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[ 本格 ]
納骨堂の多すぎた死体
フェルス一家
エリス・ピーターズ 出版月: 2000年02月 平均: 6.50点 書評数: 4件

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原書房
2000年02月

No.4 6点 蟷螂の斧 2018/10/27 15:39
200年ぶりに納骨堂が開かれたのですが、本来あるはずの遺体はなく、数年前の遺体と、直近の死体の二体が発見されます。非常に魅力的な謎で、その点は楽しめました。一方、事件の謎ときと同時に、少年の成長物語が進行するのですが、そちらがどうもちぐはぐで、また別途のロマンスも中途半端な感じを受けてしまいました。

No.3 7点 nukkam 2016/06/23 10:03
(ネタバレなしです) 修道士カドフェルシリーズが世界的ヒットしたのは納得できるのですがそれに比べてフェルス一家シリーズが(少なくとも日本では)あまりにも冷遇されているのは納得できません。1965年発表のシリーズ第4作である本書を読むとその思いはますます強くなります。miniさんのご講評にもあるように人間ドラマとしての面白さは修道士カドフェルシリーズと遜色ないし、本格派推理小説としての出来映えでは上回っています。十分に傑作ではありますが謎の面白さをもっと演出できただろうとか、家族ドラマと謎解きをもっと密接に絡ませられたのではとか色々贅沢な注文をつけたい気もします。それだけ魅力的なネタで一杯の作品です。

No.2 7点 mini 2013/01/08 09:56
昨年2012年が生誕100周年の作家は数多くて生年に関しては当たり年って感じだったが、今年2013年と来年に生誕100周年を迎える作家は非常に少なく2年続けての少数派となりそうだ
今年の私的読書テーマ、”生誕100周年作家を漁る”、第1弾はエリス・ピーターズだ

エリス・ピーターズと言えば言うまでも無く”修道士カドフェル”だが、カドフェルシリーズを書き出す以前の作者を代表するもう1つのシリーズがフェルス一家シリーズだ
しかしカドフェルが軌道に乗るとフェルス一家シリーズは永遠に中断したままになってしまったのである、これは大変に残念なことだと今回初めてフェルス一家シリーズを読んで思った
何と言っても登場人物達が活き活きと活写されているのが良い、この人物描写の見事さは後のカドフェルシリーズを彷彿とされる、まぁ晴天下のフェルス一家、曇天下のカドフェルという雰囲気の違いは有るが、個人的にはカドフェルのちょっと暗い雰囲気の方が好きなんだけどね
しかし上記で述べた活き活きした登場人物、謎解き面での見事さ、総合的に見てフェルス一家も全く遜色ない
強いて注文を付ければ、納骨堂と海岸線など周辺の地理的位置関係が若干分り難いので、略地図を付けてくれるとより良かったかな

No.1 6点 kanamori 2011/10/28 18:43
”修道士カドフェル”シリーズで有名なエリス・ピーターズの現代ミステリ、フェルス一家シリーズの4作目。当シリーズの中ではMWA賞受賞の「死と陽気な女」が代表作なんでしょうが、都合により(笑)ここでは本作ということで。

本書はフェリス一家が休暇で訪れた村での事件。200年ぶりに開ける納骨堂から現れた二つの死体と、同時に消えた領主の遺骨の謎が重層的に絡まり、意外な犯人像の設定といい、なかなかの本格編です。加えて、探偵役で州警察の警部である父ジョージ・フェルスと息子ドミニックのホンワカした関係も面白い。
当シリーズまだ未訳が10作もあるらしいのですが、ドミニック少年の成長物語という側面もあるようなので、是非とも続けて邦訳してもらいたいものです。12世紀英国の歴史ミステリよりこちらのほうが本格ミステリとしてとっつきやすい。


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