| ALFAさんの登録情報 | |
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| 平均点:6.64点 | 書評数:255件 |
| No.255 | 7点 | 変な家2〜11の間取り図〜 雨穴 |
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(2026/02/06 08:04登録) 社会現象ともいえる一連の作品だが、内容そのものは少しも「変」ではない。 家の平面図が謎解きのキーになる結構重厚なミステリー。一見、連作短編風だが完結しないトピックもあるので本質は長編。 解決編はダミーからの反転ではなく、さらにジャンプしてのエンディングで満足感はある。 19世紀的な小説作法で緋倉家のクロニクルとして仕立てたら、それはそれで読みごたえのあるミステリーになっただろう。 |
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| No.254 | 7点 | 闇の歯車 藤沢周平 |
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(2026/02/05 08:17登録) 一度も失敗したことのない押し込み強盗の親玉と、集められたワケあり素人の4人。 なにやら近年の闇バイト強盗を思わせる設定だが書かれたのは昭和。時代を先取りした藤沢周平の着想がすごい。 小気味のいいカットバックやセリフ回しで4人それぞれのの物語が展開する。 親玉と4人各々にビターエンドとハッピーエンドが用意されていて読後感はいい。 楽しい時代物ハードボイルド。 |
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| No.253 | 7点 | 用心棒日月抄 凶刃 藤沢周平 |
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(2026/01/31 09:12登録) シリーズ第4作にして完結編。 1~3作が書かれたのは1980年前後。初期の暗い作風から一転、快活なストーリーで一躍人気作家に。 そして本作は約10年の間をおいての発表。作中では20年近い歳月が流れ、イケメン用心棒青江も今や下腹のせり出しを気にする40代半ばの重職藩士。 今回は休職する同僚の代役で半年の江戸赴任。軽い役目のはずが別の密命を帯びることに・・・ 愛着のある初期のヒットシリーズに、円熟期の作者が決着をつけた格好となる。巧みなカットバックや地の文から続くセリフなど、藤沢周平らしい職人芸が楽しめる。ミステリー度も結構高い。 懐かしい脇役たち、用心棒仲間の細谷、口入れ屋の相模屋、そして因縁浅からぬ佐知それぞれが収まるべきところに収まって、まさにグランドファイナル。 |
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| No.252 | 7点 | 用心棒日月抄 藤沢周平 |
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(2026/01/25 08:00登録) 藤沢周平は中高年男性にファンが多いという。さもあろう、作中の武士達はナリこそ二本差しだが心情は宮仕えのサラリーマンそのもの。実際、藩に仕える武士は企業戦士と重なるところが多かったんだろう。 ワケあって脱藩し、腕に覚えの剣で用心棒稼業となった主人公青江も例外ではない。 剣を交える場面こそ劇画並みの強烈さだが、本人はアウトローからはほど遠いイケメンで一本気な青年。そこそこ世慣れて、長屋の住人や派遣先を紹介する口入屋との距離感も絶妙。現代ならゴミ出しもちゃんとしただろう。 連作短編形式だがその本質は長編。有名な史実を巧みに織り込んだ快作エンタメ時代小説である。 サスペンス風味だが謎解きは余りないので評点は控えめに。 |
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| No.251 | 6点 | 暗殺の年輪 藤沢周平 |
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(2026/01/15 10:17登録) デビュー作「溟い海」、直木賞作「暗殺の年輪」を含む初期の5編。 謎解き1編、剣豪もの1編、サスペンス3編。 印象に残るのは、葛飾北斎晩年のうねるような情念を巧みな構成で描いた「溟い海」と、情感豊かなサスペンス「囮」。 後年のしみじみとした雰囲気とはひと味違うノワールな味わいがいい。 いずれも直木賞候補になっている。 |
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| No.250 | 6点 | 秘太刀馬の骨 藤沢周平 |
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(2026/01/14 08:16登録) 北国の藩で筆頭家老が暗殺された。太刀筋は秘太刀とされる「馬の骨」。 六年後、この秘太刀の遣い手の探索を命じられた半十郎と銀次郎は、剣豪一人一人と立ち会うことに・・・ やがて大きな陰謀が立ち現れる。 秘太刀の探索と大きな陰謀との繋がりが今一つすっきりしないが、冒険活劇としては多いに楽しめる。 |
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| No.249 | 7点 | 華に影 永井紗耶子 |
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(2026/01/10 07:51登録) W受賞の「木挽町のあだ討ち」は江戸の芝居小屋、こちらは明治の華族社会。どちらもちゃんと考証してあるのだろうが、江戸に比べてどうにも嘘臭く感じてしまうのはなぜか。 そもそも実際の華族制度なるものが西洋の物真似で、たかだか80年程度の仮想みたいなものだったからか。旧華族で異議のある方はご容赦! 被害者は維新の功労者で、政界の大立物かつ嫌われ者の黒塚伯爵。自ら主催するパーティーの最中に毒殺される。 探偵役は、被害者と因縁のある華族の令嬢千武斗輝子とイケメン書生の影森怜司。 丁寧に伏線が仕掛けてあるから推理する楽しみは十分。ダミーの答は簡単だが真相は難易度が高い。大どんでん返しや大団円ではなく、なるほどね・・・といったエンディング。 出来のいいパズラーなので、わざとらしい舞台設定を呑み込んでしまえば十分楽しめる。 なお被害者黒塚伯爵には実在のモデルがある。酒乱で妻を切り殺したと噂のある黒田清隆でのちに総理大臣になった。 |
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| No.248 | 7点 | 半七捕物帳 巻の三 岡本綺堂 |
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(2026/01/09 08:32登録) 本格色の強い第二巻に比べるとバラエティ豊か。各話の冒頭では、聞き手と半七とのやりとりを通して江戸から明治への移り変わりが味わえる。 お気に入りは「旅絵師」。無個性に扱われがちなお庭番(隠密)がここでは確かなキャラクターで描かれている。絵師に化けたお庭番と秘密を持つ豪商との緊迫感のある取引は長編のような読み応え。 「雷獣と蛇」はベタな怪談が付け足されているのが違和感。出来もさほどとは思えない。「雪達磨」と「熊の死骸」では、「雪だるまの中の死体」「大火事で人々と逃げ惑う熊」など、ネタはとても面白いのに謎解き部分が半七の長い説明だけでいささか興ざめ。 それにしても捕物帳に外国人が出てくるとは思わなかった。ちょっと間抜けな不良イギリス人ロイドが加担する「異人の首」はなかなか笑える。 チョイ役のくせになぜかタイトルロールの片眼の悪ガキ「一つ目小僧」も愉快。 なかなか変化に富んだ楽しい短編集。 |
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| No.247 | 9点 | 三屋清左衛門残日録 藤沢周平 |
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(2026/01/06 08:02登録) 時代ミステリーの名作にもかかわらずこれまで書評がないのは、作者が人情時代小説の大家と見られているせいか。 15話からなる連作短編形式だが、その本質は長編。 主人公は藩の重職「用人」を辞して家督を譲った三屋清左衛門。楽隠居のはずが絶妙な立場を見込んで様々な相談事が持ち込まれる。 慎重な扱いを要する事件や因縁話を探るうちに不穏な気配が見えかくれし、やがて藩の存続を揺るがす凶々しい企みが明らかに・・・ 相棒は幼なじみで現役の町奉行、佐伯熊太。「静」の清左衛門、「動」の熊太の名コンビ。 北国の季節の移り変わり、老いの心情、複雑な謎解きが端正な楷書のような文体で綴られる。 藤沢周平は、ミステリーのお約束である読者向けの謎解きが少なく人情話が多いからピュアなミステリーファンには敬遠されそうだが、この作品はバランスがいい。 何度かドラマ化されているが、初老の仲代達也が懐かしい。濃い芸で佐伯熊太を演じた財津一郎もはまり役。 |
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| No.246 | 7点 | 半七捕物帳 巻の二 岡本綺堂 |
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(2025/12/31 10:47登録) 江戸末期に活躍した岡っ引、半七の昔語りを明治の新聞記者が書き留めるという趣向。 所々に時代の移り変わりが顔を覗かせるのも面白い。。 第一巻はミステリーから奇譚までバラエティ豊かで玉石混淆でもあったが、この第二巻は本格推理の粒ぞろい。怪異や怪奇に始まって合理的な解決に至る謎解きが楽しい。 なかでもお気に入りは「狐と僧」。住職の正体は狐?の怪異に始まって、きわめて散文的かつ社会派風味の結末となる。 ただ、精緻に入り組んだ謎に対して構成は単調。聞き込みと勘が頼りの捜査だから解決部分はほとんど半七の説明調になってしまうのが残念。 森村誠一の理屈っぽい解説は興ざめ。 |
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| No.245 | 6点 | 半七捕物帳 巻の一 岡本綺堂 |
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(2025/12/27 09:59登録) 引退した岡っ引、半七老人の昔語りという形式がいい。現在進行形ではないから落ち着いて楽しめるし、前後のつじつまが多少すっ飛ばされても腹も立たない。 ストーリーにドイルやポオへのオマージュが伺えるのも面白い。 ただし現代ミステリー流の精妙な謎解きというわけにはいかない。お話の適度なユルさもホームズ風。 鷲、猿、河獺まで登場するのもご愛嬌。 お気に入りは「朝顔屋敷」。こちらは意外に現代的な主題。 作品の歴史的意義は外しての評価ということで・・・ |
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| No.244 | 6点 | サーチライトと誘蛾灯 櫻田智也 |
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(2025/12/22 09:07登録) 5編から成るデビュー短編集。 どれも確かに事件は起こるけれどどこか「日常の謎」っぽい浮游感がある。 事件の因果を直接の主題にしていないことに加えて名探偵エリ沢くんのとぼけたキャラのせいだろう。 謎の構図が面白いのは「ナナフシの夜」。 いずれもサラリとした気持ちのいいい読後感だが次作ほど突出したものはない。 |
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| No.243 | 7点 | 日本探偵小説全集(8)久生十蘭集 久生十蘭 |
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(2025/12/21 08:38登録) 代表短編「湖畔」「ハムレット」他三編に「顎十郎捕物帖」全編「平賀源内捕物帖」三編から成る分厚い文庫。 楽しめるのは「顎十郎捕物帖」。口述筆記らしいなめらかでリズミカルな文体で、それぞれわずか数十ページに多彩な謎が仕掛けられている。 なかでもお気に入りは「両国の大鯨」。スケールが大きいんだかチマチマしているんだかわからないトリックが愉快。 纏綿たる江戸情緒は池波や宮部に譲るが、そこは作者も主眼ではないだろう。 どれもごく短い尺なので謎の提示から急転直下の解決(解説)に至るのはやや残念。 「平賀源内捕物帖」は理系過ぎるオチが肩透かし。 |
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| No.242 | 7点 | 久生十蘭短篇選 久生十蘭 |
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(2025/12/14 08:15登録) 奇譚、ファンタジー、サスペンス風味等バラエティに富んだ15編。 いずれもエスプリの効いたプロットと洗練された文体で楽しめる。 佛蘭西風味の道具だてで通好みに思われ勝ちだが、現代なら王道の人気作家になっただろう。 お気に入りはサスペンス風味の「白雪姫」と、New Yorker短編風の辛口人情話「復活祭」。男女それぞれの服が小道具として効いている。 高水準の短編集だが、ミステリー風味はほとんどないのでここでは控えめに評価。 |
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| No.241 | 6点 | AX 伊坂幸太郎 |
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(2025/11/09 08:39登録) 連作短編形式だが実質は長編。 主人公は凄腕の殺し屋だが家族持ちで恐妻家。表の顔は堅気の営業マン。まるで中村主水の現代版みたい。 必殺シリーズとの違いは勧善懲悪ではないこと。依頼される殺しを粛々とこなしていく。 前半3編は時にコミカルなハードボイルドタッチ。 第4編EXITでガラリと空気感が変わる。 そして第5編FINEがこの作品の大トリ。伏線を次々に回収し10年越しのケリをつけて物語はとじる。 構成の見事な、伊坂殺し屋シリーズの代表作。 |
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| No.240 | 6点 | 寿ぐ嫁首 怪民研に於ける記録と推理 三津田信三 |
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(2025/10/06 17:09登録) 不思議な作品だと思う。内容ではなくてその位置付けが。 前回の「歩く亡者」は刀城シリーズのスピンオフ短編集として軽く楽しめたが、今回は堂々たる構えの長編。会話の中に刀城言耶がたびたび登場するし、「首無」の媛首村の因習まで引用されている。 これではスピンオフではなく、刀城言耶シリーズの正統な後継作ではないか。 さては三津田先生、キャラを入れ換えて人気シリーズのリフレッシュを図ろうという魂胆か。 作中に名前だけ登場する刀城先生はすでにレジェンド。謎解きは助手の天弓馬人だが実際の探偵役はその教え子の瞳星愛で、これがなかなか肝の座った女子学生。キャラ構成としては魅力的。 今回のモチーフは因習+婚姻儀礼で、これは完全に「首無」の変奏作品。 文体はなめらかで読みやすく、適度な多重解決と適度に意外な反転が仕込まれている。 そつなくまとまった本格ミステリーだが、本家ほどのダイナミックなトリックやメタ構成はないし、凍るようなホラー味もない。何より第一の事件が無理筋。 まあ比較の相手が傑作すぎて分が悪いのは確かだが。 |
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| No.239 | 6点 | 不可能犯罪捜査課 ジョン・ディクスン・カー |
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(2025/10/05 13:00登録) 読んだ端から忘れてしまいそうな小ネタのオンパレードだが、不思議と腹は立たない。 トリックはチープでも語り口がうまいからだろう。「昔々あるところに・・・」調で自然に話に引き込まれていく。 なかでは「もう一人の絞刑吏」と因縁話の「めくら頭巾」が面白い。タイトルからしておどろおどろしいではないか。 「妖魔の森の家」や「パリから来た紳士」ほどの名品はない。 |
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| No.238 | 7点 | さむけ ロス・マクドナルド |
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(2025/09/30 09:08登録) はるか昔の初読では、本格味の複雑なプロットやエンディングが印象深かった。 再読してみると、複雑なプロットはかえって物語の雑味になっているように感じる。 登場人物と展開をもっと整理したらキリッと引き締まったHBミステリーになっただろう。 衝撃のエンディングもいっそう引き立つと思うが・・・ いずれにしても本格風味の名作ハードボイルド。 ハヤカワ版小笠原豊樹の訳はとても読みやすい。 |
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| No.237 | 6点 | パリから来た紳士 ジョン・ディクスン・カー |
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(2025/09/26 07:14登録) 表題作「パリから来た紳士」のエンディングが面白い。取って付けたような趣向ではなく、プロットに巧みに織り込んである。 何より本編の消失トリックが、この本家と同じというかパクリというかオマージュというか・・・ もちろんカーとしてはオマージュのつもりなんだろう。 一方「取りちがえた問題」の痛そうなトリックは近年の国産人気作で再利用されている。同じというかパクリというかオマージュというか・・・いやこちらはオマージュではないだろうな。 |
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| No.236 | 8点 | ビロードの悪魔 ジョン・ディクスン・カー |
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(2025/09/24 07:22登録) 冒険活劇+歴史ミステリー+SFタイムスリップで、もうお腹いっぱい。 歴史学の教授ニコラス・フェントンは300年前の古文書に記された毒殺事件の謎を探るべく、悪魔の手を借りてタイムスリップする。同名の貴族に憑依するという、まことに手際のいいやり方で。 この悪魔、メフィストより俗っぽくて笑える。 長い尺の半ばまでは、猥雑な17世紀ロンドンを舞台にした冒険活劇。街の臭さが漂ってきそうなリアリティ。後半になって俄然ミステリー濃度が高くなる。 特殊設定のロジックがしっかり通ったフーダニットで、伏線も十分。 ジャンルミックス型エンタメ大作にして、カーの代表作である。 |
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