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[ 冒険/スリラー/スパイ小説 ]
もうひとりの自分
グレアム・グリーン 出版月: 1978年06月 平均: 7.00点 書評数: 1件

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集英社
1978年06月

早川書房
1986年02月

No.1 7点 弾十六 2019/03/17 12:19
1929年出版。集英社文庫で読了。
追われている。小屋には銃を構えた若い女。そして死体。
何がなんだかわざとわかりにくくしてる冒頭。一生懸命工夫して小説を書いてる作者の姿が浮かびます。でもネタが割れた後は、快調に物語が進みます。でもラストは作者もしっくりきてないんじゃないかなあ。
全体的に上手に構成されたスリリングな小説らしい小説。カーリオンの造型が面白い。グレアム グリーンが書き始めたのが1926年(22歳)、既に三大要素(アホな主人公、裏切り、ロリコン)が詰め込まれてる処女作でした。
葬式にはビールと菓子(beer and cakes)がつきもの、嗅ぎタバコはベントレイ(Bentley’s)に限る、バター付き(buttered)とバターなしトースト(dry toast)の対比、弾丸があっても発射した銃がどれだかわからない時代(弾道学は1925年米国生まれ)などがトリヴィアとして目につきました。
私の参照した原文には作者の短い前説(リプリント用 1951年?)がついていて、以下抄訳「私が三番目に書いた小説… 最初の二冊をはじいてくれたハイネマンに感謝… このエディションのために書き直そうか、と思ったら唯一の取り柄である若さを失わせる結果に…なのでコンマ一つとして変えなかった…野心と希望の時代に免じて…」
翻訳では献辞が省略されていますが For Vivien となっています。


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グレアム・グリーン
1981年05月
ジュネーヴのドクター・フィッシャー あるいは爆弾パーティ
平均:6.00 / 書評数:1
1979年12月
ハバナの男
平均:7.00 / 書評数:2
1979年07月
ヒューマン・ファクター
平均:8.50 / 書評数:4
1978年06月
もうひとりの自分
平均:7.00 / 書評数:1
1959年01月
事件の核心
平均:6.00 / 書評数:1
恐怖省
平均:6.00 / 書評数:2
1956年01月
おとなしいアメリカ人
平均:6.00 / 書評数:1
負けた者がみな貰う
平均:6.00 / 書評数:1
1953年01月
スタンブール特急
平均:6.00 / 書評数:1
1952年01月
拳銃売ります
平均:8.00 / 書評数:1
ブライトン・ロック
平均:7.00 / 書評数:1
情事の終り
平均:6.00 / 書評数:1
1951年01月
第三の男
平均:5.67 / 書評数:3
密使
平均:6.50 / 書評数:2