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ミステリの祭典

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針の誘い
千草検事シリーズ

作家 土屋隆夫
出版日1976年01月
平均点7.55点
書評数11人

No.11 7点 ことは
(2019/12/01 21:35登録)
再読。(ほとんど忘れていた)
無駄なく、ミステリのプロットだけという感じで清々しい。謎解きミステリファンならば、楽しめる作品だと思う。
ただ、もうちょっと試行錯誤があったほうがよい気がする。簡単に真相にたどりついている感はある。
また、土屋隆夫といえば、「一人の芭蕉の問題」の文学論争があるが、この作品の文学味は、ほぼ皆無。土屋隆夫の文学味は好みでないから好感。本作も千草検事の日常風景(特に冒頭数ページ)はまったく無意味に感じられる。
最後の犯人の独白は、現代でも通用する気がする。
気になるのは、真相を知って読むと(ネタバレ)あまりにも偶然が過ぎる目撃者はどうなの、と思う。

No.10 8点 文生
(2017/11/04 20:14登録)
赤ん坊誘拐事件と身代金受け渡し時に起きた殺人事件の謎を追う本格ミステリ。
独創的なトリックなどはありませんが、細かい仕掛けの積み重ねが実に効果的に作用しており、作者の円熟味を感じさせる傑作です。独特の抒情性を感じさせる「危険な童話」もよいが、謎解きの完成度の点から言えば本作が土屋隆生の最高傑作だと言えるでしょう。

No.9 8点 パメル
(2016/04/22 21:21登録)
現実にあった誘拐事件を例に出し恐怖感を煽るなどサスペンス溢れる展開
脅迫状・誘拐・殺人方法など細かなトリックを積み重ねることで構成されている
可能性の無いと思われる部分に焦点を絞り論理を武器にして犯人に迫っていく
いずれも実現可能なトリックを使いフェアに徹しているところに好感が持てる

No.8 8点 斎藤警部
(2015/11/20 01:12登録)
子供の誘拐事件が起き、身代金を持参した母親がその場で殺されるという残酷な構図は、一方で義憤を煽りつつ事件の見えない奥行きをも匂わせる。これぞ黄金の土屋隆夫と感じ入ってしまう、質実剛健の一冊でした。

No.7 7点 あびびび
(2015/02/26 20:11登録)
犯罪は一か八かの要素が大部分だけど、計画的殺人にしては運任せの部分が多くなかったか?。犯人は動機から途中で気づき、自分なりにトリックを考えたが、あっと驚く鮮やかさはなくて、ひとつひとつの積み重ねだった。しかし、それが現実味を帯びていて、リアルな気がした。

自分としては、「危険な童話」の方が、代表作ではないかと思う。

No.6 7点 蟷螂の斧
(2014/07/18 10:53登録)
細かいトリックの連続技で一本勝ちといった印象。誘拐された母親の心理状況をうまく利用する点はさすがです。

No.5 9点 ボナンザ
(2014/04/08 01:00登録)
土屋氏は戦後の本格派を代表する一人でありながら知名度は鮎川、高木らに劣る。また、代表作はあるが、最高傑作はないともされる。が、アイディアの盛り込み、作者ならではの後味の悪さ、やはりこれこそ最高傑作ではあるまいか。

No.4 7点 測量ボ-イ
(2012/01/11 18:36登録)
氏の作品の中では好印象、具体的にはkanamoriさんとほぼ
同じですね。
いかにも疑わしい関係者が否定されると犯人(黒幕)は判
りやすく、また驚天動地の大トリックがある訳ではないで
すが、複数のトリックをうまく組み合わせて着実にポイン
トを稼いだ感じです。

No.3 7点 kanamori
(2010/10/01 17:37登録)
千草検事シリーズの3作目で、子供の誘拐事件と衆人環視状況での母親殺しがメインの本格編。
後者のトリックはちょっとアレですが、小さなトリックを積み重ねて真相を隠蔽する手際はなかなか巧妙だと思った。重厚ではないが、硬質な文体が誘拐ミステリの緊迫性を助長しており物語の雰囲気創りは成功していると思います。書かれた時代を考慮すれば、誘拐ミステリの佳作と言えると思います。

No.2 6点 こう
(2008/09/15 22:09登録)
 製菓会社社長の娘が誘拐され身代金受け渡しの際に現金を運んだ母親が殺され、娘は一向に帰ってこない、というストーリーです。
 土屋作品らしく犯人はすぐわかりますし犯人の見当がつけば動機もあらかた予想がつきます。ただ捜査側の犯人をきめつけた様な捜査は現実的ではないと思います。(他作品も大抵そうですが)また肝心の殺人トリックはお粗末でいくらうまくいった様に説明されても納得いくものではありません。
 また動機の一つは奇抜ではありますが狙いどおりいくかは疑問です。むしろ逆効果になる可能性が強いと思います。
 この作品も現代ではまあまあな印象でした。

No.1 9点 makomako
(2008/09/08 20:46登録)
精緻なトリックと筋肉質の文章で今回再読したときも新しい感銘を受けました。地味な小説だが土屋隆夫の代表作のひとつと思います。

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