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[ 本格 ]
カウント9
バーサ・クール&ドナルド・ラム
A・A・フェア 出版月: 1959年01月 平均: 5.67点 書評数: 3件

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早川書房
1959年01月

早川書房
1981年01月

No.3 6点 人並由真 2023/04/01 11:43
(ネタバレなし)
 高名かつ富豪の青年探検家ディーン・クロケット二世が、ラム&クール探偵社にパーティの警護を願い出た。クロケットは世界の貴重なアイテム群のコレクターだが、以前に女性らしい盗賊に収集品を盗まれたことがあった。そこで、今度また自宅である豪邸のペントハウスでパーティを開くので、怪しい女性を身体検査できる女性探偵を雇いたいということだ。今回はバーサが主役ということで「ぼく」ことドナルド・ラムは静観していた。が、地上の出入り口と20階の屋上まで、直通のエレベーターで分断された広義の密室状況のなかで、収集品が厳重な監視のなかから消え失せた。そして事態は殺人事件へと連鎖して?

 1958年のアメリカ作品。クール&ラムものの第18弾。
 久々にフェアがなんとなく読みたくなって、密室ネタということで有名なこれを手に取った。実は再読だが、何十年も前に読んで内容はまったく忘れてるので、別にかまわない。
(しかし偶然ながら、評者がこの前に読んだ『ハニー誘拐事件を追う』も、さらにその前の『ミッドウエイ水爆実験』もどっちも1958年の作品であった。オレに1958年がらみの、何らかの特異点とか因果律が働いてるのか?・笑)
 
 フェアといえば一定の面白さは担保してくれるものの、サブキャラやモブキャラが多めで、話が一歩間違えばごちゃごちゃ……という印象もあるのだが、これは良い意味でおそろしく筋立てがシンプル。登場人物もモブキャラ込みで20人にもいかず、その分、すこぶるリーダビリティが高い。

 おのずと、ストーリーもフツー以上に楽しかったが、密室から盗難の謎については中盤で早々に解決し(50年代当時としては、新鮮なアイデアだったのだろうとは思うトリック)、後半は殺人事件の謎と、盗まれたアイテムを追ってのラムの奮闘劇になる。
 で、まあ、殺人事件の真実はトリッキィではあるが、あれ? この真相なら、あの伏線を活かすべきじゃないの? と思った描写が回収されていない。
 正直、フーダニットパズラーとしては、適当にその辺から犯人を見繕った感じである(まあ、いいんだけど)。

 本気でオモシロイ! と思っていた瞬間には、ひさびさにこのシリーズで8点あげたいかとも思ったが、通読すると、楽しめ度で7点、謎解きミステリとしての完成度が5.5点というところ。
 結果、評点としてはこのくらい。
 でもまあ、楽しい一冊、ではあった。

No.2 5点 弾十六 2020/01/27 21:40
クール&ラム第18話。1958年6月出版。HPBで読了。(なお、以下はAmazon書評をちょっと手直しした再録です。)
C&R探偵事務所の女性職員はエルシー以外名無しでしたが、今回一人名前が判明、文書係エヴァ・エニス。でもバーサって、こーゆーセクシー系を雇うタイプとは思えないのですが... ラム君は写真屋から女性と仲良くなるコツを聞きます。密室っぽい設定と盗まれた東洋の秘宝探し。不自然な行動(襲われる直前のやつ)もありますが、起伏に富んだスピーディな展開で飽きさせません。解説では「本格物」要素が多いとありますが、いつものガードナー風味でした。
(2017年7月10日記載)

No.1 6点 nukkam 2016/07/14 14:50
(ネタバレなしです) 1958年発表のドナルド・ラム&バーサ・クールシリーズ第18作で、ハヤカワポケットブック版の巻末解説で紹介されているように本格派推理小説要素がかなり強い作品です。しかも密室風の謎というのが珍しいです。但し不可能犯罪的な演出は弱いのですが。ハウダニットに重きを置きすぎて犯人当てとしては推理らしい推理もなく解決してしまったようなところがあります。また密室トリックについてもある大事なところが(ネタバレ防止のため詳しく書けませんが)説明されていないような気がします。むしろ前半の盗難品探しに関する切れ味抜群の推理の方が印象的でした。


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A・A・フェア
2016年12月
The Knife Slipped
1985年12月
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1959年01月
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カウント9
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1958年08月
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1958年01月
スリップに気をつけて
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1957年11月
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1957年01月
屠所の羊
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不明
火中の栗
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草は緑ではない
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