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ミステリの祭典

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火天風神

作家 若竹七海
出版日1994年10月
平均点5.88点
書評数8人

No.8 5点 ミステリ初心者
(2022/09/18 19:21登録)
ネタバレをしております。

 台風によりリゾートホテルが閉鎖空間になり、死体や暴漢や火事などスリリングな要素が多数登場するオーソドックス(?)なパニックものでした。
 登場人物がかなりおおく、主要キャラクターに関してはその背景も書かれるため、かなりのページ数があります。しかし、あまり読みづらさを感じなかったです。

 よく映画に出てくるような要素が多数あり、ツボを押さえている作品だと思いましたが、ページは進むもののなぜだかあまり面白さを感じませんでした…。映画でパニックものというと、無条件で面白いような感じなのですが(笑)。それとも、この本が映画化されれば印象が違ってくるのでしょうか? ミステリが映画よりも小説の媒体のほうが向いているのに対し、パニック物は小説より映画のほうが向いているのでしょうかね?

 ラストは大団円とはいかないまでも、多くのキャラクターに希望のあるエンディングなのはよかったです。ただ、丁寧に背景を書かれているキャラクターに関しては、意外なほどあっさりと終わってしまったのが気になりました(笑)。

No.7 6点 ロビン
(2009/01/17 03:12登録)
やっぱり、若竹作品といったら本書のように嫌な人間が大量に登場してこないと。こんなに読み手に負の感情を抱かせる作家は希少だと思います。
確かに面白くて、一気読みだった。だけど、それはページをめくらされる面白さであって、物語的興奮とか、ミステリ的興奮とは違い、あまり点数はつけられないかなぁと。あくまでもパニック・サスペンスであって、本格要素はちょこっとした仕掛けが施されている程度。それが残念でした。

No.6 6点 なの
(2008/02/17 22:21登録)
酷い話なんですが、意外と読後感がいいですね。
他の方も書かれていますが、色々な事から救済される登場人物が多いからでしょう。
でも思いの外犠牲者少ないですね、もっとジェノサイドがあるかと思ってたのに・・・。

No.5 6点 眠り猫
(2005/01/26 00:29登録)
若竹さんの作品はエゴイストキャラが光ってますが、この作品もそうでした。ひょっとして読後感が悪いままかとドキドキしましたが、割と救済される人物が多くてほっとしました。普通に面白かったです。

No.4 7点 884
(2004/01/31 00:19登録)
 書いたのは1992。どうりで携帯もメールも出てこないと思いました。
 前半ポンポン死んでったわりに、途中からペースは遅くなります。途中で主要人物のかなりが死ぬかと思ったんですけど。
 主要キャラを増やしたため、綺麗に拾えてない話が目立った気がします。翔子の旦那の話とか、摩耶の家族の話とか。もう少し終盤に絡められたらよかったと思うんですけど。
 全体として読後感はそんなに悪くないです。救済が用意されてますから。されていない人もいますから、ご注意を(笑)。

No.3 4点 ごんべ
(2003/07/23 17:08登録)
ものすごく読むのが辛かった、と言うのが正直な感想。
「近年稀に見る大型台風の所為で、外界と隔絶された三浦半島のリゾートマンションに集まるべくして集まってきた登場人物たち」というのは非常に面白い設定であるはずなのに(文庫のあらすじでかなり期待していたのも事実)、ミステリと言うには何となく薄く感じてしまいました。
登場人物たちの誰一人に対しても感情移入ができなかった
のが原因でしょう。
説得力が希薄だったんですよね、物語の全てにおいて…

No.2 8点 由良小三郎
(2002/07/19 20:52登録)
荒れ狂う台風というのは、サスペンスの雰囲気を盛り上げるのに効果的です。それでいいサスペンスだと思いました。
この頃思うのは、サイドストーリというか、メインの登場人物たちの物語の合間に、休憩いれるみたいなテクニックというのが案外効果的だと思うようになっています。
この話ではやや多すぎるかなと思いましたが、好感もてる登場人物が何人かいるので、気にいりました。

No.1 5点 テツロー
(2002/03/10 23:14登録)
パニックサスペンスホラーという感じでしょうか。化け物が出てくるわけではないけど、追い詰められる不条理な恐怖が主題です。一番の悪人が死ななかったのが不本意。一応ハッピーエンドなんですが、う〜ん、自分が年くったせいか、主人公の一人、14歳の少年に感情移入できなかったのがいたい。

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