変な家2 〜11の間取り図〜 |
---|
作家 | 雨穴 |
---|---|
出版日 | 2023年12月 |
平均点 | 5.50点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 5点 | まさむね | |
(2024/11/19 22:01登録) 前作よりもパワーアップしたことは間違いないでしょう。中盤までに示される11のストーリーの繋がりは、まぁ想定の範囲内というか、よくあるパターンであると思うのですが、それらを示したうえでのギアチェンジは、確かにパワーアップを感じます。 一方で、ラストの違和感が気になってしょうがない。何かが隠されている気がするし、もしかしてこういうことなのかな、と何となく予想はするのだけれども、どうなんだろう。すごくモヤモヤしてます。文庫版とかで示す思惑なのかな?個人的にはスパッと締めてほしかったのだけれど。(何も隠されていないのであれば、余計な記述をするなと言いたくなりますな。) |
No.1 | 6点 | 斎藤警部 | |
(2024/11/14 00:09登録) 「変な家(1)」とは随分異なった感触でスタート。 11の個別案件は間取り図をベースにはしているものの、その内容やアプローチにかなりのヴァリエーションを持たせており単調さは全く無い。 ただ、案件に寄っては、解決しきらないまま唐突に終ってみたり、他の案件と登場人物やら背景やら露骨にかぶっていたりで、目次や帯惹句の助けを借りずとも「どうせ最後に一つに纏まるんだろうなぁ~」感は異様に強い。 だが具体的に何がどう組み合わされるのかは物語配置と語り口の妙で上手に興味深く隠蔽されている。 しかし、いざ「最終章」に来てみると「マトメがマトモ過ぎて弱いなあ」「そのくせ無理矢理なとこ多いなあ」「こりゃちょっと子供騙しだなあ」なんて最初は思ったりする。 ところがだ、ある臨界点に達し、連城を思わせるキッツい反転(盲点だった・・・)を経ると、その反転さえスプリングボードにして更なる真相深掘りの地平へと物語は足を延ばす。 個別案件内で語られた或る「通信手段」に纏わる疑念への数学的・物理学的アプローチ、そこからするすると引き出される真相への道筋は光っていたな。 だがそれも大真相のごく一部なんだ。 思わぬ人情ストーリーの側面も見せつつ、優しい細やかな配慮で時系列をまっすぐに正すパズル解説のような「最終章」だった。 「○○○○」こそ本丸と思わせて、実は更に上位に「○○○○」が位置するってんだからね、ってそこだけでも驚いたのに。。 |