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ミステリの祭典

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パメルさんの登録情報
平均点:6.12点 書評数:658件

プロフィール| 書評

No.138 7点 刺青殺人事件
高木彬光
(2017/03/25 01:01登録)
禁断の三すくみ「大蛇丸」「地雷也」「綱手姫」の刺青を彫られた三兄妹の運命は?
密室状態でのバラバラ死体が胴体だけが持ち去られたのは何故か?
事件の陰に暗躍する謎の女の正体は?
とミステリとしてワクワクさせてくれる要素が満載で惹きつけられる
密室殺人事件を隠れ蓑に使った「心理の密室」という二段構えの仕掛けはお見事
残念な点は犯人が早い段階で予測出来てしまい意外性も無いところ


No.137 9点 奇想、天を動かす
島田荘司
(2017/03/20 01:15登録)
消費税12円を請求された事に腹を立てナイフで殺人を犯したとされた老人
この裏には何かあると老人の過去を洗い出し数十年前の奇怪な殺人事件に辿り着く
・走行中の列車のトイレでピエロが拳銃自殺し30秒後に焼失
・列車飛び込み自殺した死体が歩き出す
・赤い目をした巨人による列車転覆事故
このような怪奇現象的なトリック(トリックでは無いものもあるが)も良く出来ていると思うしこれらの現象を一つ一つ解明しつつ犯人は変わりようが無い中動機の真相を追及していく吉敷刑事のカッコ良さが堪能出来る
また「冤罪」という問題も考えさせられる作品


No.136 5点 宿命
東野圭吾
(2017/03/15 12:23登録)
殺人事件は発生するがフーダニット・ハウダニットに関してはこれと言って面白みは感じられない
この作品のキモはホワイダニットと登場人物の関係性
過去の秘密を暴き利用しようとする者と頑なに守ろうとする者との闘い
ミステリ要素は少ないのでそれを期待していると肩透かしを食らうかもしれない
運命のイタズラとはこういう事を言うんだろうと読後には脱力感を覚える


No.135 4点 女相続人
草野唯雄
(2017/03/11 01:09登録)
多額の遺産相続を巡り金に目が眩んだ欲深い人間達があれこれと悪知恵を絞って横取りしようとするさまが楽しめる
半倒叙形式で語られるサスペンスでフーダニットとしては意外性があり驚かされる
ただ現場検証の杜撰さを含め刑事たちの無能さが酷く所々に粗さが目立つ
よくぞこの状況で●●と判断したものだと思わず笑ってしまった
またある人物の証言も呆れて物が言えない状態
これらのような点からも今一つ集中出来ずのめり込めなかった


No.134 6点 リア王密室に死す
梶龍雄
(2017/03/06 01:17登録)
分類的には青春ミステリに属すると思う
多少は男女の恋愛が描かれているが甘ったるさはなく全体的に硬派なイメージ
密室状態での殺人事件はトリックやプロットが充分に練られており本格ミステリとして楽しめる
ただフーダニットとしては真相が見えやすいし動機が釈然としないため読後感はどうもスッキリしない


No.133 9点 白昼の死角
高木彬光
(2017/02/27 01:07登録)
戦後の混乱期で不安定な日本経済の中スケールの大きな手形詐欺を行った天才的悪党の物語
詐欺の手口は鮮やかで舞台設定もよく考えられている
経済事犯では首謀者だったとまでは推定されるが証拠を掴ませない
捜査を進めてもどんな法律を適用しようと思っても巧みに逃げ切る
法律の抜け道・盲点を発見する点は天才的で魅力的
結局は逮捕されてしまうのだが主人公が刑事に最後に言い放った言葉も負けん気が溢れていてカッコ良ささえ感じた
悪い奴だとは思いながらも読後は爽快感さえ残る


No.132 6点 黒猫館の殺人
綾辻行人
(2017/02/22 13:22登録)
記憶喪失になった老人が「自分が何者かを調べてほしい」と冒頭から引き込まれる
読み進めていくうちに「おかしくないか?」と思う記述がいくつかあり違和感を覚えるがどういう事か解読出来ないでいた
ただこれはトリックの伏線になっており真相は壮大なスケールで衝撃度も高い
しかしこのメイントリック以外は今までの館シリーズに比べると館の雰囲気・登場人物の魅力度そして殺人事件の密室トリックも今一つといった感は否めない


No.131 7点 獄門島
横溝正史
(2017/02/15 01:00登録)
小学生か中学生の頃金田一耕助シリーズがテレビで放映しており見た記憶がある(もちろん金田一耕助は古谷一行)個人的には金田一耕助は古谷一行一択です
読み進めていくうちに先が見えてしまうのでは?と心配したが無用だった(記憶力の無さに愕然)
海賊や流刑者の末裔が暮らす瀬戸内海の孤島・陰惨な人間関係や因習・牢獄に閉じ込められた狂人とその三人娘など雰囲気と登場人物は魅力に溢れているし飽きさせない展開力と楽しめる要素が満載
ただ犯人は何故危険を冒してまでも俳句を見立てる殺人を犯したかが明確では無いしこの島の封建的な意識で起こるべき起こったとはいえ殺人動機は納得出来ない


No.130 8点 異人たちの館
折原一
(2017/02/09 11:57登録)
一人称・三人称・インタビュー・作中作・モノローグ等いくつものかたちで描き分けられている
最後の最後に世界がひっくり返るようなどんでん返しというような叙述トリックでは無い
小さな仕掛けがいくつもあり物語は二転三転し(いや四転五転ぐらい?)その度に一体どうなってるんだ?という感覚にさせられ捲るページが止まらない
騙される快感を味わいたいと思っている方は楽しめる作品だと思います


No.129 5点 猟人日記
戸川昌子
(2017/02/03 00:58登録)
主人公のプレイボーイ(死語?)はナンパした女性との性交渉の模様を赤裸々に日記につけている
主人公に恨みを持つ人物は主人公を●●の罪に着せようと企んでいく
後半に入ると逮捕された彼を救うべく弁護士が真相を追及し暴いていく展開
巧妙な罠に嵌り心理的にも追い詰められていく様は引き込まれるが犯人や動機に意外性は少ないし人工的トリックは今一つピンと来ない


No.128 8点 赤の組曲
土屋隆夫
(2017/01/28 11:46登録)
フーダニット・ハウダニットとも十分に楽しめる作品
特に錯覚の心理を巧みに利用したトリックはハウダニットとして完成度が高い
展開されるプロットのどれにも伏線やミスディレクションが仕掛けられている
哀愁漂うラストも素晴らしくロマンティシズムが色濃く出た文学性が高い作品


No.127 5点 交換殺人には向かない夜
東川篤哉
(2017/01/23 19:38登録)
登場人物それぞれが個性的でキャラが立っているユーモア溢れるミステリ
ただ個人的にはこのような軽いタッチはあまり好みでは無いですが
人物・時間・場所の錯誤が仕掛けられており交換殺人が起こることを予告されているにもかかわらず推理する事自体を難しくしている凝った作品
不満な点は●●●人間が●●●いると思う感覚に無理があるところ
真相はどうも釈然としない


No.126 6点 貴族探偵
麻耶雄嵩
(2017/01/19 11:52登録)
五編からなる短編集
貴族探偵と名乗る探偵は全く動かず捜査は使用人に任せ自分自身は女性にデートを申し込んだりしている
情報が集まり次第貴族探偵が事件を解決に導くかと思いきや解決自体も使用人に任せている
この設定自体は面白いし悪くはないのだがその使用人たちの謎解き披露が淡々としていて今一つ盛り上がらないのが難点
「こうもり」はこういう騙し方もあるのかと叙述トリックの新しいかたちを見せつけられた感がある傑作
「嘘は書いてないでしょ」と読者に笑いかけてる作者の顔が目に浮かぶ


No.125 3点 人形館の殺人
綾辻行人
(2017/01/14 11:56登録)
主人公の周囲で怪事件が発生し悪戯もエスカレートしていく
そして過去に自分が犯した罪を思い出せと迫る脅迫状とサスペンス調に描かれ引き込まれる
どうしてこんなに評価が低いのだろうと不思議に思いながら読み進めていった
しかしこれは犯人は誰だろうと推理しながら読んできた自分が馬鹿を見たという典型的な例であった
犯人の真相を●●●●者で片付けられてこれで良しとするならばミステリの定義って何?と言いたくなります


No.124 6点 招かれざる客
笹沢左保
(2017/01/09 16:10登録)
作者のデビュー作
密室での凶器消失トリック・誤認トリック・アリバイ崩し・不可解な暗号そして動機は?と本格推理小説の醍醐味が味わえる作品
殺人事件の有力容疑者が事故死した事により捜査を打ち切りにする雰囲気が漂っていく
そんな中釈然としない警部補が地道な捜査と推理で少しずつ真相を明らかにしていくところが読みどころ
ただあの暗号が読者で解る人はまずいないでしょう


No.123 8点 吸血の家
二階堂黎人
(2017/01/04 13:59登録)
謎の人物が殺人事件の予言を言い残し忽然と姿を消すという魅力的なかたちで物語は始まる
怪しげな伝説に過去の因縁そしておどろおどろしい雰囲気に胡散臭い登場人物とワクワクさせてくれる要素がたくさん詰まっている
密室殺人が三度発生するが特に24年前の雪上での足跡なき殺人トリックの真相は衝撃度が高く十分現実的なところも好印象


No.122 4点 黒い福音
松本清張
(2016/12/28 12:59登録)
序盤から200ページ付近までこれといった事件は発生しない
あるのは救援物資の横流しと麻薬の密輸の噂がチラホラであとは男女の色恋沙汰と退屈
また気に入らない点も多い
盗聴に気付くのが遅すぎるし最後の電話も内容が直接話法になっているのは倒叙法としておかしいし捜査当局の推測にした方が良かったはず
また密輸品における運び屋の選択にも疑問が残るし麻薬と明かす必要は全くなかったと思う
最後も偶然が幸運一方に働いた点も不満


No.121 7点 マレー鉄道の謎
有栖川有栖
(2016/12/20 13:23登録)
作者自身がクリスティーとカーとクイーンを意識して書いたと言っていることから本格ミステリとしての自信作とうかがえる
目張りされた密室にアリバイ崩しそしてダイイングメッセージも盛り込まれている
旅情感もたっぷりで南国リゾート地に訪れた気分になれて寒い時期に読むにはピッタリ
複雑な人間関係の連続殺人事件で細かく張られた伏線がはまっていく様は心地良い
メイントリックの謎が解ると自動的に犯人に結び付くという構図も中々面白い
不満な点は二人で状況を確認しながらの推理が同じ話の繰り返しで堂々巡りしている点
もう少しコンパクトにまとめられたでしょう


No.120 5点 放浪探偵と七つの殺人
歌野晶午
(2016/12/14 01:09登録)
七編からなる短編集で問題編と解決編に分かれており読者への挑戦形式で推理する楽しさが味わえる
倒叙・叙述に犯人当てとバラエティに富んだ作品が楽しめる
また正統派パズラーでフェアに徹している点は好感が持てる
ただ探偵役の飄々としているというか斜に構えているという感じがどうも好きになれないし佳作と駄作の差が激しい印象


No.119 6点 追憶の夜想曲
中山七里
(2016/12/07 15:18登録)
報酬も宣伝効果もない弁護は着手する価値が無いと断言している弁護士の主人公
法外な弁護費用と規格外の法廷闘争で弁護士会からは異端視されている点はカッコ良ささえ感じる
鋼のような強靭なメンタルを持つ主人公は架空の人物と知りながら憧れを抱いてしまうほど魅力的に映る
このような男が絶対に不利な事件であり報酬もあまり期待出来ない弁護を引き受ける理由とは何か?検事との対決そして真実の行方はと読みどころ満載
ただ真相のある部分は個人的にはいただけない

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