home

ミステリの祭典

login
viviさんの登録情報
平均点:6.50点 書評数:327件

プロフィール| 書評

No.187 6点 月蝕の窓
篠田真由美
(2008/03/31 23:47登録)
いくつもの事件の謎解きすることになりますが、
読者が推理できるのは3つの事件。
ただ伏線も親切ですし、大掛かりなトリックではないです。
どちらかと言うと、それらの事件の陰に潜む「悪意」の正体がメイン。
犯人の動機は理解できなくも無いけど、ちょっと強引かな。

このシリーズのキャラにハマっている身には楽しめました(^^)


No.186 6点 仮面の島
篠田真由美
(2008/03/23 17:56登録)
ミステリとしては、HOWの妙味が薄い作品で、
WHOが中心の物語でしたが・・・
そのWHOに関しては、冒頭から思いっきり犯人を示唆する記述。
結末でひねってはありますが、
読者としては「どう読めばいいの?」という作品でした。
動機もね・・・ちょっと弱いかな。

イタリアの風に吹かれたい人は、楽しめるかもしれません。
それから、私のようなキャラ好きも(笑)


No.185 6点 リセット
北村薫
(2008/03/17 21:52登録)
ミステリなどの「愉しむ小説」のカテゴリに入れてはいけないのかも。
だから、面白いミステリを読みたいと思って取り掛かると、
肩透かしを食うというか、重く感じると思います。
「時と人」3部作となっているけど、明らかに作品の毛色が違うからな~。

でも、北村氏本人は、全然違和感なく3部作だと考えてるかも。
これは「如何に生きるか」という問題を含む作品群で、
その状況設定が「時間スキップ」だったり、「くるりん」だったり、
今回の場合、戦争だったりするのでしょうね・・・

しかし、いい物語を読んだと思います♪


No.184 7点 ターン
北村薫
(2008/03/11 20:31登録)
独特な世界観と、強い女性、透明感のある文体。
北村作品らしい物語でした。
「くるりん」の世界で色々試してみる主人公の姿、
サバイバルものって感じで、一緒に楽しんでました(^^)
ああいう世界でも、読書は続けられるから、
私なら図書館にどっぷりかも(笑)

そして、一本の電話からの恋物語、いいですね~。
受話器にタオルをかけるシーン、ぐっときました。
ハッピーエンドだし、素敵な作品です。

でも・・・非常にロジカルなんだけど、ミステリじゃないかも。


No.183 9点 そして誰もいなくなった
アガサ・クリスティー
(2008/03/08 14:32登録)
読めば、綾辻氏の『十角館の殺人』をより楽しめます。
見立て殺人、クローズドサークル(孤島)、ボトルの告白。
ドラマチックな演出が続出で、しかも意外な結末。
読後感が寂しいのが、個人的には気になったくらいです。
そう・・・結局、何だったのか?っていう。

原作の後で映画を見たので、
映画のラストが、さらに衝撃だったです(笑)
え? そんなのあり!?って思いました(^^;


No.182 10点 オリエント急行の殺人
アガサ・クリスティー
(2008/03/08 14:19登録)
これも、ミステリ好きなら絶対読んでおくべし!という作品。
読んだ時、文章だけではコンパートメントというのが分かりづらかったけど、
映画を見て、こんなのだったんだ!と納得。
すごく優雅な(不便なのかな??)旅ですよね。

そして、雪に閉ざされた、あるいは移動中の列車は、
クローズドサークルでもありますよね(^^)
犯人当ての傑作(当たらないと思うけど)だと思います♪

それにしてもクリスティ女史、非常に冒険心に富んだ作風ですね。
女性らしい、ムード作りも素敵だし。


No.181 7点 ABC殺人事件
アガサ・クリスティー
(2008/03/08 14:11登録)
確かにものすごく興味深い「謎」ではありますが、
こんなに目立ったら、逆にやりにくいのでは??と心配(笑)

この作品にヒントを得たと思われる類型作が、
日本の作品にも色々ありますけど、
ある意味、料理しにくい題材かもしれませんね。
皆、この作品を思い浮かべるでしょうから・・・


No.180 10点 アクロイド殺し
アガサ・クリスティー
(2008/03/08 14:06登録)
これほど唖然とした作品はありませんでした。
最後に伏線について指摘されたところを振り返って読んで、
こういうのあり?と思うとともに、素直に、ニヤリとして。
きっと最初に読んだ、○○トリックだったからですね。

ミステリの枠を大きく広げた傑作だと思います♪


No.179 6点 スキップ
北村薫
(2008/03/08 13:53登録)
私の認識するミステリとは全然違うんですけど・・・
シチュエーション小説というか、ファンタジーというか。

女流作家だったら、絶対書けない物語だと思います。
逆だったら書けると思うけど。
つまり、42歳→17歳だったら、楽しく書くと思います。
それくらい、女性の身には衝撃の話ですね・・・

主人公のキャラを考えると、
こういう結末に落ち着いていくだろうというのは予想範囲。
でも・・・すごい17歳すぎると思いました(^^;
だって、普通、同世代にあんな説教できないよ~。


No.178 6点 火車
宮部みゆき
(2008/03/08 01:33登録)
評判の高い作品だったので読んだのですが、
作品の終わり方に賛否両論あるみたいですね。
私は、あの終わり方しかないと思います。

これは謎解きミステリではないし、
犯人の告白を読者が聞いても(読んでも)あんまり意味が無い気がするのです。
これは本間という1人の刑事の視点で描いた「絵」ですからね。
そしてこの作品は、その「絵」を見せられる物語だから、
もしかしたら、真実は、犯人像は、まったく別のものかもしれない。
でも、それを最後の最後で明かしたら、「絵」は壊れます。
ある意味、ファンタジーかも・・・


No.177 7点 わが一高時代の犯罪
高木彬光
(2008/03/05 01:13登録)
神津恭介の高校生時代が分かる作品。
神津ファンには、絶対見逃せない作品(短編集)です。
相棒役の松下との関係なども、新鮮です。

かなり、時代的な背景はありますが、
その中での神津の推理の切れ、
そして人間としての苦悩などが表現されていて、
作中の松下と同じように、驚いてしまいました(^^;


No.176 7点 成吉思汗の秘密
高木彬光
(2008/03/05 01:09登録)
歴史小説好きな方にはぜひお勧めの作品。

成吉思汗=源義経について考察していくストーリーで、
探偵役(?)になっているのは神津恭介です。

様々な傍証をもとに、推理を繰り広げてく展開には、
殺人事件など起きなくてもドキドキしますし、
最後に「成吉思汗」に込められた意味を解き明かされたときには、
「あっ」と叫んで、呆然としました。

歴史のロマンを読みたい人はぜひ♪


No.175 8点 人形はなぜ殺される
高木彬光
(2008/03/05 01:04登録)
このトリックの真実を読んだときは、
その余りにも整然としたロジックに感動したものでした。

おどろおどろしい怪奇趣味や、
陰惨な人間関係などの、通俗趣味は強くないですが、
ロジックの力で言いくるめられた嬉しさがありました(^^)

神津恭介が好きになった作品でもあります♪


No.174 8点 刺青殺人事件
高木彬光
(2008/03/05 01:01登録)
高木作品の初期の傑作ですね。
坂口安吾氏の『不連続殺人事件』と賞を争ったわけですし・・・

天才・神津恭介の推理をバシバシ楽しめるのが読みどころです。
密室トリックに関しては、機械的云々言われてますが、
これはその部分だけがメインでなくて、
刺青に関する心理的なトリックもあるのでレベルは高いです。


No.173 6点 魔弾の射手
高木彬光
(2008/03/05 00:58登録)
神津恭介のファンなら、胸を痛める作品かも。
高木作品の中でも、神津恭介シリーズは人気があると思いますが、
この作品は、探偵役の神津自身の苦悩が大きく出てくる作品ですし。

思い返せば、古今東西の探偵役は、結構孤独な人が多いですよね。
やっぱり、白黒を曖昧に出来ない立場だからかな・・・


No.172 7点 三つ首塔
横溝正史
(2008/03/05 00:52登録)
実はかなり好きな作品です。
トリック的には、目新しいところも無い作品かもしれませんが、
この大きな陰謀=事件に巻き込まれる女性主人公に、
かなり感情移入してしまいます(^^;

バックグラウンドはかなり古めですけど、
ハッピーエンドなのも気に入っているし、
ちょっとピカレスク小説入っているサスペンスも好きです♪


No.171 6点 アトポス
島田荘司
(2008/02/29 02:15登録)
やっぱり、かなり長いですね。
その前半によって、ミスリードをしているのであっても、
せめて御手洗の出てくる場面を、フラッシュ的に入れるとか、
して欲しいかも!と思いました。
あ、でもそうしたら、御手洗登場シーンの旨みが減るのかな??

トリックはいつもの力技でしたね。
これは、一般読者には解けないだろうと思いました(^^;

レオナの壊れ具合にはイライラしましたが、
その行動の裏には、御手洗への思いがあるんでしょうね・・・


No.170 6点 猿島館の殺人~モンキー・パズル~
折原一
(2008/02/20 01:30登録)
海外の作品たちのパロディですね。
しかし、ポーの『モルグ街の殺人』のネタバラシしてるし、
クイーンの有名作(書名は書いて無いけど)のネタも出てます。
そのあたりは、ちょっと賛同しかねる作品でしたね。

「どくしゃへの挑戦」の使い方が面白かったです。
終わり方はくどい気もしたけど。


No.169 7点 プリズム
貫井徳郎
(2008/02/20 01:18登録)
いくつかの章立てで事件の別の面を見せていくという構成が秀逸。
どうなるの?という興味で読者を引きずっていきますね。
結局、最初の章へと戻ってしまうのだけど、
そのリングの中に犯人はいなかったわけで。
じゃあ、リングの中心にあるものは何?
案外、単純な事件だったのかも、と思いました。


No.168 5点 不連続殺人事件
坂口安吾
(2008/02/15 23:48登録)
坂口氏の信じる「探偵小説」の姿がここにあります。
いわゆる「犯人当て」なのですが、
そう、小説を読んだという気が全然しなかったです(^^;

始まって20ページあまりで、
主要登場人物(つまり犯人候補)が20人を超えますから、
ちょっと疲れました。
また、今だったら絶対にそのまま出版できないような、
差別用語満載の文体にも疲れました。

う~ん。あえて今の時代に読まなくてもいいかも・・・

327中の書評を表示しています 141 - 160