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ミステリの祭典

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三屋清左衛門残日録

作家 藤沢周平
出版日1989年09月
平均点9.00点
書評数1人

No.1 9点 ALFA
(2026/01/06 08:02登録)
時代ミステリーの名作にもかかわらずこれまで書評がないのは、作者が人情時代小説の大家と見られているせいか。
15話からなる連作短編形式だが、その本質は長編。
主人公は藩の重職「用人」を辞して家督を譲った三屋清左衛門。楽隠居のはずが絶妙な立場を見込んで様々な相談事が持ち込まれる。
慎重な扱いを要する事件や因縁話を探るうちに不穏な気配が見えかくれし、やがて藩の存続を揺るがす凶々しい企みが明らかに・・・
相棒は幼なじみで現役の町奉行、佐伯熊太。「静」の清左衛門、「動」の熊太の名コンビ。
北国の季節の移り変わり、老いの心情、複雑な謎解きが端正な楷書のような文体で綴られる。

藤沢周平は、ミステリーのお約束である読者向けの謎解きが少なく人情話が多いからピュアなミステリーファンには敬遠されそうだが、この作品はバランスがいい。

何度かドラマ化されているが、初老の仲代達也が懐かしい。濃い芸で佐伯熊太を演じた財津一郎もはまり役。

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