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ミステリの祭典

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「Y」の悲劇
有栖川有栖・篠田真由美・二階堂黎人・法月綸太郎

作家 アンソロジー(出版社編)
出版日2000年07月
平均点5.50点
書評数4人

No.4 6点 バード
(2021/03/20 11:58登録)
アンソロジーのタイトルがタイトルなので、各作者の調理センスが如実に表れるだろうと読前に予想。結果は・・・。見事に明暗分かれたね。
残念ながらはっきりと嫌いな作品もあったが、アンソロジー全体では6点くらい。

<個別の書評>
有栖川有栖 「あるYの悲劇」 6点
作家有栖シリーズの評価は
「堅実だが地味」か「派手さは無いが丁寧」
のどちらかに落ち着くことが多い。本作は後者で、7点に近めの6点です。(犯人名の読みには少し無理矢理さを感じたが。)
Yの意味は予想が的中。書き順が示された段階で正解と確信できた。

篠田真由美 「ダイイングメッセージ《Y》」 5点
ネカマネタが出た時点で予想できる範囲のオチ。Yの意味は独特で好きだが、総合的には少し物足りなかった。

二階堂黎人 「「Y」の悲劇-「Y」がふえる」 1点
読んでてイラついた。滑り過ぎていて物語が頭に入ってこないレベル。編集者も一緒に悪ノリしてしまったのだろう。

法月綸太郎 「イコールYの悲劇」 8点
暗号ものは解釈に取って付けた感が出ると途端に冷めるので、いかにシンプルで意外な答えを用意できるかが重要だ。
本作では暗号の解釈が
「人名に関連する記号」 → 「人名の隠語?」 → 「人名そのもの」
と推移する。別解で正答をカモフラージュし、最後にシンプルな正解を明かすという理想的な構成だ。
加えて、赤字の重要性、意外な人物相関など、メインの暗号以外も上手く機能しており上手さを感じた。本短編集でNo.1の出来でしょう。

No.3 5点 HORNET
(2011/01/10 20:02登録)
 本格を自称する作家たちの競作ですので,メンバー的には豪華。しかし,企画により依頼された作品だと思われるので,各作品は「おつまみ」的な出来栄え。著者たちもそれほど評価を気にせず好きなことをやっている感じがするので,そういう意味で楽しんで読めます。

No.2 5点 dei
(2009/01/28 13:17登録)
まぁそれなりな短編集。
読み返そうとは思わないが、暇つぶしにどうぞ。

No.1 6点 vivi
(2009/01/28 01:18登録)
かなり豪華な面々が執筆しています。
「Y」というのがコンセプトなのですが、
見事に全ての作品がダイイングメッセージを扱っています。
ダイイングメッセージものが好きな人は楽しめるのでは?

それにしても、どれも結構無理のある「Y」ではあったのですが、
特に凄まじかったのは二階堂氏の作品でした。
かなりメタな作品でもあるし、解決も誰も予想もしないものでしょう。
私にとっては二階堂作品への敷居が高くなってしまった因縁の作品でした(^^;

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