| レッドキングさんの登録情報 | |
|---|---|
| 平均点:5.31点 | 書評数:1112件 |
| No.432 | 3点 | パンチとジュディ カーター・ディクスン |
|
(2021/02/25 21:11登録) 「パンチとジュディ」ってドタバタ人形劇のことなのね。ドリフ大爆笑みたいなんかな。結婚前夜にH・M卿から怪しげな任務を命じられた元諜報員。殺人死体二体と偽札事件に出くわし、警官隊に追われて、女連れで逃げ惑うドタバタ劇を演じる羽目に。フー・ハウよりも、そもそも一体何が起こってたの?ホワットダニットだった。劇のカラクリ解体は鮮やかだが、早川文庫の二階堂黎人解説「カー初心者向け作品」てのには・・・大いに異議あり。 |
||
| No.431 | 5点 | もの言えぬ証人 アガサ・クリスティー |
|
(2021/02/21 21:28登録) ヴィクトリア朝の生き残りの様な狷介だが情誼あふれる大富豪老女。莫大な遺産を巡る遺族達・・小賢しい甥、傲慢な姪、いじけた姪、温柔な外国人医師の婿、無垢で鈍重なメイド・・。事故死と判断された老女の怪死と書き換えられた遺言。配達の遅れたポアロへの事件解明依頼の手紙。最小限の容疑者で老女殺害フーダニットを引っ張るが、ちとズッコケるハウダニット小粒ネタ・・ヒモと燐光って・・のオマケが付く。ポワロのポロリ「スタイルズ荘」「アクロイド」等ネタバレおまけも付く。老女の友人の毒舌老婆の諧謔が実にいい。「当たり前の事でしょ。誰か死んだら必ずゴタゴタがあるに決まってますよ。死人が棺桶の中で冷え切らないうちに、生き残った連中はお互いに爪を立てて財産争いさ」 ※ところで、あの犬、ヘイスティングスに貰われるんだね。 てことで、アガサ・クリスティー30年代の長編ミステリ全17作の採点修了したので 私的「30年代アガサ・クリスティー」ベスト5(6) 第一位:「ポワロのクリスマス」 第二位:「シタフォードの秘密」 第三位:「メソポタミヤの殺人」 第四位:「そして誰もいなくなった」 第五位:「死との約束」 同五位:「ABC殺人事件」 |
||
| No.430 | 7点 | メソポタミヤの殺人 アガサ・クリスティー |
|
(2021/02/17 23:37登録) 舞台はイラク(首都名バグダッドの方が雰囲気出る)だが、建物の見取り図と容疑者達の行動時刻表がしっかりした「本格館もの」。犯人のアリバイトリックを構成する殺人トリックが単純明晰に決まり、「アクロイド殺し」等より、これとか「ポアロのクリスマス」「シタフォードの秘密」等の方が素晴らしいと思っている。 プライドとマゾヒズム、支配欲と異性愛、憎悪と挺身・・男女間の情念錯綜の物語が、ミステリの型式を粉砕してしまうことなく、むしろ構成しているところも見事。 |
||
| No.429 | 4点 | なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? アガサ・クリスティー |
|
(2021/02/13 17:07登録) ラスボスわかり安すぎ。にしても、植民地経営を約束された貴族令嬢と退役軍人青年なんて・・こっちこそ悪役設定にせんとねえ。 |
||
| No.428 | 7点 | シタフォードの秘密 アガサ・クリスティー |
|
(2021/02/11 06:07登録) 雪の山荘での招霊会遊びと同時刻の遠隔地での殺人。遠隔超能力殺人トリックがGood。ただ、この手のトリックとしては飛鳥部勝則「レオナルドの沈黙」の方が面白い・・とか書こうとして、ふと気付いたら早川文庫の解説、その飛鳥部勝則が書いてて驚いた。そっか!まんまこれに影響受けてあのトリック拵えたのか。 坂口安吾がこれ称賛したのは、あのトリックではなく、ヒロインの最後の男の選択・・「できすぎ君」でなく「のび太」を選ぶ「シズカちゃん」・・が、安吾の心の琴線に触れたからだと睨んでる。 「あの人は一人で立派にやっていける人」「でも、もう一人の方は、あたしが世話焼かなければ、どうなるか分からない・・」無頼派にとって、こんな涙が出そうなセリフはなかろう。 |
||
| No.427 | 4点 | アラビアンナイトの殺人 ジョン・ディクスン・カー |
|
(2021/02/08 18:10登録) 三章とエピローグから成る長いミステリ。一、二章で別視点からの殺人事件の丁寧な証言が語られ、三章で仮探偵による実に詳細な解明がなされ、エピローグ・・それも文庫本わずか十数頁ほどで、真探偵フェルによるドンデン返し真相が明かされる。実に十一人の容疑者・・実際は九人・・の5~15分刻みの行動時間表の丁寧なアリバイロジック展開と幾つかの物証が良い。たーだ、最後の最後に殺害場所の出入口が一個増えちゃうってのはまあ良いとして、元々、出入り口が複数あるってのがねえ。毎度、書いちゃうが「密室」こしらえてほしかった。 |
||
| No.426 | 4点 | 剣の八 ジョン・ディクスン・カー |
|
(2021/02/06 12:40登録) これも複数者の犯行企図の重なりが引き起こす「?」の話で、こんがらがった「現」況から、「元」況を解き分けるフェル博士の解釈が見事。「何故に諸料理の中から大好物のスープだけ食べ残したのか?」てなロジック展開よいなあ。残念なことに、この現象、フェル以外の一般人には別に「不思議」には見えないんだよな。あの部屋が密室だったら、人間消失していたら・・さらにポルターガイスト現象やタロット「剣の八」カードと有機的に結び付いていたら・・「三つの棺」に近づいていたかも。※探偵マニア聖職者やミステリ作家とフェルの推理マウント合戦が笑える。 |
||
| No.425 | 5点 | 七つの時計 アガサ・クリスティー |
|
(2021/02/04 21:03登録) 題名からして本格もの?と期待させといて、読み始めたら「続チムニーズ館」で、まーたスパイ・秘密結社ものか、と辟易させながら、結局は、叙述・人間関係トリックものだった。多重に騙され、その分面白かったので点数1点オマケ。 ※これで、アガサ・クリスティーの1920年代の全長編9作の採点修了したんで、 私的「20年代アガサ・クリスティ」ベスト3(4) 第一位:「ゴルフ場殺人事件」 第二位:「アクロイド殺し」 第三位:「七つの時計」 同三位:「スタイルズ荘の怪事件」 |
||
| No.424 | 3点 | チムニーズ館の秘密 アガサ・クリスティー |
|
(2021/02/03 20:58登録) 架空のバルカン小国の政権争いと失われた宝石を巡り、冒険家、凄腕政商、大物外交官、怪盗、豪邸貴族、いい女、元気娘、謎の女、探偵、英仏刑事etc入り乱れてのクリスティー「スパイ冒険活劇もの」の集大成。幾つかの人物入代りネタの他、ほんのちょびっと宝探し暗号物のオマケも付く。 |
||
| No.423 | 3点 | 青列車の秘密 アガサ・クリスティー |
|
(2021/01/28 18:32登録) 列車内で顔を潰され殺された大富豪の娘。容疑者は二人の色男・・娘の愛人と婿。そこに婿の愛人の超絶いい女や富豪の秘書や娘のメイドや、さらに加えてもう一人の莫大遺産相続ラッキー女やら古物商父娘やら名探偵ポワロが絡み、伝説的なルビー盗難事件を巻き込んだ国際ミステリが・・・なんか20年代のクリスティー小説って、「秘密機関」だの「スパイ組織」だのが跋扈して鼻白むのだが、これも最後に「怪盗」「謎の怪女」みたいなの出しちゃったなあ。 |
||
| No.422 | 7点 | medium 霊媒探偵城塚翡翠 相沢沙呼 |
|
(2021/01/24 20:08登録) 殺人事件の短編三篇プラス真探偵による仮探偵の操りどんでん返し。 第一話(+最終話):座位置とガラス片のロジックに、5点 第二話(+最終話):指紋と本と血文字のロジックに、7点 第三話(+最終話):カメラとスカーフのロジックに、5点 最終話(+全編)の、探偵及びシリアルキラーフー?の仕掛けに、9.5点・・で、全体で7点。 「メディウム」って「メディア」の単数形なのね。ミステリとしては「マツリカ・マトリョシカ」に一歩譲るかなあ。あっちは殺人出てこないのに。※感情露出の表現は相変わらずクドい。 |
||
| No.421 | 3点 | 茶色の服の男 アガサ・クリスティー |
|
(2021/01/22 17:29登録) アガサ・クリスティー第四作。1924年てことは日本で言えば大正時代か。わが国では「明治風厳めしさ」と「昭和軍国」の狭間の、儚い明るさのあった「浪漫ちっく」な時代(「孤島の鬼」もこの時代を舞台にしてた)。英国でも「禁欲ヴィクトリア朝」と「第二次欧戦」の間の、多分ロマンチックな時代だったんだろう。しかも舞台は南アフリカ・・労働争議こそあれ「アパルトヘイト」の概念すらなかった、白人植民地支配が当然だった世界で・・「美しい白人」男女が浪漫サスペンスを展開する。ミステリとしては・・被害者フー?、ラスボス「大佐」フー?、あと幾つかの人物入代りネタってとこか。※ 1/4~1/3アクロイド先行ネタのオマケも付く。 |
||
| No.420 | 3点 | 四つの兇器 ジョン・ディクスン・カー |
|
(2021/01/17 23:14登録) バンコランシリーズ第五弾(にして最終弾) 。クリスティー「ゴルフ場殺人事件」とかと同じく、複数者の別の犯罪企図と偶然が、「不思議」を現象させるってやつだが、その「不思議」が「凶器が多すぎる」なんてレベルでは・・・ 不思議のカラクリ公開は実に見事だが、カーには「密室」「不可能」レベルの不思議を期待しちゃうからねえ。 |
||
| No.419 | 2点 | ビッグ4 アガサ・クリスティー |
|
(2021/01/14 15:00登録) 世界征服を企む秘密結社の四大幹部:ビッグ4・・米国大富豪のナンバー2、恐怖の女科学者のナンバー3、ナンバー4の「怪人二十面相」、そしてナンバー1の謎の中国人。対するは、変装、アクション、果ては飛び道具プレイまで行うアグレッシブ・ポワロ。ビッグ4フー?ネタを連載少年漫画の様につなぎ、ハラハラドキドキ感なかなかに良い。たーだ、ナンバー4、それ以上にナンバー1のラストが肩透かしで残念。ラスボスフー?に期待したのに・・・ |
||
| No.418 | 5点 | 心地よく秘密めいた場所 エラリイ・クイーン |
|
(2021/01/10 23:14登録) エラリイ・クイーン最後のミステリ。見どころは二点。 一、殴打跡の証拠とニセ証拠を巡る左右のロジック。 二、犯人による探偵の操り。「葉を隠すには林の中」、犯行目的の象徴Xを隠すためには、多くの象徴Xを拵えてそこに紛らわせてしまえば良い。林を与えられれば、葉を探し出す衝動に駆られる探偵本能を操り、容疑者Aを指示させようとする真犯人。 元題、A fine and private place、「大変にプライベイトな場所」とでも訳すのかな。 で、クイーン全長編39作の採点修了したので、「大変にぷらいべいと」な我がクイーン長編ベスト10(11) 第一位:「シャム 双生児の秘密」 第二位:「Xの悲劇」 第三位:「十日間の不思議」 第四位:「Yの悲劇」 第五位:「エジプト十字架の秘密」 第六位:「ギリシャ棺の秘密」 第七位:「フォックス家の殺人 」 第八位:「ドルリイ・レーン最後の事件」 第九位:「日本庭園の秘密」 第十位:「災厄の町」 同十位:「九尾の猫」 |
||
| No.417 | 3点 | 恐怖の研究 エラリイ・クイーン |
|
(2021/01/07 22:06登録) 切り裂きジャックとシャーロック・ホームズは、19世紀末倫敦の永遠の霧の神話だから、どんな現代的解釈も色褪せてしまう。島田荘司の合理的ホワイ解決小説はそれなりに面白く、「漱石と倫敦ミイラ~」も悪くはなかったが・・・ ※「エラリイ・クイーン」、ミステリ史上の大作家であり、名探偵の一人でもあるが、「エドガー・アラン・ポー」「シャーロック・ホームズ」みたいな神話的名詞って程ではないんだよな。 |
||
| No.416 | 7点 | ゴルフ場殺人事件 アガサ・クリスティー |
|
(2021/01/06 23:32登録) アガサ・クリスティー第三作にしてポワロ第二弾。探偵も巻き込んだ「顔無し死体殺人」事件企図が、もう一つ別の殺人企図と、更に別の偶然および誤解との複合によって、「変な」二重殺人を現象させてしまう。ポワロが現象を解き明かす丁寧な解釈が実に見事。この現象が「密室」「不可能現象」だったら、クリスティー最高作として、8~9点つけていた。女容疑者にのぼせてしまったワトソン役とのドタバタも大変に面白い。ただ、タイトルが頂けない。 ※この人物トリック(顔無しなり損ねだが)、横溝「悪魔の手毬唄」の源流筋なんだろな。 |
||
| No.415 | 3点 | 最後の一撃 エラリイ・クイーン |
|
(2021/01/04 22:16登録) 今年「最初の一評」は「最後の一撃」。ホワイトクリスマスに集う12人の男女と突然現れた謎の刺殺死体。探偵を挑発するかのような、容疑者Aを指示する十二枚のカードとニ十個の贈り物。探偵は自分への操りと見限り、犯人の指示を拒否する。だが、そうした操りの拒否自体が犯人の目論んだ真の操りだったとしたら・・・露骨に双子ネタ振っといて○○○オチって、深夜ドラマ(「時効警察」だったか)で○○○オチってのあったが、あそこまで行くと大いに楽しめた。あの記号のオチは・・非アルファベット語国民としては・・あまり面白くなかった。 |
||
| No.414 | 2点 | 運命の裏木戸 アガサ・クリスティー |
|
(2020/12/29 19:52登録) 1922年出版の「秘密機関」では二十歳そこそこだった若き未婚男女が、1973年出版のこの最後のミステリでは七十を超えた老夫婦へ変貌を遂げ、それでも追い求める物は相も変わらずスパイ・フー?で・・ソシアリズム・ファシズム・コミュニズム・ナチズムの秘密結社で・・アガサ・クリスティーって左右の全体主義になんか拘り持ってたのかな。「秘密機関」「NかMか」「親指のうずき」と前三作では、必ず二人のうちどちらかが、背後から脳天を鈍器で殴られ失神させられ、いくらなんでも障害残るだろと余計な心配したが、ここでは銃弾がかすっただけ(?)ですんで良かった。 ※矍鑠たる老大佐が七十過ぎの老人に向かって「なあ、マイボーイ」てのに大うけ。 |
||
| No.413 | 3点 | 秘密機関 アガサ・クリスティー |
|
(2020/12/26 19:16登録) デビュー作「スタイルズ荘の怪事件」に続くアガサ・クリスティ第二弾。もう出版から百年近く経つのか。国家揺るがす機密文書を持った行方の分からない女。女の行方を追う若き探偵男女が、謎の指導者「ブラウン」率いる秘密結社相手に虚々実々のスパイサスペンスを展開。「どんな機密か知らないが、たかが文書一つが国家揺るがすはずないだろ」て突っ込み置いといて、少年向け冒険小説の面白さはあった。ミステリとしては・・ブラウン・フー?ってとこかな。※アガサ・クリスティーって、ナチよりも「左翼」のことが嫌いだったのかな。 |
||