・・洒落た構成です。 |
No.4 | 7点 | mozart | 2012/09/10 15:22 |
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これまでに読んだ烏賊川市シリーズの中でも、ギャグ度は出色だと思う。本格ミステリーとしても十分考えられていて、大がかりなトリックとともに十分楽しめました。 |
No.3 | 7点 | こう | 2012/01/23 00:33 |
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烏賊川市シリーズ第5長編も相変わらずギャグが炸裂しています。死体移動のコントラバスケースなんて読者層を高めに設定したギャグ(?)も御愛嬌です。
湖消失トリックや全体のプロットもこのギャグの世界で良く考えるなあと感心します。 今回も楽しい読書が満喫できました。早く第6長編が読みたいです。 |
No.2 | 7点 | まさむね | 2011/01/22 12:08 |
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氏の作風とはかなり波長があうことを、再確認させていただきました。
ギャクと本格の融合、いいですねぇ。楽しかったですよ。 (注)ギャクの好き嫌いで評価は分かれると思いますが… 死体遺棄者(?)の鉄男と香織がかなりいい味出してます。 今後の作品での再登場を望みます…ってダメかなぁ? |
No.1 | 6点 | 江守森江 | 2009/10/31 08:17 |
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烏賊川市シリーズ第5弾。
シリーズの持ち味であるドタバタを効果的に利用し、二方向から描いたストーリーがご都合主義的に交差しながら二転三転して楽しい。 一部読者にしかウケないギャグも洗練され笑いの部分はシリーズ最高だと思う。 2つの大きな謎が“一撃”で氷解する(見抜きやすい)大技は正に本格ミステリで、それを捻ったバカミス的な結末にも、しっかり脱力できる。 謎と一撃のインパクトがやや弱く地図添付が無いのが残念。 |