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ミステリの祭典

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レッドキングさんの登録情報
平均点:5.30点 書評数:1017件

プロフィール| 書評

No.477 3点 恐怖は同じ
カーター・ディクスン
(2021/07/14 16:36登録)
冤罪殺人事件に巻き込まれ、二世紀昔にタイムスリップした男女。18世紀においても20世紀と全く同じ状況の殺人犯人として逃亡する羽目に・・・。世紀を跨いだ過去は、既にして別の世界だから、カー十八番のホラーとドタバタの融合が「熔合」にまで至っている「グロドタ」異世界描写はなかなか効果的。たーだ、密室トリック、ちとチンプすぎ。


No.476 4点 第三の女
アガサ・クリスティー
(2021/07/10 21:47登録)
「誰かを殺してしまったかもしれない・・」病的な娘の奇妙な訴え。大富豪の父、継母、老親類とその秘書、若きハンサム、ルームメイトの二人の娘・・・殺された(る)の誰?フームダニットが、手品の様な人物入代りトリックで決着。60年代後半カウンターカルチャーに動じないポワロ・オリヴァコンビの老道化ぶりがなかなか。

 てことで、アガサ・クリスティー60年代の長編ミステリ全7作の採点修了したので
 私的「60年代アガサ・クリスティー」ベスト3
    第一位:「終わりなき夜に生れつく」
    第二位:「親指のうずき」
    第三位:「カリブ海の秘密」


No.475 4点 バートラム・ホテルにて
アガサ・クリスティー
(2021/07/08 19:37登録)
風格と利便性を兼ね備えた由緒ある「本物」のホテル。支配人から給仕・受付・メイド・ドアマンに至るスタッフも、建物・内装から午後ティ・マフィンに至るサービスも、全てが「本物」で、客も「ビューティフルピープル」オンリーの「本物」だらけ・・・が、「永遠に不変のもの」とは「既にして別のもの」であり、「いかにもそれらしいもの」に過ぎず、その美しきホテルの実相は・・・


No.474 2点 フランクフルトへの乗客
アガサ・クリスティー
(2021/07/05 22:04登録)
60年代末~70年代初頭の世界的な若者反乱。その極左情熱に、かつてナチズムへ熱狂した若者達の浪漫を重ね合わせ、英雄:ヒトラー=ジークフリートの元で極左と極右を包括した世界革命を夢想する国際陰謀集団。て、クリスティー、齢八十にして、まーだ若き頃の「ビッグ4」の血が滾っていたのかと思いきや、話は、SFチックな脳内革命ネタ(チョビっと「ガニメデの優しき巨人」を連想)へスライドして、いきなりのドタバタサスペンス劇へ畳まれる。クリスティーの中に「左右の全体主義」への何らかの拘りがあることは、前から気付いていたけれども。
※にしても彼女の作品に、ビートルズやゲバラともかく、マルクーゼやレヴィ・ストロースの名が出て来るとは・・・


No.473 6点 赤い鎧戸のかげで
カーター・ディクスン
(2021/07/01 20:55登録)
鉄の箱を抱えて衆視の中で姿を消す怪盗。属性「a」に規定される人物「A」、その「a」が消失する時「A」もまた消え去る・・・あっと驚く人間消失トリック(ロジック)・・・そこと拳闘シーン位しか見るべきところがないが、そこだけでこの点を献上しちゃう。


No.472 2点 プレイバック
レイモンド・チャンドラー
(2021/06/26 22:17登録)
フィリップ・マーロウ第七弾(にして最終弾)。理由を明かされず女を追跡する仕事の依頼を受けたマーロウ。恐喝屋ジゴロの死体消失事件に出くわして・・。「ハードでなければ生き残れなかったよ。でも、時に優しくなければ生きるに値しないさ」て言ってもさあ、いくら映画シナリオ元ネタと言え、マーロウが女二人とできちゃう展開てのは・・チト大衆(ヘテロ)迎合しすぎではないかと。

 てことで、村上春樹訳レイモンド・チャンドラー7長編の採点修了したので
 (ミステリとしての)春樹チャンドラーベスト3
   第一位:「水底の女」
   第二位:「ロング・グッドバイ」
   第三位:「さよなら、愛しい人」


No.471 2点 かわいい女
レイモンド・チャンドラー
(2021/06/18 19:51登録)
フィリップ・マーロウ第五弾。行方不明の兄の捜索を妹から依頼されたマーロウ、訪れる先で次々とアイスピック刺殺死体に出くわし・・・
※「あなたしゃべりすぎるわ」・・そのとーりだぜ、マーロウ。ハードボイルドなガイは、もっと寡黙な男であるべきだぜ・・「情報に間違いがある。私は傷つきやすい人間だ」 
※「(あんたが)マーロウ?」「だれアロウ」・・うーん、それ、イマイチだ、春樹。
※そういえば、英語には「姉」「妹」のガイネンを表現する一単語ってないのね。


No.470 5点 湖中の女
レイモンド・チャンドラー
(2021/06/17 20:26登録)
実業家から行方不明の妻の捜索依頼を受けたマーロウ、湖底で見つけた女の死体は別人だった・・。「ああいう状況」の死体にお約束の本格コードもプロットに綺麗に納まり(二つの流れが偶然に合流すると小説では「ご都合」言われるが、現実にはよくある事)、ハードボイルドお約束キャラの狡猾にして凶暴なワルでタフな警官、やはりハードボイルドお約束の絵に描いた様な悪女美女達、怪しげな医者にジゴロも総動員で、ハードボイルドミステリのまさに定番。
※いい女は全て性悪で、男はどんなにタフぶっても弱く儚く悲しくて・・・フィリップ・マーロウでなくレイモンド・チャンドラーの「眠りホモ」が、男の読者の「女性嫌悪」と「無自覚の同性愛」を刺激してやまぬ・・・


No.469 6点 魔女が笑う夜
カーター・ディクスン
(2021/06/13 20:25登録)
「あざける後家」と呼ばれる12mの奇岩のある寒村。住民達に郵送される数々の醜聞手紙が、自殺・密室幽霊事件・殺人を引き起こし・・クリスティー「動く指」と同じネタだが、「完璧な密室」も付いてて、こういうトリック大好き。


No.468 2点 高い窓
レイモンド・チャンドラー
(2021/06/10 20:31登録)
フィリップ・マーロウ第三弾。人好きのしない未亡人から、紛失した奇貨コインの探索依頼を受けたマーロウ。関連先を訪ねては次々殺人死体に出くわして・・・。第一作同様、依頼本筋が横ズレして終わるホワットダニット展開だが、面白い場面は、脇役キャラ・・ニンジン男、用心棒電柱男、エレベーター爺さん・・達のユニークな描写。
第一作の「ソルジャー」に始まり「ブラザー」「ジャック」「ビッグ・ボーイ」と続く、半敵半味方キャラのマーロウの呼び方がよい。そのままカナにした春樹訳・・他者訳いざ知らず・・あの辺のセンス、グッドね。
※ところで、第二作の「Farewell, My Lovely」ってタイトル、この作の方にこそふさわしくね?


No.467 7点 疑惑の影
ジョン・ディクスン・カー
(2021/06/07 20:00登録)
「密室」に毒殺被害者と二人だけでいた容疑者の女。毒物容器の指紋は被害者と容疑者の二種だけで、他に犯行可能な者はいなかった・・・圧倒的に不利な状況から、「密室」を破り、無罪を勝ち取る弁護士バトラー。だが、一人の女の「無罪」は、別の毒殺事件に絡んだ、もう一人の容疑者の女を作り出してしまい・・・弁護士の分際で、血沸き肉躍るスーパーアクション繰り広げる熱血バトラー。フェル、メリヴェールには逆立ちしても不可能なアグレッシブなハードボイルド展開実に楽しく、点数オマケつき。


No.466 3点 さらば愛しき女よ
レイモンド・チャンドラー
(2021/06/04 09:46登録)
「愛しき人(My Lovely)」とは、ヴェルマでもグレイル夫人でもなく、巨漢ぬりかべ男:マロイのことであろう。偶然に彼と出会い、一目惚れして追い求め、そして「さらば(Farewell)」を告げた「眠りホモ」フィリップ・マーロウ。彼の「無自覚の同性愛」が、対女関係の隠喩で、ドライに切なく描かれるハードボイルド浪漫。
※古代ギリシアでは「戦士の雄姿」として公然と驕られた同性愛。我が国近世においては乱歩三島等の「禁色の耽美文学」として表現を得られたが、禁欲ピューリタニズム米国では「ハードボイルド」という無意識の表現領域とならざるを得ず・・・ジェイムズ・エルロイ「ビッグ・ノーウェア」に至ってこのテーマの窮極に至り・・・


No.465 2点 大いなる眠り
レイモンド・チャンドラー
(2021/06/03 07:28登録)
世界で二番目に有名な探偵、フィリップ・マーロウ第一弾。老富豪から娘の恐喝者と話をつける仕事を引き受け、乗り込んだエロ本屋のオカマ店主が殺され、富豪のお抱え運転手は死体で見つかり、恐喝屋の蜘蛛男が現前で殺され、店主の美形稚児、賭博元締の白イタチ男、情報屋の小男、さらには峰不二子級のエロい女が三人四人跋扈して、筋だけ追うとまるでハードボイルド・・・ん? が、春樹チャンドラーの、修飾過剰な一人称語りとキザに凝り過ぎたセリフが、疾走感にブレーキかけて、「ブンガク(全然やぶさかではないが)」してしまうのね。
※「Go ○○○○ Yourself!(テメえで××××しな!) 」・・・当時はモザイクだったのね、あの四文字言葉。


No.464 6点 墓場貸します
カーター・ディクスン
(2021/05/30 21:18登録)
プール水中からの人物消失トリック・・・短編ネタレベルなんだろが、やはり見事。
「野球場の土埃の匂いは、コカインの様に人を酔わせる」か、英国人以前に、米国ヤンキーだったなあ、カーさん。


No.463 5点 時計の中の骸骨
カーター・ディクスン
(2021/05/27 22:02登録)
タイトルがいい。舞台装置も素晴らしい・・廃墟刑務所の死刑部屋、移動見世物小屋、鏡の迷路・・ミステリ大道具はかくありたい。ホラーとドタバタの結合、グロテスクな滑稽風味、実によい。犯人像もなかなか。ただ、転落殺人トリックは・・この作より20年前の「孤島の鬼」や10年前の「曲がった蝶番」に半歩劣るかなあ・・刺殺時間トリックは、もっとショボいかなと。 ※メリヴェール卿と伯爵未亡人のバトル大爆笑に、1~2点おまけ付けちゃう。


No.462 4点 煽動者
ジェフリー・ディーヴァー
(2021/05/24 18:12登録)
ダンスシリーズ第四弾。言葉とトリックで群衆パニックを引起こし、凄惨な事故に至らせる美形男。犯人の内面サイコ描写からして、お馴染みのメンヘラ殺人鬼キャラのダミー設定で、さて、今回はどんなツイスト?て思っていたら・・あらら、特に捻りという捻りもなく終わってしまい・・まあ、それが肩透かしツイストだったりして。むしろ、ダンス自身の、捜査官として母として女としてのツイスト展開・・ちと、ご都合よろしすぎるが・・の物語が魅力かと。
原題の「Solitude Creek」=「孤独の小川」、主筋の流れから離れた、日系移民の強制収容所エピソードに関する言葉で、何でこれがタイトルに?て思った。 ディーヴァー、日本マーケットでも意識してんのかな?


No.461 4点 シャドウ・ストーカー
ジェフリー・ディーヴァー
(2021/05/20 19:22登録)
ダンスシリーズ第三弾。天才シンガーソングライターと彼女に付きまとう超絶ストーカー。歌詞見立て連続殺人?と思わせて、いつものツイスト・・と陽動して、十八番の二重返し・・で終わるはずが、何と今回、驚きの「三重」返し。が、そんだけ、面白いかというと、うーん・・そうでもないんだなあ、ダンスの「透視力」全然冴えないし。
「犯人の名前書いてあんの?」「ジョン ポール ジョージ リンゴてある」・・笑った。 ※ライムトリオがゲスト出演。


No.460 5点 ロードサイド・クロス
ジェフリー・ディーヴァー
(2021/05/17 22:59登録)
ダンスシリーズ第二弾。人気ブログのレス書込みでサイコ殺人鬼に仕立られ、逃亡しながら復讐を繰返すオタク少年。「ロードサイド・クロス」て題、何かカーチェイスみたいの連想したが、道路沿いの手作り十字架・・我が国なら路肩の地蔵か野仏・・の事で、犯人のサイコキラー性宣伝の象徴だった。貧困家庭に育ち、スクールカーストでも最下層のニキビ面少年のヒール風味は、「エンプティ・チェア」の「昆虫少年」焼直しで、当然ツイスト展開はミエミエだが、十八番の二重どんでん返しに、ヒロイン母殺人犯疑惑ネタのオマケも付き、期待通りの面白さ。ただ、ダンス「透視力」の必殺具合がいまいち・・・ケムラーともかくベムラーに効かないスペシウム光線て如何なものか・・


No.459 5点 スリーピング・ドール
ジェフリー・ディーヴァー
(2021/05/13 17:45登録)
キャサリン・ダンスシリーズ第一弾。脱獄したカルトファミリーのカリスマと手助けする信者の女。対するは、仕草や表情から相手の本性を見抜く「人間噓発見器」のヒロイン捜査官。手に汗握る追いつ追われつのサスペンスで、奥のある人間ドラマもなかなか。でも、ライム物期待しちゃうとねえ。目的‐手段‐主体‐対象の全体性としての物語それ自体を、多重に捻って楽しませてくれるライム「物証分析」推理に比べて、ダンスの「キネシクス」推理、せいぜい、Who(犯人誰?でなく、この人の本性は?)ネタとWhyネタにこじんまり纏まってしまうかな。一つ二つ、模範的古典的な人物トリックあるんだけどね。


No.458 4点 複数の時計
アガサ・クリスティー
(2021/05/09 07:34登録)
仕事の依頼を受けて、盲婦人の家を訪れた派遣秘書が発見したものは、刺殺死体とあるはずのない複数の時計だった。婦人の家と両隣り・向い及び斜め両向い、都合六家の位置関係と人物描写から、「赤毛連盟」発展系期待したが、中途半端に・・ポアロの言う「極めて」て程ではない・・単純な真相だった。

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