| ねここねこ男爵さんの登録情報 | |
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| 平均点:5.66点 | 書評数:178件 |
| No.38 | 6点 | 二の悲劇 法月綸太郎 |
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(2017/10/20 22:29登録) 色々な意味で読みにくい。 日記や地の文がミステリの構成要素としての伏線や布石でなく、作者の苦悩や想いをこめることに使われていてとにかく量がある。 それに共感するか冗長な成分として切り捨てるかが評価に影響しそうな。 個人的にすべて妄想の方がよかったかも。タイトルに絡む部分は都合が良すぎると感じてしまいます。せめて事前に匂わせてくれれば… |
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| No.37 | 5点 | イニシエーションラブ 乾くるみ |
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(2017/10/20 04:52登録) これを読む時にどういう仕掛けがしてあるか全く知らないまま読む方もいないでしょう…と言うか、それを事前に知らないと最後のアレまで読書欲が持続しないような。 つまり、どんでん返しがあると知っていて最後に驚くために情報収集しながら読むというある意味矛盾した読み方になりましょう。(あえてそうしてるんでしょうが)ソレがなければ特に起伏のない淡々とした文章ですから先が気になって仕方がねぇ、ともなりませんし。 仕掛けはほんとに良く出来てますが、それを味わえる状況の読者がどれくらいいるか。 |
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| No.36 | 8点 | 三つの棺 ジョン・ディクスン・カー |
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(2017/10/19 12:37登録) とてつもなく魅力的な謎の設定と、それに曲がりなりにも解決を与えたので。密室講義なんて飾りです。 |
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| No.35 | 9点 | 皇帝のかぎ煙草入れ ジョン・ディクスン・カー |
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(2017/10/19 12:27登録) シンプルかつ効果的な心理トリック。前例もあるようですが、世に知らしめたのはこの作品ではなかろうか。 あとタイトルも何気によいと思う。 |
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| No.34 | 3点 | 封印再度 森博嗣 |
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(2017/10/19 00:53登録) この作者の本を本格/新本格にカテゴライズするのまずくないですかね? 完全にミステリ風ラノベ(ラノベを貶してるんじゃないです)。キャラ萌えな方以外は読むとストレス。 困ったときの自然現象と目撃者は子供で解けない謎の出来上がりです。この作者の悪癖である『トリックの強引さを誤魔化すため伏線と称して作中延々と言い訳をする』がまたも炸裂します。あと有名古典からパクりすぎです。 最後のクライマックスというかページ稼ぎのためでしょうが、記憶喪失が都合良すぎます。交通事故の真相はすぐに見当がつくのでそれ以外に記憶を無くさせる意味がないです。 あと、この作者の本には必ず「UNIXにtelnetでログインしメールを読む」という描写が入るのですが、それ以外に何にもしない。メールも本筋にほぼ関係ない。つまり単に言いたいだけ。作者はおっさんですから、「ボクねアイホーンにしてアプリいれたの見てみてアプリアプリ」と嬉しそうに言ってウザがられるタイプなんでしょう。 関係ないですが、2、3点つけてる方が結構いるのになんで平均高いんだろ?と思ったら高得点者でレビューがこれ一冊のみって方がちょこちょこいらっしゃるのがちと気になります。 |
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| No.33 | 3点 | 詩的私的ジャック 森博嗣 |
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(2017/10/17 22:13登録) 読むのが苦痛レベル。 名声があればあっちこっちから切り貼りすれば売れるってわけじゃねぇ。 この作者のタイトルはいちいち臭いが、本作は特にそれ言いたかっただけやろって。 |
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| No.32 | 8点 | クビキリサイクル 西尾維新 |
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(2017/10/17 21:54登録) 好き嫌いのある文章でしょうし、個人的にこの手のは本来ダメなんですが、本作はそっち側にためらいなく振り切ってるので全然オッケーすんなり読める(ぼくの独白がクドいくらい)。何人か存在意義不明なキャラクターがいますが、続編を睨んだものと知り納得。 ミステリとしてはなかなかの完成度。『首切り死体は何故首を切られるか?』に新しいアイデアを持ち込んでいる。タイトルないす。第二の密室がちょっと苦しいくらいか。 コレ以降の作品はミステリ色ほぼなしみたいで読んでませんが、本作単独ならなかなか上質なのではないでしょうか。 |
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| No.31 | 7点 | キングを探せ 法月綸太郎 |
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(2017/10/17 21:05登録) 非常にテクニカルで上手い!ただ読んだあと衝撃のあまり呆然とはしない、という。 すべてが緻密なパズルとして組み上がっていて、その緻密さには万人が感動するが、ものすごく良く出来ている以上の感想を持てない、というところか。 ただ、それだけというにはあまりによく出来ているのでぜひご一読を。 |
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| No.30 | 9点 | 頼子のために 法月綸太郎 |
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(2017/10/17 20:53登録) 手記=隠蔽工作、なので読者は心の準備をして読むのでそれをどう上回るか?という形式ですが、全部提示した上で見事にそれを達成する本作はこのパターンのベストではないでしょうか。最後の一対一はちょっとあっさり(というか、もっと深めて欲しかった)のでこの点数ですが、きちんと匂わせてあったし、全体として文句なし。 後味の悪さを指摘される方が多いですが、個人的にはあの後味だからこそ、と思います。救いがあったら救われない話では? |
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| No.29 | 3点 | 悪意 東野圭吾 |
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(2017/10/17 20:42登録) 緻密さより衝撃優先のこの作者らしい内容。 ですが、同様のアイデアを用いた他作品より数段クオリティが落ちる。 手記=虚実入り混じり、読者はそんなこと分かってるので読者は警戒し作者はいかにソレを上回るかですが、結局ありがちな『手記の著者は都合の良いことしか書いてなくて実はすごく悪いやつだったよ〜』以外の要素なしで残念。 そういう小説ではないのは分かっているのだが、証拠として重要なビデオテープの内容に関して、解決編でいきなり「あのビデオはこれこれこういう理由でダメ」と探偵役が言うのがちょっと…。だったら予めソレを著述しておくべきではないか?(何度も見返したが、事前にソレに触れている部分はなかったように思う。もしワタクシの見落としならご指摘頂きたい) |
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| No.28 | 5点 | 今はもうない 森博嗣 |
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(2017/10/15 14:14登録) ファンブックですね。メインの仕掛けが生む効果とその対象から。 この作者に対する個人的な評価は他作品のレビューに書かせていただいた通り決して高くなかったのですが、それが過小評価であることに今気づきました。 この人は恐ろしく商売上手なんですね。それが分からなかった。 |
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| No.27 | 5点 | 白夜行 東野圭吾 |
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(2017/10/13 22:34登録) 面白いけど、長い。 長さが苦痛にならないのはさすがの力量だけど、長い。 正確に言うと、こんだけ長いならもうちょっと具体的に書いても良い部分があるでしょうというのと、後半になると各エピソードの流れとオチが推測できるようになってしまうのがキツい。「最初は警戒→でもすぐ色仕掛けで陥落」がバレバレなので…。あるときは色仕掛け、あるときは破綻への工作みたいに仕掛けのバリエーションを期待してはいけないのだろうか。 オチはああするしかないとは思うけど、あっさり。 |
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| No.26 | 3点 | 御手洗潔の挨拶 島田荘司 |
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(2017/10/13 22:05登録) 超絶凡作品集。読まなくていい。 この作者は不可思議な状況を作ってから解決を考えるタイプなんだろうが、解決を思いつかなかったときに恐ろしく無理矢理な物理トリックと、不思議なことは全部偶然で済ませる傾向がある。本作でもそのダメっぷりを存分に味わうことが可能。 そこを批判すべきではないと言うのはわかっていても、場合の数の説明はブチ切れそうになった。勉強不足なのに頭良さそうなフリするなよ作者。 |
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| No.25 | 6点 | フィッシュストーリー 伊坂幸太郎 |
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(2017/10/13 21:41登録) この作者のオサレ感が良い方に作用している短編集。 表題作はバンドマン達の下りが長すぎることに目をつぶれれば素敵な話。 おすすめ。 |
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| No.24 | 3点 | 重力ピエロ 伊坂幸太郎 |
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(2017/10/13 21:36登録) 『前評判が高いせいで、自分も高評価にしないとセンスのないやつとみなされるのが怖いから高評価にしよう』『え?君たちこの魅力が分からないの?ボクには分かっちゃうんだけどなぁ』という圧力を感じる作品。 「本来なら重い話なんだけどそれを受け止めてあえてスタイリッシュにいっちゃうよん」←うおおおおおおおお!!っていう風な、タイトルから滲み出ているようなこの作者にありがちのオサレ感全開で、それが許容できるかどうか。 |
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| No.23 | 6点 | 向日葵の咲かない夏 道尾秀介 |
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(2017/10/13 21:26登録) ミステリではなく幻想小説です。最初からそのつもりで読めばなかなか面白いです。 おそらく、読書量と評価が反比例するでしょう。 |
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| No.22 | 9点 | 家日和 奥田英朗 |
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(2017/10/13 21:21登録) この人がすごいのは、性別年齢層関係なく人間を書けることでしょう。 他作品の作者の言葉で「ふとした瞬間に表れる人間の小さな真実を書きたくて、ストーリーの皮をかぶっているのだ」というのがありましたが、まさにその通りの短編集です。気楽に読めて笑えて共感できてで文句なしにおすすめ。 ミステリの評価も高い作者ですが、この人はやはりコメディとエッセイでその真価を発揮する人だと思います。 |
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| No.21 | 7点 | 江神二郎の洞察 有栖川有栖 |
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(2017/10/13 21:12登録) ファンブック的な性格がどうしても出てしまっていますが、それでも楽しめます。 有栖川有栖氏の文体の美しさを一番堪能できるでしょう。 ある有名作品の、誰しも引っかかってる欠点をフルボッコにしてるのと、登場人物の口から語られる作者の推理小説観は必読かと。 『桜川のオフィーリア』はある意味で最も有栖川氏らしいと思いますがいかがでしょうか? 個人的に裏ベスト短編です。 |
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| No.20 | 7点 | 十角館の殺人 綾辻行人 |
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(2017/10/04 22:20登録) 良くも悪くも有名なあの一文に全振り。 読者が推理する楽しみはほぼゼロ。 信者の方々には申し訳ないが、この作品はそれなりに過大評価されていると思う。 実際、本作を読んで衝撃を受ける人って実はリアルタイム以外ではそんなにいないんではないかと思う。「あ、このパターンか」って。 ただ、大きな流れを生み出した功績は計り知れない。間違いなく。 |
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| No.19 | 8点 | 殺戮にいたる病 我孫子武丸 |
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(2017/10/04 22:03登録) どういったタイミングで出会うかで評価が分かれるであろう本作。 『叙述トリックって最近満ち溢れてるからソレだけだとディスられるし色々てんこ盛りしたろ!!』 『叙述トリックで得られる衝撃はサイコーゆえそれに全振りしたろ!!』 お手軽に衝撃を与えられる叙述トリックが氾濫し、それに伴って前者のスタンスの作品が支配的ですが、後者を楽しめるうちに本作に出会えるかどうか。 |
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