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ミステリの祭典

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八二一さんの登録情報
平均点:5.75点 書評数:409件

プロフィール| 書評

No.369 4点 必須の疑念
コリン・ウィルソン
(2024/03/31 20:38登録)
哲学思想にまで話が広がる気配をみせる謎の提起は魅力的。
だが、序盤の追跡劇におけるサスペンスの希薄さ、終盤に明かされる真相の唐突感など、小説全体としては粗が目立つのが残念。


No.368 6点 老虎残夢
桃野雑派
(2024/03/31 20:35登録)
南宋時代の中国を舞台に、武侠小説と本格ミステリを両立させている。
個性が際立つキャラクターを操り、彼等の特殊能力を活かしつつ、師が弟子に奥義を授ける直前に発生した密室状況での変死事件の謎解きを鮮やかに描ききっている。


No.367 6点 背後の足音
ヘニング・マンケル
(2024/03/07 20:20登録)
同僚刑事が殺されるシリアスな事件、綿密で着実な捜査、やがて浮かび上がる現代社会の歪み、そしてヴァランダーが糖尿病になってしまうというユーモラスな要素が、圧倒的に達者にまとめ上げられている。


No.366 7点 空白の起点
笹沢左保
(2024/03/07 20:17登録)
高額の保険に加入してほどなく殺された男の死の真相を、保険調査員が追う。トリックの扱い方も見せ方も巧みだし、人間関係のもつれを描く筆も冴えている。


No.365 5点 崩壊家族
リンウッド・バークレイ
(2024/03/07 20:15登録)
秘密という秘密が次々と明らかになっていく予測不可能なドメスティック・スリラー。個性豊かな脇役陣とそのエピソードの描き方が上手い。


No.364 6点 天空への回廊
笹本稜平
(2024/02/18 20:13登録)
世界最高峰であるエベレストの北西壁にアメリカの軍事衛星が衝突、たちまち陰謀の芽が吹き、たまたま北東壁を下降中だった日本人クライマーがそのただ中に巻き込まれていく。
高度八千メートルという極限環境におけるサバイバル・ドラマは、冒険小説本来のテーマである「人間の生命力と自然との闘争劇」を現代に甦らせた。


No.363 5点 煉獄の獅子たち
深町秋生
(2024/02/18 20:10登録)
ヤクザの抗争と、警察内部の対立。その両方に大物政治家の秘密を去就がからむ。そのため事態が複雑化し、先が読めない展開が楽しめる。
「地獄の犬たち」の前日譚にあたる、血と暴力と陰謀にまみれたクライムノベル。


No.362 7点 海を見る人
小林泰三
(2024/01/27 20:16登録)
時の進み方が異なる浜の村と山の村に住む少年と少女のすれ違いを美しく残酷に描いた表題作など、人間の歴史認識やコミュニケーションのずれを論理性と叙情性に富んだ文体で書いた問題作ばかり。


No.361 5点 生への帰還
ジョージ・P・ペレケーノス
(2024/01/27 20:13登録)
我が子を巻き添えにした強盗事件の犯人に対し、父親が復讐を挑む。大切なものを失った人間の心に痛みを切々と語りかける一方で、極限まで溜めた思いを一気に爆発させることによって、エモーショナルなカタルシスをもたらす。


No.360 9点 地図と拳
小川哲
(2024/01/27 20:11登録)
日本が建国した「満州国」に架空の都市を設定し、そこに関わる人物たちの軌跡を追う。
作者の問題意識、美学、話作りの巧みさが見事に練り合わされた架空歴史小説の傑作。


No.359 6点 芝浜謎噺
愛川晶
(2024/01/06 20:51登録)
落語を扱ったミステリはいくつかあるが、落語を演じることが事件の解決になるというアイデアは珍しいのではないか。よく実現できたものだと感心。
探偵役は落語家の寿笑亭福の助と師匠の山桜亭馬春。全体としては、ほろりと泣ける人情話になっている構成もよく出来ている。


No.358 6点 フィッシャーマン 漁り人の伝説
ジョン・ランガン
(2024/01/06 20:46登録)
「釣り人」をメインテーマとするモダンホラーというのは、ありそうで意外と少ないものだが、本書は神話的古代から現代に及ぶ、その妖しい歴史にも一部言及がなされており、貴重な作品である訳者の丁寧な翻訳ぶりも好感が持てる。


No.357 6点 永遠の森
菅浩江
(2024/01/06 20:41登録)
地球と月の動力均衡点に浮かんだ博物館惑星「アフロディーテ」が舞台。
描かれる謎と解決はミステリの醍醐味に満ち溢れ、物語はこの上なく叙情的で、心が洗われる美しい作品。


No.356 5点 ソロモンの犬
道尾秀介
(2024/01/06 20:35登録)
いたいけな少年の事故死とその母の自殺。その裏に隠れているものを、迷いながら探り出そうとする大学生たち。彼らの心象風景はとても切ない。少々奇矯な動物行動学の教授がとても魅力的。


No.355 7点 死のチェックメイト
E・C・R・ロラック
(2024/01/06 20:32登録)
灯火管制の敷かれているロンドンのアトリエリ、特別警察官がたったいま隣で起きた殺人事件の犯人を捕まえたと飛び込んでくる、ドラマティックな冒頭の章から、物語に引き込まれる。
ミスディレクションの巧みさ、サプライズ・エンディングの演出のうまさが光る。


No.354 5点 ナキメサマ
阿泉来堂
(2023/12/16 20:27登録)
辺境の村に伝わる儀式をめぐる恐怖譚。
人物描写に粗さが目立つが、数段構えのミステリ趣向を活かす上で仕方ない面も。女怪の暴れっぷりが、いい意味で悪趣味。


No.353 6点 おれたちの歌をうたえ
呉勝浩
(2023/12/16 20:23登録)
少年時代を共にした男女五人が昭和、平成、令和と送ってきた人生を、四〇年に及んで未解決の事件に絡めて語った大河ミステリ。
仲間の一人の死を糸口に過去の遡る形でいくつもの時代を描いているが、その切り取り方が鮮やかである。さらに、物語の重厚さと登場人物たちの存在感にも圧倒される。


No.352 5点 入れ子の水は月に轢かれ
オーガニックゆうき
(2023/12/16 20:15登録)
沖縄の歴史を背景として、連続する怪死事件を描いたアガサ・クリスティー賞受賞作。
正直なところ洗練されているとは言えないが、過去と現在、そして沖縄と本土と海外とに目配りして物語を編む視野の広さと構成力は得がたい。


No.351 7点 神薙虚無最後の事件
紺野天龍
(2023/12/16 20:11登録)
錬金術が存在する架空の世界で起きた密室殺人事件を描いた本書は、異世界の設定が明快で、論理遊戯を存分に愉しめるように仕上がっている。
ホームズとワトスンを演じる二人組もチャーミングだし、真相も映える。


No.350 5点 死者と言葉を交わすなかれ
森川智喜
(2023/12/16 20:07登録)
浮気調査を依頼された探偵が、ターゲットの車に盗聴器を仕掛けたところ、彼が死者と会話していたらしい音声を記録してしまった。
共感できない登場人物も何人かいるのだが、丁寧かつ大胆に張られた伏線が導く驚きはまずまず。

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