タイトルマッチ |
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作家 | 岡嶋二人 |
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出版日 | 1984年06月 |
平均点 | 6.36点 |
書評数 | 11人 |
No.11 | 6点 | ボナンザ | |
(2021/11/30 23:28登録) 息をつかせぬ展開とあっけなささえ感じるラスト。 さらいの岡嶋の面目躍如、頭を空っぽにして楽しむべき一作。 |
No.10 | 7点 | パメル | |
(2016/02/08 11:27登録) 誘拐犯の要求が身代金では無く「ノックアウトで勝て」 という設定がワクワクさせられる 三日間の出来事に期間を絞り試合へのタイムリミットが 設定された展開に緊迫感がみなぎってくる スピード感があり心理描写も丁寧に描かれており ボクシングを知らない人でも十分楽しめるサスペンス |
No.9 | 6点 | E-BANKER | |
(2012/09/21 22:02登録) 1984年発表の作者4作目の長編。 「人さらいの岡嶋」の異名どおり、本作も奇妙な「誘拐事件」についての謎。 ~元世界ジュニア・ウェルター級のチャンピオン・最上永吉の息子が誘拐された。彼を破ったジャクソンに義弟・琴川三郎が挑むタイトルマッチ二日前の出来事だった。犯人の要求は、“相手をノックアウトで倒せ。さもなくば子供の命はない・・・”。犯人の狙いは何か? 意想外の脅迫に翻弄される捜査陣。ラストまで一気のノンストップ長編推理~ プロットは面白いが、やや腰砕け気味。 「犯人の要求の意外さ(金ではない)」が本作の肝だろうなという想定で読み始めたのだが、これに対する解答は割と早い段階であっさり明らかになってしまう。 フーダニットについてもなぁ・・・ダミーの犯人をちょっと引っ張りすぎだし、真犯人に意外感はない。 まぁ、本作はそういった「謎解き」要素よりは、リミットである二日間で子供が見つからず、意に沿わないタイトルマッチに挑まざるを得なくなった最上や彼を取り巻く人物をめぐるサスぺンスとして捉えた方が楽しめる。 特に、終盤はタイトルマッチと誘拐犯を徐々に追い詰める捜査陣の姿が交互に描かれ、緊張感のある展開で非常に良い。 (ボクシングの描写が秀逸!) 作者の「誘拐もの」は結構読んだが、本作はちょうど真ん中くらいの出来かな。 (個人的には「どんなに上手に隠れても」がベストだろうと思っているのだが・・・) |
No.8 | 7点 | makomako | |
(2011/05/01 09:45登録) ボクシングは好きなので興味深く読んだ。誘拐犯の要求が実にユニークで私にとってはかなり最後になるまで犯人も分からずどうなることかと読み進んでいった。誘拐をテーマとすると卑怯でいやみな印象を受けることが多いが、本作品にはそういったことは無かった。残念ながら死亡者が出てしまうが(死なない設定だってありえそうなのに)最後もなかなか気分が良い。さらりと読むにはちょうど良い作品。 |
No.7 | 6点 | bage | |
(2009/12/05 18:07登録) オーソドックスな感じ。殺す必要はなかったのではないかと思う。むしろ、殺さずにやる方が岡嶋二人的な上手いトリックを表現できたのではないか。 |
No.6 | 5点 | こう | |
(2008/10/13 00:02登録) ミステリとしては犯人の行動が解せない点が多すぎるのが目につきました。犯行の動機、結末を見る限り、殺人は必要ない気がしました。 ただつくづくミステリの中でスポーツを扱い、話に溶け込ませるのは難しいのだろうなと思いました。ミステリとしての出来はともかく、サスペンスの盛り上げにもなって割と成功していると思います。同じ作者のダブルダウンよりは気に入っています。 |
No.5 | 7点 | 深夜 | |
(2008/09/24 23:52登録) 身代金の受け渡しが無いためか、底の浅い誘拐モノとなってしまった印象。また皆さんの言う通り、犯人の行動に疑問を感じるのも確か。フーダニットとしても登場人物が多いし。ミステリーとしてはイマイチかな。 それでも、主人公たちの心情描写とラストの試合描写は夢中になって読めたので7点。 |
No.4 | 5点 | COBRA | |
(2008/06/13 13:45登録) 犯人のある行動があほすぎる点が大きなマイナス。 ただ物語自体は、徐々に緊迫感が増えていき、 クライマックスに繋がっていくので、満足。 |
No.3 | 7点 | ギザじゅう | |
(2005/01/03 23:09登録) まず、本格としてはやや物足りない印象を受けた。誘拐物として「なぜKOで倒せ」という脅迫をしたのかが謎の焦点となるが、その脅迫で本当に犯人の狙い通りになったのかは微妙なところ。また、一方では犯人は口封じの為に殺人も行っている点にも、犯人の印象にちぐはぐな感じを受ける。 しかし、それを補って余りあるサスペンスフルな展開、目まぐるしく動く事件の局面、軽妙な登場人物、そしてラストの試合の迫力!どこをとっても岡嶋二人。これだけでも十分楽しめることは間違いない。 |
No.2 | 7点 | しゃんてん | |
(2003/07/11 11:11登録) 最後まで一気に読まされた。エンタテイメントという印象を受ける。 ラスト近くでいよいよボクシング本線のところなど迫力があって面白い。 欲を言えば、最後、犯人が誰かの点でもう少し驚きたかった、そんな感じがした。 岡嶋二人氏の作品ははじめて読んだが、もっと本格っぽいのを書くと思っていたので少しだけ意外だった。 |
No.1 | 7点 | 由良小三郎 | |
(2002/07/12 22:10登録) 岡嶋二人は誘拐ものが得意だということになっています。 誘拐ものというジャンルは、連続殺人や予告殺人もののように、進行中の犯罪のなかで捜査する側と犯人の対決をみせる分野なのだと思います。残念ながら1人殺されます。 各章のタイトルが「2日前」「前日」「当日」というもので、いかにも切迫した雰囲気を盛り上げます。 岡嶋二人の初期作品で、作者の一人の徳山さんのボクシング経験をいかして、リアル感があります。 |