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[ 本格 ]
沈んだ船員
ヘンリ・ティベット
パトリシア・モイーズ 出版月: 1965年01月 平均: 7.00点 書評数: 3件

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早川書房
1965年01月

早川書房
1981年09月

No.3 7点 2019/01/05 18:59
休暇を友人のヨットで楽しむために港町にやってきたティベット夫妻。冒頭、酒場でビールを飲みながら、町の住人や都会から来た人たちに紹介されていくのですが、さすがに多すぎて誰が誰やらわからなくなってきます。
2年前に座礁したヨットで起こった事故死として片づけられた事件、さらにそれ以前に起こった宝石盗難事件について、ティベット主任警部が関係者たちから折に触れて少しずつ話を聞いていくストーリーは、ゆったりとしています。巻半ばには、これは推理小説なのだから4日間の楽しい航海の詳細を述べるのは「読者にたいして不誠実でさえあるだろう」なんてことまで書かれています。しかし後半になると新たな殺人事件が起こり、さらにちょっとサスペンスのある展開にもなってきます。
ティベット主任警部がかなり早い段階から犯人の目星を付けていたことが意外でした。

No.2 6点 あびびび 2017/10/08 00:51
最初に読んだ「死人はスキーをしない」と同じで、犯行現場、その他、犯人の行動範囲を鑑みると、ほぼその人物に行きあたる。そのあたりが物足らないというか、クリスティ信奉者である自分には刺激が足りない。

ただ、スキーにしても航海術にしても、その内容、解説、分析はその道のプロではないかと思わせるほど濃厚で、サービス満点だ。

でも、スキーとこの作品、同じ刑事(ヘンリ・ティペツト)なのに、全く印象がちがう。こちらの方が若そうな気がする?

No.1 8点 nukkam 2014/08/26 17:48
(ネタバレなしです) デビュー作の「死人はスキーをしない」(1959年)ではスキーリゾート地の美しい描写が素晴らしかったですが1961年発表のヘンリ・ティベットシリーズ第2作の本書でもその卓抜な描写力は健在で、今度は帆走するヨットや港町を雰囲気豊かに描いて見事に海洋本格派推理小説の傑作になりました。もちろん人物描写も秀逸です。最初の死亡事件が事故死扱いのため、すぐヘンリによる犯人探しというわけにいかず、手探り状態の前半はややじりじりしますが後半はサスペンスがじわじわと盛り上がります。なぜ犯行に至ったかという動機が印象的で、最終章でヘンリがコメントした「悲劇的な皮肉」という表現がぴったりはまってます。


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パトリシア・モイーズ
1994年11月
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