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ミステリの祭典

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由良小三郎さんの登録情報
平均点:6.62点 書評数:199件

プロフィール| 書評

No.139 5点 ガーデン
近藤史恵
(2002/08/14 19:00登録)
歌舞伎シリーズで探偵役の今泉文吾と山本君の最初のエピソードです。歌舞伎シリーズを読んでいれば、そうかというところですが、最初にこれから読むとたぶん失望する人が多いかと思います。動機とか、人間関係とか、展開とか、僕にも理解できませんでした。今泉が死体遺棄もやってしまうし、ちょっとという作品です。


No.138 7点 謎亭論処
西澤保彦
(2002/08/12 09:51登録)
このシリーズも、キャラクタのファンになってきて、おもしろく読めました。4人が全部出る時と、1人をメインにする時の書き分けに苦労されてるようにも見えます。難しいタカチのキャラがそれなりにいけてますので、僕はこのシリーズも好きです。


No.137 6点 黒猫の三角
森博嗣
(2002/08/12 09:04登録)
新しいシリーズのキャラクタは、イマイチでした。期待は紅子さんの息子のヘッ君かなと思います。
凶器について一言、ゆるみ止めのついた配線用の結束バンドを僕も仕事で使うことがあるのですが、凶器としての実用性は、普通のズボン用のバンドに劣るというのが、結論です。きっちりしまるというのが、作者の美意識に訴えたのでしょうか。(余談です)


No.136 6点 開けっぱなしの密室
岡嶋二人
(2002/08/10 16:56登録)
1984年の岡嶋二人の第1短編集です。
難しいミステリが多くて疲れた時に、岡嶋二人の作品は気分転換によくて、サクサク読めます。平凡といえば平凡です。多分、今この時点でふりかえると新人作家の謙虚なさービス精神が貴重に感じられるというところです。岡嶋ファンとしては、「罠の中の七面鳥」の、受賞第1作のぎこちなさが気にいってます。


No.135 6点 puzzle
恩田陸
(2002/08/08 20:14登録)
廃虚の島の描写や、会話する2人の男の雰囲気よかったのですが、個人的には最後の種明かしの部分みたいなのはなしで、推理の会話だけで、唐突に終わってしまったほうがよかったと思いました。無理矢理答え合わせする必要はなかったと思いました。ただ、提出された問題自体が、もともと無理があったという感じは否めません。


No.134 7点 ブルータスの心臓−完全犯罪殺人リレー
東野圭吾
(2002/08/03 15:25登録)
東野さんが書いた作品としては、この程度の巧みさでは、あまり高い点数はつけられないのですが、構成や人物の配置、展開すべてよくできています。後は、ミステリにプラス何かを求めてしまいます。


No.133 5点 この島でいちばん高いところ
近藤史恵
(2002/08/03 07:57登録)
薄味のホラーというかサスペンスで、あまり良くなかったです。ユンジャという女性が近藤さんらしく書き込まれるかと思ったのですがそれも少なかったです。スタート5人で何人生き残るかという構想の時点で、この小説の長さでは5人は多かったとおもいます。


No.132 8点 仔羊たちの聖夜
西澤保彦
(2002/07/29 21:50登録)
このシリーズを、「彼女の死んだ夜」「依存」の順に読んで、これを読みました。タカチというのが魅力的です。シリーズ通して、各登場人物の描写が一貫してるかどうかは疑問ですが、いいシリーズで後に読む作品ほど評価が高くなっていくのかもしれませんが、軽さの度合いが僕にちょうどいいぐらいです。


No.131 7点 李歐
高村薫
(2002/07/28 14:05登録)
重目のストーリーです。見捨てられた子供だったあたりの記述が切ないです。乾いた心の主人公が唯一同じような境遇の友人とだけ共感できたのという話でしょうか。


No.130 7点 世界は密室でできている。
舞城王太郎
(2002/07/25 20:08登録)
非常にみなさんの評価の高かった作品ですが、読み終えてかなり、悩ましかったです。
既成のミステリたちの何かを壊してしまうエネルギをもっているのでしょうが、壊したかったものは、何だろうかと言うか、モヤモヤしてしまいました。


No.129 6点 親不孝通りディテクティブ
北森鴻
(2002/07/21 16:37登録)
主人公たちの性格の書き込みももうすこしで、印象としては平凡です。いろいろなマンガや、テレビで先入観もっている博多の男の性格とちょっと違うような気がしました。


No.128 8点 火天風神
若竹七海
(2002/07/19 20:52登録)
荒れ狂う台風というのは、サスペンスの雰囲気を盛り上げるのに効果的です。それでいいサスペンスだと思いました。
この頃思うのは、サイドストーリというか、メインの登場人物たちの物語の合間に、休憩いれるみたいなテクニックというのが案外効果的だと思うようになっています。
この話ではやや多すぎるかなと思いましたが、好感もてる登場人物が何人かいるので、気にいりました。


No.127 6点 ストロボ
真保裕一
(2002/07/15 20:52登録)
僕の中の線引きでいえば、この作品はミステリでないと思いました。日常の謎があるといえばあるのかとも思うのですが、これはもう普通の小説で、ミステリの外だとおもいました。小説としては、よめます。


No.126 7点 私が彼を殺した
東野圭吾
(2002/07/15 20:33登録)
殺される人を除いて主要な登場人物が4人であって、ミステリのお約束というのにわりと忠実なつくりでできてますので、犯人あてで評価してはいけないと思うし、犯人わかってもそう自慢できない作品です。まあ、あの犯人以外では作品として成立しにくいので、お約束に忠実なつくりを楽しむ作品です。


No.125 7点 タイトルマッチ
岡嶋二人
(2002/07/12 22:10登録)
岡嶋二人は誘拐ものが得意だということになっています。
誘拐ものというジャンルは、連続殺人や予告殺人もののように、進行中の犯罪のなかで捜査する側と犯人の対決をみせる分野なのだと思います。残念ながら1人殺されます。
各章のタイトルが「2日前」「前日」「当日」というもので、いかにも切迫した雰囲気を盛り上げます。
岡嶋二人の初期作品で、作者の一人の徳山さんのボクシング経験をいかして、リアル感があります。


No.124 4点 トランプ殺人事件
竹本健治
(2002/07/12 20:42登録)
1980年代の初めの作品ですが、印象はひどく古めかしい。竹本さんのめざしてるミステリの古典みたいなものの影響でしょうか。読んでて楽しくなかったです。


No.123 6点 凶笑面
北森鴻
(2002/07/08 20:58登録)
怜悧でやや中性的な美人の民俗学助教授、蓮丈那智さんと、助手の内藤三國さんという組合せの探偵ものです。
この手の女性は書くのが難しいとおもいます。男性読者の偏見があって、魅力的になりがたいところを超える必要があるわけで、キャラ的にいまいちです。
一番よかったのは、「双死神」で「狐罠」の主人公がちょっと登場して、「花の下にて春死なむ」のお店だろうと思われる店で食事するというサービスの部分です。
新作「狐闇」にも蓮丈那智さん登場するそうです。


No.122 8点 天空の蜂
東野圭吾
(2002/06/30 16:31登録)
印象は、真保さんの「ホワイトアウト」みたいな感じで、東野さんもこういうのを書いたんだと思いました。ジャンル的にはアクション小説なんでしょうか。
ヘリコプタから子供を助けるところなんか、ミステリと随分遠い世界ですが、楽しめました。


No.121 8点 奇跡の人
真保裕一
(2002/06/30 16:22登録)
真保裕一さんに対する読者の期待にこたえていない作品ですが、それなりにいい話だと思います。結末はちょっとですが、これもアリだと思います。


No.120 8点 人格転移の殺人
西澤保彦
(2002/06/29 10:38登録)
前半のルールの説明みたいな部分が長いような気がしました。そのわりに、解くべき問題の部分は一気に進行します。まあ人格転移でゴチャゴチャしてると、推理の話し合いの部分に読者がついてこれないんで、とりあえず探偵役とワトソン役の2人にしたんだろうと思います。そんな感じで、謎解き小説なんですが、やり方が斬新すぎて、僕はついていけない読者になりました。

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