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[ 本格 ]
殺しへのライン
ダニエル・ホーソーンシリーズ
アンソニー・ホロヴィッツ 出版月: 2022年09月 平均: 5.50点 書評数: 6件

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東京創元社
2022年09月

No.6 7点 E-BANKER 2026/08/24 14:14
大人気! 「ホーソーン&ホロヴィッツ」シリーズの三作目となる本作。
今回は舞台を英仏海峡に浮かぶリゾート地の小島に移して、お馴染みとなったコンビが活躍する探偵譚。
2021年の発表。

~『メインテーマは殺人』の刊行まであと3ヵ月。プロモーションとして、探偵ダニエル・ホーソーンとわたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは、初めて開催される文芸フェスに参加するため、チャンネル諸島のオルダニー島を訪れた。どことなく不穏な雰囲気が漂っていたところ、文芸フェスの関係者のひとりが死体で発見される。椅子に手足をテープで固定されていたが、なぜか右手だけは自由なままで……。年末ミステリランキング完全制覇の『メインテーマは殺人』『その裁きは死』に続く、ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ最新刊!~

さすが、高いレベルでの安定感と面白さ。こういう表現で間違いないかと思う。
「文芸フェス」というのが目新しいけども、正体のよく分からない男女が一か所に集められ、そこで殺人事件が起こる、というプロットそのものは手に垢がつきまくっているもの。
本作でも、「正体のよく分からない」男女の正体が、ホーソーンの明晰な(?)推理&指摘でひとつひとつ、ひとりひとり明かされていく。そこは、やはり王道的面白さがあった。
で、正体が明かされるたび、逆に真犯人候補は減っていくのが当然の帰結。じゃあ誰?という流れのなか、フーダニットの捻りは確かに小さいのかもしれない。

でもまあ、個人的には十分楽しめるものだった。ある人物の正体も、他の方には自明だったかもしれないけど、私にとっては結構サプライズだったりしたし・・・
とにかく、作者のミステリに対する向き合い方というのが何となく分かる一冊。こんな王道ミステリ、国内でも書く人はごく少ない。「特殊設定」ミステリもいいけど、こういう作品をいかに続けられるかというのも、作者の力量なんだろう。
シリーズとしては、ホーソーンの過去についても少しづつ、読者に見せつつ、引っ張って・・・というのも戦略的だな。
いずれにしても、次作も期待できる(多分)。

No.5 4点 レッドキング 2026/01/23 22:43
ホーソーンシリーズ第三作。英仏間の島で開催の「文学フェス(なんじゃそれ?)」に参加したワトソン役作家と、意外や同伴を受け入れた主役探偵。島の有力者カオ役の夫妻・・これが絵に描いた様な憎まれ役で・・が殺害された事件のWho・Whyミステリ。豊富な人物トリックと伏線、まあ満足なツイスト決着。人好きしない主役コンビとエージェントの女、皆、ヒトクセあって、特に主役探偵、まーだまだ裏ありそなグレイ描写が次作に期待持たせちゃって・・・

No.4 6点 makomako 2022/10/29 07:23
 ホーソーンシリーズの3作目です。勿論今回も隠された謎と不可解な事件を取り扱う小説。
 探偵と作者の分身たるホロビッツが島で行われる文芸フェスティバルに参加する。フェスにはそこにいろいろな人が集まり、それぞれのキャラクターや立場などが紹介されていく。事件はなかなか起こらずちょっと退屈。
そうしているうち、にはなもちならない大金持ちの夫婦が殺される。ようやくお話が面白くなります。今回もホーソーンの隠された過去が少し現れます。
 犯人が指摘されこれでよいのかと思っているうちに何となく終了?。ページにまだ残りがある。こんなんじゃないよねと思っているとやはりどんでん返しがあります。
 推理小説としては謎が一部残ったままで終了。ホーソーンの過去も彼が何をしたのかももう一つはっきりしません。
 多分次作へのおたのしみといったところでしょうが、ちょっとすっきりしないな。

No.3 5点 HORNET 2022/09/19 20:54
 探偵ダニエル・ホーソーンと主人公・作家のアンソニー・ホロヴィッツは、文芸フェスに参加するため、チャンネル諸島のオルダニー島を訪れた。霊能者、歴史家、児童文学作家など、寄せ集めのようなゲストで開催されたフェスだったが、スポンサーであるカジノ経営者の登場で、どことなく不穏な雰囲気が漂いだす。そして、文芸フェスの関係者のひとりが刺殺体で発見される。のどかな島でのイベントのはずが、一転して陰惨な連続殺人の舞台に…!

 事件の捜査を進めていくうちに、フェスの主催者たちと島民たちの間に起きていた軋轢や、関係者たちの過去の関わりが明らかになっていく…という展開は、ミステリとしてはいたってオーソドックスな展開では。さまざまな裏事情が複雑に絡み合っている様が解かれていくのだが、真相はまたちょっとそれとは別で…うーん。よく言えば意外な結末、悪く言えば断絶的飛躍。
 昨今のミステリ事情から、正道のフーダニットという時点でミステリファンに好まれるのかもしれないが、ミステリ的には平均的な出来(面白い)だと思う。

No.2 5点 文生 2022/09/18 11:33
全体としては十分に楽しめたものの、前半のテンポの悪さが少々気になりました。また、本格ファンの興味を引きそうな謎が「右手だけが縛られていない死体」ぐらいなのでちょっと地味です。それに、そのホワイの謎に対する解答も魅力的とは思えませんでした。
最大の読みどころといえるのが関係者の秘密が次々に暴かれて後半の展開で、一番興味深いのがホーソンの過去についてなのですが、それは次巻以降の持ち越しとなっています。そういうわけで、物語としてはそれなりに楽しめるものの、本格を期待しすぎると肩すかしを喰らう作品だといえます。

それと、本篇の3分の1程度読んでから目次を見返した時になんとなく犯人がわかってしまったのも真相の意外さを薄れさせてしまった原因となってしまった(目次に直接的なヒントが書かれていたわけではないのだけど、この目次ならあいつが犯人だと雰囲気ぴったりだなという流れで予想できてしまった)。したがって、目次はなるべく見ないことをおすすめします。

No.1 6点 nukkam 2022/09/14 06:41
(ネタバレなしです) 2021年発表のダニエル・ホーソーンシリーズ第3作の本格派推理小説です。殺人犯の正体が明らかになるまでに容疑者たちの様々な秘密が途中で暴かれていくプロットはアガサ・クリスティーの「アクロイド殺害事件」(1926年)やパット・マガーの「目撃者を探せ!」(1949年)を連想しました。椅子に縛り付けられた死体の右手だけが自由な状態だった謎はそれほど感心できる真相ではなかったですね。あと最終章で登場した絵葉書のメッセージが謎のままで終わるのも次作につながるお楽しみ趣向のつもりかもしれませんが蛇足のような気がします。


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