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ミステリの祭典

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sophiaさんの登録情報
平均点:6.92点 書評数:384件

プロフィール| 書評

No.144 7点 トキオ
東野圭吾
(2016/05/31 22:48登録)
最後の一行のための作品。
そこで感動できなければアウト。
文庫化に際して「時生」と改題して正解だと思います。


No.143 8点 しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術
泡坂妻夫
(2016/05/31 22:40登録)
内容が凄いわけではないのですが、これは凄い。


No.142 9点 七回死んだ男
西澤保彦
(2016/05/31 19:38登録)
よく考えてありますね。
ちゃんちゃんこの伏線に感心しました。
SFミステリーという括りの作品では一番面白かったです。


No.141 5点
麻耶雄嵩
(2016/05/28 19:20登録)
陳腐でしかも荒っぽい叙述トリック。読んでいて違和感を感じない人はいないでしょう。○○の主観描写だとすると明らかにおかしなところがいっぱいありますから。もう一つの叙述トリックに関しても、だからなに?という感じですし。これらの小細工は正直言って無い方がよかった。それよりもホラー部分をもっと掘り下げて欲しかったです。
もう一つ、○○が殺人鬼ジョージだったという事実がどうも受け入れられない。そういう裏表がありそうな人物には描かれていなかったので、唐突な感じがしました。


No.140 9点 乱れからくり
泡坂妻夫
(2016/05/27 18:08登録)
玩具の解説や玩具の歴史的な部分は飛ばし読みしていかないとなかなかきついことになります。しかし宇内さんは有能すぎです。警察は惜しい人材を失いましたね。


No.139 6点 暗黒館の殺人
綾辻行人
(2016/05/25 19:56登録)
伏線が山のように出て来るので、このあまりに長大な作品を読むに記憶力がとても追い付かず、メモを取りながら読んだことを覚えています。本格ミステリーを読む際にそのようなことをしたのは今のところこの作品だけです。宮部みゆきとかにも言えますが、もっと短くまとめていただきたいものです。


No.138 10点 生ける屍の死
山口雅也
(2016/05/20 00:16登録)
SFと本格ミステリーが融合した奇跡的な傑作。
全編に散りばめられたユーモアがまた心地よい。
この作者はこの一作を世に出しただけで天晴れだと思います。
ほったらかしにされた(と思われる)伏線があるのが少し気にはなりますが目を瞑ります。


No.137 6点 ユダの窓
カーター・ディクスン
(2016/05/17 22:44登録)
去年出た創元推理文庫を読みました。訳が読み易くてよかったです。
内容については、「三つの棺」と同じく大きな瑕疵がありますね。間違えますかねえ・・・二人いること、同じところに住んでいることは分かっていたはずなのに。この作者の作品は偶然によって事態が複雑になることが多いですね。H・M卿の言葉を借りれば「この世の出来事のとんでもない行き違い」ですか。
密室に関しても取り立てることもない物理トリックでしたし、法廷闘争を楽しむ作品と考えた方がよさそうです。しかし評価高いんですね。


No.136 6点 ポアロのクリスマス
アガサ・クリスティー
(2016/05/13 01:31登録)
この作品の犯人は絶対に忘れられないが、犯人以外何も思い出せない。


No.135 4点 青列車の秘密
アガサ・クリスティー
(2016/05/13 01:07登録)
複雑な割に面白くなかった記憶があります。
クリスティ初期ではだいぶ下の方なのでは。


No.134 7点 三つの棺
ジョン・ディクスン・カー
(2016/05/11 01:26登録)
早川書房の新訳版を読みましたが、決して読み易くはなかったです。
この作品の最大の瑕疵はやはり時刻に関する部分ですよねえ。誰も気付かなかったというのは苦しい。ここを可とするか不可とするかが評価の分かれ目になりますかね。足跡を残さずに家に入った方法も読者には推理不可能でしょう。フェル博士が被害者の来歴を推理する箇所も論理が飛躍しすぎです。あとこの作家は錯覚のトリックに○を使うのが好きなんでしょうか。
最後に本筋とは関係ないですが、この作品にテッド・ランポールという人が存在する意味はあったんでしょうか。フェル博士やハドリー警視とずっと行動を共にしているようなのに、何かの伏線なのかと思うほど存在感が全くない。


No.133 9点 容疑者Xの献身
東野圭吾
(2016/05/04 03:54登録)
天才数学者が人の心は計算できなかったという悲劇を描いた作品。
警察の身元確認が杜撰なのはご愛嬌。
しかしこういう「芝居でした」的なギミックが好きですよねこの方は。


No.132 6点 黒いトランク
鮎川哲也
(2016/04/28 03:11登録)
個人的にはこういうちまちました作品はそんなに好みではないので読むのがしんどかったですし、真相もあまり驚けなかったです。その時点でそうだったんなら、そこから後の追跡調査は全部無駄じゃないかという徒労感の方を強く感じまして。「りら荘事件」もそうでしたが、動機がぶっ飛んでますね。こちらの作品はもう少し社会派色が強いものだと思っていたので意外に感じました。それにしても「中身を入れ替える時間はなかった」という最後の砦が崩せていないのになぜ犯人だと断定してしまったのか、そしてなぜ犯人も白旗を上げてしまったのか謎です。


No.131 5点 びっくり館の殺人
綾辻行人
(2015/07/20 18:25登録)
暗黒館でげんなりして以来、約10年ぶりに館シリーズに手を付けました。
人形館のテイストに近いですね。
ミステリーランドレーベルだけあって読みやすさは抜群で、読者をしっかり引き付ける構成は良い。
あともうひとひねり何かあれば評価が上がったかもしれません。
今回の館の象徴になっている「びっくり箱」があまり関係なかったのが残念です。
奇面館に期待します。


No.130 6点 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
麻耶雄嵩
(2015/07/07 22:35登録)
噂通りの問題作。しかし期待していたほど面白いとは思えなかったです。
自分はヘイスティングスだと自虐していたのが伏線になっていたとは。
何度も逆転する展開はいいのですが、色々な面で荒っぽくてしかも地味に感じられました。そして感情移入できる登場人物が全くいません。1年後に振り返ってもどんな話だったかあまり思い出せないと思います。
多くの方が言及されている「読み辛さ」については自分はそれほど感じなかったです。薀蓄部分は流し読みする習慣が身に付いているせいかもしれません。ただ、推理の論理がよく分からなかったり、登場人物たちが何についての会話をしているのかよく分からなかったりする部分が所々ありましたので、そういう意味での読み辛さはありました。
でも20歳そこそこでこれを書いたのは素直にすごいと思えます。


No.129 8点 悼む人
天童荒太
(2015/06/29 03:28登録)
説明的な文章の多さやストーリー展開の遅さがあり、話に今一つ引き込まれなかったので読了するのに時間がかかりましたが、それでもなお読んでよかったと思える感動的な作品でした。奈義倖世の夫殺しの真相を引っ張ったところが一応この作品のミステリー要素ですね。この作品の原点となったのは、短編集「あふれた愛」に収録の「喪われゆく君に」なのでしょうか。


No.128 5点 あふれた愛
天童荒太
(2015/06/10 22:00登録)
「とりあえず、愛」「うつろな恋人」「やすらぎの香り」「喪われゆく君に」の四編から成る短編集。
僅かでもミステリー的要素があったのは「うつろな恋人」ぐらいでしょうか。
ミステリーを期待して読んだわけではなかったのでそこはまあいいんですが、この作家は短編よりも長編の方が向いているのかなと感じました。


No.127 8点 悪の教典
貴志祐介
(2015/03/17 21:32登録)
エンタメに特化したサイコ・ホラー作品。このミス1位の名に恥じぬ面白さでした。本のあらすじから想像していたのは後半の怒涛の展開だったので前半のスローペースに意表を突かれましたが、読み終わってみると意外と前半の方が面白かったのかもしれないと思いました。性的描写の多さはちょっと気になりますかね。ノベルズ版・文庫版の最後に付いている短編「秘密」がいい味を出してます。


No.126 8点 Another
綾辻行人
(2015/03/03 18:51登録)
この物語は主人公の一人称で描かれたものですが、すごく重要なことが最後の方まで伏せられたまま展開します。そこがこの作品の肝なのですが、私には伏せる必然性が分かりませんでした。読者を騙すためと言ってしまえばそれまでなんですが、叙述トリックとは作者が読者を騙すものであって、作中人物が仕掛けるものではないのでは。公私の区別を付けるというような説明もありましたが、独白にまでそれを及ぼす必要がありませんからね。分量の割にすらすら読め、設定も独特であり面白い作品なのですがこの一点が少しひっかかります。


No.125 10点 霧越邸殺人事件
綾辻行人
(2014/08/03 18:09登録)
いつか再読しなければと思いつつもなかなか機会を得ず、今回約10年ぶりに再読。
本格ミステリーとしての完成度の高さは言うに及ばず、館シリーズには見られない重厚な文体、幻想的な雰囲気、宿泊客たちの運命を映す家など、装飾が素晴らしい。
インターローグによるミスディレクションも秀逸。
薀蓄の多さは確かにありますが、バランスを崩壊させるほどではありません。
自分の中で9点評価でしたが10点に格上げ。
氏の最高傑作と言っても過言ではないかと。

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