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ミステリの祭典

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自殺の部屋

作家 島田一男
出版日1976年12月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 6点 ALFA
(2024/11/08 16:31登録)
7編からなる短編集。

表題作を初めとして、ロジックは精緻だしテンポもいい。しかしイマイチものたりないのはなぜだろう。
考えてみると、ここには「刑事部屋」や「社会部記者」では感じた仕事場の匂いがない。刑事や記者達の連帯感やいさかい、タバコや汗の匂い。昭和という濃い時代を背景にした風俗小説風味もこの作者の魅力だったんだ。
なかでは「部長刑事物語」の人情ミステリーが楽しめた。

それにしてもあのコテコテの庄司部長刑事が銀座で私立探偵開業だなんて(笑)

No.1 8点 斎藤警部
(2015/05/26 16:26登録)
夏と言えば島田一男の昭和ミステリー。短編が最高です。
何しろ多作な昭和の流行(うれ)っ子ですからブツは尽きません。安い古本も多い。 

推理小説好きなサザエさんもきっと島田チャンの本は十冊以上読んでた事でありましょう。
そして彼の本によく登場するハスッパな夜のお姐さんや活きのいいブン屋トップ屋連中の言葉を真似て舟さんに「何です、はしたない。」と窘(たしな)められていたのではないかしら。

さて本短篇集、タイトルも刺激的な『自殺の部屋』は島田サンならではの活きのいい会話の転がり具合も愉しいですがどちらかと言うとカッチリした本格推理小説として味わえるハードな小説群と言った色彩。中でも表題作がフーダニット&ハウダニットの意欲作かな。冷気が漂いそうなサスペンスもバッチリだぜ。他の作品も遜色無し。暑さボケした眼がシャッキリ醒めますよ!

蛍光灯 /自殺の部屋 /夜の牙 /たそがれ仁義 /十三号氏の死 /部長刑事(デカチョウ)物語 /南国の夢
(広済堂文庫)

「夜の牙」は裕次郎映画の原作だよな、たしか。

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