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ミステリの祭典

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viviさんの登録情報
平均点:6.50点 書評数:327件

プロフィール| 書評

No.267 6点 殺意は幽霊館から
柄刀一
(2009/03/02 01:07登録)
祥伝社の400円文庫シリーズで、
いつも中途半端な出来にヤキモキしてるのもありますが・・・

この作品は、ちょっと理系&薀蓄も絡めながら、
龍之介の天才ぶり(&ヘタレぶり)を紹介してるという意味では、
ちょうどいい中編なんじゃないかと思います。
もともとシリーズが短編から始まったシリーズですし・・・

伏線もしっかり書かれていて、
トリックも今回は分かりやすかったのかな~とも思いますが、
あんなことして平気でいられる犯人たちは、
ちょっと理解の範疇外ですね(^^;


No.266 8点 パラサイト・イヴ
瀬名秀明
(2009/03/01 00:34登録)
このタイトルがこの場に加わって嬉しい一人です。
ホラー大賞だけど、ミステリ要素は高いと思います。
一体何が起こっているのか、
それを止められるのか。

未知なる存在が自分の身に宿ったら・・・なんて、
想像したらとてつもなく恐ろしいけど、面白かったです。

この作品を読んだから、その後、瀬名氏の作品はほとんど読んでます☆


No.265 5点 綺羅の柩
篠田真由美
(2009/02/24 01:33登録)
タイのシルク王、ジム・トンプソンの失踪事件に材を取った作品。
ただし作品中ではジェフリー・トーマスと名前を変えているとおり、
ここで示される解決はもちろんフィクションです。
が、本当はどうだったのかな~?と色々想像させられますね。

キャラ小説としては豪華キャストなのですが、
ミステリとしては「謎」の設定が薄い感じで不満もあります。
伏線が直線過ぎて、バレバレって感じだから。
でも、解説の若竹氏の言うように、それでも読んでしまう小説ではあります(^^;


No.264 5点 ナ・バ・テア
森博嗣
(2009/02/03 01:15登録)
スカイ・クロラって最初からシリーズにするつもりだったのだろうか。
それとも、書いてる途中で過去を書きたくなった?
スカイ・クロラの結末を知っているから、
ちょっと切ない感じですね。
それとも、シリーズ全部を読み終わったら、
あの「死」の意味が変わるのだろうか?

ハテナだらけの、でもミステリとは違う小説です。


No.263 5点 誘拐
アンソロジー(出版社編)
(2009/01/28 01:54登録)
これは誘拐テーマの作品ばかりを集めたアンソロジー。
といっても、書き手がバラエティーに富んでいますから、
そこに仕掛けられているものも、一筋縄ではいきません。

五十嵐氏の「セコい誘拐」はせこいけれど、頭脳派だな~と感心しました。
霞氏の「スイカの脅迫状」はかなり仕掛けが利いていて、
しかも小説としてもかなり面白かったです。
吉村氏の「誰の眉?」の「ダリノマユ」には笑いました。


No.262 6点 密室
アンソロジー(出版社編)
(2009/01/28 01:46登録)
枚数的には短い作品が多いですが、
凝ったトリックを使っている作品が多く、
密室好きにはたまらないアンソロジーではないでしょうか。

有栖川氏の「開かずの間の怪」は、学生シリーズの短編で、
EMCのメンバーの活躍が楽しいです。
若竹氏の「声たち」は、会話の声からの推理ということで、
趣向としても解決としても、なかなか面白かったです。

やられた~!!と思ったのは、
法月氏の「ロス・マクドナルドは黄色い部屋の夢を見るか?」。
これは、掟破りの禁じ手でしょう(^^;
多分、ものすごく楽しんで書いたんだと思いますけど。


No.261 6点 「ABC」殺人事件
アンソロジー(出版社編)
(2009/01/28 01:35登録)
クリスティの「ABC殺人事件」にちなんだ、
ミッシングリンクもののアンソロジーです。

中でも面白かったのは恩田氏の「あなたと夜と音楽と」と、
法月氏の「ABCD包囲網」でした。
謎が解き明かされていくサスペンスがいいです☆
動機にぞくりとしたのが貫井氏の「連鎖する数字」。
鋭い視点が、短編ならではです。


No.260 6点 「Y」の悲劇
アンソロジー(出版社編)
(2009/01/28 01:18登録)
かなり豪華な面々が執筆しています。
「Y」というのがコンセプトなのですが、
見事に全ての作品がダイイングメッセージを扱っています。
ダイイングメッセージものが好きな人は楽しめるのでは?

それにしても、どれも結構無理のある「Y」ではあったのですが、
特に凄まじかったのは二階堂氏の作品でした。
かなりメタな作品でもあるし、解決も誰も予想もしないものでしょう。
私にとっては二階堂作品への敷居が高くなってしまった因縁の作品でした(^^;


No.259 5点 夜想曲(ノクターン)
依井貴裕
(2009/01/28 00:57登録)
ロジック&トリックという肩書きどおり、
緻密なロジックと大技のトリックを入れて、
読者への挑戦も挿入した意欲作ですね。

ただ、解決編が「くどい」というのが難点でした。
数ある論証の1つを指摘すれば、
事件の様相ががらりと変わるのは理解できるのに、
全てを検証しようという細かさが、
逆に、ラストへ向かう物語の流れを阻害しています。
机上のロジックという感じがしてなりませんでした。


No.258 7点 六の宮の姫君
北村薫
(2009/01/20 00:58登録)
私自身は、非常に楽しめた作品です。
文学部だったので、学生時代を思い出してしまった(^^)
こういう研究もリッパな「謎」だし、
それを追い求めた自分はあのとき「探偵」だったのだと気づかせてくれた。

でも、一般的なミステリの評価としては、
あまりにもマニアックすぎますよね(^^;
それが、マイナス1点くらいです。
だって、数学の「謎」を解き明かす本が出たとしても・・・
私なら読むの厳しいと思うし(笑)


No.257 3点 阿修羅ガール
舞城王太郎
(2009/01/20 00:50登録)
ミステリとしては・・・ていうかミステリじゃないですよね?(^^;
だから、この得点なんですけど。
ミステリというカテゴリをとっぱらったら、コテコテの濃い文学作品。
道具立てが少し「俗」過ぎるかな~とは思うけど、
所詮この世の中は「俗」なわけなので、いいのではないでしょうか。

「未熟」を表現した作品ですね。
答えの出ないのが、答えを探さないのが、「未熟」だから。


No.256 6点 ユリ迷宮
二階堂黎人
(2009/01/20 00:43登録)
二階堂蘭子シリーズの本を読むのは初めてなのですが、
かなり気の強いキャラクターだと思われます。
義兄の黎人は、よく一緒にいられるな~・・・

「ロシア館の謎」(国名シリーズ!?)はロマン溢れる大掛かりな作品で、
トリックの分かりやすさは置いても、楽しく読めました。
「密室のユリ」は、いかにも新本格!な事件で堪能しました☆
「劇薬」は、ちょっとどんでんがえり過ぎかな(笑)


No.255 6点 名探偵水乃サトルの大冒険
二階堂黎人
(2009/01/20 00:35登録)
こういう極端なキャラクターが「名探偵」にはふさわしい・・・
という二階堂氏の信念なのでしょうか。
それでも、蘭子の方はかなりアクの強い人物ですが、
水乃サトルは憎めないキャラですね。
どこがどうオタクなのか分からない、とっちらかった人物像で(^^;

ビールの話は、ちょっと現実性に欠ける気がしますね。
発想は面白いけど、本当に作るか?って感じ。
それだったら、埋めたほうがマシですよね(笑)
本陣殺人事件の話が、やはり一番面白かったです☆


No.254 6点 狩野俊介の冒険
太田忠司
(2009/01/14 00:43登録)
このシリーズの短編集と言うことで、
どんなテンポで進むのかと思ったら、
かなりほのぼのした話もあって、よかったです。

太田氏の書く少年像が好きで、
俊介がどのように成長していくかも楽しみなのですが、
番外編の「電脳車事件」はちょっと違和感あったな~(^^;


No.253 5点 ダブルダウン
岡嶋二人
(2009/01/06 01:56登録)
ちょっとあの場所で殺人を犯すのは強引ですけど、
そういう謎だから物語を最後まで引っ張っていけるんですよね。
そういう意味では、岡嶋氏の腕前によるところが大きい作品です。

トリックそのものを考えると、やっぱり地味な印象です。
犯人も、最初から怪しい気配がプンプンしてましたし(^^;
でも、読後感が悪く無いので、それがいいですよね☆


No.252 6点 羽衣伝説の記憶
島田荘司
(2008/12/30 01:19登録)
これはミステリとして読むのではなく、
やはり恋愛小説として読むべきなのでしょうね。
吉敷という刑事が、1人の女性を愛した軌跡をたどる・・・

吉敷は、他の作品を読む中で、
その度ごとに私の中でキャラクターがぶれていく存在です。
一体どんな人間なのか、未だに掴みきれない。
だから、この作品は吉敷のキャラ設定を理解する上で、
非常に参考になりました。

にしても・・・通子は、あまりにも可哀相すぎるなぁ・・・


No.251 7点 川に死体のある風景
アンソロジー(出版社編)
(2008/12/20 02:24登録)
川とそこにある死体というシチュエーションで、
六人の作家が作品を書いています。
それぞれの作品のあとには、各作家の後書きもあり、
本格からホラーテイストのものまで、
バラエティーに富んだ作品が楽しめました(^^)

佳多山大地氏の初小説が読めたのが興味深かったですね。
(かなり面白かった!)
有栖川氏のは『女王国の城』への関連もあります。
綾辻氏の京極堂への挑戦状(?)も面白かった(笑)

こんな風にシチュエーションを共通させて作品を書くというのも、
アンソロジーならではですよね♪


No.250 4点 黄色館の秘密
折原一
(2008/12/20 01:56登録)
黒星警部シリーズ。
このシリーズはパロディながら新味のトリックが面白かったり、
結局は合理的な解決がされるのがいいと思っていたのですが、
(多少の無理があるにしてもw)
今回のは、ちょっといただけませんでした。

多少の無理ではなくて、かなりの無理でしたし、
そもそも、あまり意味の無い分かりやすい仕掛けがあったり、
解決のつかない部分が残ったり。
解決編が好きな私にとっては、そこが駆け足で終わったのも不満でした。


No.249 7点 競作 五十円玉二十枚の謎
アンソロジー(出版社編)
(2008/12/19 00:57登録)
毎週土曜日、書店に現れて五十円玉二十枚を千円札に両替する男。

①なぜ本屋で毎週五十円玉を千円札に両替をするのか
②その五十円玉はどうして毎週彼の手元にたまるのか

若竹氏が体験したこの不思議な謎に対して解答をつけるアンソロジー。
著名作家はもとより、公募によって多くの作品が寄せられました。

謎に対して直球で取り組んでいる作品もあり、
また、謎を自分で料理して独自の物語を展開している作品もあり。
各作家の持ち味が十分に出ているアンソロジーだと思います。
こういう試みは面白いから、またやって欲しいかも・・・


No.248 6点 クリスマス・イヴ
岡嶋二人
(2008/12/12 01:51登録)
ホラーは好みじゃないはずだったのに、
いつの間にか本棚にあった作品(^^;
タイトルからして、読むのは今しかない!と思い、読んでみました。

結論。
ホラーと言うほど、怖くはない。
「パラサイト・イブ」のほうがよっぽど怖いです。
でも、ストーリー展開の上手さは流石ですね。
主人公たちの行く末が気になってしまい、
夜明けまで読みふけってしまいました(^^;
ありがちな殺人鬼ものでしたけど。

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