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ミステリの祭典

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ぷちレコードさんの登録情報
平均点:6.25点 書評数:305件

プロフィール| 書評

No.5 7点 沈黙のパレード
東野圭吾
(2020/04/03 18:10登録)
被害者遺族側の苦悩を描きつつ、トリックもどんでん返しもしっかりしていて、その上で久しぶりのガリレオコンビがやっぱり魅力的。
作品の中で流れた時間分、ゆっくりと登場人物の心情が変化していく様を描きつつ、そしてその変化が物語が進むには不可欠というそのバランスが素晴らしい。


No.4 8点 満願
米澤穂信
(2020/03/27 19:37登録)
人間誰しもが持っている弱く痛い部分を突かれるような、じわじわと締め付けられるような怖さが少しずつ迫ってくる。
後味は不穏であり不気味で背筋がゾクゾクして、でもそれが何とも魅惑的でどんどん深みにはまって抜け出せない。
極上のストリーテラーによる至福の短編集。


No.3 9点 屍人荘の殺人
今村昌弘
(2020/03/19 20:07登録)
人里離れた山奥の山荘に集まった学生たち。やがて彼らは閉じ込められて、事件は起こる。ミステリ読みに慣れた方にとっては飽きるほど使い古された展開。
しかし、この作品はありきたりを大胆に裏切る。そのあまりにも斬新すぎるアイデアには驚かずにはいられない。突飛な舞台設定ではあるが、特筆すべきは謎解きの論理性の高さ。それをしっかり踏まえているからこそ、型破りな設定が際立つ。
読む人を選ぶ部分は確かにあるが、なるべく多くの人に読んでいただきたい。


No.2 8点 孤島の鬼
江戸川乱歩
(2020/03/12 19:28登録)
なんとも魅力的で、恐ろしくも悲しい話。
慶応年代にまで遡る伝奇的な因縁話であると同時に、とんでもないトリックの推理小説でもあり、背筋が凍るほどの恐怖譚でもある。
そしてこの作品、名探偵明智小五郎にもその傾向がほの見える同性愛を、真正面から描いている。


No.1 7点 戦場のコックたち
深緑野分
(2020/03/05 20:01登録)
日常は日常でも「戦場の日常」ミステリというのが相応しい本作。
情勢を動かすような大きな事件ではないにしても、戦争という特殊な状況下にある以上、現代の我々の日常との隔絶は感じずにはいられない。それゆえに没入できないということは全くなく、かえって想像力を持って読むことが出来た。
一章ずつ読めば決して長くはないし、通読したからこそのサプライズプレゼントが待っている。

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