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ミステリの祭典

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斎藤警部さんの登録情報
平均点:6.70点 書評数:1360件

プロフィール| 書評

No.60 4点 オランダ靴の秘密
エラリイ・クイーン
(2015/05/29 15:44登録)
結構大人になってから読んだシリーズ第三作。う~~ん、申し訳無いがやっぱり萌える所まで行きません。 再読してみるべきか。。


No.59 5点 フランス白粉の秘密
エラリイ・クイーン
(2015/05/29 13:52登録)
少し大人になってから読んでみたシリーズ第二作。これもガツンとは来ませんでした。こちらのサイトで皆様の論評を読みながら自分でも書いてみてようやく分かったんだけど、どうも私は昔も今もロジックだけじゃさっぱり萌えないようですね。国名でも「エジプト」「シャム」みたいな異様な舞台設定にロジックが絡んで絶妙な化学変化を見せてくれたら、えもいわれぬスリルを感じるんですが。。「フランス」は何だか推理が小綺麗なだけで、さっぱりでした。ローマよりは少し良かった。。。 と思ったんだけど、そういや文字通り最後の最後に犯人の名前が明かされる趣向はけっこう萌えたんだよなあ。それだけで2点加点!


No.58 2点 ローマ帽子の秘密
エラリイ・クイーン
(2015/05/29 13:19登録)
中一の時ね、「エジプト十字架」であれほど熱くなったもんだからそれなりに期待してシリーズ第一作(にしてクイーン処女作)に手を伸ばしてみたんですよ、そしたらこれが眠くて眠くて、何度おふとんの中で寝オチしたか分かりません。でもその悶々としたがっかり感さえも今は美しい思い出ですね。。。。 
しかしそれと採点は別。


No.57 4点 パズル崩壊
法月綸太郎
(2015/05/29 12:51登録)
おぞましい隠し場所トリックの巻頭作『重ねて二つ』は、ちょいとグッと来た。
後は憶えていない。。 薄味過ぎたか。

その昔、本の表題に惹かれて初めて手にした法月作品だったと記憶しております。


No.56 7点 一の悲劇
法月綸太郎
(2015/05/29 11:16登録)
誘拐殺人の被害者は人違い!! いくつかの夫婦・親子にわたる複雑な人間関係と過去の経緯が徐々に明かされ、予断を許さぬストーリー展開の末に明かされる真相は。。 

たまたま、やはり誘拐事件を扱った『慟哭』の読了直後に手を出してしまいました。かの作品ほどの文学的薫りは流石に望めず、ごく軽い気持ちで読み始めたのですが。。 どんどんストーリーが分厚くサスペンス一杯になって行き、息の詰まる結末近くになっても真犯人はそうそう尻尾を出さない。さて私がホンボシと睨んでいた人物は。。 違った! けど意外過ぎてひっくり返る程じゃあない。 「こっちじゃなくて、そっちの方か。。」って思いましたけど。 だけど「実際のところ何が起きていたか」が結構複雑。読み応えありました。

ただ、この印象的・象徴的タイトルが最大限活かされているかと言うと。。 


No.55 7点 慟哭
貫井徳郎
(2015/05/28 17:22登録)
とてもとても悲しい物語。
犯人が誰なのかは割と早くに見えましたが、今回ばかりはいつもの様に「お前がやったんだろう!」とサディスティックな気持ちで「追い詰め読み」する気になれませんでしたねえ。。
仕掛けに気付かず最後の最後で大いに驚きたかった気もしますが
すぐ気付いたからこそ心に響く人間ドラマとして読めた側面もあります。


No.54 10点 五つの時計―鮎川哲也短編傑作集〈1〉
鮎川哲也
(2015/05/28 13:05登録)
五つの時計/白い密室/早春に死す/愛に朽ちなん/道化師の檻/薔薇荘殺人事件/二ノ宮心中/悪魔はここに/不完全犯罪/急行出雲 。。。題名を羅列しただけで溜め息が出る珠玉の本格推理アンソロジー。(創元推理文庫)

鮎川さんとは因縁の雑誌「宝石」に掲載された初期短編群を北村薫師匠が編纂(全二巻の第一巻)。 乱歩先生の筆になるRubric(添書き)も泣かせます。
巻末には有栖川有栖氏/北村薫氏/山口雅也氏による鼎談あり。これもまた愉しい。

思いも寄らぬ角度から一撃も二撃も喰らわす心理的アリバイトリックのお話が中心。
どの作品も完璧過ぎて、逆に勇気が沸いて来ます。 地球に生まれて良かった。。


No.53 6点 三毛猫ホームズの推理
赤川次郎
(2015/05/28 12:11登録)
しまそうを彷彿とさせる豪腕(且つちょっと滑稽)な物理トリックにゃ驚かされたものです。トリックそのものもさることながら「三毛猫ホームズ」なんて名前でいかにもアットホームな雰囲気出しといて最後はそう来るかと。こりゃまさか一種の叙述トリックかと。


No.52 4点 待避線の狼
島田一男
(2015/05/27 12:28登録)
彼の作品に登場する「夏のビール」がまた、実に旨そうで参ります。
急行列車のホームを歩く売り子さんから買う「缶ビール」ならぬ「缶入りビール」は当然プルタブ式。 タブがそこらに散らばると殺人の証拠品になりかねないぜ。
売りに来るような乾きモノはせいぜいピーナッツにスルメくらいだったろうけど(本当か?)そのほどよい制約が心地よさそうなんだなあ、島田チャンの描く昭和30年代は。おまけに殺人やら失踪が絡んで来るんだぜ。

でも作品としては、、中篇ともなるとちょっと間延びしてサスペンスの魔法が持たないかな。
やっぱ島田チャンは短編がいいや。 


No.51 8点 社会部記者
島田一男
(2015/05/27 12:20登録)
賞を獲ってブレイクした頃のこちらの短編集。
江戸落語を思わせる会話文・地の文がとても時代がかった粋を感じさせ、それも新聞記者という忙しいサラリーマン男社会ならではのちょっと野暮の混じった粋なのが、実に堪らない。こういう小説を読んでると、忙しくて薄給でも好きな仕事をやってる奴は幸せそうだなあ、と思います。
同じく短編集「自殺の部屋」なんかと較べて推理小説としては薄味だけど、それすらまた魅力。

午前零時の出獄 /遊軍記者 /新聞記者 /風魔船
(双葉文庫)


No.50 6点 ベンスン殺人事件
S・S・ヴァン・ダイン
(2015/05/27 11:14登録)
(ネタバレ書きます)

定番名作群の後に、いい年になってから読みましたが、何を隠そう面白かったです。この小説は、題名がいきなり妖怪ネタバラシなんですね。。ダブルミーニングと言うか。。私もすぐピンと来ました。題名の仕掛けに気付いてからは「お前が犯人だろう」「お前だろう絶対」と某登場人物を追い詰めるサディスティックな気持ちで愉しく読み進め、数々のペダントリーも折角のお勉強にと律儀に読み拾い、結末は果たして睨んだ通り、あいつが真犯人(ホンボシ)でしたね。。美術評論家さんもお茶目なタイトルを付けたものです。 


No.49 8点 強き蟻
松本清張
(2015/05/27 10:39登録)
資産家の老夫とその死を願う年増妻(まだ若い)を中心に据え、何人もの男と女が暗躍し騙され復讐する、醜い事この上無い打算と愛欲のサスペンス。 意外と爽やかな読中感覚なのは年増妻の愛人である「若旦那」(若くもない)の飄々としたキャラクターが大きいか。 四つ巴、五つ巴の愛欲愛憎絵巻が際限無く膨れ続けるかと思えた所へ不意に投入される新しい登場人物(老夫の自叙伝速記者)の役割は如何。。 手に汗握るシーンも効果的に挿入され、最初から最後まで急転し通しのストーリー展開に翻弄される。
祖父の遺品で読みました。


No.48 4点 門番の飼猫
E・S・ガードナー
(2015/05/26 17:57登録)
この人の本は。。ずらりと並んだ書名を見るとどれも実に興味を唆られるんですが、いざ期待して読んでみるとこれがなかなかに面白くない。スリルとサスペンスが上滑りするというか、どうにも肌が合わないんです。
やはり題名に惹かれるものがあり懲りずに手にしたこの本は、そんな中でも比較的面白めに読み進められたかな。。 愛好するとまで行かずこの点数。


No.47 8点 自殺の部屋
島田一男
(2015/05/26 16:26登録)
夏と言えば島田一男の昭和ミステリー。短編が最高です。
何しろ多作な昭和の流行(うれ)っ子ですからブツは尽きません。安い古本も多い。 

推理小説好きなサザエさんもきっと島田チャンの本は十冊以上読んでた事でありましょう。
そして彼の本によく登場するハスッパな夜のお姐さんや活きのいいブン屋トップ屋連中の言葉を真似て舟さんに「何です、はしたない。」と窘(たしな)められていたのではないかしら。

さて本短篇集、タイトルも刺激的な『自殺の部屋』は島田サンならではの活きのいい会話の転がり具合も愉しいですがどちらかと言うとカッチリした本格推理小説として味わえるハードな小説群と言った色彩。中でも表題作がフーダニット&ハウダニットの意欲作かな。冷気が漂いそうなサスペンスもバッチリだぜ。他の作品も遜色無し。暑さボケした眼がシャッキリ醒めますよ!

蛍光灯 /自殺の部屋 /夜の牙 /たそがれ仁義 /十三号氏の死 /部長刑事(デカチョウ)物語 /南国の夢
(広済堂文庫)

「夜の牙」は裕次郎映画の原作だよな、たしか。


No.46 7点 オリエント急行の殺人
アガサ・クリスティー
(2015/05/26 12:13登録)
幸いにもネタバレ無しで、同じ中学の友達から借りて読んだものです。

(ここから微妙にネタバレ的)
ところが創元推理文庫さんの冒頭惹句の無神経な(?)言葉選びでピンと来てしまったのですね、もしやこれは。。と。 本当にそうなんだろうか。。と緊張感たっぷりに楽しく読めました。となると様々な伏線がいちいちいかにも怪しく見えて、面白かったなあ。でも開けっぴろげ過ぎる手掛かりと言いきめの粗い話の展開と言い、そんな大傑作とまでは思いません。 もう少し真犯人ミスディレクションや、それと直結する詰まったストーリーテリングに心を砕いたらもっと驚愕の、そして深みのある感動の結末になるだろうに、物語の終着駅までまっすぐ飛ばし過ぎなのでは。。 

でも、やっぱり代表作には違い無いですよね。んで子どもにミステリーを勧めるならとりあえずこれとかアレとかは後回しにするのが大人の責任でしょう。 あとこの大ネタは長編小説や映画の中だからこそ活きるんであって、安易に推理クイズに流用するのは大罪の上にアホの骨頂だと思いますよ。 それにしても、何か語らずには通り過ぎられない問題作。 流石、企画の女王アガサです。


No.45 9点 死のある風景
鮎川哲也
(2015/05/25 18:51登録)
第一の現場が阿蘇山頂という出だしの勢いも手伝い、えも言われぬ雄大な謎の雰囲気が魅力的な力作。
事件は三つ。容疑者二人。いくつもの手掛かり、複数のトリックが鮮やかに噛み合う風景を俯瞰する結末は圧巻だ。


No.44 8点 大いなる幻影
戸川昌子
(2015/05/25 16:42登録)
「老嬢館の殺人」。。なんて副題は付いちゃいませんが『館』を舞台とした雰囲気満点の力作です。 旧びた高級アパートメント(女子専用)で繰り広げられる、薄暗~~い、陰鬱としたサスペンスが実に魅力的。。 ですが結末はやや「チャンチャン」の感が。でもやっぱり名作と思う。 小説としては意外と浅い気がするも、ミステリとしてとても愉しく読めました。 表題の意味は、読後すぐに分かります。


No.43 7点 寝台車の殺人者
セバスチアン・ジャプリゾ
(2015/05/25 16:09登録)
昔の創元さんでは猫のマークでしたが、この本のスタイルはむしろ(新?)本格推理じゃないですかね。南仏を走る寝台急行コンパートメント内で若い女性の絞殺屍体が発見されます。警察は同乗者五人(男二女三)を目撃者ないし容疑者として追いますが、追った先から何者かに殺害されて行きます。さすれば、まだ生き残っている同乗者の中に犯人が。。と考えるのが人の常ですが、、となればまたその裏を突きたくなるのがミステリ読みの常ですが、、果たして。。 強力なサスペンスに目くらましされた真相はちょっとした驚き。


No.42 5点 赤後家の殺人
カーター・ディクスン
(2015/05/25 15:18登録)
舞台の雰囲気は素晴らしく良いですよね。。 謎は魅力少なし。 トリックは凡庸。 結末は忘れた。 だけどあの屋敷と部屋の本格ミステリにお誂え向きの華やいで不気味なムードは、今でも鮮やかな記憶として留まっています。


No.41 7点 テニスコートの謎
ジョン・ディクスン・カー
(2015/05/25 14:14登録)
(ネタバレ気味)

「消えた足跡」トリックですが、往路の足跡が無いのはほぼ心理トリック、復路の方は物理トリック、という組み合わせの妙ですよね。 ただちょっと推理クイズみたいな仕上がりです。 でも物語は面白い。

犯人は確かに意外ですが、創元推理文庫さんが冒頭句で「犯人が意外」と言い立てるので、トリックとの連関性も含めてピンと来てしまうかも知れないな。。

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