パメルさんの登録情報 | |
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平均点:6.12点 | 書評数:658件 |
No.38 | 6点 | ハサミ男 殊能将之 |
(2016/01/29 15:17登録) 主人公の異常な性格設定がそのままゲームのルール設定に なっているようなもので感情よりもプロットの興味 ひたすら知的ゲームの面白さを追求した作風 ミステリとして特別に斬新なアイデアや仕掛けがあるわけではないし 作品を構成する一つ一つの要素もありふれている |
No.37 | 7点 | ダレカガナカニイル・・・ 井上夢人 |
(2016/01/29 14:53登録) 寄生した意識は誰のものか? つきまとう夢の意味は何なのか? 事件の謎と並行して描かれる SF的設定ミステリの先駆的な作品でその趣向を生かした解決は 全ての伏線を回収しつつ意外性を突いてしかも切ない |
No.36 | 6点 | 幽霊刑事 有栖川有栖 |
(2016/01/29 14:42登録) ラブストーリーを本格ミステリと融合した作品 特殊な状況ならではの伏線の仕込み方 たった一人しか主人公を認識出来ないゆえに起きること 純愛・笑い・ロジックが渾然一体となった娯楽作品 |
No.35 | 7点 | 彼女が死んだ夜 西澤保彦 |
(2016/01/29 14:30登録) 結末近くで連打される何重ものどんでん返しは 後味が悪いながらも大きな衝撃と意外性を 演出していることに成功している 真相のある部分に無理で不自然な箇所があるところが少し残念 |
No.34 | 7点 | クラインの壷 岡嶋二人 |
(2016/01/29 14:20登録) 現実世界とヴァーチャルな世界との区別がつかなくなり 精神のコントロールがきかなくなるSFミステリ ヴァーチャルリアリティの技術がほとんどなかった時代に なぜこのようなリアルな描写が出来たのか不思議でならない この作品の魅力は人間の認知の不確かさを想起させる点でしょう |
No.33 | 10点 | 双頭の悪魔 有栖川有栖 |
(2016/01/29 14:16登録) マリアとアリスが視点人物となり交互に語られていく 読者への挑戦が二つの村それぞれの謎解き 全体の構図の解明と計三回挿入される 具体的なものから推理が広がっていく謎解き部分 クローズドサークルという舞台設定など シリーズの特徴が突き詰められた上に複雑に組み合わされている まさに傑作 |
No.32 | 6点 | 開けっぱなしの密室 岡嶋二人 |
(2016/01/24 01:11登録) 六編からなる短編集 その中では表題作と「がんじがらめ」が良かった 「がんじがらめ」では倒叙の手法を用いながら ラストに綺麗な反転を織り込んだだけでなく 犯行が判明する契機が主人公自身のミスになっており しかもそれをすべて前半に伏線として明確に描いている |
No.31 | 5点 | 亜愛一郎の狼狽 泡坂妻夫 |
(2016/01/24 01:06登録) 読み手が思いもよらなかったところから ロジックを展開して驚きをもたらすスタイル 迷探偵でありながら名探偵のオトボケな感じが 今一つあわなかった |
No.30 | 8点 | 七回死んだ男 西澤保彦 |
(2016/01/21 21:29登録) 同じ時間を繰り返す異常体質の持ち主が 巻き込まれた殺人事件をめぐるSFミステリ この体質が発現するルールの範囲内で論理的に解明していく 殺人事件が起きているのにも関わらず明るい世界観 コミカルで楽しい作品 |
No.29 | 8点 | あした天気にしておくれ 岡嶋二人 |
(2016/01/21 13:35登録) 狂言誘拐テーマの倒叙ミステリとしスタートし 中盤からは事件に便乗した謎の人物の正体を探るフーダニットの要素や 身代金受け渡しのハウダニットの要素も加え 更にラストで事件全体の構図をひっくり返して見せるという 凝った構成で楽しめる |
No.28 | 9点 | 焦茶色のパステル 岡嶋二人 |
(2016/01/21 13:30登録) 夫の死の理由を探るホワイダニットから始まる展開は 一部の謎が解かれると新たな謎が現れ不透明な競走馬売買 そして汚職問題へと二転三転する 競馬界を震撼させる真相は冒頭からの物語全体の見え方をも 反転させる本格ミステリ |
No.27 | 3点 | 殺戮にいたる病 我孫子武丸 |
(2016/01/21 12:53登録) 叙述トリックに特化した作品で物語自体に面白味は感じられない 仕掛けられた罠に嵌った感はあるがそのために最後までグロテスクな描写を 我慢して読み続けなくていけないのは苦痛 ●●を切り取るとか死体と●●●するとか気持ち悪すぎる |
No.26 | 6点 | チョコレートゲーム 岡嶋二人 |
(2016/01/20 01:39登録) 事件の予告や意外な真実をあくまでも推理によって 見つけ出す展開には本格ミステリの楽しさが溢れている ただ親子間における理解の断絶を徹底して描いた深刻な 内容の為雰囲気はどんよりと重い |
No.25 | 6点 | 七年目の脅迫状 岡嶋二人 |
(2016/01/20 01:31登録) 展開は二転三転し犯人の本当の狙いが解らず物語は進み楽しめるが 事件の真相を追うために来た場所で自分の見合い相手に会うとか その女性が事件を追っているとか都合のいい偶然が重なったのが不満 |
No.24 | 5点 | 夜市 恒川光太郎 |
(2016/01/18 21:01登録) 幻想的な不思議な世界に連れて行ってくれる作品 自分としてはホラー小説が読みたくて帯を見て 衝動買いした本だがホラー色は薄いファンタジー小説 |
No.23 | 7点 | 悪意 東野圭吾 |
(2016/01/18 19:22登録) 事件は犯人による手記で語られ ほぼ互角に展開される加賀の記録と合わせ 読み進めるごとに明かされる真相に引き込まれる 突き止め辿り着いた殺害動機はあまりにも哀しい |
No.22 | 7点 | 異邦の騎士 島田荘司 |
(2016/01/18 19:17登録) 陰謀に巻き込まれた男をめぐるサスペンスであり 悲劇的なロマンスであり 大掛かりなトリックの仕掛けられたミステリ |
No.21 | 7点 | 火車 宮部みゆき |
(2016/01/18 18:59登録) カードローンをはじめとする債務に苦しむ人々の状況は 決して過去のものではなく現代の読者の心も捉える普遍性の ある問題だと考えさせられる 調査小説としての面白さを堪能させてくれるだけでなく 他者のパーソナルデータを奪う方法をめぐるハウダニット的興味が 盛り込まれたりと本格ミステリ的趣向もある社会派ミステリ |
No.20 | 5点 | 11枚のとらんぷ 泡坂妻夫 |
(2016/01/18 18:55登録) 文章で書かれた奇術と呼ぶべき作中作はもとより マジックショーの描写や奇術の歴史についてかなりの分量が割かれ 殺人事件の捜査はなかなか進まず退屈な時間が流れる また作中作と殺人事件との関連性が局所的だという不満が残る 評価の高い作品にこのような点数をつけるのは心苦しいが 「世の中にはこのような感じ方をする読者もいるのだな」と 思っていただければ幸いです |
No.19 | 6点 | ホワイトアウト 真保裕一 |
(2016/01/15 20:47登録) 極寒の雪山と武装テロリストに挑む冒険サスペンス 面白かったがやはり無理がある ただのダムの運転員が常に雪山で訓練を積み重ねてきた特殊部隊のように 体力・精神力が凄すぎるところが現実離れしている どう考えても無謀としか思えない行動 普通の人が雪山の中を何キロも歩くなんて無理でしょう |