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[ クライム/倒叙 ]
もう誘拐なんてしない
東川篤哉 出版月: 2008年01月 平均: 5.67点 書評数: 12件

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文藝春秋
2008年01月

文藝春秋
2010年07月

No.12 6点 びーじぇー 2019/08/06 21:52
大学生の樽井翔太郎は、夏休みの間に日銭を稼ぐため、先輩からたこ焼きの屋台を借りてアルバイトを始める。ある日、門司港で営業していた翔太郎は、2人の男に追われている少女を助けるが、なんと彼女は花園組組長の娘・花園絵里香だった。絵里香には難病に苦しむ腹違いの妹がいた。その手術費用を手に入れるため、翔太郎と絵里香は狂言誘拐を企てるが・・・。
多分に戯画化された人物と誇張されたその行動が笑いを生む東川作品。今作では、そんな東川流のボーイ・ミーツ・ガールが楽しめる。翔太郎と絵里香が意気投合してからは、誘拐計画とその実行がテンポ良く展開していくわけだが、作者の物語に親しんだ読者が抱くに違いない、本格推理作家・東川篤哉の作品がこのままストレートな誘拐ものに終始するのか、という懐疑は正しい。肝心の身代金受け渡しが終わってから、事態は急展開する。とはいっても、誘拐のクライマックスにあたる身代金受け渡しの手口は小味がきいていて、これだけでも一本の誘拐ミステリが成立するでしょう。
フェイクに次ぐフェイク、誘拐という様式、脱力感たっぷりのギャグ、その他もろもろの要素が、ことごとく真相から遠ざける働きをしている。ユーモアに満ちた人物描写さえもまやかしにしてしまうのだから、油断ならない。

No.11 6点 mediocrity 2019/04/06 00:10
狂言誘拐と2つの殺人事件をうまく絡ませたストーリーです。あ、1つ目の殺人事件放りっぱなしじゃないか・・・
トリックは意外にもアリバイ物。どうでもよさそうな記述がヒントだったり、細かい所まで結構こだわっています。
問題点は終盤あそこまでドタバタさせる必要があったのかということ、犯人と動機が分かりやすすぎること、そして1つ目の殺人事件を放置したこと。

No.10 6点 蟷螂の斧 2016/10/25 13:11
誘拐、偽金とくれば結果は予想しやすいのですが・・・・。やくざの物語でもあり、どう落とし前をつけてくれるのか?が勝負。いい意味で、予想外の展開でした。青春コメディと捉えています。本格はおまけか?。解説に「万人が泣く映画を作るのは容易いが、万人が笑う映画は難しい。笑いのツボは人によって違うから」とありましたが、まったくその通りと実感。本作は今までの著者の作品の中で一番笑えました。

No.9 6点 青い車 2016/09/20 00:32
 相変わらず、基本的に悪人が出てこない作風で安心して読めます。案外手の込んだ○○差トリックを使っているあたり骨格はちゃんとした本格で、ミステリーとしてもけして薄味ではありません。ただし、一部の犯行をほとんど掘り下げていないことや、動機の説明がおざなりなこと、爽快な大団円の描き方が雑なことなど粗もあり、実にもったいない作品だと思います。

No.8 6点 makomako 2015/01/18 15:18
 出だしの翔太郎がたこ焼き屋を無理やりやらされるまでは絶好調。笑いが止まらない展開でしたが、その後少しテンションが落ち誘拐の本番あたりとなるとまあ普通かな。悪くはないけど、すごいなあっていうほどではない。
 何となく知っているようなトリックも使ってあり(作者もちゃんとネタがあることを示している)、いつものようにちゃんとした推理小説ともなっていると思います。
 ただ純粋に本格物のしてみると印刷屋の殺人がうやむやになているのがちょっと気になります。

No.7 6点 ミステリ初心者 2012/06/20 10:19
ネタバレあります



 わかめ男で爆笑しました。

 叙述トリックによってどんでん返しがあり、楽しめました。

No.6 5点 こう 2012/01/23 00:46
 これまで読んだ東川篤哉作品では正直イマイチだったかなと思います。ギャグ、ユーモアも少々空回り気味ですし主人公の皐月だけがやけにインパクトがあり他のキャラクター(特に狂言誘拐をする翔太郎と絵理香)が埋没しているような印象でした。真犯人が誰かと考えれば見当がつけやすいので全体の構図も見えやすいですしメインのアリバイトリックも少々安易かなと思いました。
 あともう少し笑いたかったというのが正直な所です。

No.5 4点 いけお 2011/06/04 02:05
東川作品にしては、トリックの精度・論理性がいまいち。
序盤~中盤のプロットも良さそうで、実はあまり良くないように感じた。

No.4 5点 seiryuu 2011/01/26 17:44
さらっと読めるお笑い青春ミステリー
ラストは作風が裏目に出ちゃったかなと・・・

No.3 6点 まさむね 2010/11/19 21:30
中盤までは,ドタバタコメディ舞台を見ているようで,それはそれで楽しめた。氏のギャグセンスは決して嫌いではない。むしろ「癖になる」予感すら。
で,終盤は一転して犯人探しがメイン。トリックは,まぁ作品全体からすると,隠し味くらいの位置づけか。
トリックというよりも,ユーモアミステリとして全編から醸し出される雰囲気を楽しむべき作品かもしれませんね。

No.2 5点 E-BANKER 2010/09/16 23:31
作者お得意のお笑い系ミステリー。
何となく、槇原敬之の昔の曲を思い起こさせるタイトルですねぇ(巻末で解説の大矢氏が同じこと書いてますが・・・)
偶然にもヤクザの組長の娘を助けた主人公が巻き込まれる狂言誘拐、身代金をうまく受け取ったと思いきや、殺人事件に巻き込まれて、さぁたいへん・・・というストーリー。
帯には、本格ミステリーと青春小説の融合なんて大仰なコメントがついてますが、どっちにしても中途半端な出来にしか思えませんでした。
アリバイトリックもごくごく基本的な○○の錯誤を利用したものですし、明らかにパンチ不足気味。
本書の舞台として、下関と門司(もちろん関門海峡も)が詳しく紹介されてますので、土地勘がある方にとってはシンパシーを感じられるかも・・・

No.1 7点 江守森江 2009/05/22 07:26
タイトルと前半の狂言誘拐から誘拐物と思わせて、一転犯人当てミステリに変貌する楽しい作品。


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