home

ミステリの祭典

login
いいちこさんの登録情報
平均点:5.68点 書評数:574件

プロフィール| 書評

No.454 6点 十字屋敷のピエロ
東野圭吾
(2021/03/26 13:25登録)
毀誉褒貶がわかれるであろうが、野心的な取り組みが一定の効果を発揮しており、好意的に評価したい


No.453 4点 女囮捜査官 2 視姦
山田正紀
(2021/03/26 13:23登録)
犯行の態様が全体としてリアリティを欠き、捜査のプロセスも合理性を欠いている等、高く評価することはできない


No.452 4点 人間の証明 21st Century
森村誠一
(2021/03/26 13:19登録)
リアリティに乏しく、凡作の域を出ない


No.451 8点 模倣犯
宮部みゆき
(2021/03/26 12:53登録)
力作であり、よく書けている点は、掛け値なしに認める。
ただ、犯行計画にフィージブルでない、ご都合主義的な点が見受けられる点、犯人の行動が犯行動機に対して合理性を欠く点が見受けられ、その点を減点


No.450 6点 終りなき夜に生れつく
アガサ・クリスティー
(2021/01/04 10:50登録)
一人称での叙述も含めて、よく考えられた作品ではあるのだが、騙しの手数が少なすぎる。
この舞台設定・登場人物であれば、読者が客観的・合理的にさえ考えれば、この真相に辿り着いてしまう。
演出の工夫次第で、より大きなサプライズを生み出せたように感じる点で、もったいない作品


No.449 3点 寝台特急(ブルートレイン)殺人事件
西村京太郎
(2021/01/04 10:49登録)
これは厳しい。
正直に言って好意的に評価できる点がない。
特に犯人がこれほどに大掛かり、かつリスキーな犯行計画を策定してまで、寝台特急での犯行にこだわる合理的な理由が見当たらない点は最大の問題。
本作プロットの根本的な欠陥と言わざるを得ない。
犯人が初手から半ば特定されているにもかかわらず、犯人が唐突に自供を開始して真相が解明するというプロセスもいただけない。
3点の最下層


No.448 6点 ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女
スティーグ・ラーソン
(2020/12/28 16:01登録)
「未解決殺人事件の解明」と「ヴェンネルストレムの打倒」が本作の骨格を形成している訳だが、それらが有機的に連結しておらず、プロットの完成度は至って低い。
結果として、前者を描いた長編作品に、後者を描いたサイドストーリーを追加したかのような構成となっており、そもそも作品の構想自体に大きな欠陥が存在。
また、前者は犯行を解明するプロセスがほぼすべて犯人の自白であり、後者は相手のPCを丸ごとハッキングするという、ほとんど冗談としか思えない展開。
中盤あたりまで読者をグイグイと引き込んでいく、筆力の高さは抜きんでており、その点では確実に楽しめるが、それを最大限に評価しても、ミステリとしては及第点の域を出ない


No.447 5点 戦争の犬たち
フレデリック・フォーサイス
(2020/12/11 20:28登録)
襲撃を準備するプロセスにおけるペーパーカンパニーの創設、武器・船舶の調達等に関する描写があまりにも冗長で、ジェームズ・マンソン卿の娘とのエピソードも、その必然性が感じられない。
それが結果として筆者の持ち味であるサスペンスを著しく殺いでおり、ラストシーンも強い感慨を残すものではない。
筆力の高さはさすがだが、これまでに読了した「ジャッカルの日」「オデッサ・ファイル」には遠く及ばない


No.446 5点 殺しのコツ、教えます
蒼井上鷹
(2020/12/11 20:27登録)
趣向・作風ともに好感が持てる作品だが、その骨格は至って軽量コンパクトであり、これ以上の評価は難しい


No.445 6点 王とサーカス
米澤穂信
(2020/11/17 17:51登録)
ジャーナリズムのあり様に対する問題認識には賛同できるが、それとミステリとしてよくできているかどうかは別の話。
非常に世評の高い作品であるが、1個のミステリとして評価すると、この程度


No.444 2点 新・寝台特急殺人事件
西村京太郎
(2020/11/17 17:44登録)
E-BANKERさんの書評のとおり。
ミステリとは言えないし、サスペンスと解しても最低ランクの評価にならざるを得ない


No.443 7点 カササギ殺人事件
アンソニー・ホロヴィッツ
(2020/11/05 08:49登録)
高い構想力を感じる意欲的な作品であり、一定のサプライズを演出できているものの、ご都合主義と推理プロセスにおける論理性の欠如が目に付く。
7点の下位


No.442 4点 あいにくの雨で
麻耶雄嵩
(2020/10/20 19:20登録)
そもそも本作を執筆した趣旨・意図が不明。
ミステリとしての本質・骨格を考えれば、高い評価を献上することはできない


No.441 5点 片眼の猿
道尾秀介
(2020/10/20 19:18登録)
社会正義の王道を往くテーマ設定だが、裏を返せばそれだけの作品。
ミステリとしても、ミスリードとしても、物足りなさが強く残り、5点の最下層


No.440 6点 屍人荘の殺人
今村昌弘
(2020/10/20 19:17登録)
意欲は買うし、特殊過ぎる舞台設定は目を瞑ってもいいのだが、犯行のフィージビリティが低すぎる点を大きく減点して、この評価


No.439 4点 探偵が早すぎる
井上真偽
(2020/05/06 17:14登録)
本作の立ち位置は理解しているが、これは私が著者に期待している方向性ではない。
着想のオリジナリティこそ買うものの、それだけの作品。
推理プロセスに論理性が皆無というつもりはないが、過去の作品で見せた著者のポテンシャルを考えれば、本格ミステリとして評価すべき点は何もない。
全体として2時間テレビドラマの平均水準を超える点がないと批判的に評価したい


No.438 7点 オデッサ・ファイル
フレデリック・フォーサイス
(2020/03/17 17:52登録)
緻密な取材に基づく壮大なプロット、巧みな叙述、清々しい読了感を残すラスト等、すべてが一級品と言える大作。
主人公に課せられた任務の重要性を考えると、その行動に軽率さが散見される点は減点であり、また全体として処女作「ジャッカルの日」には及ばないものの、一読の価値のある佳作


No.437 7点 災厄の町
エラリイ・クイーン
(2020/02/09 16:49登録)
真相判明時におけるプロットの反転の鮮やかさは高く評価する。
評価するのだが、3通の手紙の存在とか、妻の訪問と滞在とか、とにかくご都合主義的な舞台設定が鼻に付くのは如何ともしがたい。
作品全体に中弛みの印象が強く、これだけのボリュームが必要であったかどうかも疑問。
世評の高い作品だが、これ以上の評価は難しい


No.436 5点 皇帝と拳銃と
倉知淳
(2020/01/25 18:15登録)
2人の探偵の人物造形は奇をてらっているものの、魅力に乏しく、奏功しているとは言い難い。
各短編のロジック・トリックは堅実である反面、全体にインパクトが小さく、サプライズを演出できていない。
最終話の真相は、作品中盤で察することができるレベルであり、完全に想定の範囲内。
全体として悪い作品ではないものの、一読の価値がある水準には達しておらず、5点の下位


No.435 6点 スウェーデン館の謎
有栖川有栖
(2020/01/21 17:38登録)
足跡のトリックは、フィージビリティにこそ難があるものの、シンプルで鮮やかな斬れ味を評価。
折れた煙突の謎は、あまりにもシンプルで身も蓋もない真相だが、だからこそリアリティは強い。
真犯人は、本作のプロット・人物造形から、まるで意外性がなく、サプライズの点で強く物足りなさが残る。
以上、作者らしさが発揮された硬質な作風で、突出した美点はないものの、水準以上に達していると評価

574中の書評を表示しています 121 - 140