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[ 本格 ]
死人はスキーをしない
ヘンリ・ティベット
パトリシア・モイーズ 出版月: 1964年01月 平均: 6.75点 書評数: 8件

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早川書房
1964年01月

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1973年01月

早川書房
1975年10月

早川書房
1976年01月

No.8 7点 斎藤警部 2021/03/05 11:58
「訂正しましょう。あの方はあなたを、自分のいのちよりも愛していたのです」 

題名に違わず、山とスキーこそが様々な鍵を握っている華やかさ。正統の英国本格推理。怪しい偽証タペストリーがもたらした味わいのアラベスク。この、◯◯◯二段底は。。それは、冷たく温かい、未必の故意なのか。。二つ目の殺人のアリバイ偽装を露骨にしといて、、って事か。。あの時点で真犯人をいかにも分かり易く見せたのも、その際どいバランスが結局は物語の感動に繋がった。 そっかぁあーー ある意味、逆仕事ミステリともいえるかなーー イタリア人とドイツ人がやたら出て来ると思ったら、日本人も真っ青の細か過ぎる超アリバイ時間管理が登場したのは、ちょっと笑った。 ■■の物理的心理トリックも良し。 結末直前のコージー過ぎる緩さから、真相暴露&モアの急斜面の熱さへと雪崩れ込む所は、センチメンタルなスリルがあったな。 いろいろ思う爽やかなエピローグ。 しかし、クリスチャニアと来たか!(古い翻訳)

「鉄面うどんすき」こと「DEAD MEN DON’T SKI」こと「死人はスキーをしない」。近頃の若者はスキーをしない様だから、この「死人」というのも現在の閉塞した状況に置かれた若者の事を譬えているのかと思いましたが、違うようです。

「なんでもありません、 (中略)  嬉し涙です」  

No.7 6点 蟷螂の斧 2018/08/18 09:35
派手さはないが、細かいところまでよく練られた作品といった印象。証言の小出しには若干イライラ(苦笑)。ラストでの男爵の行動が唐突に感じられた。なんとも惜しい。もう少し彼の心理描写があれば「男の美学」としての印象が大きく変わっていただろう。

No.6 5点 あびびび 2017/08/15 23:41
最初の殺人が起きたとき、「状況から、それができるのは〇〇しかいないのでは?」と感じたのだが、まさかそれはないだろうと?

しかし、紆余曲折のあと、やっぱりそうだった、しかも、昔の事件が重要な意味を示しているのでは…というのも大当たり。つまり、作者はそれを隠すために、いろいろ粉飾したのか?と思ったのも間違いなかった。

ミステリを読んで、すべて思い通りだったというのは、意外とつまらないものですね?

No.5 7点 ボナンザ 2017/02/11 22:40
モイーズの鮮烈なデビュー作。よく練ってあるプロットに地味ながらも味わいのある謎解きが嬉しい本格もの。

No.4 6点 mic 2012/03/02 09:44
ヘンリ・エミリの夫婦が謎解きに挑む。これに各家族の憎愛
がからみ、風光明媚なイタリアのスキーリゾート地が目に浮
かぶよう。プロットもよく練ってある。

No.3 6点 kanamori 2010/08/05 17:52
スコットランド・ヤード犯罪捜査課ティベット警部シリーズの第1作。
シリーズの特徴は、ティベット夫婦がヨーロッパの風光明媚な観光地で殺人事件に遭遇というパターンが多用されている所。だいたい同時期にデビューしたディヴァインなんかと比べると、モイーズはコージー風で華やかさがあるので一般受けするでしょう。
しかし、本作がそうですが、読者を騙してやろうという本格マインドが希薄な感じもします。

No.2 7点 mini 2010/02/13 10:18
日本時間で今日バンクーバー五輪が開幕する
何かウィンタースポーツに絡んだ作品をと思ったのだが案外思い浮かばなかった
コージー派にはチャーチルの主婦探偵シリーズやデヴィッドソンのクッキングシリーズに、冬のリゾート地を舞台にした作があるらしいが未読
私はスキー経験はなんとか転ばずに下まで降りられるレベルの初級者だけど、トリックにスキーが使われる作はあるらしいが、題名にも内容もスキーが登場するのは既読ではモイーズのデビュー作くらいかな
私は犯人とトリックは見抜いてしまったのだけれど、スキーリゾート地が舞台、無難にまとまった謎解きなど、代表作と言えるくらいモイーズの特徴が出ている
読者によっては動機が個人的なもので無く組織絡みなのを不満に感じるかも知れないが、別に良いんじゃないかなあの程度なら

No.1 10点 nukkam 2009/01/26 16:47
(ネタバレなしです) 長編19作が全てヘンリ・ティベット主任警部(後に主任警視)シリーズの英国の女性作家パトリシア・モイーズ(1923-2000)の1959年発表のデビュー作です。個人的にはちょっと気に入らない箇所もあるのですが、それでも満点評価できると思います。個性豊かな登場人物の描き分け、美しい自然描写、ユーモアとサスペンスのバランス、フェアに隠された手掛かりに基づく推理と本格派推理小説としての完成度は極めて高いです。


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パトリシア・モイーズ
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