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ミステリの祭典

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透明カメレオン

作家 道尾秀介
出版日2015年01月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 6点 ぷちレコード
(2020/05/05 20:10登録)
読みどころの集合体といって過言ではない本作だが、特に素晴らしいのは、物語を用いてフィクションが人にもたらす特別な効能を描いる点にある。偽りとは必ずしも卑怯であり害をなすものではなく、創作とは現実よりも劣る絵空事をただ濫造する行為ではない。
現実を前にしたとき、偽りが折れそうな心を支え、創作が一歩踏み出す力をもたらすこともある。そうした真理を、本作は笑いと涙を交えて教えてくれている。

No.2 6点 take5
(2019/05/04 17:12登録)
一人称で描かれる世界が、
自然に反転するところが、
道尾秀介らしく読ませます。
以下ネタバレです。



人は弱いから、
生きている人を生きていないことにしたり、
生きていない人を生きていることにしたり、
それでも生きていくものなのだと、
改めて考えさせられました。

No.1 6点 まさむね
(2016/02/06 18:53登録)
 ラジオパーソナリティ「恭太郎」は、声は抜群、容姿はイマイチ。ある日、行きつけのバーで不可思議な女性「恵」に出会う。バー常連の仲間たちも彼女に巻き込まれ…という展開。
 流石と言いますか、飽きさせることなく適度な転換がなされ、心地よいドキドキ感を持って読み進めることができました。各々の部分では、ちょっと先が読めてしまう面もあるのですが、全体像からすれば、それもまぁ小さな問題なのかな。読後感も良く、(ミステリ的観点に拘らない)小説としては、好きなタイプですね。

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