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[ 本格/新本格 ] 刑事弁護士 南郷弁護士シリーズ |
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島田一男 | 出版月: 1989年05月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
![]() 天山出版 1989年05月 |
![]() 青樹社 1993年06月 |
No.1 | 6点 | 斎藤警部 | 2025/06/28 21:53 |
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「男好きのする女ですね。 しかも、年増盛りなんでしょう」
夏だ! 海だ! 昭和百年の島田一男だ! 昭和三十年代初頭の南郷弁護士シリーズ短篇を一作目から八作目まで刊行順に並べた一冊だ! 金丸京子助手に板津部長刑事(板チョウ)と交わすSEKUHARA不適切トークもユビキタスに満載だ! 流石に「刑事部屋(デカべや)」ほどの「本格と大衆文学の高次融合」は求め得ないが、起伏あるストーリー展開で倦怠知らずの調子いい犯人当てミステリは快調だ。 “南郷弁護士は、ペロリと、舌を出してみせた。 ―― それから先は、この舌先三寸で悪人を追い詰める …… という意味である。” 中には、犯人当ても然ることながら被害者側にトリッキーなミステリの仕掛けが光るやつがあった。 冒頭から事象の謎で引っ張るのがあった。 堂々のノワールもあった(探偵キャラのせいで明るくなっちゃうんだけど)。 一つ、熱過ぎる人情物語と熱過ぎるバカトリック/バカ真相が真正面からぶつかり合っちゃって、揺さぶられた感情の持って行き場に右往左往してしまう意欲作があったな・・ やはり、日本の夏は島田一男だ。 金丸京子助手は意外とボインらしいのだ。 「美術はどうだね?」 「わからないけど、見るのは好きですわ」 「僕の机の右の袖の上から二番目の引き出しに、世界裸体全集が入っているよ」 東京無法街/銀色の恐怖/電話でどうぞ/黒い誕生日/拳銃何を語る/十三度目の女/赤と青の死/ガラスの矢 (青樹社文庫) |