皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ 本格/新本格 ] 葉桜の季節に君を想うということ |
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歌野晶午 | 出版月: 2003年03月 | 平均: 6.95点 | 書評数: 118件 |
文藝春秋 2003年03月 |
文藝春秋 2007年05月 |
文藝春秋 2007年05月 |
No.18 | 10点 | 北浦透 | 2005/03/10 00:30 |
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トリック、中盤のサスペンス、ミステリーとしての整合性。どれを取っても完璧である。悪徳商法事件という近代的なテーマに、密室殺人という古典的なテーマ、バラエティーにもとんでいる。 最も評価されるべきは、トリック解明後の「物語」だが、こんなにもトリックが、鮮烈に物語を引き立たせたミステリーがあっただろうか。タイトル、最後の一行、少なくとも作者はこの作品において、完全に構築してみせたのである。 実際のところ、歌野昌午をあまり好きではない。この後の『ジェシカが駆け抜けた七年間について』も、申し訳ないが凡作であった。だが、この作品は、間違いなくミステリー史に残るべき傑作だ。ミステリーを愛する者としては、この作品の価値を正しく見極めなければならないだろう。 |
No.17 | 9点 | sophia | 2005/01/05 05:03 |
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読者の錯誤を誘発する伏線が目白押しです。タイトルも何となく付けたのかと思っていたら、重要な意味があったんですね。ちょっと強引な叙述トリックではありますが、綺麗に収束させてくれたのでこの点数です。個人的に一番効いたON対決の伏線のインパクトが年を経るごとに薄れていくのが残念ではありますが。 |
No.16 | 7点 | どんたま | 2004/11/04 20:44 |
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実によくできているし、面白い、一気読みです。しかし世評ほどのことはないかな |
No.15 | 4点 | 桜ノ宮 | 2004/07/15 00:43 |
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一番最初に読んだ歌野作品です。 素敵なカバーに、うっとりする題名からは想像の出来ないとんでもない事実が!!みたいな紹介をされていたのをTVでみたのが読むきっかけでした。 「絶対に映画化は出来ない、小説でのみの凄い作品だ」なんて評価されておりました。 駅の構内の本屋では置いておらず、わざわざデパートまで探しにいきましたよ。もうずーっと読みましたよ。休憩時間も、電車を待ってるホームでも、お風呂の中でも。そんな訳なんで思いもひとしおです。 でもさ、最後に近づくに連れて、途中でまさかまさかって思いました。ていうか、実は結構初めの方からひっかかっていたものがあったよ。(だって今時そんなヤツいるかよっみたいな) でも、コメンテーターの言葉を信じて、あたくしなんかでは考えも及ばないラストが・・・なーんて淡い期待を抱いてましたよ。否、期待をしてたんじゃないね、もうそれを願っていたよ。 しかし、そんなに世間は甘くなかったんです。睨んだ通りだったんですね。がっくり。 これで、こんなに話題を読んでるわけ?ってちょっとショックです。 勿論面白かったですよ?でも、期待しすぎちゃったんですかね。 |
No.14 | 5点 | SD | 2004/06/07 22:21 |
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うまくミスリードさせられたが気持ち良いミスリードではなかった。初期の作品と比べると内容は確かに工夫されているが基本的な部分が変わっていないような気がする。期待が大きすぎたのかもしれない。 |
No.13 | 7点 | 岩崎幹 | 2004/04/17 19:13 |
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何となく時間軸のトリックが並行されてるなと予感がよぎったりもするが、それでもすっかりやられました。ミスリードが巧すぎますね。 |
No.12 | 10点 | スケスケ | 2004/03/14 21:22 |
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途中までは本格っぽくない流れだったので、これはきっと叙述トリックが仕掛けられているな、と思いながら読んでいたのに、それでもラストには驚かされた。 この作品の最も優れた所は、トリックの出来云々ではなく、トリックと物語のテーマとの間にはっきりとしたつながりがあることだろう。トリックが単に物語の付加的な要素としてくっつけられているのではなく、このトリックがなくては成立しない、またトリックという形で最後に真相を明かすことで、テーマがより浮き彫りになる物語が作り上げられている。 そういう意味で、この作品はミステリの一つの完成型と言うことができるかもしれない。この作品が「本格ミステリ・ベスト10」のみならず、「このミステリーがすごい!」でも1位を勝ち取ったのも、そういう理由からだろう。 |
No.11 | 4点 | ユニバ | 2004/03/09 17:27 |
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歌野さんの作品はこれが初めてです、あしからず。 自分の読書スタイルである「脳内キャスティング」が出来にくいなぁ、と思いながら読み進めてました。そんなわけで大仕掛け?のトリックには衝撃度低でした。 このミス1位、という謳い文句、これに一番騙されたかも。 |
No.10 | 7点 | かつとし | 2004/02/29 11:47 |
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読後、○○な気分になってしまったことで、主人公と重ね合わせて読んでいることを改めて気付かされた。 半日ぐらい○○な気分になってしまった、というのは、やっぱり、この作品に引きこまれたからだと思う。 |
No.9 | 7点 | りえ | 2004/02/26 21:19 |
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タイトルを見て、老人の話なのかなと思いながら読んだのに、後半まで気づかなかったおバカな自分・・・。軽い感じの文章で小気味よい。 |
No.8 | 7点 | こいこい | 2004/02/25 10:53 |
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タイトル・目次・書き出しなどミスリード満載で確かにダマされました。個人的にはこの作家の文章は相変わらず上手いとは思わないけど、厚さを感じさせない読みやすさはあったし、このテのものは久しぶりだったのでまあ楽しめました。 ただ「このミス」なんかで1位となるだけのものか、と言われるとちょっと、というのが正直なところ。自分はそうしたランキングが出た後に読んだんだけど、ある意味これが一番のミスリードだった。 |
No.7 | 10点 | ルフィン | 2004/02/12 21:03 |
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最高!!!小説があまり好きじゃない人にも読ませたい!!永遠に私のお薦めな本です。この作品がいまいちという人は人生に冷めてる人ですね。ぜひ皆さんに読んで欲しい |
No.6 | 9点 | niuni | 2004/01/25 11:55 |
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ラストのどんでん返しで驚き、読み返しました。ミステリ的驚きよりも、新たな視点で見えてくる主人公の言動に改めて心打たれました。作品名を含めてとても良くできている、心温まる話でした。 |
No.5 | 8点 | もも | 2004/01/15 16:03 |
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ひさびさにわくわくしながら一気読みした小説でした。読みながら時折感じるある種の違和感というか不思議な空気を最後に読めたときの爽快さといったらなかったです。 |
No.4 | 4点 | ai | 2004/01/13 15:24 |
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オチがいまいち。あんまり好きじゃない。確かに騙されたけど「ふ〜ん…」て感じ。あまり感動はなかった。 |
No.3 | 8点 | ハスゴン | 2004/01/11 23:12 |
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この作品がいつになればミステリーになるか心配でしたが、普段から思っている高齢者に対する疑問がなげかけてあったので若い人ばかりでなく、高齢者の当事者にも 読んでいただきたい作品です。 |
No.2 | 8点 | じゃすう | 2004/01/10 21:40 |
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読者を意図的に誤読させる叙述トリックは多くありますが、これはまた新しいタイプの叙述トリックだったと思います。話の内容も軽快なハードボイルド。 しかし、見るべき点は個人的にそれ以外の部分。 現在の社会問題などを取り上げ、今までマイナスな印象しかなかった『高齢者』のステレオタイプなイメージを、タイトルの一言でひっくり返し、読者に生きる希望さえ見出させるのはある意味ミステリ的などんでん返し以上の効果を孕んでいると思います。 現在の社会状況を把握さえしていれば、出るべくして出た作品だという結論に至るのは当然かと。 |
No.1 | 10点 | shun | 2004/01/10 08:22 |
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素直にやられたという感じ。途中まではなんでこのストーリーでミステリ評価1位なのかと思っていました。分かったときのあの感覚は快感の一言。深夜読んでいたが眠気も覚めた。政虎のキャラクタもとても好感が持てる。映画化不可能なのが残念。 |