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ミステリの祭典

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yoshiさんの登録情報
平均点:4.55点 書評数:116件

プロフィール| 書評

No.56 5点 悪の教典
貴志祐介
(2011/03/20 14:20登録)
上巻9点、下巻1点。足して二で割って5点。

上巻はハスミンの行動が精緻で、次第にその不気味さが増していくところが上手く描かれていた。

下巻はひたすら退屈。リーダビリティは高いので、すらすら読めるが、ただ生徒を殺していくだけなのでサスペンスがない。『バトルロワイヤル』の劣化版を読んでいるようだった。
何よりもいただけないのは、いきなりハスミンの行動が大雑把になるところ。どうせ美術教師に罪をなすりつけるつもりならば、二人殺しただけでやめておけばいい。その方が罪もなすりつけやすい。
それなのに全員殺したのは、ただ作者がジェノサイドを描きたかったというだけの理由であって、登場人物的に必然性がない。

結論 最近の「このミス一位」は信用できない。


No.55 5点 密室殺人ゲーム2.0
歌野晶午
(2011/01/21 03:20登録)
前作のキャラは全員好きだったが、こちらのキャラには何故か嫌悪感を抱いてしまった。トリックも前作よりは数段落ちると思う。
これだったら『Another』 か『花窗玻璃』に(この年の)本格ミステリ大賞を取ってもらいたかった。


No.54 4点 天帝の愛でたまう孤島
古野まほろ
(2011/01/03 20:40登録)
初まほろ。描写が美しいとの評判を聞いていたのだが、色の描写ばっかりで、形や情景がさっぱり目に浮かばない。相手がフランス人ならまだしも、日本人同士の会話で「畜生」に「めるど」とルビを打つ感性には付いて行けない。内容はあの問題作『ヴァルハラ城の悪魔』にそっくりだが、もう一つどんでん返しがあったので救われた。これがなかったら2点だった。


No.53 10点 安達ヶ原の鬼密室
歌野晶午
(2010/07/15 00:27登録)
ネタの使いまわしという批判は当たっていない。一つのネタで幾通りのミステリーが書けるかという実験なのだ。そういう意味ではこの頃から歌野は先鋭的だった!


No.52 4点 ナポレオン狂
阿刀田高
(2010/07/15 00:25登録)
直木賞を獲り、その直木賞をはじめ、現在いろんな文学賞の選考委員をつとめている作者の代表作だが、正直この人自身に全く才能を感じない。どうしてあんなに文壇に幅をきかせていられるのか、それが一番のミステリーである。


No.51 5点 OZの迷宮
柄刀一
(2010/05/04 12:36登録)
探偵役の人間が次々と変わっていくのは斬新だった。それにしてもあいかわらずこの人の文章は読みにくい。登場人物の誰が誰なのか、何度も戻って確認しないと先に進めないので、読書が苦行でした。


No.50 6点 8の殺人
我孫子武丸
(2010/03/18 12:56登録)
この作者は「殺戮」しか読んでいなかったので、こんなのも書けるんだと少し評価を上げました。こういうドタバタ、嫌いじゃないです。


No.49 5点 追想五断章
米澤穂信
(2010/03/18 12:52登録)
面白い試みだと思います。
ただこのリドルストーリーの作者の心境に、いまいち共感できませんでした。彼は真実を知らせたかったのか知らせたくなかったのか? アントワープでの事件の真相も、割と想定の範囲内だった気がします。


No.48 9点 今昔続百鬼 雲
京極夏彦
(2010/03/14 23:05登録)
断固支持します。
京極堂や榎木津のようなキャラを主役にするのは簡単なのです。
こういうキャラを主役に据えた面白さを、どうして感じ取れない人が多いのか。


No.47 6点 生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術
泡坂妻夫
(2010/03/14 12:42登録)
仕掛けを楽しむ本ですね。

これで内容が面白ければ、ジョルジュ・ペレックのアレのように、とんでもないことになっていたでしょうが、この内容では好事家の話のタネで終わってしまうのが実情か。


No.46 3点 六色金神殺人事件
藤岡真
(2010/03/07 20:05登録)
これってそんなに入手しにくい本なんですか?
ブクオフで100円でしたけど。

感想・100円でも高かった


No.45 5点 少女には向かない職業
桜庭一樹
(2010/03/06 18:28登録)
リーダビリティは高くすらすら読めた、楽しめたが、ミステリとしては物足りない。創元推理文庫ということでこちらのミステリ的期待値があがっていたせいもあるけれど。


No.44 6点 症例A
多島斗志之
(2010/02/27 22:31登録)
精神医学に詳しくなれた。だが終わり方が消化不良。


No.43 10点 花窗玻璃 シャガールの黙示
深水黎一郎
(2010/02/01 14:19登録)
独特の美しい文章に酔いしれながら読了しました。大技の
トリックも面白かったし、証拠もフェアに呈示されていることに感心しました(個人的には天使の正体がツボでした)。
純粋にミステリとしても8点くらいつけられると思いましたが、その後書評サイトをめぐってみて愕然。そんな趣向が隠されていたとは・・・。脱帽です。


No.42 4点 木製の王子
麻耶雄嵩
(2009/12/29 22:55登録)
アリバイのところ、読んで楽しめる人は果たしているのだろうか。読者に対するリーダビリティーの意識の欠如が、本格の衰退につながったのではないのか。この作者だけに責任をかべするつもりはもちろんないのだけれど。


No.41 5点 クライマーズ・ハイ
横山秀夫
(2009/08/13 05:31登録)
組織対個人を描かせると実にうまい人ですね。
きっとサラリーマン時代にそればっかり考えていたんでしょうね。
筆力はありますし、描写は細かい。
でも自分の体験したことだからそれは当たり前かな。
結局何が言いたかったのか、よくわからなかった。
それから上司にはせめて敬語を使おうよ。


No.40 3点 邪魅の雫
京極夏彦
(2009/08/07 13:13登録)
「魍魎」や「鉄鼠」は、全然長いと感じなかったのに、これはとてつもなく長く感じ、ページをめくるのが苦痛だった。
一言で言うと「ノリが悪い」。視点が頻繁に移動し、誰のかわからないモノローグが間に挟まるというパターンにも、ルーチーン化した硬直性を感じる。このシリーズはもっとしなやかなものであった筈だ。


No.39 7点 裁判員法廷
芦辺拓
(2009/05/07 03:18登録)
うーん、確かに、森江を使わないほうが良かったかな・・・。


No.38 1点 リアル鬼ごっこ
山田悠介
(2009/05/07 03:13登録)
うん、そんなに貶さなくてもいい。
でも一点。それ以外はありえない。


No.37 3点 チーム・バチスタの栄光
海堂尊
(2009/03/29 20:57登録)
読んでる最中は面白かったです。でも終わってみると、結局解剖したら一発でわかることを、だらだら書いていたのかという感が否めません。あれだけ術死が続いていて、白鳥が強健発動するまで、誰も病理解剖しようとしなかったというのもねえ・・・。

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