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ミステリの祭典

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親不孝通りディテクティブ
テッキ&キュータ

作家 北森鴻
出版日2001年02月
平均点6.88点
書評数8人

No.8 7点 ボンボン
(2019/11/18 12:24登録)
博多と言えば、屋台と裏社会(?) そこを舞台にした、テッキとキュータの何とも魅力的なコンビによる軽ーいハードボイルド、コミカルでダサかっこいい探偵ごっこだ。博多弁が全編の雰囲気を支配していて、読後も頭にこびりついて離れない。

後は読者のご想像にお任せ、といった感じの書き方が洒落ていて、テンポよくサクサクと読めるのだが、ストーリーそのものは、重く切ない。特に最終話の結末は、よかったなあ。

この作者の小説世界は、いつもどこかでつながっているので、親不孝通りの登場人物もまた、他の作品に登場するらしい。
もう続きが書かれることのない北森作品だから、少しずつ大事に読み進めたい。

No.7 5点 E-BANKER
(2011/03/30 23:13登録)
鴨志田鉄樹と根岸球太の通称カモ・ネギコンビが博多を舞台に暴れる(?)連作短編集。
氏の作品には、「おいしい食べ物」がつきものですが、今回はカクテルの薀蓄が満載。
①「セブンス・ヘブン」=結婚紹介所で知り合った理想の夫婦が心中してしまった理由は? 結構強引な結末。
②「地下街のロビンソン」=テッキ(鉄樹)が頼まれた人探し。それがあらぬ方向へ・・・
③「夏のおでかけ」=のんびりしたタイトルですが、これも「偶然」があらぬ結果へ・・・
④「ハードラック・ナイト」=少女売春絡みの話。「今どきの高校生は・・・」って感想になっちゃいますね。
⑤「親不孝通りディテクティブ」=まさに"親不孝通り”で起こった事件。ありがちと言えばありがち。
⑥「センチメンタル・ドライバー」=2人の高校時代の宿敵が登場。ラストはつらい結果に・・・
以上6編。
凸凹コンビが身の回りで起こるちょっとハードな事件を解決していくストーリー・・・どっかで読んだことあるなぁというプロットが多いような気がします。
全体的にはハードボイルドとしても喰い足りず、純粋な謎解きとしても喰い足りないですね。
博多弁(「・・・たい」「よかろうもん」)もちょっとウルサイ感じ・・・(博多出身の方、すみません!)
(軽~い気持ちで読むのが向いてます)

No.6 8点 itokin
(2008/11/13 15:21登録)
北森さんの作品は初めてです。ショックを受けました。この人の語り口はすばらしいですね、無駄がなくスピーディーで独特の世界を感じました。とにかく急いでもう一つ読んでみます。

No.5 7点 ひこうき雲
(2007/06/10 01:32登録)
博多の屋台の主人テッキと結婚相談所の調査員キュータのコンビが事件に巻き込まれ解決していく6つの連作。
出だしの1、2話はありがちな気がして、それ程面白みもあまり感じませんでしたが、3話「夏のおでかけ」からだんだんと面白くなっていきます。そして最終話「センチメンタル・ドライバー」は、とてもいいです!!

No.4 7点 なの
(2004/09/22 23:23登録)
お人好しの馬鹿とクールな知性派・・・ありがちと言えばそうですが、やっぱり魅力的です。
たがみよしひさ氏の『NERVOUS BREAK DOWN』を思い出したりして・・・。
探偵役としての禁忌を犯してしまったので、あのラストは仕方ないのでしょうね。
寂しいながらも新たなる旅立ちです。

No.3 8点 しゃん
(2002/10/13 19:19登録)
 どの短編も書き出しは穏やかで、楽しげ。滑稽ですらある。魅力的な謎の提示、魅力的な主人公二人による捜査の描写は非常に面白く、またテンポもよくすらすらと読めた。
にもかかわらず、どの短編の終わり方も後味はけしてよくない。人間の暗い、冷たい、そして悲しい面を垣間見えて、少し切ない気持ちになった。
 個々の脇役も非常に面白い。

No.2 6点 由良小三郎
(2002/07/21 16:37登録)
主人公たちの性格の書き込みももうすこしで、印象としては平凡です。いろいろなマンガや、テレビで先入観もっている博多の男の性格とちょっと違うような気がしました。

No.1 7点 ao
(2002/06/19 15:23登録)
ミステリ的な味付けは薄味だけどハードボイルドとしては面白い。テッキとキュータをはじめとする登場人物のキャラも魅力的だし、二人の視点で交互に語る構成も新鮮だった。

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