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ミステリの祭典

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ダブルダウン

作家 岡嶋二人
出版日1987年07月
平均点4.80点
書評数5人

No.5 5点 E-BANKER
(2014/01/12 23:20登録)
1987年発表。
21編ある作者の長編のうち14番目に発表された作品に当たる本作。

~ボクシング、フライ級の四回戦。対戦中のボクサー二人が、青酸中毒で相次いで倒れ死亡した。雑誌編集者の福永麻沙美は、記者の中江聡介、ボクシング評論家の八田芳樹と真相を追い詰める。衆人環視の二重殺人のトリックとは? 二転三転する事件の陰に巧妙に身を隠す意外な真犯人とは? 傑作長編ミステリー~

提起される謎はかなり魅力的。
ただし、これはちょっとプロット倒れかなと思わせる・・・そんな作品。
作者の作品では警察官や私立探偵ではなく、完全な素人が「探偵役」となる場合が殆どだと思うが、本作でもそれは当て嵌る。
「探偵役」の能力不足という前提のためか、とにかく終盤に入るまでは事件そのものの輪郭ですら掴めない状況が続く。
被害者の周りで怪しい人物がつぎつぎと浮かんでいくのだが、その人物の白黒がつく前に新たな材料が提示され、読者としても何だか落ち着かない感じになってしまう。

中盤までのモタモタ感を一掃するかのように、終盤は一気に進んでいくのだが、これはスピード感があっていいというよりは、とにかく帳尻合わせました・・・というような感じ。
真犯人は意外性もあっていいのだが、こんな偶然の連続のような動機では、本格ミステリーとしてはどうかなと思わされた。
せっかく魅力的な舞台設定なんだし、もう少しプロットを煮詰めてからの方が良かった。
(その辺りは、作者のエッセイにも書かれているらしいが・・・)

ボクシングを題材にした作者の作品は他に「タイトルマッチ」があるが、作者の作品としてはどちらもそれほど成功しているとは言い難い。
ミステリーとボクシングでは相性が良くないということなのかな?
(この時代、BMWはまだ珍しかったんだろうか?)

No.4 5点 vivi
(2009/01/06 01:56登録)
ちょっとあの場所で殺人を犯すのは強引ですけど、
そういう謎だから物語を最後まで引っ張っていけるんですよね。
そういう意味では、岡嶋氏の腕前によるところが大きい作品です。

トリックそのものを考えると、やっぱり地味な印象です。
犯人も、最初から怪しい気配がプンプンしてましたし(^^;
でも、読後感が悪く無いので、それがいいですよね☆

No.3 4点 こう
(2008/09/25 23:50登録)
 テンポのいい会話でひきこむ力は流石と思います。正直ミステリとしての出来も良くなくいきあたりばったりの杜撰な犯行だと思いますが読みやすいですし後味も悪くないと思いました。出来を考えるとまあまあな読後感でした。

No.2 4点 COBRA
(2008/06/17 03:49登録)
ダブルダウンあんまり関係ない・・・。

No.1 6点 Dain
(2004/11/21 22:42登録)
なかなか強引な展開で・・・。犯人はもろわかりですね、登場時から怪しすぎです。しかし相変わらず岡嶋作品は読みやすい。

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