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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1696件

プロフィール| 書評

No.136 7点 湖底のまつり
泡坂妻夫
(2012/02/03 18:09登録)
夢落ち?幻想?と危惧しながら読みましたが、しっかりと騙されました。泡坂作品は「しあわせの書」しか読んでいませんが、作風が全く違う感じがして驚きました。本作品の方が全然好みです。現実味云々については、超自然現象、幻想、二重人格を扱ったミステリーよりもよっぽどリアリティがあると思いました。


No.135 9点 この闇と光
服部まゆみ
(2012/02/02 09:50登録)
失脚した王と盲目のレイア姫の物語が、一気に反転するのは見事で、好きなタイプの作品です。後半は若干尻すぼみの感は否めませんが、不思議な世界へ引き入れられました。盲目の少女にボッティチェリの「春」(私のお気に入りの美しい絵で愛を表現しているらしい)を教えるシーンが印象に残りました。

(2016.8再評価。「闇の中に在って、世界はなんと美しく輝いていただろう!」という文章を目にし感動。再評価へ。当時はトリック最重視で、他の部分には目もくれずといった感じでした。今回、ネタバレサイトなどを読み新発見が多数ありました。前半に伏線がかなりの量でばらまいてある(ミステリー通)。後半の簡略化は「闇」を引き立たせるためのもの(文学少女?)。etc。再評価の決め手は、前述の文章とラスト二人の会話でした。当初、どんでん返しに驚き、二人の会話など気にもとめなかった(苦笑)。


No.134 5点 女王国の城
有栖川有栖
(2012/01/31 21:03登録)
長編なので、やや盛り上がりに欠ける感がありました。事件とは別に、教団側の謎の行動、江神部長の謎の行動が背後にあったのですが、その真相があきらかになってもあまり驚きはありませんでした。題名から女王の活躍?を期待し過ぎたのでしょうか、淡々として事件が起こり、淡々として解決との印象を受けました。


No.133 6点 紅楼夢の殺人
芦辺拓
(2012/01/30 09:10登録)
登場人物が多過ぎ、途中でギブアップ(笑)。中盤からはメイン2名となり、なんとか読了。メタとかアンチとかよく解りませんが、それに分類されるらしい。それがすばらいいと感心するかといえば、そうでもありませんが、一つのアイデアとしては面白いと思います。全体に流れる雰囲気は良かったと思います。


No.132 5点 転落
永嶋恵美
(2012/01/30 09:09登録)
「10年に1冊の戦慄ミステリー」の帯に魅かれましたが、ミステリーというより女性心理サスペンスでした。内在する悪意をうまく描写していると思いました。


No.131 10点 アクロイド殺し
アガサ・クリスティー
(2012/01/27 16:24登録)
(再読)今では本作をアンフェアという人はいないと思っていたら、この書評を読んで、何人かいらっしゃるのでびっくりしました。歴史的観点(万人が認めているという意味)から、独創的なアイデアは秀逸であると思います。犯人を覚えていたにもかかわらず、大変面白く、最後まで一気に読むことができました。さすがクリスティーとの感をあらためて強くしました。


No.130 4点 有限と微小のパン
森博嗣
(2012/01/26 18:17登録)
途中までは面白かったのですが、最後の真相には、かなりがっかりしました。「F」が気に入っていたので、期待し過ぎたのでしょうか。シリーズ最終?何もかもが中途半端なような結果で残念です。


No.129 5点 パーフェクト・ブルー
宮部みゆき
(2012/01/25 20:13登録)
デビュー長編とのことで、ミステリー度に期待しましたが、やはりそれほどでもなかったというのが感想です。


No.128 4点 誰か Somebody
宮部みゆき
(2012/01/25 20:12登録)
作風なのでしょうか、物語が淡々と進み、盛り上がりに欠ける感じを受けました。


No.127 7点 ふたたび赤い悪夢
法月綸太郎
(2012/01/23 11:30登録)
「頼子のために」の続編で、法月綸太郎の苦悩を描いた作品。ミステリーというより、「苦悩」「親子関係」「人間の性」を事件に絡めて描いたような気がします。読みごたえはありました。


No.126 6点 燃える地の果てに
逢坂剛
(2012/01/22 21:12登録)
冒険小説?の割に緊迫感・スピード感がないので、途中でだらけそうになり、自分には合わないと感じました。同様に最後の驚きも、ほとんど伏線がないので「ああ、そうだったの」で終わってしまいました。一番気になるのは、主人公が怪我をしたにも拘わらず無頓着すぎるということです。最終行は、その無頓着さが原因で、効果が発揮されず心に響いてきませんでした。物語の構成と筋は面白いと思いましたが・・・。


No.125 6点 青の炎
貴志祐介
(2012/01/21 15:49登録)
17歳の高校生が計画した完全犯罪という設定なので、甘さと穴ばかりあるのは致し方ないと思います。完全犯罪小説というよりは、青春小説として読んだ方がよいと思います。


No.124 8点 Yの悲劇
エラリイ・クイーン
(2012/01/20 17:40登録)
(再読)松本清張氏の「潜在光景」(「影の車」に収録)を書評し、ふと同様なテーマを思い出しまた。もう40年も前で、ほとんど内容は記憶に残っていませんが、本作はたしかテーマが同様な記憶がかすかにあり、再読となりました。本作のテーマは、ミステリーのトリック(あるいはオチ)でマイベスト5に入るもので、やはり古典の名作である感を強くしました。しかし、登場人物の狂気・異常性をあまり感じられなかったので、満点ではなくこの評価としました。


No.123 2点 完全なる首長竜の日
乾緑郎
(2012/01/20 17:38登録)
第9回「このミス」大賞受賞作品。解説に「まったく意見の合わない四人が満場一致した傑作!」とありますが???。ミステリー・サスペンス感は、ほとんどなくラストへ。自分的には、好きな荘子の「胡蝶の夢」をテーマとしている点で若干救いがあった程度でした。本文中「マグリットの絵は、ダリやピカソとは趣が違い、作中に描かれているもの一つ一つは写実的だが、・・・」とありますが、マグリットとダリはシュールリアリズムの代表格で趣は同じはずですし、ダリも写実的なのですが・・・と難癖をつけたくなりました。


No.122 7点 りら荘事件
鮎川哲也
(2012/01/18 18:50登録)
細かいトリックの積み重ねで、読みごたえはありましたが、緊迫感がやや欠けていたと思います。物足りないものは美人の登場がなかったことでしょうか、やはり「華」がありません。作中ではいろいろの「花」はでてきたのですが・・・。(美人の登場うんぬんについては、解説に著者談がありましたが)


No.121 4点 細い赤い糸
飛鳥高
(2012/01/18 18:49登録)
ミッシングリンクものは、どういう繋がりがあるのかと期待させる割に、答えがかなり単純であることが多く、驚きが少ないものです。本作も例外ではありませんでした。ただ日本では最初?の試みなのでしょうか?なお、第4章が「蟷螂の斧」で私のニックネームと同じでニヤッとしましたが・・・。


No.120 6点 雪密室
法月綸太郎
(2012/01/17 08:41登録)
法月綸太郎シリーズの第1作目。プロローグからミスリードがあり、これに翻弄されてしまいました。雪の密室自体にそれほどの大胆さはありませんでしたが、しっかり本格していると思います。父親の法月警視の苦悩も、よく描かれています。この点が「一の悲劇」や「頼子のために」に続いていったのだと感じました。


No.119 4点 彼女は存在しない
浦賀和宏
(2012/01/17 08:39登録)
題名と裏表紙の多重人格で答えが解ってしまいますので、ミステリーとはいえません。内容もたびたび題材になっているもので、新鮮さも感じられませんでした。


No.118 6点 死体を買う男
歌野晶午
(2012/01/15 10:37登録)
作中作で過去と現在が入り乱れ、複雑な展開となっています。ラストの方は、頭を整理してからでないと、題名「死体を買う男」の意味を理解するのに時間がかかります。


No.117 5点 長い家の殺人
歌野晶午
(2012/01/15 10:36登録)
著者のデビュー作。プロローグからミスリードしますよと力が込められているのが初々しいです。トリックは、題名から推測されやすいと思いますし、またA7のコードに関するメッセージはかなり苦しい感じがしました。しかし、本格へ取り組む姿勢みたいなものは感じることができました。

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